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ジャイール・メシアス・ボルソナーロ: Jair Messias Bolsonaroブラジル・ポルトガル語: [ʒaˈiʁ meˈsi.ɐz bowsoˈnaɾu]1955年3月21日 - )[2]は、ブラジル予備軍人政治家。第38代大統領(2019年1月1日就任)[3]

ジャイール・ボルソナーロ
Jair Bolsonaro
2019 Solenidade de Assinatura da MP para Confisco de Bens de Traficantes.jpg

任期 2019年1月1日 – 在任中
副大統領 ハミルトン・モウラン英語版

任期 1991年2月1日2018年12月1日

任期 1989年 – 1991年

出生 (1955-03-21) 1955年3月21日(64歳)
ブラジルの旗 ブラジル サンパウロ州グリセーリオ
政党 キリスト教社会民主党 (1989–1993)
進歩党 (1993)
ブラジル進歩党 (1995–2003)
ブラジル労働党 (2003–2005)
民主党 (2005)
進歩党 (2005–2016)
キリスト教社会党 (2016–2018)
社会自由党 (2018–現在)[1]
出身校 アグーリャス・ネーグラス軍事学校
配偶者 ミシェレ・レイナード・ボルソナーロ
子女 フラヴィオ・ボルソナーロ
カルロス・ボルソナーロ
エドアルド・ボルソナーロ
レナン・ボルソナーロ
ローラ・ボルソナーロ
署名 Jair Bolsonaro signature.jpg
ジャイール・ボルソナーロ
Jair Bolsonaro
所属組織 ブラジルの旗 ブラジル陸軍
軍歴 1971–1988
最終階級 Capitão.png 大尉
除隊後 政治家
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サンパウロ州グリセーリオ出身。思想は極右とされ[4]、ブラジルの下院議員を第7期を務めた。「ブラジルのトランプ」、「ブラジルのドゥテルテ[5][6]「トロピカル・トランプ熱帯のトランプ)」と呼ばれている[7]。政策的には労働者層の支持を取り込んで当選したトランプやドゥテルテとは異なる点が多く、むしろ軍政の再評価、新自由主義緊縮財政、極端な反共主義という観点からはチリの軍政独裁者であるピノチェトとの相関性がうかがえる。

2014年、総選挙で有権者の6%(464,000票)の支持を集め、最多得票率でリオデジャネイロ州から下院議員に選出された。2017年、FSB研究所によってソーシャルネットワークで最も影響力のある議員とされた[8]。2018年1月、社会自由党(PSL)へと移党[9]、1989年にはじめて市議員に選出されて以来、ボルソナーロの政治キャリア上での第9番目の政党との提携を発表した。

ボルソナーロの3人の息子、カルロス(進歩党(PP)、リオデジャネイロ市議会議員)、フラヴィオ(社会自由党(PSL)、リオデジャネイロ州議会議員)とエドアルド(社会自由党(PSL)、サンパウロ州選出の下院議員)はいずれも政治家である[10]

1964年のカステロ・ブランコ将軍による軍事独裁政権を支持し[11]、国家主義と保守的な政治スタンスで有名になった[12]

拷問の法的正当化[13]、LGBTの権利に対する反対[14][15]、およびその他の論争をよぶ発言から、約30件近い告訴と3件の判決をうけた[16]。彼の政治的立場は、一般的には「極右」として分類される[17][18][19]

2018年10月7日、大統領選挙の第1回目投票において46.03%パーセントを取得の票を獲得し[20]、労働党フェルナンド・アダジ(29.28%)候補と共に決選投票に進んだ。ボルソナーロはアダジに対して優位に決選投票を進め[21]、10月28日の決選投票で当選した[22][23][24]

目次

概要編集

 
ボルソナーロと2人の息子(1980年代)

ジャイールの父ペルシ・ジェラルド・ボルソナーロ(Perci Geraldo Bolsonaro)と母オリンダ・ボントゥリ・ボルソナーロ(Olinda Bonturi Bolsonaro)はイタリアドイツに先祖をもつヨーロッパ系移民である[25]

3回結婚し、5人の子供を持つ。最初の妻ロジェリアとフラヴィオ、カルロス、エドアルドの3人の息子、2番目の妻アナ・クリスティーナと息子レナン、3番目の妻(現在の妻)ミシェレと唯一の娘ローラを儲けている。

2007年初め、ウビアリ副議長の秘書役を務めていた現在の妻ミシェレと出会う。 ジャイールは進歩党(PP)で指導的な地位を保持したのち、彼女を事務室秘書に任命したが、連邦最高裁判所は、行政の第3段階までの親族の雇用が禁じられているとし、ミシェレは職を罷免された[26]

ジャイールは政治に専念する以前、ブラジル軍のパラシュート部隊だった[27]

下院において、外交、国防、公共安全、組織犯罪と人権とマイノリティに関する責任者[28][29]だったが、女性議員に、「わたしはあなたを強姦しないだろう。なぜなら、あなたはそれに値しないから―」と暴言を吐き、罰金刑を科せられた。 また、自分自身の家族が男女混合であることについて以下のように説明している。

「わたしには5人の子供がいるが、 最初の4人は男ができ、最後に力が弱まって女の子になった」[30]

2014年の総選挙では有権者の6%(464000票)が支持し、リオデジャネイロ州の下院議員で最も得票した[31]。キリスト教社会党(PSC)に加入ののち党指導部と対立し、大統領選挙に立候補をにらんで、2017年に国民エコロジーの党(PEN)へ入党するための準備を開始した[32][33][34]。現在は社会自由党(PSL)に所属している[35]

2018年9月30日、ブラジル各地および世界の都市で数十万人規模の「反=ジャイール・ボルソナーロ」デモがおこなわれた。

掲げられたスローガン「Ele não(彼はノ―だ)」の下、SNSを通じてつどった人々は大多数が女性で、彼のこれまでの演説でのミソジニー(女性蔑視)やホモフォビア(同性愛嫌い)、人種差別主義を批判、拒否反応を示した[36][37]。デモはブラジル国内だけで80以上の街でおこなわれ[38]、とりわけ反=ボルソナーロの中心となっているサンパウロでは20万人以上もの人を集めた。さらに国外でもドイツフランスアルゼンチンアメリカのみならず、モザンビーク南アフリカにまでデモの波は及んだ[39]

改革進歩党ー PPR(1993-95)、ブラジル進歩党―PPB(1995-2003)、ブラジル労働党―PTB(2003-2005)、民主党―PFL(2005)、進歩党―PP(2005-2016)、キリスト教社会党―PSC(2006-2017)に加入した。

ボルソナーロは極右政党であるPRONAに加わることを考えていた。彼は民族主義的で保守的なアイデアと、共産主義と左派に対する彼の批判で知られるようになった。 1960年代のブラジルの軍事独裁政権の時代を公然と擁護しているが、その復権は主張していない。ブラジルの大統領選挙では2018年に社会自由党(PSL)の候補者となった。

軍隊時代編集

 
1986年のボルソナーロ氏。

兵役経験編集

 
ジャイールと両親、オリンダとペルシ。アグーリャス・ネーグラス軍事学校(1974年)

ボルソナーロは陸軍士官学校を卒業後[40]、1974年にアグーリャス・ネーグラス軍事学校に入学した。ボルソナーロは1977年に卒業した。1979年から1981年まで、マット・グロッソ・ド・スール州のニオケの第九野戦砲兵連隊に所属したのち、リオデジャネイロ州のパラシュート歩兵旅団に参加する[41]。1983年、彼は軍体育学校で体育の訓練を受け、教師となり、歩兵旅団を退団する。

1980年代にブラジル軍によってつくられた秘密文書には、「財政および経済への過度の野心」を[42]持つ人物だと評されている。

軍時代、ボルソナーロの上司カルロス・アルフレッド・ペレグリーノ( Carlos Alfredo Pellegrino)大佐の評。

ボルソナーロはいつも大尉たちのあいだで指導的役割を取ろうとして、反対にあっていた。そのわけは同僚への攻撃的な扱いだった。彼の主張には、論理と合理性とバランスが欠けていた。

カルロス・アルフレッド・ペレグリーノ大佐

逮捕編集

1986年9月3日、第8砲兵連隊パラシュートキャンペーンで主将を務めていたとき、雑誌Vejaに軍人の低賃金を批判する記事を書き、15日間逮捕された。

ボルソナーロにとっては、記事の問題とされた士官候補生の縮小は、一般的な意味で「低い給与[43]」によるものであり、それは「行動の逸脱」ではなかった。

彼の上司がボルソナーロにとった態度は、国家シークレット・サービス(SNI)長官のジョアン・フィゲイレド(João Figueiredo)、国家安全局長官を務めたニュートン・クルーズ(Newton Cruz)将軍を含み、積極的な事前配慮にもとづく反応(逮捕)へとつながった。

ボルソナーロは、軍事工学研究所(IME)の役員と妻の支援にくわえて、全国各地から約150ものの電報を受け取り、リオデジャネイロのプライア・ヴェルメーリャの軍事複合施設の前でデモンストレーションを行なった[44]。結局、連邦軍事高等裁判所で無罪宣告を受けた[45]

ベコ・セム・サイダ作戦編集

1987年10月27日、ボルソナーロは「ベコ・セム・サイダ作戦」をVeja誌の女性記者カシア・マリアに伝えた。

当時ボルソナーロは給与改善を支持していた[46]。作戦はレゼンデやリオデジャネイロ、ほかの場所のいくつかの軍兵舎のバスルームで低威力の爆弾を爆発させ、低賃金に対して抗議をするというものだった[47]。さらにボルソナーロは、リオデジャネイロの自治体に水を供給するバイショ・グァンドゥのダクトに爆弾をおく計画も描いていた。Veja誌はその資料を陸軍大臣に届け、4ヶ月の調査ののち、報告書は正しいと結論づけた。1986年、ブラジル民主主義復帰1年後、リオデジャネイロでの兵力を用いたダクトおよび兵舎襲撃計画の咎で逮捕された[48]

事件は連邦軍事高等裁判所(STM)に届けられた。 1988年6月、裁判がおこなわれ、裁判所はシルバロ大尉とボルソナーロの弁護を受け入れた。それによれば、陸軍警察によって専門家報告がなされた証拠は、筆跡の比較を許さないという点において不十分であった。のちになって、この裁判そのものはボルソナーロの手書きを確認した連邦警察によって否定されることになった。 いずれにしても、連邦軍事高等裁判所は2人の士官を無罪にし、その士官は陸軍幹部に残った。

1988年、ボルソナーロは予備軍へゆき、「大尉」の称号を取得し、同年にリオデジャネイロの議員と選挙戦を繰りひろげ、政治キャリアを開始した。

政治キャリア編集

 
ボルソナーロはリオデジャネイロの市議員(1990年)

1989年、ボルソナーロはキリスト教社会民主党の「リオデジャネイロ市(州ではない)」の市議員として公的生活にはいった。

1990年の選挙から4年の任期で同じ政党の連邦議員になった。改革進歩党ー PPR(1993-95)、ブラジル進歩党―PPB(1995-2003)、ブラジル労働党―PTB(2003-2005)、民主党―PFL(2005)、進歩党―PP(2005-2016)、キリスト教社会党―PSC(2006-2017)に加入した。

ボルソナーロは極右政党であるPRONAに加わることを考えていた。彼は民族主義的で保守的なアイデアと、共産主義と左派に対する彼の批判で知られるようになった。 1960年代のブラジルの軍事独裁政権の時代を公然と擁護しているが、その復権は主張していない。.ブラジルの大統領選挙では2018年に社会自由党(PSL)の候補者となった。

選挙パフォーマンス編集

2010年の選挙では、リオデジャネイロで約12万投票を得、11番目に投票数を獲得した連邦議員だった。 そのキャリア前期において警察の最低賃金を保障する「PEC300」の承認などで際立っていた。下院議会でのブラジル軍の非公式代表であると同時に軍人の賃金の修正を擁護している。2014年に再選され、リオデジャネイロ連邦議会議員の投票で464,572票を獲得した。

2017年2月2日、3度目の下院議会の議長選に立候補し、4議員の票しか得られずに敗れた。  2005年と2011年にも立候補しているが、いずれも落選している。

政治姿勢編集

 
ボルソナーロと議員(2009年)
 
ボルソナーロ(2010年)
 
流行りのハートマークをつくるボルソナーロ(2014年)

ボルソナーロは約25年もの間、中断されがちな議会において2件の法案と1件の修正案の承認を果たした。

電子投票箱に投票の横に「領収書」を発行する憲法改正案、コンピュータ製品の工業化製品(IPI)に対する免税の恩恵を拡大する法案、およびホスホエタノールアミン(エタノールアミンリン酸)の使用を認める法案[49][50]である。

ボルソナーロの提示する電子投票の改正案は、たとえシステムが定期的にテストされていてもブラジルと同じ技術を使用している国が「世界にはない」ため、電子投票の詐欺を避けるために証明書を印刷することはブラジルの電子投票箱が信頼できないことを暗示している[51][52]。最高選挙裁判所(TSE)によれば、公的資金に約18億レアルの追加費用を生み出す[53]。ボルソナーロは右翼理想を持つため「差別」に苦しんだことについて、他の議員から十分な支持を得ていないと主張、修正案の承認を正当化した[54]

軍縮規程の廃止を支持し、地主は「土地なし農民運動(MST)[55]」の侵入を防止するために「銃を持つ権利」があると主張している[56]。さらに、刑罰制度を進めるために強姦罪で有罪を宣告された受刑者たちに、「自発的な化学去勢」を可能とする法案を提出した。

ボルソナーロは公に同性愛を非難し、同性愛者のカップル、子供の同性結婚や養子縁組などLGBTの人々の権利を付与する法律の施行、性転換のための民事登録の変更に反対している[57]

ドラッグの合法化反対主義者。2011年4月のCQCテレビの番組インタビューで、もしあなたの息子が薬物使用者であった場合、どのように反応するかという質問に対して、以前の答えを繰り返した。

「大量に与えるね。間違いなくそうするだろう[58]

この下院議員はまたアフロ・ブラジル人への積極的な承認姿勢にも同意しない。 2006年には公立大学におけるクォータ政策の策定に対する抗議として、ボルソナーロは議会の補完的な法案を提示し、黒人と混血の代議員のための割当量の設定を提案した[59]

いくつかのインタビューでは、ボルソナーロは計画的な犯罪の場合、ブラジルの「死刑制度」復活への好意的な立場を示している[60]。「犯罪者は彼が恐れるものだけを尊重するのだ[61][62]」と彼は述べている。また、2008年には刑法の大部分の削減を支持するリオデジャネイロで唯一の下院議員であり、非致命的兵器の使用を拡大する法案に反対した[63]

2000年、ボルソナーロはISTOÉ紙とのインタビューで計画的犯罪の場合の即決裁判、麻薬密売、誘拐の場合の拷問の使用を擁護した[64]。ボルソナーロは「その目的は口を開けた顔をつくること」、「口を割らせて、マウスピース(証言)をもぎ取るためだ[65]」と述べ、その正当化をした。 さらに「検閲」も擁護しているが、それがどのようなタイプの検閲なのかは特定していない[66]

これらの言明にもかかわらず、最近になってボルソナーロはこれまで拷問に肯定的だったことはないと断言した[67]

TVのインタビュー番組[68]で  ボルソナーロは軍警察と市民警察の統一に関するボルソナーロの意見について疑問を呈した。これに対してボルソナーロは、「市民警察にはその役割が、軍の警察には別の役割がある」、「もし警察が統一されればそれぞれの制服が取り除かれる」とし、「そこには無限の問題がある」と述べた[69]

ボルソナーロは、21歳以上の希望者のために卵管結紮手術および精管切除手術(避妊手術)をおこなうための「統一医療システム(SUS)」を提供する憲法改正案(PEC)の立案者だった。ボルソナーロは多くの貧困家庭は経済的事情からこのような手術がおこなえず、それが理由で家族計画を行うことが困難であると主張した[70]

2016年、「腐敗に対する10の措置」に対抗して立案した[71]が、「オペレーション・カーウォッシュ」に関与している当事者や議員が中心になって改正された改正案は、不法資金犯罪を赦免するためのものだった[72]

10月、議会議員は連邦最高裁判所(STF)によるVaquejada(カウボーイの馬を使ったスポーツ)の解放を支援するため、ブラジリアでのイベントに参加した[73]

2017年、連邦裁判所はボルソナーロにリオデジャネイロでのイベントでのアフリカ系民族に対する人種差別的な発言の咎で50,000レアルの罰金(16,000ドルを超える)の支払いを命じる判決を下した。

しかし数日後、ボルソナーロは「黒人は繁殖する役割ではない」と述べた[74]

その年の8月、同じように左派労働党(PT)のマリア・ドゥ・ロザリオ下院議員に10,000レアルの支払いを命じる判決が下された。この女性はボルソナーロの様々なメディアのインタビューに飛び入り、若い夫婦を誘拐し、レイプして殺した16歳の少年、 "シャンピニャ"の行動を非難した[75]

インタビューが中断している間、マリア・ドゥ・ロサリオ下院議員はボルソナーロが強姦擁護派であると非難した。それに対しボルソナーロは「彼女(マリア・ドゥ・ロザリオ)はレイプされるに値しない。なぜなら彼女は醜いからだ。私のタイプじゃない。私は強姦魔ではない。強姦魔だったとしても彼女をレイプしない。それに値しないからだ」と述べた[76][77][78][79]

外交面では在イスラエル・ブラジル大使館をエルサレムに移転すると発表している[7]

大統領就任後編集

2019年1月1日、ボルソナーロはミシェル・テメルにかわって共和国大統領に就任した[80]

大統領就任以前から組閣人事をはじめ、経済学者パウロ・ゲデス(英語版)を経済大臣に、マルコス・ポンテス宇宙飛行士を科学技術大臣に選んだ[81]。当初、ボルソナーロは内閣が15人の閣僚で構成されるだろうと見積もっていたが2018年12月に最後の大臣であるリカルド・サレスを発表したときにはこの数字は22人になっていた。ちなみに、前任者であるテメルの元内閣は29人の閣僚を擁していた[82]

ボルソナーロ内閣は16人の閣僚、2人の閣僚級の地位、および首席補佐官オニキス・ロレンゾーニを含む4人の大統領秘書らによる22人で構成されている[83]。そこには、法務大臣としてオペレーション・カーウォッシュの主任裁判官のセルジオ・モロも含まれている[84]

ボルソナーロは先住民地域の所轄権限から先住民機関FUNAIを取り除き、地域は非常に小さな孤立した人口で占められており、実質的にNPOに支配されていると主張した上で、より大きなブラジル社会に統合することを提案した。批評家たちは統合が原住民を「文化的同化」に苦しませることにつながると恐れている[85]

アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領はボルソナーロがブラジル大統領に就任して以来、ブラジリアを訪問した最初の外国政府指導者となった[86]

ベネズエラでのニコラス・マドゥロ大統領の二度目の就任は、ボルソナーロ就任の数日後に行われた。 2018年のベネズエラ大統領選挙の結果は、国会がその結果を拒絶しマドゥロを任期終了以来不当な支配者と見なし、フアン・グアイドが大統領代行に任命したため2019年のベネズエラ大統領選挙の危機につながった。ボルソナーロはマドゥロの就任式に出席せず、アルゼンチンのマクリ大統領とアメリカのトランプ大統領と共にグアイドをベネズエラの正当な支配者として認めた[87]。ボルソナーロは「わたしたちは秩序、民主主義そして自由を再確立するために可能な限り全力を尽くし続ける」と述べた[88]

カーニバルへの投稿炎上編集

以前から同性愛嫌いと左派政権によるブラジル文化の破壊を憂いていたボルソナーロはリオのカーニバルの最中の3月2日、同性愛者どうしがパレードの最中に公衆の面前で排尿する性的に露骨な動画をツイッタ―にあげ、「これを見せるのは気分がよくないが、人々が優先順位を認識するように真実を明らかにしなければならない」、 「ブラジルのカーニバルは変質した」とコメントを添え、さらに翌日「ゴールデンシャワーとは何?」と付け加えた[89]

これに対して、ブラジル各紙では、怒り、当惑の見出しが続いた。Folha de SãoPaulo紙は「大統領は肛門をいじる男のビデオを投稿し、それがカーニバルの一般的なシーンであることを示唆した」とし、O Globo紙は「ポルノ的なつぶやきは政府を困らせる」と書いた。右派ウェブサイトO Antagonistaも大統領を「ポルノ作家」と呼んで非難した。

人類学者ロサナ・ピンヘイロ・マチャドは、「彼はファシストだが、これは歴史上見たことがないような失敗だ」と述べた。また、リオデジャネイロの左派議員モニカ・フランシスコは「エチケットと尊敬はどうしたの?」と疑問を呈し、「大統領はすくなくともこの国の最大パーティー、わたしたちの多様性と文化の象徴であるパー​​ティーを尊重すべきです」とし、 「彼が示しているのは…抗議に対して、民主的な対処法を知らないということです」とコメントした[90]

トランプ大統領との関係編集

 
トランプ米大統領(左)とボルソナーロ伯大統領(右)。

2019年3月12日、「熱帯のトランプ」ことボルソナーロ大統領はホワイトハウスを訪れ、トランプ米大統領と面談し、保守、ポピュリスト政治で互いに称賛しあった。同日、催された共同記者会見の中でトランプは、ブラジルをNATO以外の主要同盟国( “major non-Nato ally” (MNNA[91]))に指定し、ブラジルを「NATOの同盟国」にするキャンペーンを支援すると語った。「NATO以外の主要な同盟国」となることは、米国の軍備と技術購入への優先的なアクセスを与えられることを意味する。また、2人の大統領は社会主義を繰り返し否定し、ベネズエラの左派指導者ニコラス・マドゥーロ追放のため共同歩調をとることを誓った[92]2019年3月にはベネズエラ寄りな南米諸国連合に対抗する新たな地域連合として結成されたラテンアメリカの進歩と発展のためのフォーラム英語版(Prosur)に他の親米的な南米諸国とともに参加した[93]

「わたしたちがブラジルと持っている関係はかつてないほど良くなった」 「他の大統領は敵意がおおかったと思うが、今、敵意は全くない」 とトランプ大統領は述べた。ボルソナーロ大統領は「自由を保ち、伝統的な家庭生活、わたしたちの創造主である神を尊重し、誤ったジェンダーイデオロギーやポリティカル・コレクトフェイクニュースに反対する」とした。のちにトランプは「大統領(ボルソナーロ)が「フェイクニュース」という言葉を使っているのを聞いて、わたしはとても誇りに思った」とコメントした[94]

トランプの国家安全保障顧問ジョン・ボルトンもボルソナーロを賞賛し、O Globo紙に「トランプ大統領を北アメリカのボルソナーロと呼ぶかもしれない」と語った[95]

ネタニヤフ首相との関係編集

2019年4月1日、長らく左派政権だったブラジルに登場した宗教右派のボルソナーロは新しい友人としてイスラエルのネタニヤフ首相キリスト教のもっとも重要な聖地「聖墳墓教会」と「嘆きの壁」を訪れた。エルサレムの旧市街、六日戦争以来占領されたこの土地は、国際的承認を受けていないことから、通常、各国高官は公式の訪問先に含めてないが、2017年のトランプ大統領につづいて[96]、その慣例を破るかたちでの訪問となった。もともとカトリック教徒だったボルソーナロ大統領は2016年にヨルダン川でエヴァンジェリストとして洗礼を受けている[97]

いっぽうで、アメリカにつづいてブラジル大使館をエルサレムに移動させるというボルソナーロ大統領の当初の提案は、イスラム世界を激怒させ、アラブ諸国との関係を悪化させ、ブラジルのハラール肉輸出による数十億ドルを危うくする可能性があることから、ブラジル高官によって取り消されている。「エルサレムが首都であるという認識はありません」とブラジルの大統領報道官バロスは述べた。 「わたしたちの大統領が大使館を動かす可能性は評価します。しかしそれはわたし達が現時点で下した決定ではありません[98]

就任百日後編集

2019年4月11日、ボルソーナロ大統領は就任100日を祝った。 ボルソナーロは(ハネムーン期間中のブラジルは)「明るい青空の時間」を過ごしたとし、年金改革、社会政策、インフラ、経済、環境、そして制度改革の目標を語った[99]。またチームへの謝辞と同時に神への忠誠を告白した。「ときどき、わたしは神にここにいるために何をすればよいのかを尋ねます」と大統領は述べた[100]

いっぽうエルパイス紙はハネムーン期間は「混乱」していたと評した。わずか3ヵ月の間で2人の大臣を解任し、1964年の軍事クーデターを祝うよう軍に働きかけ、ブラジルの内外で非難を呼んだ。「ナチズム左翼から起きた運動だったことは疑いの余地はない」と述べてドイツの歴史家に否定されたことや「年金改革」と「汚職や犯罪との戦い」は進展しているものの、経済はまだ離陸していないことなどを書いた[101]

またインディペンデンス紙は先住民族の土地の境界画定と規制責任を先住民部から農業省へと引き渡す処置を取ったことにつづく一連のボルソナーロの先住民への攻撃、土地の蹂躙、同化政策を非難した。これに応じてブラジル裁判所は大統領に対抗する姿勢を見せているという。しかしブラジル政府はILO条約第169条として知られている「部族および先住民族の権利に関する国際法」からブラジルを撤回すると脅迫している。先住民族に対する暴力は単に資源をめぐる戦いではなく、多くの場合「ヘイトクライム」であり、ボルソナーロの選挙戦勝利の夜、ブラジル北東部パンカラル地区で保健所と学校が爆破されたことは先住民コミュニティに対する宣戦布告だとした[102]

Datafolha社の調査によれば、ボルソナーロ政権を支持する(良い)と答えた人は32%、支持しない(悪い)が30%、どちらでもない(普通)が33%となった。有権者はボルソナーロに根本的な変化を託し、システムを好転させ、経済を復活させることを望んだが、スタートは不均一なものとなった。O Globo紙は、大統領は最初の100日間で35の約束のうち18が果たされ、17がまだ部分的だと主張した[103]

対日関係編集

大統領就任以前の2018年2月25日、ボルソナーロは日本の都市の中で最もブラジル人の人口が多いといわれている静岡県浜松市を訪れ、ブラジル総領事エルネスト・オット・フーバルチと面会した。歓迎会では三度笠をかぶって写真に収まり、約350人もの集まった支援者を前にした演説に際しては日本国旗に敬礼、「(日本は)ブラジルから見ると、鉱物資源、生物多様性、水力発電、風力、太陽、素晴らしい海岸線などすべてが揃っているが、残念なながら政治的階級がある」と所感を述べた[104]

2019年3月18日、日本、米国、オーストラリア、カナダからの入国ビザを免除することを発表した。ワシントンへのの公式旅行の米国大統領ドナルド・トランプのための措置であるこの免除は観光、ビジネス、トランジット、芸術的活動やスポーツ活動などの入国にも適用され、「国益以外」の人々にも及ぶ[105]。また日本企業にとっても、追い風となると見られている[106]

2019年5月24日、年金改革をめぐる記者会見で「小幅な改革なら日本の改革に終わる、向こうではすべて小さいからだ」と述べて物議を醸した。15日には記念撮影した日本人男性に向かって卑猥なジェスチャーで「向こうでは全部小さいんだろう?」と発言して人種差別的と批判されていた[107][108][109]

対中関係編集

選挙戦においては共産主義・社会主義を攻撃し、中国共産党が独裁政権を敷く社会主義国で2009年にブラジル最大の貿易相手国[110]となった中華人民共和国に対しても「中国人はブラジルではなにも買わず、ブラジルそのものを買う」と批判していたボルソナーロだが、当選後は類似した対中姿勢を掲げたアルゼンチンマウリシオ・マクリなど他の保守の波英語版現象を代表する南米の政治家と同様に現実的な路線に修正することとなった[111]。中国と外交関係を樹立したのはボルソナーロが称賛してやまないブラジルの軍事独裁政権であり[112]、政権内の退役軍人の代表で対中政策を担当[111]する副大統領ハミルトン・モウランポルトガル語版は「ブラジルは脅威としてではなく、戦略的パートナーとして中国を認識している」と述べ[113]、アメリカが各国に呼びかけてる5G通信網でのファーウェイ製品の排除についても応じないと述べている[114]

専門家は、農業輸出がボルソナーロの対中姿勢に影響を与えたと説明する。反中的な姿勢には経済的コストがかかり、米国に近づいても補償できないと明言する[115]米中貿易戦争も漁夫の利でブラジルの対中輸出を6,400万ドル押し上げた。中国への輸出の大部分はブラジル最大の輸出農産物である大豆などの原料である[116]

2014 FIFAワールドカップ2016年リオデジャネイロオリンピックを開催した際からブラジルでは中国製の鉄道車両が走っており[117]国家電網CPFLエネルジアを買収するなど中国はエネルギーインフラへの積極投資も行っており、両者間の密接な関係は他の中南米諸国やアジアにおける中国同様、不可分なものとなりつつある。米中貿易戦争の高まりとトランプ政権が打ち出した厳しい対中政策は、その個人的なトランプへの忠誠に番って、ボルソナーロを難しい立場を追い込んでいる。トランプ政権とは表面上は歩調をあわせられても、中南米に対しても厳しい貿易政策をとる米国が打ち出す孤立主義、保護主義的な態度はブラジルにおいては限界があることが示された[118][119]

経済編集

ボルソナーロは、新自由主義市場原理主義経済政策を支持している。

ボルソナーロは「プレサル― pré-sal(ブラジルの大規模油田[120][121])」の採掘開始に賛成票を投じ、「自由市場がこそ自由の母である[122]」と述べた。これまでのボルソナーロの政策決定のは必ずしも自由主義者とは言えない面も指摘されているが、その目標はロナルド・レーガンを参考にした経済的自由主義である[123]

ボルソナーロは旧労働者党(PT)政権には批判的だが、関税障壁には賛成している。ボルソナーロの大統領候補としての注目が高まるにつれ、その経済的考えにブラジルと国際プレスの関心が高まっている。 ボルソナーロは自身の経済顧問はシカゴ大学の新自由主義の祖であるミルトン・フリードマンを生んだシカゴ学派経済学者である博士パウロ・ゲデスポルトガル語版であると公式に述べている。

パウロ・ゲデスによると、ブラジルの国家経済における最大の問題の1つは「リソースと権力の集中が政治を腐敗させ、経済を停滞させていること」、それは「機能不全の状態」であり、「国家はすべてに干渉し、すべてに介入するが、分配は最小限であり、リソースの消費は最大限となっている」とする。ゲデスの主要な懸念事項のもう一つは、ブラジルの公的債務の膨らみであり、これは利息の年間支払が過大であることを意味する。 一方、ボルソナーロは富裕層の人々の所得税を減らすためのゲデスの考え方を拒絶したと表明した[124]

2018年の大統領選挙の投票でボルソナーロが急に注目されたことによって、市場でのリバウンドが起こり地域と現実の株価が回復した。 一部のアナリストによると、これは投資家の信頼が決選投票でのボルソナーロの勝利の方向にあるためだという[125]

襲撃事件編集

 
キャンペーン中に腹部を刺されるボルソナーロ。

ボルソナーロは2018年9月6日、ジュイス・デ・フォーラ市でのキャンペーン中[126]、「神の命」に従ったとされるアデリオ・ビスポ・デ・オリベイラ容疑者[127]に腹部に刺され[128]、市内の病院に搬送、緊急治療を受けた。小腸、大腸にまで及ぶ重傷だったが、一命は取り留めた[129]。ボルソナーロの手術は成功し、その後サンパウロのアルベルト・アインシュタイン病院に移された。事件後、オリベイラ容疑者は連邦警察によって逮捕された。

反応編集

他の大統領候補は選挙活動を中断した。チリの元大統領候補であるホセ・アントニオ・カストも「ラテンアメリカでの自由の勝利を妨げる侮辱、脅迫、攻撃の力」と非難した。一方、党首グリージ・ホフマン、そして副大統領候補のフェルナンド・アダジの2人を含む労働者党のメンバーは「非常に残念だ。民主主義では受け入れられない」との声明を発表した[130]

摘出手術編集

ボルソナーロの手術は2019年1月に終わり、同じくサンパウロのアルベルト・アインシュタイン病院に再入院し、傷の治療の一環で装着された人工肛門の摘出手術を受けた。ボルソナーロのスポークスマンによれば手術前の健康診断検査に合格し、ボルソナーロは「非常に元気である」と言った[131]

論争編集

 
ボルソナーロとブラジル憲法30周年(2018年)

ボルソナーロは、ブラジルで共産主義と政治的左派の批判、議論宣言[132]に加えて、民族主義的で保守的な立場、過去の軍事独裁政権の擁護で知られている[133]

ジルマ・ルセフ大統領の解任に賛成票を投じたボルソナーロは、国家防衛オペレーションセンター(DOI)の責任者で、1970年にルセフ大統領に拷問を加えた[134]カルロス・アルベルト大佐に敬意を表した。 左派のジャン・ウィリーズ下院議員はボルソナーロを激しく非難した[135][136]

2019年に訪米が計画された際には、ニューヨーク市長などが過去の言動を批判。結果的に訪米を中止している[137]

議会資金、JBS資金と資産編集

ボルソナーロは、2018年に大統領選挙の候補者として遊説活動に議会資金を使って告発された。議会は使用規則において「資金は選挙費用には許可されない」と述べている。

さらに2016年から2017年にかけての5ヶ月間、議員による少なくとも6回の旅費、合計22万レアルが議会によって支払われていた。議会の報道官は、彼が遊説活動中であることを否定し、旅行手数料の使用は、代理人である会議の公衆安全委員会への参加に関連していると主張した[138]

連邦選挙高等裁判所(TSE)ののウェブサイト上では、ボルソナーロは2014年のキャンペーン中に企業JBSから20万のレアルを受け取ったとされる。その年、彼はリオデジャネイロの選挙で46万票を得票していた。ウェブサイト「VICE」からの報告で2017年3月に問題は表面化した[139]

ボルソナーロはYouTube上でビデオを公開した。そこではキャンペーンに費やされた金額の半分である20万レアルが「党への寄付」として返還されたと説明している。しかし、TSEの記録では同じ資金がボルソナーロの口座に返され、現在では「党の基金」による寄付が行われている[140][141]

連邦選挙高等裁判所(TSE)の記録によると、2010年から2014年までボルソナーロの資産は、200万レアル以上になり、150%以上の増加となった。近年、議員はリオデジャネイロの2棟の住宅をそれぞれ50万と40万レアルで取得した[142]

民主主義、世俗国家および軍事独裁編集

1998年12月2日に雑誌Veja誌のインタビューの中で、ボルソナーロは3,000人以上の人民[143]と20万人の亡命者を虐殺[144]したチリのピノチェト政権について、「もっと多く殺すべきだった」と述べた[145]。ピノチェトを経済発展の基礎を築いたと称えるボルソナーロに対してチリのセバスティアン・ピニェラ大統領は「ブラジル側のピノチェト体制賞賛は極めて不幸なことだ」と苦言を呈している[146]

彼はまた、立法と司法に対する軍事介入のモデルとして、1999年のペルーのフジモリ大統領を称賛した[147]。ボルソナーロは「拷問」を有利にする「Câmera Aberta」というプログラムを承認し、 民主主義を「糞―merda」と呼んだ。さらに、もし彼が国の大統領だったならば「間違いなく議会を閉鎖し」、「同日中に打撃を与える」と述べた。おなじ時期、彼がなぜ元大統領フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(PSDB)の銃殺刑を擁護したのか司会者ジョ・ソアレスに述べ、「総合資源開発企業ヴァーレと電気通信を民営化して、石油備蓄を外部資本に供給することは最悪だからだ」と説明した[148]

またボルソナーロは、独裁政権がブラジルの歴史において「輝かしい時代」だったと主張している。

サンパウロの新聞(Folha de São Paulo)の新聞に掲載された公開書状によれば、軍事政権下を「秩序と進歩の20年」と呼んでいる[149]。また、「独裁者の間違いは拷問はしたが、殺さなかったことだった[150]」と述べた[151]。ボルソナーロはメディア、政治家、反=拷問団体(Grupo Tortura Nunca Mais)から批判され、事務所のドアに軍の独裁政権の被害者家族たちは「骨を探している犬」と書いたプラカードを吊るした[152][153]。1993年、同国が民主化してからわずか8年後、ボルソナーロは「軍事政権のみがより繁栄し、持続可能なブラジルにつながる」と述べた[154]。2015年3月、1964年の軍事クーデターから51周年にボルソナーロは自らのブログに事件を祝う画像とテキストを掲載した。 彼ははクーデターが「民主的介入」の結果ではなく、「民衆弾圧の成果」であり、1968年に中国とキューバで学んだゲリラ戦術を使って攻撃を開始したと主張した[155]

2016年4月17日、ボルソナーロは、ルセフ大統領の解任手続きを行ったエドアルド・クーニャ下院議員を祝福し、「元大統領の障害」についてスピーチし、カルロス・アルベルト大佐に敬意を表した[156]。カルロスは軍事独裁政権時の拷問者の1人として司法長官に認められた最初の兵士であり、元大統領の拷問者でもある[157]

こののち、検察庁は弾劾投票時のボルソナーロのデモストレーションの内容について17,853人の抗議を受けたため、事件を調査するための内部調査することを決定したと報告した。この態度はまた2016年6月、議会倫理評議会のプロセスをもたらした[158]。彼は議会の品格に欠けるとして非難された。評議会は「緑の党」によって代表され、拷問を非難し、国会議員の辞職をもとめた。これに対してボルソナーロは、弾劾票決時の声明は議会の免除によって保護されていると主張した[159]

彼の息子、下院議員エドアルド・ボルソナーロ(PSC-SP)が公表したビデオでは「暴力は暴力と戦っている、人権の旗と戦っているのではない」と述べ、国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルの擁護者たちは「悪党」と「馬鹿」によってつくられ、承認されているとした。ブラジルの警察がおこなう殺人が世界で最も多い問題[160]について、ボルソナーロは言った。「私はブラジルの軍事警察はもっと殺すべきだと考えている[161]」。

2017年2月のカンピナ・グランデでの演説では、次のように言って世俗国家(Estado laico)を批判した。

「神は世俗国家の歴史をもっていない。国家はキリスト教であり、それに反するのが少数者だ。 [...] 少数者は多数者に合わせなければならない[162]

アメリカのジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドは、「民主主義の世界で選ばれた女性嫌悪(ミソジニー)な公職者」と称した[163]。オーストラリアのNews.com.auのサイトは、ボルソナーロを「世界で最も不愉快な政治家」とも呼んだ[164]

女性・同性愛嫌悪編集

2015年2月、新聞ゼロ・オーラとのインタビューで、出産休暇の権利が起業家の生産性を損なうとし、妊娠する女性に男性と同じ給与が与えられるとは信じていないと主張した[165][166]

彼の長い政治キャリアを通じて、ボルソナーロは女性が仕事の男性よりも給与が低いことを正当化し、同性愛者の息子を愛することはできないと言い、事ある毎に性的多様性に対する反対宣言を繰り返してきた[167]

ボルソナーロは、同性愛者のカップルが彼の横で暮らしたら、それは彼の家の価値を貶める事になると断言した[168]

同年7月、雑誌Época誌のインタビューの中で、ボルソナーロは読者へ向けて次のように語った。

「 ユネスコが支持しNGOと人権省によって開発された一連のガイドライン「ゲイキット」の配布[169]を防止するために戦うなら、わたしは偏見を持っていることになるだろう。同性愛を刺激し小学校でLGBTコミュニティの市民権と人権を促進させており、実際、その家族への嫌悪感は偏見だ。わたしは強い誇りをもって偏見を持つ[170]」。

2011年、ジャーナル・デ・ノティシア誌とのインタビューでボルソナーロはゲイと幼児愛者との関係について聞かれ、 「ゲイのカップルに養子にされた子どもたちの多くは虐待されるだろう」と断言した[171]。また同性愛嫌悪に対する特定の法律はブラジルには必要ないとし、「ほとんどの同性愛者は、善良な市民が眠っている時、それぞれのカフェで殺される[172]」からだと述べた。フォーリャ・デ・サンパウロ紙では、2002年5月には自身が同性愛者を攻撃する可能性があるとした。「もし男性同士が路上でキスしているのを見つけたら、ぶん殴ってやる[173]

「息子がどうしてもゲイを続けるなら、わたしはレザーを身に着け[174]、彼の行動を変えるだろう[175][176]

先住民・黒人・移民編集

 
土地なし農民運動(MST)の若者。

ボルソナーロはロライマ州における先住民族の問題について、下院公聴会で演説し、ブラジル政府の先住民政策に疑問を呈した。

彼は「土地なし農民運動(MST)」と農業改革を未達成を「同じ教育を施し、同じ言葉の国民でありながら臭いインディアン、無学で言葉もできない」となじった。先住民はブラジルの土地の12%を所有し、全国大会でロビー活動を行っている。ボルソナーロの議会演説はブラジル憲法の非差別の原則[177]を損ねたと考えた先住民、国会議員や人権擁護団体などの怒りを引き起こした。そのコメントに腹を立てた地域先住民のリーダーの一人が公聴会に出席し、彼に水を投げつけた[178]。それを受けてボルソナーロは次のように語った。

「彼はブラジリアの先住民だ。彼は飛行機に乗りここへやって来て、豚のリブロースやサラミを食べ、おそらくウイスキーを飲み、誰かに電話をしてその夜をもっと楽しくする方法を知っている。 それがここへ話しに来た控えめな先住民だ。 (本来なら)先住民はその起源を維持するために草を食べに行かなければならなかった。[179]

2011年3月28日にCuste o Que Custar(CQC)プログラムへのインタビューで、彼の息子が黒人の女の子に恋していたならどうしたかについて歌手のプレタ・ジル英語版[180]から尋ねられ、ボルソナーロは、「乱交についての討論はしないだろう」と答えた。「息子たちはとてもよく教育されているので、リスクを冒さない」。このインタビューは大きな論争となり[181]、次の日、彼は質問が同性愛と息子の関係についてだと思った[182]と弁明し、プレタ・ジルへの答えは「誤解」だと言った[183]。ボルソナーロの息子たちカルロスとエドアルドはソーシャルメディア上で、このプログラムはインタビューを「操作した」と主張した[184]が、後に人種差別声明の疑いのため連邦最高裁判所によるボルソナーロに対する調査が開かれた。

2015年9月には、新聞Opção de Goiásのインタビューの中で、彼はブラジル軍が「消えた」と述べた[185]

「私はどの司令官をか支持するかわからないが、もし軍の兵員のを減らそうとするならば、街頭で「土地なし農民運動」、ハイチ人、セネガル人、ボリビア人、そしてシリア人などの屑どもに対処する人間が減ってしまう。今、世界中の屑どもがブラジルにたどり着いており、わたしたちはあまりにも多くの問題を抱えている[186]」。

2017年4月、リオデジャネイロのクラブ・ハバリカで講演し、もし2018年の大統領選で選出された場合、ブラジルすべての先住民族の土地とキロンボ[187]・コミュニティ、それからNGOのための公的資金提供を終了すると述べた。「わたしが大統領になったなら、すべての市民が家に銃を持つことになるだろう。先住民族やキロンボの居留地は1センチたりとも画定されてはいない。先住民の土地の下には富が眠っており、彼らはそれを妨害している。それを変えなければならない[188][189]」。

「わたしはキロンボと一緒にいた。(...)彼らはなにもしない。子孫をつくることさえしないと思う。その彼らのために年10億レアルが費やされている[190]」。

この発言ののち、連邦検察庁はボルソナーロを黒人やキロンボ・コミュニティを偏見的に満ちた侮蔑・差別表現によって嘲笑したとして非難した[191]。 2017年10月3日、ボルソナーロは、道徳的犯罪により50,000レアルの罰金を科すことを宣告された[192]

脚注編集

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    ルーラ政権で文化大臣もつとめた音楽家ジルベルト・ジルの愛娘。彼女もまた音楽活動をしている。

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外部リンク編集

先代:
ミシェル・テメル
  ブラジル連邦共和国大統領
第38代:2019年 -
次代:
(現職)