ジャスティン・ターナー

アメリカ合衆国のプロ野球選手

ジャスティン・マシュー・ターナーJustin Matthew Turner, 1984年11月23日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチ出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。MLBシアトル・マリナーズ所属。愛称は"レッドターン2"(後述)。

ジャスティン・ターナー
Justin Turner
シアトル・マリナーズ #2
ロサンゼルス・ドジャース時代
(2017年7月18日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日 (1984-11-23) 1984年11月23日(39歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 三塁手
プロ入り 2006年 MLBドラフト7巡目
初出場 2009年9月8日
年俸 $13,000,000(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入りとレッズ傘下時代

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2006年MLBドラフト7巡目(全体207位)でシンシナティ・レッズから指名され、6月26日に契約。

オリオールズ時代

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2008年12月9日にラモン・ヘルナンデスとのトレードで、他2選手と共にボルチモア・オリオールズへ移籍した[2]

2009年9月8日のボストン・レッドソックス戦でメルビン・モーラ代打で登場してメジャーデビュー。9月11日のニューヨーク・ヤンキース戦で初安打を打った。

2010年5月21日にDFAとなった[3]

メッツ時代

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2010年5月25日にウェイバー公示を経てニューヨーク・メッツへ移籍。

 
ニューヨーク・メッツ時代
(2011年9月1日)

2011年5月にはナ・リーグルーキー・オブ・ザ・マンスに選出された[4]。メッツでは内野の控えとしてメジャーに定着した。

2013年シーズン終了後にノンテンダーFAとなる[5]

ドジャース時代

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2014年2月5日にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結び、3月16日にメジャー契約を結んだ[6]。この年は109試合で打率.340、7本塁打、43打点を記録するなどレギュラーに定着した。

2015年は規定打席に到達しなかったものの、それまでの内野ユーティリティ枠から三塁手に定着し、自己最多となる126試合に出場して打率.294、16本塁打、60打点を記録した。特にポストシーズンでは5試合で打率.526に加え、6本の二塁打を放った。

2016年は151試合に出場しメジャー8年目にして自身初めて規定打席に到達。5月終了時点では打率.236、3本塁打に留まるも、6月以降は調子を上げ、最終的には共にチームトップタイとなる27本塁打、90打点を記録した。オフの11月3日にFAとなり、球団は1720万ドルのクオリファイング・オファーを提示したが、11月14日に拒否した[7]。12月23日ドジャースと4年総額6400万ドルで契約を結んだ[8]

2017年は開幕から好調で、5月18日のマイアミ・マーリンズ戦で負傷して離脱するまで打率は.379だった[9]。復帰は6月9日と3週間近く離脱していたが、オールスターゲーム最終投票で史上最多となる2080万票を集め、オールスターゲームに初選出された[10]。最終成績は打率.322・21本塁打・71打点・OPS.945を記録した。ポストシーズンでは、シカゴ・カブスとのNLCSの第2戦でサヨナラ3ランを放ち、同僚のクリス・テイラーと共にNLCSのMVPに選出された[11]。サヨナラ本塁打でベースを回っているときに、ターナーが4歳だった29年前のちょうど同じ日、1988年のワールドシリーズでドジャースのカーク・ギブソンのサヨナラ本塁打を思い出したと語った[12]ワールドシリーズは打率.160と結果を残せず、チームも敗退した。しかし、1回のポストシーズンにおける球団史上最多打点(14打点)を記録した[13]

2018年3月19日、スプリングトレーニングで左手首に死球を受けて骨折し、自身の開幕は1ヶ月以上遅れた[14]。7月23日には右足の付け根を痛めて故障者リストに登録された[15]。8月には自身初の月間MVPを獲得した[16]。この影響で103試合の出場に留まり、3年ぶりに規定打席に到達しなかった。成績は打率.312、14本塁打、52打点だった。ポストシーズンでは、NLDSで出塁率.500を記録し、ワールドシリーズでも打率.333だった。

2020年は自身初めてワールドシリーズで優勝を経験した。しかし、最終戦の試合中に新型コロナウイルスに陽性反応を示し、途中退場したにもかかわらず、優勝時の記念撮影には姿を表したため、物議を醸した。オフの11月1日にFAとなった[17]

2021年2月19日にドジャースと2年総額3400万ドルで再契約した[18]。オプションとして2023年は球団側が選択権を所持する。4月1日のロッキーズとの開幕戦ではコディ・ベリンジャーが本塁打を記録したが、ターナーは本塁打性の打球を捕球したと勘違いして、帰塁した際にベリンジャーを追い越したため、本塁打が無効となる事故があった[19]。7月10日に辞退した選手の代替選手として通算2度目となるオールスターゲームに選出された[20]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは6回裏に代打で出場してアスレチックのクリス・バシットと対決したが、凡退した[21]。8月29日にはキャリア初となる投手としてマウンドに上がった[22]

2022年オフにチームオプションを破棄され、FAとなった[23]

レッドソックス時代

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2023年からはボストン・レッドソックスでプレー。オフの11月3日に契約延長オプションを破棄して、FAとなった[24]

ブルージェイズ時代

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2024年1月30日にトロント・ブルージェイズと1300万ドルの単年契約を結んだ[25]

ブルージェイズでは90試合に出場し、打率.256、6本塁打、31打点を記録した。

マリナーズ時代

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2024年7月29日にRJ・シュレックとのトレードでシアトル・マリナーズへ移籍した[26]

人物

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愛称はレッドターン2で、これはニューヨーク・メッツ時代に二塁手であったことに由来する[27]2017年のプレイヤーズ・ウィークエンド英語版では背ネームに使用している[27]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2009 BAL 12 22 18 2 3 0 0 0 3 3 0 0 0 0 4 0 1 3 3 .167 .318 .167 .485
2010 5 9 9 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .000 .000 .000 .000
NYM 4 9 8 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .125 .222 .250 .472
'10計 9 18 17 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 3 0 .059 .111 .118 .229
2011 117 487 435 49 113 30 0 4 155 51 7 2 2 1 39 2 10 59 9 .260 .334 .356 .690
2012 94 185 171 20 46 13 1 2 67 19 1 1 0 1 9 0 4 24 9 .269 .319 .392 .711
2013 86 214 200 12 56 13 1 2 77 16 0 1 1 1 11 1 1 34 6 .280 .319 .385 .704
2014 LAD 109 322 288 46 98 21 1 7 142 43 6 1 0 2 28 1 4 58 6 .340 .404 .493 .897
2015 126 439 385 55 113 26 1 16 189 60 5 2 1 4 36 1 13 71 10 .294 .370 .491 .861
2016 151 622 556 79 153 34 3 27 274 90 4 1 0 8 48 1 10 107 16 .275 .339 .493 .832
2017 130 543 457 72 147 32 0 21 242 71 7 1 1 7 59 5 19 56 12 .322 .415 .530 .945
2018 103 426 365 62 114 31 1 14 189 52 2 1 0 2 47 3 12 54 10 .312 .406 .518 .924
2019 135 549 479 80 139 24 0 27 244 67 2 0 0 5 51 1 14 88 11 .290 .372 .509 .881
2020 42 175 150 26 46 9 1 4 69 23 1 0 0 1 18 0 6 26 2 .307 .400 .460 .860
2021 151 612 533 87 148 22 0 27 251 87 3 0 0 6 61 0 12 98 12 .278 .361 .471 .832
2022 128 532 468 61 130 36 0 13 205 81 3 0 0 8 50 1 6 89 13 .278 .350 .438 .788
2023 BOS 146 626 558 86 154 31 0 23 254 96 4 1 0 6 51 0 11 110 10 .276 .345 .455 .800
MLB:15年 1539 5772 5080 738 1461 323 9 187 2363 759 45 11 5 52 513 16 122 880 127 .288 .363 .465 .829
  • 2023年度シーズン終了時

年度別投手成績

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W
H
I
P
2021 LAD 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.00 2.00
MLB:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 5 1.0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.00 2.00
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手守備


投手(P)












2021 LAD 1 1 0 0 0 1.000
MLB 1 1 0 0 0 1.000
内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































2009 BAL - 3 3 3 0 1 1.000 7 3 7 0 1 1.000 -
2010 - 3 4 4 0 1 1.000 - 1 1 0 0 0 1.000
NYM - 3 4 3 0 2 1.000 1 0 2 0 1 1.000 -
'10計 - 6 8 7 0 3 1.000 1 0 2 0 1 1.000 1 1 0 0 0 1.000
2011 - 78 144 206 8 36 .978 36 25 50 4 3 .949 1 2 2 1 0 .800
2012 11 53 2 1 6 .982 14 29 26 1 7 .982 11 5 8 0 1 1.000 10 9 20 0 5 1.000
2013 15 87 6 1 9 .989 12 5 7 0 1 1.000 23 9 21 1 1 .968 18 19 32 0 8 1.000
2014 LAD 2 13 2 0 2 1.000 14 23 39 3 8 .954 59 23 99 5 10 .961 15 11 36 4 4 .922
2015 10 53 5 1 6 .983 5 1 10 0 2 1.000 100 39 175 9 18 .960 1 2 2 1 1 .800
2016 1 1 0 0 0 1.000 - 144 67 240 9 15 .972 -
2017 - - 121 69 184 8 16 .969 -
2018 - - 96 57 199 10 12 .962 -
2019 - 1 0 0 0 0 ---- 124 67 219 8 22 .973 -
2020 - - 32 17 63 4 7 .952 -
2021 - - 143 82 211 12 18 .961 -
2022 - - 66 33 138 7 16 .961 -
2023 BOS 41 240 25 3 28 .989 10 4 13 0 3 1.000 7 4 12 3 3 .842 -
MLB 80 447 40 6 51 .988 143 217 311 12 61 .978 970 500 1628 80 144 .964 46 44 92 6 18 .958
外野守備


左翼(LF)












2013 NYM 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----
  • 2023年度シーズン終了時

表彰

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記録

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背番号

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  • 83(2009年)
  • 6(2010年 - 同年途中)
  • 2(2010年途中 - 2013年、2023年 - )
  • 10(2014年 - 2022年)

脚注

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  1. ^ Justin Turner Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2024年9月26日閲覧。
  2. ^ Fordin, Spencer (December 10, 2008). “Trade starts dominoes falling for O's”. MLB.com. April 23, 2015閲覧。
  3. ^ Justin Turner”. Baseball Prospectus (2015年). April 23, 2015閲覧。
  4. ^ Justin Turner Of The New York Mets Voted Winner Of The Gillette Presents National League Rookie Of The Month Award For May (press release)”. MLB.com (June 2, 2011). April 23, 2015閲覧。
  5. ^ Mets Non-Tender Valdespin, Hefner, Atchison, Quintanilla And Turner”. CBS Radio New York (December 3, 2013). April 23, 2015閲覧。
  6. ^ Stephen, Eric (March 16, 2014). “Justin Turner makes team, Dodgers reassign Miguel Olivo”. True Blue LA. April 23, 2015閲覧。
  7. ^ Ken Gurnick (2016年11月14日). “Turner, Jansen reject Dodgers' offers”. MLB.com. 2016年11月15日閲覧。
  8. ^ Manny Randhawa (2016年12月23日). “Turner officially back with Dodgers on 4-year pact”. MLB.com. 2016年12月26日閲覧。
  9. ^ Stephen, Eric (June 9, 2017). “Dodgers activate Justin Turner from DL”. SB Nation. June 9, 2017閲覧。
  10. ^ Stephen, Eric (July 6, 2017). “All-Star Game 2017: Justin Turner wins Final Vote”. SB Nation. July 6, 2017閲覧。
  11. ^ AJ, Cassavell (October 19, 2017). “Turner, Taylor share NLCS MVP honors” (英語). mlb.com. October 20, 2017閲覧。
  12. ^ 球史に残る一発から29年 ドジャース、同じ日に再び劇的勝利”. スポーツニッポン (2017年10月16日). 2018年9月30日閲覧。
  13. ^ Stephen, Eric (October 24, 2017). “Justin Turner continues his October to remember”. SB Nation. November 28, 2017閲覧。
  14. ^ ドジャース痛手 正三塁手ターナーが手首骨折 復帰は5月以降か”. スポーツニッポン (2018年3月20日). 2018年9月30日閲覧。
  15. ^ ドジャース・ターナーがDL入り、マチャドがサードへ - MLB”. 日刊スポーツ (2018年7月24日). 2018年9月30日閲覧。
  16. ^ Justin Turner named National League Player of the Month for August”. Dodger Insider. 2019年2月14日閲覧。
  17. ^ 2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月3日閲覧。
  18. ^ Dodgers Re-Sign Justin Turner” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月19日閲覧。
  19. ^ Juan Toribio (April 2, 2021). “It was Dodgers' first 2021 HR ... until it wasn't” (英語). MLB.com. April 14, 2021閲覧。
  20. ^ Brian Murphy (July 11, 2021). “ASG subs bring number of 1st-timers to 40” (英語). MLB.com. July 18, 2021閲覧。
  21. ^ Martín Gallegos (July 14, 2021). “Bassitt racks up crucial K in All-Star Game” (英語). MLB.com. July 31, 2021閲覧。
  22. ^ Juan Toribio (August 30, 2021). “Justin Turner 'awesome' in pitching debut” (英語). MLB.com. September 1, 2021閲覧。
  23. ^ Dodgers Decline Club Option On Justin Turner” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年11月11日閲覧。
  24. ^ 39 Additional Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 6, 2023). November 10, 2023閲覧。
  25. ^ Blue Jays sign Turner” (英語). MLB.com. 2024年1月31日閲覧。
  26. ^ Passan, Jeff (July 29, 2024). “Mariners get Justin Turner in trade with Blue Jays”. ESPN.com. https://www.espn.com/mlb/story/_/id/40675053/sources-mariners-get-justin-turner-trade-blue-jays July 31, 2024閲覧。 
  27. ^ a b Dodgers Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月17日閲覧
  28. ^ ドジャース・ターナーが勝ち越し2ラン PS通算26打点は球団タイ記録”. スポーツ報知 (2017年10月25日). 2018年9月30日閲覧。
  29. ^ ドジャース・ターナーが決勝弾 28グラムの工夫で勝利を呼び込む”. デイリースポーツ (2017年10月25日). 2018年9月30日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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