ジャン=クリストフ・ブイヨン

フランスのレーシング・ドライバー (1969-)

ジャン=クリストフ・ジョエル・ルイ・ブイヨンJean-Christophe Joël Louis Boullion1969年12月27日 - )は、フランス出身のレーシングドライバーである。1994年の国際F3000選手権チャンピオン[1]

ジャン=クリストフ・ブイヨン
ブイヨン (2007)
基本情報
フルネーム Jean-Christophe Joël Louis Boullion
略称表記 BOU
国籍 フランスの旗 フランス
出身地 同・コート=ダルモール県サン=ブリユー
生年月日 (1969-12-27) 1969年12月27日(54歳)
F1での経歴
活動時期 1995
所属チーム ザウバー
出走回数 11
タイトル 0
優勝回数 0
表彰台(3位以内)回数 0
通算獲得ポイント 3
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
初勝利 -
最終勝利 -
最終戦 1995年パシフィックGP
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報道媒体によっては「ブリオン」または「ブリヨン」と表記された場合もある。

経歴 編集

 
ザウバー・C14をドライブするブイヨン(1995年イギリスGP

1982年レーシングカートを開始し、レーサーとしてのキャリアを始める。

1989年にはフランスのフォーミュラ・フォード1600にステップアップ。翌1990年にシリーズチャンピオンを獲得する。1991年にはフランスF3にステップアップし、ランキング6位に入ると、2年目の1992年にシリーズ4位となり、マカオGPにも参戦した。

1993年に国際F3000にステップアップ、シーズン終盤に連続表彰台に立つなど頭角を現しランキング8位となる。翌1994年には名門・DAMSに移籍。第6戦スパ・フランコルシャンでF3000初優勝を達成すると以後3連勝を挙げ、フランク・ラゴルスとのタイトル争いを制しシリーズチャンピオンに輝く。この実績によりスーパーライセンス獲得の権利を有したブイヨンにF1ウィリアムズがオファーを出し、テストドライバー契約を結ぶ。

1995年はウィリアムズでFW17の開発テストを担当していたが、前年に負った頭部の負傷から復帰したカール・ヴェンドリンガーの成績が上がらないザウバーから代役オファーがあり、ウィリアムズからレンタル移籍の形で同年第5戦モナコGPからF1に参戦する。第15戦パシフィックGPまで参戦し、第9戦ドイツGPと第12戦イタリアGPで入賞し3ポイントを獲得したが、15ポイントを獲得したチームメイトのハインツ=ハラルド・フレンツェンには水をあけられた。第16戦日本GPよりヴェンドリンガーが復帰することになり、ブイヨンのF1参戦は終了した。なお、契約に厳しいフランク・ウィリアムズがブイヨンのサウバーへのレンタルを承認したのは、毎週のテストで能力をよく知っているブイヨンを、ウィリアムズが獲得したいと興味を持っていたフレンツェンと組ませることで、フレンツェンの実力を見極めたいという思惑があった[2]。実際にフレンツェンは1997年よりウィリアムズへと移籍する。

ブイヨンはその後、1996年ジョーダン・プジョー196をテストし、1997年は再びウィリアムズでFW19の開発を担当。1998年はティレル026をテストした。2000年代に入るとスポーツカーレースに活動の主軸を移し、アンリ・ペスカロロ率いるペスカロロ・スポーツからル・マン・シリーズ(LMS)などに参戦。2005年・2006年にはエマニュエル・コラールとのコンビでLMSのシリーズチャンピオンを獲得しているほか、2007年のル・マン24時間レースで総合3位などの結果を残している。以後スポーツプロト専門でレース活動を続けた。

レース戦績 編集

フォーミュラ 編集

マカオグランプリ 編集

チーム エンジン LEG1 LEG2 総合順位
1992年   マジウィック・モータースポーツ 無限 8 Ret NC

国際F3000選手権 編集

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 順位 ポイント
1993年 アポマトックス レイナード・93D コスワース DON
7
SIL
Ret
PAU
Ret
PER
Ret
HOC
Ret
NÜR
9
SPA
Ret
MAG
2
NOG
2
8位 12
1994年 DAMS レイナード・94D SIL
8
PAU
4
CAT
Ret
PER
14
HOC
2
SPA
1
EST
1
MAG
1
1位 36

F1世界選手権 編集

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 WDC ポイント
1995年 ザウバー C14 フォード・ECA Zetec-R 3.0L V8 BRA ARG SMR ESP MON
8
CAN
Ret
FRA
Ret
GBR
9
GER
5
HUN
10
BEL
11
ITA
6
POR
12
EUR
Ret
PAC
Ret
JPN AUS 16位 3

(key)

ツーリングカー 編集

イギリスツーリングカー選手権 編集

チーム 使用車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 順位 ポイント
1999年 ブレンド37・ウィリアムズ・ルノー ルノー・ラグナ DON
1

Ret
DON
2

6
SIL
1

8
SIL
2

3
THR
1

9
THR
2

7
BRH
1

5
BRH
2

7
OUL
1

6
OUL
2

6
DON
1

8
DON
2

11
CRO
1

11
CRO
2

Ret
SNE
1

5
SNE
2

4
THR
1

13
THR
2

11
KNO
1

5
KNO
2

4
BRH
1

7
BRH
2

6
OUL
1

7
OUL
2

7
SIL
1

8
SIL
2

Ret
10位 97

(key)

スポーツカー 編集

ル・マン・シリーズ 編集

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 順位 ポイント
2005年 ペスカロロ・スポール ペスカロロ・C60ハイブリッド LMP1 SPA
2
MON
1
SIL
8
NÜR
4
IST
1
1位 34
2006年 LMP1 IST
1
SPA
1
NÜR
1
DON
1
JAR
1
1位 50
2007年 ペスカロロ・01 LMP1 MON
2
VAL
5
NÜR
3
SPA
2
SIL
2
SAO
4
2位 36.5
2008年 LMP1 CAT
4
MON
Ret
SPA
5
NÜR
Ret
SIL
3
6位 15
2009年 LMP1 CAT
2
SPA
2
ALG
1
NÜR
Ret
SIL
10
2位 26
2010年 レベリオン・レーシング ローラ・B10/60 LMP1 CAS
3
SPA
11
ALG
4
HUN
Ret
SIL
10
7位 44
2011年 LMP1 CAS
2
SPA
9
IMO
5
SIL
4
EST
2
2位 47

インターコンチネンタル・ル・マン・カップ 編集

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7
2010年 レベリオン・レーシング ローラ・B10/60 LMP1 SIL
10
PET ZHU
2011年 LMP1 SEB
SPA
9
LMN
Ret
IMO
5
SIL
4
PET ZHU

(key)

FIA 世界耐久選手権 編集

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
2012年 ペスカロロ・チーム ペスカロロ・01 LMP1 SEB
5
SPA 28位 10
ペスカロロ・03 LMN
DNS
SIL SAO BHR FSW SHA

(key)

ル・マン24時間レース 編集

ル・マン24時間レース 結果
チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回 順位 クラス
順位
1994年   ミシェル・ホメル   エリック・エラリー
  アラン・クーディニ
ブガッティ・EB110 SS GT1 230 DNF DNF
1997年   DAMS   フランク・ラゴルス
  エリック・ベルナール
パノス・エスペランテ GTR-1 GT1 149 DNF DNF
1998年   JBレーシング   ヴィンセンツォ・ソスピリ
  ジェローム・ポリカン
フェラーリ・333SP LMP1 187 DNF DNF
2000年   レーシング・オーガニゼーション・コース   ジョルディ・ジェネ
  ジェローム・ポリカン
レイナード・2KQ-LM-VW LMP675 72 DNF DNF
2001年   ペスカロロ・スポール   セバスチャン・ボーデ
  ローレン・レドン
クラージュ・C60-プジョー LMP900 271 13位 4位
2002年   セバスチャン・ボーデ
  フランク・ラゴルス
LMP900 343 10位 9位
2003年   ステファン・サラザン
  フランク・ラゴルス
LMP900 356 8位 6位
2005年   エマニュエル・コラール
  エリック・コマス
ペスカロロ・C60ハイブリッド-ジャッド LMP1 368 2位 2位
2007年   エマニュエル・コラール
  ロマン・デュマ
ペスカロロ・01-ジャッド LMP1 358 3位 3位
2008年   エマニュエル・コラール
  ロマン・デュマ
LMP1 238 DNF DNF
2009年   サイモン・パジェノ
  ブノワ・トレルイエ
プジョー・908 HDi FAP LMP1 210 DNF DNF
2010年   レベリオン・レーシング   アンドレア・ベリッキ
  ガイ・スミス
ローラ・B10/60-レベリオン LMP1 143 DNF DNF
2011年   アンドレア・ベリッキ
  ガイ・スミス
ローラ・B10/60-トヨタ LMP1 190 DNF DNF

エピソード 編集

  • ”ジュール”と言う愛称があり[3]、ジュール・ブイヨン、もしくはジュール・ブリオンと雑誌等で紹介されることもあった。

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ Jean-Christophe Boullion gives DAMS a second consecutive F3000 drivers’ title and is promoted to F1 with Sauber. DAMS Lucas Oil
  2. ^ '95シーズン総括評価 SAUBER F1グランプリ特集 vol.64 44頁 1995年1月16日発行
  3. ^ 今宮雅子のF1 Q&A 東京中日スポーツ 2004年6月6日

関連項目 編集

外部リンク 編集

タイトル
先代
オリビエ・パニス
国際F3000選手権
1994年
次代
ヴィンセンツォ・ソスピリ