ジュリー・デルピー(Julie Delpy、1969年12月21日 - )は、フランスパリ出身の女優映画監督脚本家

ジュリー・デルピー
Julie Delpy
Julie Delpy
生年月日 (1969-12-21) 1969年12月21日(54歳)
出生地 フランスの旗 パリ
国籍 フランスの旗 フランス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
主な作品
汚れた血
ゴダールのリア王
トリコロール』三部作
ビフォア』シリーズ
ブロークン・フラワーズ
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
 
受賞
ヨーロッパ映画賞
世界的貢献賞
2017年
全米映画批評家協会賞
脚本賞
2013年ビフォア・ミッドナイト
ロサンゼルス映画批評家協会賞
脚本賞
2013年ビフォア・ミッドナイト
放送映画批評家協会賞
ルイ13世ジーニアス賞
2013年
その他の賞
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プロフィール 編集

1969年12月21日、フランス・パリに生まれる。父はアルベール・デルピー、母はマリー・ピレ、両親共に俳優で、5歳から父の劇団の舞台に立つ。78年両親が出演したオムニバス映画「Guerres civiles en France」の一編にJulie Pillet名義で出演し、映画デビューする。1982年も両親が出演した短編「Niveau moins trois」に出演した。

1985年、ジャン=リュック・ゴダールの眼鏡に適い、『ゴダールの探偵』の笛を吹く少女役を演じて印象を残す。続いてレオス・カラックスの『汚れた血』に出演し、この好演によりセザール賞の有望若手女優賞にノミネート。ジャン=ピエール・リモザンの『天使の接吻』で主演デビューを果たし、続くベルトラン・タヴェルニエの『パッション・ベアトリス』で再びセザール賞同賞候補になる。

しかし、フランス映画界のいざこざや内紛に嫌気が差し、1990年よりアメリカに住み、ニューヨーク大学で映画作りを学ぶ。2001年にアメリカの市民権を取得[1][2]2002年に映画『Looking for Jimmy』を監督。2003年には歌手としてアルバムCD「Julie Delpy」も発表した。 

2004年には、ベルリン国際映画祭などで高い評価を得た『恋人までの距離』の9年ぶりの続編『ビフォア・サンセット』に出演。主演のみならず監督のリチャード・リンクレイター、共演のイーサン・ホークと共に脚本を執筆、アカデミー脚色賞にもノミネートされ、作中で自作の曲を演奏するなど多彩な才能を披露した。2013年にはさらにその続編の『ビフォア・ミッドナイト』が公開された[3]。同作でも脚本を手がけ、ロサンゼルス映画批評家協会賞脚本賞全米映画批評家協会賞脚本賞など多数の脚本賞を受賞し、前作同様アカデミー脚色賞にノミネートされた。

汚れた血』(1986年)のレオス・カラックス監督(映像への拘りのあまり俳優の扱い方が厳しいことで知られる)との相性について、「彼とは喧嘩が絶えず相性は最悪だった」と彼女自身公言している。そしてその翌年『ゴダールのリア王』(1987年)で、ジャン=リュック・ゴダール監督は彼らの相性の悪さを知りながらカラックスを俳優として起用しデルピーと共演させている。デルピーのゴダール作品への出演は映画デビュー作『ゴダールの探偵』以来この時が2度目で、直後の大作『ゴダールの映画史』(1988年 - 1989年)にも続けて出演している。デルピーはゴダールについては「とても気が合った」と述懐している。

プライベートではドイツ出身の音楽家マルク・ストライテンフェルトと交際し[4]、2009年に息子レオが生まれている[5]

主な出演作品 編集

公開年 邦題
原題
役名 備考
1985 ゴダールの探偵
Détective
笛を吹く少女
1986 汚れた血
Mauvais Sang
リーズ セザール賞有望若手女優賞候補
1987 パッション・ベアトリス
La Passion Béatrice
ベアトリス セザール賞有望若手女優賞候補
ゴダールのリア王
King Lear
ヴァージニア クレジットなし
1988 天使の接吻
L'Autre nuit
マリー
1990 僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ
Europa Europa
レニ
1991 ボイジャー
Voyager
サベス
1992 「彼女」の存在
Warszawa année 5703
フリーダ
1993 グローリー・デイズ/夢見る頃はいつも
Younger and Younger
メロディー
キリング・ゾーイ
Killing Zoe
ゾーイ
三銃士
The Three Musketeers
コンスタンス
1994 トリコロール/白の愛
Trois couleurs: Blanc
ドミニク
1994 トリコロール/赤の愛
Trois couleurs: Rouge
ドミニク
1995 恋人までの距離
Before Sunrise
セリーヌ
1996 ティコ・ムーン
Tykho Moon
レナ
1997 トランス/TRANS
Les mille merveilles de l'univers
エヴァ
ファングルフ/月と心臓
An American Werewolf in Paris
セラフィーヌ
1998 愛のトリートメント
The Treat
フランチェスカ
GO!GO!L.A.
L.A. Without a Map
ジュリー
ゴダールの映画史
Histoire(s) du cinéma

Crime and Punishment
Sonia Marmeladova テレビドラマ
1999 Go!Go!チアーズ
But I'm a Cheerleader
ガールズバーで出会うレズビアン
2001 ウェイキング・ライフ
Waking Life
セリーヌ アニメーション:声の出演
ER緊急救命室
ER
ニコール テレビシリーズ、第8シリーズの7エピソードに出演
2002 セックス調査団
Investigating Sex
クロエ

Villa Des Roses
Louise Creteur
2004 ビフォア・サンセット
Before Sunset
セリーヌ 脚本・出演
アカデミー賞脚色賞候補
フランケンシュタイン
Frankenstein
キャロライン・フランケンシュタイン テレビ・ミニシリーズ
2005 ブロークン・フラワーズ
Broken Flowers
シェリー
2006 ザ・レジェンド・オブ・ルーシー・キーズ
The Legend of Lucy Keyes
ジャンヌ
ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男
The Hoax
ニーナ・ヴァン・パラント
2007 狼たちの報酬
The Air I Breathe
ジーナ
パリ、恋人たちの2日間
2 days in Paris
マリオン 監督・脚本・製作・編集・音楽・主演
セザール賞脚本賞候補
2009 血の伯爵夫人
The Countess
エリザベート・バートリ 監督・脚本・製作・音楽・主演
2011 スカイラブ
LE SKYLAB
アンナ 監督・脚本・出演
2012 ニューヨーク、恋人たちの2日間
2 Days in New York
マリオン 監督・脚本・製作・音楽・主演
2013 ビフォア・ミッドナイト
Before Midnight
セリーヌ 主演・脚本
アカデミー賞脚色賞候補
2015 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
Avengers: Age of Ultron
マダム・B

Lolo
Violette 監督・脚本・出演
2016 トッド・ソロンズの子犬物語
Wiener-Dog
ディーナ トッド・ソロンズ監督作
2017 The Bachelors Carine
2019 My Zoe Isabelle 監督・脚本・出演
2021 On the Verge[6] Justine Also creator, executive producer, writer, and director

参照 編集

  1. ^ IMDB Julie Delpy”. 2011年10月30日閲覧。
  2. ^ Julie Delpy Biography”. The New York Times. 2011年10月30日閲覧。
  3. ^ “イーサン・ホーク&ジュリー・デルピー「ビフォア・ミッドナイト」が撮了”. 映画.com. (2012年9月9日). https://eiga.com/news/20120909/8/ 2012年11月7日閲覧。 
  4. ^ Interview: Julie Delpy”. 2009年7月16日閲覧。
  5. ^ Julie Delpy: 'I Love Everything About Motherhood”. 2009年7月16日閲覧。
  6. ^ https://www.imdb.com/title/tt5540990/ On the Verge

外部リンク 編集