ジョエリー・ロドリゲス

ドミニカ共和国の野球選手 (1991 - )

ジョエリー・ロドリゲス・サンチェスJoely Rodríguez Sánchez1991年11月14日 - )は、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のプロ野球選手投手)。左投左打。フリーエージェント(FA)。

ジョエリー・ロドリゲス
Joely Rodríguez
ニューヨーク・メッツ時代
(2022年8月5日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 首都地区サントドミンゴ
生年月日 (1991-11-14) 1991年11月14日(32歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2016年9月11日
NPB / 2018年7月29日
年俸  
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとパイレーツ傘下時代 編集

2009年3月にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結んでプロ入り。

2013年11月20日にメジャー契約を結んで40人枠入りする。同年から2017年までは毎年オフに母国ドミニカ共和国のウィンターリーグに参加し、リーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナに所属するヒガンテス・デル・シバオ英語版でプレーしていた。

2014年はAA級アルトゥーナ・カーブにて主に先発投手として起用され、30試合(先発21試合)に登板して6勝11敗、防御率5.37、73奪三振を記録した。

フィリーズ時代 編集

 
フィラデルフィア・フィリーズ時代
(2016年9月22日)

2014年12月10日にアントニオ・バスタルドとのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した。2015年は傘下のAA級レディング・ファイティン・フィルズとAAA級リーハイバレー・アイアンピッグスで計32試合に登板した。

2016年はA+級クリアウォーター・スレッシャーズ英語版、AA級レディング、AAA級リーハイバレーでの登板を経て、9月11日にメジャー初昇格を果たした。同日のワシントン・ナショナルズ戦においてメジャー初登板を果たす。この年メジャーでは12試合に登板して防御率2.79、7奪三振を記録した。

2017年は開幕ロースターに入り中継ぎで26試合に登板したが、1勝2敗、防御率6.33と不調だった。

レンジャーズ傘下時代 編集

2017年7月13日に後日発表選手とのトレードで、テキサス・レンジャーズへ移籍した。移籍後は傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスに所属したが、ここでも防御率6点台と不振だった。オフにFAとなった。

オリオールズ傘下時代 編集

2017年11月28日にボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結んだ。

2018年は傘下のAAA級ノーフォーク・タイズでプレーし、33試合(先発1試合)に登板して5勝3敗、防御率5.11、52奪三振を記録した。7月19日に自ら選んで契約を途中で放棄する「オプトアウト」を申し出る形でFAとなった。

中日時代 編集

2018年7月25日、中日ドラゴンズが獲得したことを発表した[1]。背番号は「57」。7月28日に一軍登録され、翌29日の巨人戦(東京ドーム)で初登板し、1イニングを3者凡退に抑えた[2]

その後は救援投手として登板し、9月15日の対広島戦(マツダスタジアム)では7回裏に登板した際、広島の打者田中広輔に投じた5球目が日本プロ野球の左腕では当時の史上最速記録[注 1]を更新する159km/hを記録した[注 2][4]

2019年はチームの絶対的セットアッパーとして中継ぎ陣を支えた。防御率も1点台をマークし自身初となる最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。しかし、オフに契約交渉でメジャーリーグへの移籍を希望していたことから[5]、契約交渉を打ち切り、自由契約となった[6]

レンジャーズ時代 編集

2019年12月16日にレンジャーズと2年総額550万ドルで契約を結んだ[7]。背番号は「57」で、オプションとして2022年シーズンの選択権を球団側が所持し、バイアウトの際は50万ドル支払われる。

2020年は中継ぎの一角として安定した成績を残していたが、9月5日のシアトル・マリナーズ戦で左太もも裏を痛めて故障者リスト入りし、そのままシーズン終了となった[8]

ヤンキース時代 編集

2021年7月29日にグレン・オットエセキエル・デュラントレバー・ハウバー英語版ジョシュ・スミスとのトレードで、ジョーイ・ギャロと金銭と共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[9]。オフの11月7日にチームオプションを破棄されてFAとなったが、10日に1年200万ドルで再契約した[10][11]

メッツ時代 編集

2022年4月3日にミゲル・カストロとのトレードで、ニューヨーク・メッツへ移籍した[12]。オフの11月6日にFAとなった[13]

レッドソックス時代 編集

2022年11月23日にボストン・レッドソックスと150万ドルの単年契約を結んだ[14][15]。2024年の契約は425万ドルのチームオプションとなり、破棄された場合は50万ドルが支払われる[15]

2023年オフの11月3日に契約延長オプションを破棄して、FAとなった[16]

投球スタイル 編集

インステップ気味に右足を踏み出し、左スリークォーターから最速159km/hの速球を投じる[17]。MLBでの最速は、2016年に計測した99.1mph(約159.5km/h)である。

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2016 PHI 12 0 0 0 0 0 0 0 3 ---- 39 9.2 8 0 4 1 1 7 0 0 3 3 2.79 1.24
2017 26 0 0 0 0 1 2 0 3 .333 134 27.0 37 4 15 3 4 18 0 1 26 19 6.33 1.92
2018 中日 26 0 0 0 0 0 3 1 9 .000 116 27.1 22 1 14 1 1 26 1 0 9 7 2.30 1.32
2019 64 0 0 0 0 3 4 1 41 .429 240 60.1 42 3 14 3 3 77 4 0 13 11 1.64 0.93
2020 TEX 12 0 0 0 0 0 0 0 3 ---- 52 12.2 8 0 5 0 0 17 1 0 3 3 2.13 1.03
2021 31 0 0 0 0 1 3 1 9 .250 128 27.1 32 3 12 1 0 30 1 0 19 18 5.93 1.61
NYY 21 0 0 0 0 1 0 0 5 1.000 79 19.0 21 1 6 0 0 17 2 1 8 6 2.84 1.42
'21計 52 0 0 0 0 2 3 1 14 .400 207 46.1 53 4 18 1 0 47 3 1 27 24 4.66 1.53
2022 NYM 55 0 0 0 0 2 4 0 9 .333 216 50.1 42 3 26 1 1 57 2 0 28 25 4.47 1.35
2023 BOS 11 0 0 0 0 0 0 0 0 51 11.0 13 2 6 0 0 14 0 0 9 8 6.55 1.73
MLB:6年 168 0 0 0 0 5 9 1 32 .357 699 157.0 161 13 74 6 6 160 6 2 96 82 4.70 1.50
NPB:2年 90 0 0 0 0 3 7 2 50 .300 356 87.2 64 4 28 4 4 103 5 0 22 18 1.85 1.05
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル 編集

記録 編集

  • 初登板:2018年7月29日、対読売ジャイアンツ14回戦(東京ドーム)、7回裏に救援登板、1回無失点
  • 初奪三振:同上、ホルヘ・マルティネスから空振り三振
  • 初ホールド:2018年8月3日、対読売ジャイアンツ15回戦(ナゴヤドーム)、7回表に2番手で救援登板、1/3回無失点
  • 初セーブ:2018年9月17日、対読売ジャイアンツ25回戦(東京ドーム)、8回裏2死から3番手で救援登板・完了、1回1/3を無失点
  • 初勝利:2019年7月17日、対阪神タイガース14回戦(豊橋市民球場)、8回表に4番手で救援登板、1回無失点

背番号 編集

  • 63(2016年 - 2017年)
  • 57(2018年 - 2021年途中、2023年)
  • 30(2021年途中 - 2022年)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2020年8月15日にライデル・マルティネス160km/hを記録するまで、球団最速記録だった[3]
  2. ^ これまでの最速記録は埼玉西武ライオンズ菊池雄星が2017年8月3日のロッテ戦(メットライフドーム)にて記録した158km/h。

出典 編集

  1. ^ ジョエリー・ロドリゲス投手が入団”. 中日ドラゴンズ公式サイト (2018年7月25日). 2021年4月3日閲覧。
  2. ^ 中日ロドリゲスが来日初登板「打者一人ひとりに集中」して3者凡退に”. 東京スポーツ (2018年7月29日). 2018年9月16日閲覧。
  3. ^ 球団最速160キロ!中日R・マルティネス 現中日の与田監督は1990年に157キロを記録”. 中日スポーツ (2020年8月15日). 2021年4月3日閲覧。
  4. ^ 【中日】ロドリゲス159キロ!雄星越えの国内左腕最速”. スポーツ報知 (2018年9月15日). 2018年9月16日閲覧。
  5. ^ 中日ロドリゲス退団確実「保留者名簿外す」球団代表”. 日刊スポーツ (2019年11月29日). 2021年4月3日閲覧。
  6. ^ 自由契約選手 2019年度”. NPB公式サイト. 2021年4月3日閲覧。
  7. ^ David Adler (2019年12月16日). “Texas inks Joely Rodríguez to 2-year contract” (英語). MLB.com. 2019年12月18日閲覧。
  8. ^ 元中日・ロドリゲス 左脚痛めて戦線離脱 今季絶望の可能性”. デイリースポーツ (2020年9月7日). 2020年10月7日閲覧。
  9. ^ Yankees Finalizing Deal To Acquire Joey Gallo, Joely Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月29日閲覧。
  10. ^ Yankees Decline Club Option On Joely Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月11日閲覧。
  11. ^ Yankees Sign Joely Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月11日閲覧。
  12. ^ Release: Mets acquire Joely Rodriguez 4/3/22”. www.mlb.com. 2022年4月4日閲覧。
  13. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
  14. ^ RED SOX AGREE TO ONE-YEAR CONTRACT WITH LEFT-HANDED PITCHER JOELY RODRíGUEZ” (英語). MLB.com. 2022年11月23日閲覧。
  15. ^ a b Red Sox Sign Joely Rodriguez” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年11月23日閲覧。
  16. ^ 39 Additional Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月6日). 2023年11月10日閲覧。
  17. ^ 中日・ロドリゲスがNPB左腕最速159キロ 雄星超えた!”. デイリースポーツ (2018年9月16日). 2021年4月3日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集