ジョン・アンダーソン (音楽家)
ジョン・アンダーソン(Jon Anderson、1944年10月25日 - )は、イギリスのミュージシャン、ボーカリスト、作詞家。プログレッシブ・ロック・バンド、イエスの元リード・ボーカリスト。
ジョン・アンダーソン Jon Anderson | |
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![]() サンパウロでのライブ(2011年12月) | |
基本情報 | |
出生名 | John Roy Anderson |
生誕 | 1944年10月25日(77歳) |
出身地 |
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ジャンル |
プログレッシブ・ロック シンフォニック・ロック ポップ・ロック ニューエイジ・ミュージック |
職業 |
歌手 作詞家 作曲家 画家 ギタリスト ハープ奏者 |
担当楽器 | 歌、キーボード、パーカッション、ハープ、ギター |
活動期間 | 1968年 - 現在 |
共同作業者 |
イエス ザ・ウォリアーズ ジョン・アンド・ヴァンゲリス ABWH キング・クリムゾン |
公式サイト | Official website |
来歴編集
イギリスのアクリントン出身。父はスコットランド系、母はアイルランド系のイギリス人だった。学校を卒業し、15歳から様々な職を転々とする。
地元のサッカークラブチームであるアクリントン・スタンリーFCへ入る夢も持っていたが、165cmという小柄な体型からあきらめるしかなかった。
1962年にザ・ウォリアーズに兄のトニー・アンダーソンと共にボーカリストとして加入。1967年に解散した。その後、ハンス・クリスチャンの芸名のシンガーとしてシングル盤2枚を発表している。
1968年にメイベル・グリアーズ・トイショップに在籍していたクリス・スクワイアと出会い、意気投合した彼らはビル・ブルーフォード、ピーター・バンクス、トニー・ケイと共にイエスを結成し、1969年にデビュー・アルバム『イエス・ファースト・アルバム』を発表する。1976年には初のソロ・アルバム『サンヒローのオリアス』を発表している。
1979年にリック・ウェイクマンと共にイエスを脱退する。その後しばらくソロ活動を行うが、1983年にイエスに復帰し『ロンリー・ハート』が大ヒットを記録する。しかし、音楽性の違いから1988年にまたしてもバンドを脱退。1989年にはイエスのキャリア中に出会ったメンバーとアンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ(略称:ABWH)名義でアルバム『閃光』を発表している。1990年にはABWHとイエスの合体という形で、アンダーソンはイエスに復帰した。
ギリシャ人のキーボード奏者・ヴァンゲリスとの連名で共作アルバムを数枚発表し、時々、ライブでも共演している。
1992年には喜多郎の作品に参加し、喜多郎と共にワールド・ツアーを行なっている。
2008年に体調不良を理由にイエスでのシンガーとしての活動を、バンドおよびマネージメント・サイドから拒否され、現在はイエスでの活動を行なっていない。イエスは代理のシンガー、ベノワ・ディヴィッドを擁立して2008年以降、ライブ活動を行ない、2012年にはジョン・デイヴィソンに交代している。
2008年にスロバキア人作曲家のペテル・マハイジックは、ジョン・アンダーソンが歌う「Sadness of Flowing」という曲が収録された『Namah』というタイトルのアルバムを発表した。2009年には、アンダーソンとマハイジックはブラチスラヴァのTribute to Freedomコンサートにて共演し、2012年にはロンドンオリンピックの一環として、サドラーズウェルズ劇場にてジョイント・コンサートを開いた。
アンダーソンは2009年以降、ソロ・シンガーとしてライブ活動中。2010年秋にはリック・ウェイクマンとの共演の英国ツアーを「プロジェクト 360」の名義で行ない、連名のスタジオ・アルバムとライブ・アルバムを発表している。
2012年にはスロバキアのシンガーソングライター・Miroslav Žbirkaとライブで共演した。
2013年にはアイスランドのバンド Todmobile とライブで共演した。
2014年にバイオリニストのジャン=リュック・ポンティとのバンド、アンダーソン=ポンティ・バンドを結成し、活動を開始した。同年7月に、Kickstarter での同バンドへの投資募集を発表している。
2016年には、スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンド、カイパやザ・フラワー・キングスのギタリストとして知られるロイネ・ストルトと共に、アンダーソン/ストルトの名義でアルバムを発表している。
2016年に、元イエスのメンバーであるリック・ウェイクマン、トレヴァー・ラビンとアンダーソン・ラビン・ウェイクマン (ARW)を結成し、ワールド・ツアーを開始。このバンドは翌年4月に、イエス・フィーチャリング・アンダーソン・ラビン・ウェイクマンに改名している。
三弦ギターであるストラムスティックの奏者としても知られている。
家族編集
かつて、アフリカ系イギリス人であるジェニファー・ベイカーと婚姻をしており(1970年 - 1995年)、2人の娘、デボラ・アンダーソン、ジェイド・アンダーソン、息子のダミアン・アンダーソンもミュージシャンとして活動をしている。1997年にジェーン・ルーテンバーガーと再婚した。2009年にはアメリカの市民権を取得した。
ディスコグラフィ編集
ソロ・スタジオ・アルバム編集
- 『サンヒローのオリアス』 - Olias of Sunhillow (1976年)_全米47位(Billboard)
- 『七つの詩』 - Song of Seven (1980年)_全米143位(Billboard)
- 『アニメーション』 - Animation(1982年)_全米176位(Billboard)
- 『スリー・シップス』 - 3 Ships (1985年)_全米166位(Billboard)
- 『イン・ザ・シティ・オブ・エンジェルス』 - In The City of Angels (1988年)
- 『デセオ』 - Deseo (1994年)
- 『チェンジ・ウィー・マスト』 - Change We Must (1994年)
- 『天使の抱擁』 - Angels Embrace (1995年)
- 『トルティック』 - Toltec (1996年)
- Lost Tapes of Opio (1996年)
- 『誓いの指輪』 - The Promise Ring (1997年)
- 『聖なる地球の詩』 - Earth Mother Earth (1997年)
- 『モア・ユー・ノウ』 - The More You Know (1998年)
- Survival & Other Stories (2010年)
ソロ・ライブ・アルバム編集
- Live from La La Land (2007年)
ソロ・コレクション編集
- The Lost Tapes (2006年–2008年) ※ライブ、未発表デモ音源等のアルバム集。20枚組のCDボックス・セットとして計画されたが、7枚のみリリースされている。
- Interview (2006年)
- The Mother's Day Concert (2006年)
- Searching For The Songs (2006年)
- Live in Sheffield 1980 (2006年)
- Watching The Flags That Fly (2006年)
- The Lost Tapes of Opio (2007年)
- From Me To You (2008年)
※イエスでデビューする以前の1968年に、アンダーソンはハンス・クリスチャンという芸名のソロ・シンガーとして2種のシングル盤を発売している。(「Never My Love / All Of The Time」および「Autobiography Of A Mississippi Hobo / Sonata Of Love」)
ザ・ウォリアーズ編集
- "You Came Along b/w Don't Make Me Blue" (1964年)
- 『ボルトン・クラブ65』 - Bolton Club 65 (1965年)
イエス編集
ライブ・アルバム、コンピレーション・アルバム等の詳細はイエスの作品を参照
- 『イエス・ファースト・アルバム』 - Yes (1969年)
- 『時間と言葉』 - Time and a Word (1970年)
- 『イエス・サード・アルバム』 - The Yes Album (1971年)
- 『こわれもの』 - Fragile (1971年)
- 『危機』 - Close to the Edge (1972年)
- 『海洋地形学の物語』 - Tales from Topographic Oceans (1973年)
- 『リレイヤー』 - Relayer (1974年)
- 『究極』 - Going for the One (1977年)
- 『トーマト』 - Tormato (1978年)
- 『ロンリー・ハート』 - 90125 (1983年)
- 『ビッグ・ジェネレイター』 - Big Generator (1987年)
- 『結晶』 - Union (1991年)
- 『トーク』 - Talk (1994年)
- 『キーズ・トゥ・アセンション』 - Keys to Ascension (1996年) ※スタジオ&ライブ・アルバム
- 『キーズ・トゥ・アセンション2』 - Keys to Ascension 2 (1997年) ※スタジオ&ライブ・アルバム
- 『オープン・ユア・アイズ』 - Open Your Eyes (1997年)
- 『ラダー』 - The Ladder (1999年)
- 『マグニフィケイション』 - Magnification (2001年)
アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ編集
- 『閃光』 - Anderson Bruford Wakeman Howe(1989年)
- 『イエス・ミュージックの夜』 - An Evening Of Yes Music Plus(1993年) ※ライブ・アルバム
- Live at the NEC – Oct 24th 1989(2010年)
コラボレーション編集
- 『ショート・ストーリーズ』 - Short Stories (1979年)
- 『フレンズ・オブ・ミスター・カイロ』 - The Friends of Mr. Cairo (1981年)
- 『プライヴェイト・コレクション』 - Private Collection (1983年)
- 『ベスト・オブ・ジョン・アンド・ヴァンゲリス』 - The Best of Jon & Vangelis (ベスト盤 1984年)
- 『ページ・オブ・ライフ』 - Page of Life (Arista盤 1991年)
- "Wisdom Chain" (CDシングル 1991年)
- Chronicles (ベスト盤 1994年)
- Page of Life (OmTown盤 1998年)
- 『レイディ・オブ・ドリームス』 - Dreams(1992年 別ジャケット、内容の違う盤あり)
- ジョン・アンダーソン・アンド・リック・ウェイクマン名義
- 『ザ・リヴィング・トゥリー』 - The Living Tree (2010年)
- 『ザ・リヴィング・トゥリー・イン・コンサート パート1』 - The Living Tree in Concert Part One (2012年)
- アンダーソン=ポンティ・バンド
- 『ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅』 - Better Late Than Never (2015年)
- アンダーソン/ストルト
- 『インヴェンション・オヴ・ナレッジ』 - Invention of Knowledge (2016年)
参加作品編集
- キング・クリムゾン: 『リザード』 - Lizard (1970年)
- Johnny Harris: "All To Bring You Morning" (1971年)
- ヴァンゲリス: 『天国と地獄』 - Heaven and Hell (1975年)
- アラン・ホワイト: 『ラムシャックルド』 - Ramshackled (1976年)
- リック・ウェイクマン: 『1984』 - 1984 (1981年)
- マイク・オールドフィールド: 『クライシス』 - Crises (1983年)
- ジョルジオ・モロダー: Music From The Film "Metropolis" (1984年)
- ジョン・ポール・ジョーンズ: Music From The Film "Scream For Help" (1985年)
- タンジェリン・ドリーム: Music From The Film "Legend" (1986年)
- Stanislav Syrewicz: Music From The Film "Biggies Adventures In Time" (1986年)
- Gowan: Great Dirty World (1987年)
- TOTO: 『ザ・セブンス・ワン〜第7の剣〜』 - The Seventh One (1988年)
- Jonathan Elias: Requiem For The Americas (1989年)
- Charlie Bisharat: Along The Amazon (1993年)
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 : Symphonic Music of Yes (1993年)
- スティーヴ・ベイリー: 『進化』 - Evolution (1993年)
- Ayman: Dancing with My Soul (1994年)
- ミルトン・ナシメント: 『アンジェルス』 - Angelus (1994年)
- Cielo y Tierra: Heaven And Earth (1996年)
- 4Him: Streams (1999年)
- スティーヴ・ハウ: 『ポートレイツ・オブ・ボブ・ディラン』 - Portraits Of Bob Dylan (1999年)
- ベラ・フレック&フレックトーンズ: 『アウトバウンド』 - Outbound (2000年)
- Eduardo Marquez del Signore: Captivated (2000年)
- Alan Simon: Excalibur 2 - L'anneau des Celtes (2007年)
- ドリーム・シアター: 『システマティック・ケイオス』 - Systematic Chaos (2007年)
- ペテル・マハイジック[1]: Namah[2] (2008年)
- バトルス: Juice B Crypts > Sugar Foot (2019年) 落差草原WWWWと共に共演