ジョー・マドン

アメリカの野球選手、監督 (1954 - )

ジョセフ・ジョン・マドン・ジュニアJoseph John Maddon Jr., 1954年2月8日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ヘイズルトン出身の元プロ野球選手捕手)、監督。右投右打。

ジョー・マドン
Joe Maddon
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ペンシルベニア州ヘイズルトン
生年月日 (1954-02-08) 1954年2月8日(70歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1976年 アマチュアFA
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

タンパベイ・レイズの監督としては「レイズ旋風」を巻き起こし、またシカゴ・カブスの監督としてはカブスとカブスファン達を長年に渡って苦しめ続けた「ビリーゴートの呪い」を解いた監督として知られ、これらの偉業を達成した実績から現代MLBを代表する知将名将として認識されている。最優秀監督賞を3度受賞している。

経歴

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ラファイエット大学では野球とアメリカンフットボールをプレーし、1976年に卒業。カリフォルニア・エンゼルスのマイナーで捕手としてプレーをしたもののメジャー昇格をすることのないまま1979年の出場を最後に現役を引退し、その後選手時代を含め31年間エンゼルスの組織に所属した。スカウト、打撃インストラクター、マイナーリーグの監督などを経て、1996年から2005年までエンゼルスのベンチコーチを務めた[1]。また1996年1999年には代理監督を数試合務めている。2002年にはマイク・ソーシア監督の下でワールドシリーズ制覇に貢献した。

2004年のシーズン前にはボストン・レッドソックスの監督候補となっていたが、結局テリー・フランコーナが選出され監督就任はならなかった。2005年11月5日にルー・ピネラの後任としてタンパベイ・デビルレイズ監督に就任。監督就任1年目の2006年は2002年以来4年ぶりとなる、球団史上ワースト2位の101敗を喫し、2007年には66勝96敗・借金30でMLB最低勝率(.407)となったが、2008年はチーム名を、それまでのデビルレイズ(Devil Rays 海洋生物のオニイトマキエイ)からレイズ(Ray 光、陽光の複数Rays)に改称した。このレギュラーシーズンにチームは開幕から快進撃を続け、球団創設11年目で初の地区優勝を果たすと、ポストシーズンでも勢いを保ったまま一気にプレーオフを勝ち上がりアメリカンリーグ優勝も果たし、遂にワールドシリーズへ進出を決めた。ワールドシリーズでは、日本球界で助っ人として活躍したチャーリー・マニエル監督率いるフィラデルフィア・フィリーズに敗れ、世界一にはなれなかったものの、監督としての手腕が評価され2008年のアメリカンリーグ最優秀監督に選出された[2]

 
タンパベイ・レイズでの監督時代

2011年、監督としての手腕が評価され、同年のアメリカンリーグ最優秀監督に選出された。

2012年2月、監督としての契約を2015年まで3年間延長した。

2014年10月24日、レイズから退団が発表された。2015年が契約最終年だったが、本人の希望で契約を解除した[3]

2014年10月31日、シカゴ・カブスから新監督に迎えると発表された[4]

2015年はカブスを地区3位ながらナショナルリーグチャンピオンシップシリーズに進出した手腕を評価され、ナショナルリーグ最優秀監督賞(アメリカンリーグを含めて通算3度目)を受賞した[5]

 
シカゴ・カブスでの監督時代
(2016年10月20日)

2016年は、71年ぶりのナショナルリーグ優勝、そして、長年に渡ってカブスとカブスファン達を苦しめ続けたきた「ヤギの呪いリグレー・フィールド#ヤギの呪いを打ち破り、チームを108年振りのワールドシリーズ制覇へ導いた。

2017年に史上63人目となる監督通算1000勝を達成。

2018年は7月から地区首位だったが、161試合目でミルウォーキー・ブルワーズに並ばれ、163試合目の地区優勝決定戦英語版で敗れて、地区優勝を逃して、ワイルドカードでプレーオフ進出となった。ワイルドカードゲーム英語版コロラド・ロッキーズに敗れた。

2019年は主力に故障者が相次ぎ、ナ・リーグ中地区3位で5年ぶりにプレーオフ進出を逃した。9月29日に2015年から指揮を執ってきた監督を契約満了で退任することを発表した。退任に際しては「素晴らしい5年間だった」と話した[6]

2020年シーズンからはロサンゼルス・エンゼルスの監督を務める[7]

2022年シーズンは5月中旬まで首位と好調だったが、5月25日から6月6日まで同一シーズンではチームワーストタイとなる12連敗を喫し、6月7日に解任された[8]

監督としての特徴

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常識にとらわれず、多様な戦術を持っている。

詳細情報

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年度別監督成績

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順 位 /
チーム数


ポストシーズン
勝敗
1996 CAL AL 西 42歳 22 8 14 .364 4 / 4 監督代行
1999 ANA 45歳 29 19 10 .655 4 / 4 監督代行
2006 TB AL 東 52歳 162 61 101 .377 5 / 5
2007 53歳 162 66 96 .407 5 / 5
2008 54歳 162 97 65 .599 1 / 5 WS敗退 8勝8敗
2009 55歳 162 84 78 .519 3 / 5
2010 56歳 162 96 66 .593 1 / 5 ALDS敗退 2勝3敗
2011 57歳 162 91 71 .562 2 / 5 ALDS敗退 1勝3敗
2012 58歳 162 90 72 .556 3 / 5    
2013 59歳 163 92 71 .564 2 / 5 ALDS敗退 2勝3敗
2014 60歳 162 77 85 .475 4 / 5  
2015 CHC NL 中 61歳 162 97 65 .599 3 / 5 NLCS敗退 4勝5敗
2016 62歳 162 103 58 .640 1 / 5 WS優勝 11勝6敗
2017 63歳 162 92 70 .568 1 / 5 NLCS敗退 4勝6敗
2018 64歳 163 95 68 .583 2 / 5 NLWC敗退 0勝1敗
2019 65歳 162 84 78 .519 3 / 5
2020 LAA AL 西 66歳 60 26 34 .433 4 / 5
2021 67歳 162 77 85 .475 4 / 5
2022 68歳 56 27 29 .482 2 / 5 途中解任
MLB:19年 2599 1382 1216 .532 - 32勝35敗
  • 2022年6月時点。
  • 年度の太字は最優秀監督賞受賞。
  • 順位の太字はプレーオフ進出(ワイルドカードを含む)。
  • WS…ワールドシリーズ、LCS…リーグチャンピオンシップシリーズ、DS…ディビジョンシリーズ、WC…ワイルドカードゲーム(ワイルドカードシリーズ)。

表彰

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  • アメリカンリーグ最優秀監督賞:2回(2008年、2011年)
  • ナショナルリーグ最優秀監督賞:1回(2015年)

背番号

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  • 70(1995年 - 2022年)

脚注

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  1. ^ Boston.com / Sports / Baseball / Red Sox
  2. ^ Joe Smith (2008年11月12日). “Tampa Bay Rays' Maddon named AL manager of the year”. Tampabay.com. 2008年11月12日閲覧。
  3. ^ レイズ名将マドン監督が退団”. 日刊スポーツ (2014年10月26日). 2014年11月2日閲覧。
  4. ^ カブス新監督にレイズ退団のマドン氏”. 日刊スポーツ (2014年11月1日). 2014年11月2日閲覧。
  5. ^ John Schlegel (2015年11月17日). “Banister top AL skipper; Maddon best in NL” (英語). http://m.mlb.com/news/article/157539680/jeff-banister-and-joe-maddon-managers-of-year 2015年11月18日閲覧。 
  6. ^ カブス、マドン監督が退任 16年にワール…(写真=ゲッティ共同)”. 日本経済新聞 電子版. 2019年9月30日閲覧。
  7. ^ Rhett Bollinger (2019年10月21日). “Angels to introduce Maddon as skipper Thursday” (英語). MLB.com. 2019年11月3日閲覧。
  8. ^ エンゼルスがマドン監督解任 今季一時首位も同一年ワースト12連敗の大失速、大谷の二刀流サポート”. スポーツニッポン (2022年6月8日). 2022年6月8日閲覧。
  9. ^ 8番打者に投手を置く、という奇策。MLBの策士の遊び心あふれる打順論。”. Sports Graphic Number (2015年7月24日). 2018年10月14日閲覧。
  10. ^ 外野4人の“珍シフト”は「酷い作戦」!? “撃破”の巧打者に称賛続々「球界最高」”. スポーツブル (2017年8月15日). 2018年10月14日閲覧。
  11. ^ Seattle Mariners at Chicago Cubs Box Score, July 31, 2016”. Baseball-Reference.com (2016年7月31日). 2018年10月14日閲覧。
  12. ^ カブス名将が奇策で危機脱出、投手2人がマウンドと左翼を行ったり来たり…”. Full-Count (2018年6月14日). 2018年10月14日閲覧。
  13. ^ 0打数7出塁とカブスの驀進。成功した「ハーパーを歩かせろ」。”. Sports Graphic Number (2016年5月14日). 2018年10月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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