スカル・アンド・ボーンズ

スカル・アンド・ボーンズSkull and BonesS&B、頭蓋骨と骨)は、アメリカイェール大学にある秘密結社。「The Brotherhood of Death」の異名がある。会員名簿は公開されている。ウィリアム・ハンティントン・ラッセルと、従兄弟のサミュエル・ラッセルが1832年に設立した。また彼らはラッセル商会カルパーリングをも創設した[1][2]

スカル・アンド・ボーンズのエンブレム

概要 編集

構成員同士が協力し合いアメリカで経済的・社会的に成功することを目的としている。週に2回、ニューヘイヴンのクラブストリートのはずれの窓のないクラブハウスで議論をするために集まる。なお、イェール大学には、他に、「スクロール&キー」「ベルセリウス」「ブック&スネーク」「ウルフズヘッド」と呼ばれる結社が存在している。

1832年、ウィリアム・ハンティントン・ラッセルがアルフォンソ・タフトとともに設立した。当初は「エウロギアクラブ」という名前であった[3]

アメリカの大学に複数ある排他的結社の一つで、入会に関する一切が不明であり、ただ大学の「新入生の中から15人選出される」ことのみが判明している。

入会式に関しては、「新入生がドロレスをする」「棺桶に入り、初体験などを告白する」と言われる。入会者へは高価な振り子時計が送られ、卒業の際には1万6000ドルが送られるという。

322という数字に意味を付けている。「新入生には、322のナンバープレートを盗ませる」「入会に際し、頭蓋骨と322が描かれ、リボンがかけられた黒い封筒が送られる」「デモステネスの没年である紀元前322年を基本とし、会員(ボーンズマンと呼ばれる)は同年を紀元1年とするカレンダーを使う」などと言われている。

これに関し、スカル・アンド・ボーンズは元来ドイツの大学の学友会で、W・H・ラッセルが、在学中ドイツへ留学したおり、当地の学生と深い親交を結び、帰国後フラタニティの名前を「322番目の」学生結社とした、という説がある[4]。 

2004年アメリカ大統領選挙の候補者であったジョン・ケリー1966年)や、ジョージ・W・ブッシュ(第43代大統領。入会時は1968年)、その父である第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュ1948年)や、祖父プレスコット・ブッシュ1917年)もS&Bのメンバーだった。

歴代のCIA長官はジョージ・H・W・ブッシュをはじめとしてボーンズマンが務めてきた。その他、ボーンズマンは金融、石油といった産業界の中枢だけでなく、国防総省国務省などの政府機関にも存在している[5]

RSF 編集

ボーンズマンDaniel Coit Gilmanは、Timothy Dwight Vアンドリュー・ディクソン・ホワイトの2人とベルリン大学へ哲学を学びに留学した仲間だったが、1856年にS&Bを Russel Trust Association として改組した[6]。これはRussell Sage Foundationの前身である。

登場する映像作品 編集

脚注 編集

  1. ^ “Change In Skull And Bones.; Famous Yale Society Doubles Size of Its House — Addition a Duplicate of Old Building” (PDF). The New York Times. (1903年9月13日). http://query.nytimes.com/mem/archive-free/pdf?res=F70812FA3E5911738DDDAA0994D1405B838CF1D3 2011年11月5日閲覧。 
  2. ^ Niarchos, Nicolas; Victor Zapana (2008年12月5日). “Yale's secret social fabric”. Yale Daily News. http://yaledailynews.com/weekend/2008/12/05/yales-secret-social-fabric/ 2009年3月12日閲覧。 
  3. ^ アーサー・ゴールドワグ『カルト・陰謀・秘密結社 大事典』河出書房新社p331。なお、同書の説明によれば、エウロギアは「ギリシャ神話の弁舌の女神」であり、デモステネスの死後パンテオンに祀られたという。
  4. ^ アーサー・ゴールドワグ p332
  5. ^ ベンジャミン・フルフォード『仕組まれたアメリカ解体の真実』 青春出版社 2009年 ISBN 9784413037204
  6. ^ Christopher Story The New Underworld Order: Triumph of Criminalism the Global Hegemony of Masonic Intelligence Stranger Journalism, 2003/09/01 p.50.

関連項目 編集

外部リンク 編集