スキージャンプ・ワールドカップ
スキージャンプ・ワールドカップ (The FIS Ski jumping World Cup) は国際スキー連盟が主催するスキージャンプのシーズンごとの大会である。1979-80年シーズンから始まった。2011-2012シーズンからは女子の部も開始された。ワールドカップ競技大会の一つ。
概要編集
参加資格は男女ともに
- FISの登録を受けている選手であること
- シーズン開始時の暦年 - 15年以前の生まれであること (2017-18年シーズンの場合2002年以前生まれであること)
かつ
- これまでにサマーグランプリまたはワールドカップのポイントを取っていること
- 前シーズンまたは当該シーズンにコンチネンタルカップのポイントを取っていること
国別の選手枠は原則として最大6人だが、開催国については男子は最大13人 (国ごとに2戦まで)、女子は最大12人 (国ごとに2戦まで) の出場が可能である。
各シーズンにおおよそ25から30試合を行い、各試合の入賞者に順位に応じた得点 (ワールドカップポイント、下表参照)を与えてその合計により年間王者 (総合優勝) を決定する。
順位 | WC points | 順位 | WC points | 順位 | WC points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | 11 | 24 | 21 | 10 |
2 | 80 | 12 | 22 | 22 | 9 |
3 | 60 | 13 | 20 | 23 | 8 |
4 | 50 | 14 | 18 | 24 | 7 |
5 | 45 | 15 | 16 | 25 | 6 |
6 | 40 | 16 | 15 | 26 | 5 |
7 | 36 | 17 | 14 | 27 | 4 |
8 | 32 | 18 | 13 | 28 | 3 |
9 | 29 | 19 | 12 | 29 | 2 |
10 | 26 | 20 | 11 | 30 | 1 |
各試合において予選を通過できるのは男子50人、女子40人[注 1][注 2][注 3]である。2016-17年シーズンまでワールドカップランキングの上位10人には優先出場権[注 4]が与えられていた。
1本目の成績上位30人が2本目に進む。30位の選手が複数名いる場合はいずれも2本目に進む。ただし、1本目の最長不倒距離の95%以上を飛んだ選手は転倒・不転倒によらず31位以下でも2本目に進出できる。1995年-1996年シーズン以前は一本目の成績上位35名までが2本目に進めた。
記録編集
男子シーズントップ3編集
- 2014/15シーズンはゼヴェリン・フロイント、ペテル・プレヴツが1729ポイントで並んだが、優勝回数の差でフロイントが総合優勝となった。
- トリビア:1996/97シーズンから2006/07シーズンまでの総合優勝者はすべて1977年から1979年のうちの2年間に生まれた選手である。
(ヤンネ・アホネン 1977年5月11日生、アダム・マリシュ 1977年12月3日生、マルティン・シュミット 1978年1月29日生、ヤクブ・ヤンダ 1978年4月27日生、プリモジュ・ペテルカ 1979年2月28日生)
女子シーズントップ3編集
シーズン | 総合優勝 | 2位 | 3位 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2011/12 | サラ・ヘンドリクソン アメリカ合衆国 |
ダニエラ・イラシュコ オーストリア |
高梨沙羅 日本 |
FIS 2012 OVERALL |
2012/13 | 高梨沙羅 日本 |
サラ・ヘンドリクソン アメリカ合衆国 |
コリン・マテル フランス |
FIS 2013 OVERALL |
2013/14 | 高梨沙羅 日本 |
カリーナ・フォークト ドイツ |
伊藤有希 日本 |
FIS 2014 OVERALL |
2014/15 | ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ オーストリア |
高梨沙羅 日本 |
カリーナ・フォークト ドイツ |
FIS 2015 OVERALL |
2015/16 | 高梨沙羅 日本 |
ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ オーストリア |
マヤ・ブティッツ スロベニア |
FIS 2016 OVERALL |
2016/17 | 高梨沙羅 日本 |
伊藤有希 日本 |
マーレン・ルンビ ノルウェー |
FIS 2017 OVERALL |
2017/18 | マーレン・ルンビ ノルウェー |
カタリナ・アルトハウス ドイツ |
高梨沙羅 日本 |
FIS 2018 OVERALL |
2018/19 | マーレン・ルンビ ノルウェー |
カタリナ・アルトハウス ドイツ |
ユリアネ・ザイファルト ドイツ |
FIS 2019 OVERALL |
2019/20 | マーレン・ルンビ ノルウェー |
キアラ・ヘルツル オーストリア |
エヴァ・ピンケルニヒ オーストリア |
FIS 2020 OVERALL |
2020/21 | ニカ・クリジュナー スロベニア |
高梨沙羅 日本 |
マリタ・クラマー オーストリア |
FIS 2021 OVERALL |
男子ワールドカップ総合成績ランク編集
2021年3月29日現在
ランク | 名前 | 国籍 | 総合優勝 | 総合2位 | 総合3位 |
---|---|---|---|---|---|
1. | マッチ・ニッカネン | フィンランド | 4回 | 1回 | 0回 |
2. | アダム・マリシュ | ポーランド | 4回 | 0回 | 1回 |
3. | アンドレアス・ゴルトベルガー | オーストリア | 3回 | 0回 | 1回 |
4. | グレゴア・シュリーレンツァウアー | オーストリア | 2回 | 3回 | 0回 |
5. | ヤンネ・アホネン | フィンランド | 2回 | 2回 | 4回 |
6. | カミル・ストッフ | ポーランド | 2回 | 1回 | 3回 |
7. | アルミン・コグラー | オーストリア | 2回 | 1回 | 1回 |
7. | シュテファン・クラフト | オーストリア | 2回 | 1回 | 1回 |
9. | マルティン・シュミット | ドイツ | 2回 | 1回 | 0回 |
10. | トーマス・モルゲンシュテルン | オーストリア | 2回 | 0回 | 1回 |
11. | プリモジュ・ペテルカ | スロベニア | 2回 | 0回 | 0回 |
12. | シモン・アマン | スイス | 1回 | 2回 | 1回 |
13. | イェンス・バイスフロク | 東ドイツ/ ドイツ | 1回 | 2回 | 0回 |
13. | ペテル・プレヴツ | スロベニア | 1回 | 2回 | 0回 |
15. | アンドレアス・フェルダー | オーストリア | 1回 | 1回 | 4回 |
16. | ゼヴェリン・フロイント | ドイツ | 1回 | 1回 | 1回 |
17. | フーベルト・ノイパー | オーストリア | 1回 | 1回 | 0回 |
17. | アリ=ペッカ・ニッコラ | フィンランド | 1回 | 1回 | 0回 |
17. | アンデシュ・バーダル | ノルウェー | 1回 | 1回 | 0回 |
20. | 小林陵侑 | 日本 | 1回 | 0回 | 1回 |
男子ワールドカップ通算勝利編集
2021年3月29日現在[3]
ランク | 名前 | 国籍 | 勝利数 |
---|---|---|---|
1. | グレゴア・シュリーレンツァウアー | オーストリア | 53 |
2. | マッチ・ニッカネン | フィンランド | 46 |
3. | アダム・マリシュ | ポーランド | 39 |
3. | カミル・ストッフ | ポーランド | 39 |
5. | ヤンネ・アホネン | フィンランド | 36 |
6. | イェンス・バイスフロク | 東ドイツ/ドイツ | 33 |
7. | マルティン・シュミット | ドイツ | 28 |
8. | アンドレアス・フェルダー | オーストリア | 25 |
9. | トーマス・モルゲンシュテルン | オーストリア | 23 |
9. | シモン・アマン | スイス | 23 |
9. | ペテル・プレブツ | スロベニア | 23 |
12. | ゼヴェリン・フロイント | ドイツ | 22 |
13. | シュテファン・クラフト | オーストリア | 21 |
14. | アンドレアス・ゴルトベルガー | オーストリア | 20 |
15. | 小林陵侑 | 日本 | 19 |
16. | スヴェン・ハンナバルト | ドイツ | 18 |
16. | アンドレアス・ビドヘルツル | オーストリア | 18 |
18. | 葛西紀明 | 日本 | 17 |
18. | マッチ・ハウタマキ | フィンランド | 16 |
20. | エルンスト・フェットーリ | オーストリア | 15 |
20. | プリモジュ・ペテルカ | スロベニア | 15 |
20. | 船木和喜 | 日本 | 15 |
女子ワールドカップ通算勝利編集
2021年3月29日現在[4]
ランク | 名前 | 国籍 | 勝利数 |
---|---|---|---|
1. | 高梨沙羅 | 日本 | 60 |
2. | マーレン・ルンビ | ノルウェー | 30 |
3. | ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ | オーストリア | 16 |
4. | サラ・ヘンドリクソン | アメリカ合衆国 | 13 |
5. | マリタ・クラマー | ドイツ | 8 |
6. | カタリナ・アルトハウス | ドイツ | 7 |
7. | キアラ・ヘルツル | ドイツ | 6 |
8. | 伊藤有希 | 日本 | 5 |
9. | ユリアネ・ザイファルト | ドイツ | 4 |
10. | エヴァ・ピンケルニヒ | オーストリア | 3 |
男子ワールドカップ表彰台登壇回数編集
2021年3月29日現在[5]
ランク | 名前 | 国籍 | 表彰台登壇回数 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. | ヤンネ・アホネン | フィンランド | 108 | 36 | 44 | 28 |
2. | アダム・マリシュ | ポーランド | 92 | 39 | 27 | 26 |
3. | グレゴア・シュリーレンツァウアー | オーストリア | 88 | 53 | 20 | 15 |
4. | シモン・アマン | スイス | 80 | 23 | 31 | 26 |
5. | カミル・ストッフ | ポーランド | 79 | 39 | 22 | 18 |
6. | マッチ・ニッカネン | フィンランド | 76 | 46 | 22 | 8 |
7. | トーマス・モルゲンシュテルン | オーストリア | 76 | 23 | 30 | 23 |
8. | イェンス・バイスフロク | 東ドイツ/ドイツ | 73 | 33 | 19 | 21 |
9. | シュテファン・クラフト | オーストリア | 72 | 21 | 26 | 25 |
10. | アンドレアス・ゴルトベルガー | オーストリア | 63 | 20 | 25 | 18 |
11. | 葛西紀明 | 日本 | 63 | 17 | 13 | 33 |
12. | ペテル・プレヴツ | スロベニア | 55 | 23 | 18 | 14 |
13. | エルンスト・フェットーリ | オーストリア | 54 | 15 | 18 | 21 |
14. | ゼヴェリン・フロイント | ドイツ | 53 | 22 | 15 | 16 |
15. | マルティン・シュミット | ドイツ | 52 | 28 | 14 | 10 |
16. | アンドレアス・フェルダー | オーストリア | 51 | 25 | 15 | 11 |
17. | アンドレアス・ビドヘルツル | オーストリア | 49 | 18 | 17 | 14 |
18. | アリ=ペッカ・ニッコラ | フィンランド | 42 | 9 | 14 | 19 |
19. | スヴェン・ハンナバルト | ドイツ | 40 | 18 | 12 | 10 |
20. | マッチ・ハウタマキ | フィンランド | 38 | 16 | 10 | 12 |
21. | 船木和喜 | 日本 | 38 | 15 | 12 | 11 |
22. | アルミン・コグラー | オーストリア | 37 | 13 | 12 | 12 |
23. | ディーター・トーマ | ドイツ | 36 | 12 | 14 | 10 |
24. | アンドレアス・コフラー | オーストリア | 35 | 12 | 13 | 10 |
25. | 小林陵侑 | 日本 | 34 | 19 | 7 | 8 |
26. | アンデシュ・バーダル | ノルウェー | 34 | 7 | 13 | 14 |
27. | プリモジュ・ペテルカ | スロベニア | 32 | 15 | 10 | 7 |
28. | ロアル・ヨケルソイ | ノルウェー | 32 | 11 | 15 | 6 |
29. | ホースト・ビューロー | カナダ | 29 | 13 | 10 | 6 |
30. | マルティン・ヘルバルト | オーストリア | 29 | 8 | 6 | 15 |
女子ワールドカップ表彰台登壇回数編集
2021年3月29日現在[6]
ランク | 名前 | 国籍 | 表彰台登壇回数 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. | 高梨沙羅 | 日本 | 109 | 60 | 30 | 19 |
2. | マーレン・ルンビ | ノルウェー | 62 | 30 | 20 | 12 |
3 | ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ | オーストリア | 52 | 16 | 26 | 10 |
4 | カタリナ・アルトハウス | ドイツ | 29 | 7 | 12 | 10 |
5. | サラ・ヘンドリクソン | アメリカ合衆国 | 25 | 13 | 7 | 5 |
6. | カリーナ・フォークト | ドイツ | 22 | 2 | 10 | 8 |
7. | 伊藤有希 | 日本 | 21 | 5 | 9 | 7 |
8. | キアラ・ヘルツル | オーストリア | 16 | 6 | 3 | 7 |
9. | ジャクリーン・ザイフリーツベルガー | オーストリア | 14 | 1 | 3 | 10 |
10. | ユリアネ・ザイファルト | ドイツ | 13 | 4 | 6 | 3 |
11. | ニカ・クリジュナル | スロベニア | 13 | 2 | 4 | 7 |
関連項目編集
脚注編集
出典編集
- ^ “RULES FOR THE FIS SKI JUMPING WORLD CUP (MEN) (PDF)”. FIS. 2017年12月18日閲覧。
- ^ “RULES FOR THE FIS SKI JUMPING WORLD CUP (LADIES) (PDF)”. FIS. 2017年12月18日閲覧。
- ^ “Statistics - Multiple Positions”. FIS. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “Statistics - Ranks & Positions”. FIS. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “Competitors having more than one podium”. FIS. 2021年3月21日閲覧。
- ^ “Statistics - Ranks & Positions”. FIS. 2021年3月29日閲覧。
注釈編集
- ^ 男子フライングヒルは40人となり、男子のシーズン最終戦、女子ラージヒル (2016-17年シーズンのオーベルストドルフ大会を除く) は出場資格がワールドカップランキングの上位30人になるため予選はなく、出場選手全員が決勝2本目に進める
- ^ ただし、女子ラージヒルについては開催国はランキング上位者を含む4名分の参加枠があり、他の場合でも30位タイの選手が複数いる場合はエントリーが30人を超える場合があり、その場合2回目に進めない選手は出る。
- ^ 天候不良などで予選が行えなかった場合は予選と決勝1本目を兼ねる場合もある。
- ^ ワールドカップランキングの上位10人は予選は出場してもしなくてもよく、予選の成績に関係なく決勝1本目に進出できた。2006-2007シーズンまで優先出場権はランキング上位15人であった。