スクラッチ (自転車競技)

自転車競技スクラッチとは、トラックレースの「エンデュランス種目」において、すべての選手が同時にスタートし、特定の周回数の後にフィニッシュラインを超え、その順位を競う競技である。競輪ケイリンとの違いは距離の長さである。

UCIの規則では、エリート男性は15km以上、エリート女性は10km以上の距離で開催されるべきであることを指定している[1]。予選ラウンドにおいては男子は10km、女子は7.5kmの短い距離を使用することができる[1]。スタート時、選手は自転車競技場のトラックの内側と外側のレールに沿って並ぶ[1]。選手は公式スタートのためにスタートピストルが発射される前に中立(ニュートラル)周回を行う[1]。周回遅れとなった選手は、レースを離れなければならない[1]。中間スプリントポイントは存在しない。 一つの戦術としてあり得るのは、集団から抜け出した選手が集団を周回遅れにすることである。この選手は集団の選手達を全てレースから除外出来る。しかしこのようなことは滅多に起こらない。

世界選手権 編集

スクラッチレースは、2002年から世界選手権自転車競技大会トラックレースの種目となっている。

スイスのフランコ・マルブリとデンマークのアレックス・ラスムッセンは2度、オランダのヴィム・ストルティンガ英語版は2007年から2012年の間に最も多くのメダルを獲得している。 女子では、キューバのヨアンカ・ゴンサレスが最も秀でた選手であり、2004年から2010年の間に金メダルまたは銀メダルを獲得した。

日本人選手では、2010年に盛一大が銅メダルを、2022年に窪木一茂が銀メダルを、それぞれ獲得している。

参考文献 編集

  1. ^ a b c d e “§11スクラッチ” (PDF), UCI Cycling Regulations,Part3: トラックレース, 国際自転車競技連合, (2017-10-1), p. 39-40, http://www.uci.ch/mm/Document/News/Rulesandregulation/16/26/54/3-PIS-20171001-E_English.PDF