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スジクワガタ(条鍬形、Dorcus striatipennis)は、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属コクワガタ亜属の1で、4亜種に分類されている。 コクワガタと体型が似ているが、小型のオス、全てのメスには特徴的なスジがある。 種小名striatipennisとは「線条のある羽」という意味。 また、D. binervisシノニムである。

スジクワガタ
スジクワガタ(体長約30mm)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : コガネムシ上科 Scarabaeoidea
: クワガタムシ科
Lucanidae
: オオクワガタ属
Dorcus
亜属 : コクワガタ亜属
subgen. Macrodorcus
: スジクワガタ
D. striatipennis
学名
Dorcus (Macrodorcus) striatipennis
(Motschulsky, 1861)
シノニム

Dorcus binervis

和名
スジクワガタ
小型のオス。上翅にスジが確認できる
スジクワガタ オス (埼玉県)
スジクワガタ オス (埼玉県)

形態編集

体長は本土のスジクワガタだとオスが14.5 - 39.0mm(飼育下最大体長39.2mm2013)メスが14 - 24mm

コクワガタと間違われるほど、よく似た形態をしているが、ミトコンドリアDNAから遺伝的には離れている「種」であることが明らかになり、オオクワガタよりも、ヒラタクワガタに近い仲間。

オスの大アゴは2つの内歯(内側のトゲ)がつながったような、四角くに広がった大きい内歯が一対と、先端近くに小歯を持つ。

メスや 小型のオスの上翅(じょうし)には、はっきりした縦のスジが狭い間隔で多数並んでいる。

体色は黒色から赤褐色で、コクワガタと比べると体型は細く、同サイズでは先端の小歯がやや発達する。小型のオスでは内歯が消失し、雌よりも小さくなる。

分布編集

沖縄を除く日本全土・朝鮮半島台湾中国

生態編集

平地から山地までの広葉樹の森林に生息し、人家の近くの小さな林にまで生息するが、低地での分布は局所的。

生息数はやや多く、ニッチが重複するアカアシクワガタ、コクワガタなどと混生する場合も少なくないが、競合種の少ないところにまで幅広く適応しており、やや気温が低い場所に多い。

地域によってはコクワガタよりも個体数が多く見られる場所もある。暑さには弱く、比較的涼しい場所を好み、高標高地でも見られる。

成虫は、活動期が5月下旬から10月であり、夜明けから朝にかけて活発に活動するが、北方地域や、気温の低い山では昼間でも活動している。広葉樹の樹液などをにしているが、平地と山地では生態がやや違うようで、平地ではクヌギコナラなどの樹液に集まり、樹皮のすき間やシロスジカミキリボクトウガなどにより形成された穴などを住処として生活していることが多い。

山地ではヤナギミズナラ白樺などの樹液に集まるが、樹液を出す樹木が少ないため、ヒメオオクワガタのように枝先などで樹皮を削る、もしくはヒメオオクワガタのおこぼれに与るように一緒か、その食痕の樹液を吸っていることもある。また、草の茎をかじって液を吸うこともある。コクワガタ同様、僅かな量の樹液でも生息するには十分な様で、小さな餌場に多数の個体が群がる光景も時折観察される。

徒歩移動も多いが、餌場の少ない地域・環境では飛翔する機会も多い。地域によって生息密度が大きく異なっている。

他種のクワガタと同様に、生息地周辺の灯火に飛来することもあるが、数は少ない。

メスは地上にある広葉樹の小さめの朽木産卵することが多い。

成虫での寿命は6ヵ月 - 2年である。

産卵から約1ヵ月ほどで孵化した幼虫は、朽木の中で生活し、その朽木を食べて育つ。幼虫期間は約1年である。

終齢となった幼虫は、翌年の春に、蛹室(ようしつ)を作り始めて、約1ヵ月かけてとなり、蛹になってから約1ヵ月ほどすると、羽化し、成虫となる。

春に羽化した成虫は約3ヵ月ほど経ってから蛹室を出て活動を開始する。晩夏から秋に羽化した成虫は、越冬して翌年の春に活動を開始する。

木の振動には敏感で、軽く木に触っただけでも木から落ちて擬死行動を採る。

分類編集

スジクワガタは、4亜種分類されている。

スジクワガタ・原名亜種
Dorcus striatipennis striatipennis (Motschulsky, 1861)
北海道本州四国九州から口永良部島朝鮮半島
オス13、9mm - 39、0mm(飼育下最大体長39、2mm2013)、メス14 - 24mm。体色は黒褐色。
ヤクシマスジクワガタ
D. s. koyamai (Nakane, 1978)
屋久島。オス20.5 - 40、0mm(飼育下最大体長39、4mm2009)、メス17 - 21mm。体色は赤褐色で光沢がある。
スジクワガタ・台湾亜種
D. s. yushiroi Sakaino, 1997
台湾。雌雄とも体長不明。複眼突起が発達。
スジクワガタ・中国亜種
D. s. davidi (Séguy, 1954)
中国(四川省湖北省陝西省など)。♂40mm(飼育下最大体長41、1mm2008)
ベトナムからも記録がある。亜種名はcontinentalis Sakaino,1997とされていたが、この学名は2012年11月にシノニムとされた。

参考文献編集