ステンカラーコートとは、外套の一種。

ステンカラーコート

後ろのが高く、前が低く折り返す形が特徴。ラグラン袖でゆったりとした着心地である。比翼仕立て(隠しボタン)で第一ボタンを締めなくても着ることが出来る。腰や袖のベルトが付属しているものもある。素材はウールカシミア綿ポリエステルナイロン等がある。色は茶色カーキなどが存在し、丈も股から膝丈まで様々、無地が多い。ラグラン袖が特長だが、ラグランは撫で肩を強調するシルエットになるため近年[いつ?]では、セットインスリーブ式のややスクウェアなシルエットのものも増えている。

アメリカなどではこのタイプのコートに固有名詞がつけられていないらしく、単にコートトップコート: top coat、スプリングコートと同義)、レインコートおよびマックコート: mac coat、レインコートと同義)などと呼ばれる。そのためステンカラーコート相当のコートが、全く別の名前で流通していることがある。例えば「バーバリー」ではトレンチコートに分類され、カーコート英語版という名前で売られている。

語源や由来 編集

「ステンカラー」は和製英語とされており、確認されている最古の使用例は、1911年に出版された『東京年中行事 下の巻[1]』である。語源は諸説あり、フランス語のsoutien(「支える」と言う意味。英語のsupportに相当)に由来するとも、スタンドフォールカラー: Stand Fall Collar立折襟)に由来するとも[2]ステインド: Staind)に由来する[3]とも言われている。ステンカラーの綴りとしてsoutien collarstain collarsten collarなど多数ある。

根拠は不明だが、「正式には」と言った枕詞を用いて、バルマカーンコート: Balmacaan Coat)と呼ばれることがある[4]。バルマカーンコートとは、スコットランドインヴァネスの近郊にある地名バルマカーン(: balmacaan)に由来する、ツイードギャバジンで作られたラグラン袖のレインコートの一種[5]

ただしバルマカーンコートとステンカラーコートは日本では本来襟の形に違いがあり[6]ステンカラーは台襟付のカラーとなっていて、バルマカーンコートの襟はバルカラー: bal collar)と呼ばれることがある。バルカラーのバルとは、一般に使われていたバルマカーンコートの略称である[7]。他にはプロシアンカラー: Prussian Collar)、ターンダウンカラー: Turndown Collar平折襟[8]などの呼び名がある。

脚注 編集

関連項目 編集