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スフィンゴミエリン

スフィンゴミエリン (Sphingomyelin, SPH) は、スフィンゴ脂質の一種である。動物細胞膜中に存在しており、特に神経細胞軸索状に覆うミエリン鞘の構成成分としてよく知られている。ヒトにおいては、体内に存在するスフィンゴ脂質全体量のうちの85%近くがスフィンゴミエリンである。

スフィンゴミエリン
識別情報
KEGG C00550
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

なお、ヒトにおいてはグリセロール由来でない唯一の膜リン脂質である。

目次

構成編集

スフィンゴミエリン分子は一般的にホスホリルコリンセラミドから構成される。

スフィンゴミエリンは、全てのスフィンゴ脂質と同様にセラミドスフィンゴシン脂肪酸アミド結合した)構造を持ち、これに加えて親水性の頭部としてホスホコリンもしくはホスホエタノールアミンを1つ持つ。

 
スフィンゴミエリンの構成
赤: ホスホコリン
黒+青:セラミド
黒:スフィンゴシン
青:アシル基(R表示)

機能と存在部位編集

スフィンゴミエリンの機能は長らく分かっていなかったが、近年になってシグナル伝達の機能を持つことが発見された[要出典]

スフィンゴミエリンは細胞膜外側の面にのみ存在する[要出典]

異常と関連疾患編集

スフィンゴミエリンの蓄積は、ニーマン・ピック病A型、B型と呼ばれる珍しい遺伝性疾患を発症させる。この疾患はスフィンゴミエリナーゼ酵素の欠損により引き起こされる。 スフィンゴミエリナーゼ酵素の欠損により、脾臓肝臓骨髄などにスフィンゴミエリンが蓄積されることで不可逆的な神経障害を生じさせる。

ニーマン・ピック病A型は幼児に発症する。疾患の特徴として黄疸、肥大化した肝臓、重大な脳障害が挙げられる。これを発症した幼児が18ヶ月以上生存することは殆どない。 ニーマン・ピック病B型は肝臓と脾臓の肥大化を引き起こす。通常、13歳未満でこれらの症状が生じる。脳障害は起こらない。殆どの患者は、酵素活性が正常値と比較して1%未満を示す。

赤血球膜中におけるスフィンゴミエリンの過量(無βリポタンパク血症などの場合)は、赤血球プラズマ細胞膜の葉状部外側への過剰な脂質蓄積を生じさせる。これにより、有棘赤血球と呼ばれる赤血球の異常形態が起こる。

関連画像編集