スプラッシュ・マウンテン

スプラッシュ・マウンテンSplash Mountain)とは、ディズニーパークにあるアトラクションの1つである。ディズニー映画『南部の唄』がモデルになっている。

このアトラクションが存在するパーク編集

概要編集

丸太のボートに乗って沼地を流れていき、映画『南部の唄』の童話の世界を巡りながら、最後にはチカピンヒル(Chickapin Hill, Chick-A-Pin Hill 現スプラッシュ・マウンテン)の頂上から滝つぼ(いばらの茂み)に向かって落下していく、急流下りのアトラクション。ボートの先端には、アトラクションの主人公であるブレア・ラビットがいる。

ストーリー編集

様々な悩みを抱えているブレア・ラビットは「笑いの国」という場所があることを聞き、早速荷物をまとめ「笑いの国」を目指して旅に出かけた。しかし、そのブレア・ラビットを狙うブレア・ベアとブレア・フォックスがあとを追う。2匹は、キレ者のブレア・ラビットに手を焼きつつも、遂に捕まえることに成功する。2匹はブレア・ラビットを早速食べるつもりだったが、ブレア・ラビットに「いばらの茂みにだけは絶対に投げ込まないでくれ」と懇願されると、いじわるな笑みを浮かべて茂みへと投げ込む。しかしブレア・ラビットが投げ込まれた、いばらの茂みの中は自分が住んでいる国。2匹をうまく騙し、無事家に帰ることができたブレア・ラビットは、自分の住んでいるいばらの茂みこそが「笑いの国」だと知る。

題材変更へ編集

本アトラクションのテーマとなっている『南部の唄』が黒人描写の問題による市民団体からの抗議を受けて、アメリカ日本にアトラクションが展開される前の1986年から該当の映画は封印作品の扱いとなっており、2020年時点でもウォルト・ディズニー・カンパニーが「時代に適していない」として、この方針を変えていない。そのため、2020年に発生したミネアポリス反人種差別デモが世界各地に拡大した際に本アトラクションについても設置の是非や同じディズニー映画の『プリンセスと魔法のキス[1]などといった、他の作品をテーマにしたアトラクションに改変を求める署名運動が発生した[2][3][4]

2020年6月25日、ディズニーはアメリカ国内(カリフォルニア州フロリダ州)の本アトラクションの設定を変更し、『プリンセスと魔法のキス』をモデルにした施設に改装することを発表した[4][5]。日本(千葉県)の本アトラクションの処遇について、東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランド日本経済新聞朝日新聞などの取材に対して、「(題材変更は)アメリカで決まったことなので、現時点でのリニューアルについてはまだ決まっていないが、ウォルト・ディズニー・カンパニーとの間で検討を始めている」とのコメントを発表しており、日本についても、題材変更の可能性があることを示唆している[4][6][7]

各施設の紹介編集

ディズニーランド編集

スプラッシュ・マウンテン
オープン日 1989年7月17日
スポンサー なし
所要時間 約9分30秒
定員 8名/1ボート
利用制限   身長102cm以上
ファストパス  
シングルライダー  

ディズニーランドにあるスプラッシュ・マウンテンは世界で最初にオープンしたもので、8つのテーマランドのうち東京と同様クリッターカントリーに存在する。開業当初は世界最長のウォーターシュートであった。

他のパークにあるスプラッシュ・マウンテンと決定的に異なるのは、ボートの構造が縦1列6人乗りで、腹部を固定する安全バーがないという点である。他のパークは2人4列の計8人乗りで、安全バーが付いている。そのため水路の幅も他のパークに比べて狭い。また落下の回数は3回と、他のパークに比べて1回少ない。アトラクション内で流れる音楽も他のパークのものとアレンジが異なっていたり、「How Do You Do?」から「Ev'rybody's Got A Laughin' Place」の切り替わりが他パークに比べ遅く、ハチの巣に落下してからとなっている。

体験時間が他パークより若干短く展開が早いが、登場する動物は3パークの中で最も多い。

マジック・キングダム編集

スプラッシュ・マウンテン
Splash Mountain
オープン日 1992年10月2日
スポンサー なし
所要時間 約10分30秒
定員 8名/1ボート
利用制限   身長102cm以上
ファストパス  
シングルライダー   対象外

マジックキングダムにあるスプラッシュ・マウンテンは、6つのテーマランドのうちフロンティアランドに存在する。フロリダ版の基本的な構造は、東京ディズニーランドのものと同じである(フロリダ、東京ともにオープンが1992年であるため、両方のパーク共同で開発されたと思われる)。東京版とは、ライドの形状・定員(2人4列の計8人乗りで、腹部を固定する安全バーが付いている)、また基本的な構造も同じである。ディズニーランドと同様に乗降場は屋外にあり、それぞれ3つずつ設置されている。

他のパークと異なる点
  • アトラクションがフロンティアランド内にある(他のパークはクリッターカントリーにあるが、マジック・キングダムにはクリッターカントリー自体が存在しない)。
  • 巻き上げにチェーンを使っている(他のパークはゴム製のベルトコンベアが使用されているが、フロリダ版は巻き上げレーンの両サイドに付いているチェーンでライドを巻き上げている。ただし巻き上げの導入部ではフロリダ版もベルトコンベアを使用している)。
  • 屋内部分に空が描かれており、他パークのように洞窟になっていない。また、最初の落下とラストシーンを除き道中でうさぎどんたち以外の動物が登場しない。

東京ディズニーランド編集

スプラッシュ・マウンテン
オープン日 1992年10月1日
スポンサー 花王株式会社(2015年7月1日 - )
所要時間 約10分
定員 8名/1ボート/86艇
利用制限   身長90cm以上
ファストパス  
シングルライダー  

東京ディズニーランドにあるスプラッシュ・マウンテンは、1992年10月1日にクリッターカントリーと同時にオープンした。当時のCMキャッチコピーは「スリルに飛び込め」。ウエスタンランドにある「ビッグサンダー・マウンテン」、トゥモローランドにある「スペース・マウンテン」と合わせて三大マウンテンと呼ばれる。ゲストは丸太の形をしたボートに乗り込み、フルーム(水路)を航行しながら『南部の唄』の物語を体験する。ボートは最後の落下を含め計4回急斜面を落下する。東京ディズニーランドで唯一の水がかかるアトラクションであり、ディズニーランドのアトラクションの中でも人気の高いアトラクションである。ほとんどのライドシステムはディズニーランドのものと同じだが、ボートは縦1列の6人乗り(俗にいう「一世代型」)ではなく2人4列の8人乗り(俗にいう「二世代型」)となり、安全バーが付いた。この形式はマジック・キングダムのものにも採用された。最後の落下時には自動的に写真撮影が行われ、その写真はスプラッシュダウン・フォトにて購入できる。最後の落下時の最高速度は62km/hで、これはTDL内のアトラクションでは最速である。

他のパークと異なる点
  • 水路が全体的に反時計回りである - 他のパークは全体的に時計回りである。
  • 最初の落下が屋内にある - 他のパークでは屋外にあり、落下してから屋内に入る。
  • キューライン(待ち列)、プラットホームが屋内にある - 日本が比較的降水の多い国であることから全体的に屋内に収められているため、乗り場・降り場共に屋内である。キューラインも、アメリカでは全体的に屋外である(一部に山小屋をイメージした造りの屋内部分はある)のに対し、東京は洞窟をイメージした造りになっている。また乗り場と降り場が別の場所に設置されており、それぞれ2箇所ずつある。
  • 水飛沫の量が少ない - 日本には鮮明な四季があり、他のパークに比べて平均気温が低い・湿度が高い・気候が大きく変動する事などから、全季節共通に楽しめるよう水量が抑えられている。また、水量は調整出来る。

ディズニー・ファストパス2001年7月20日に導入された。ファストパス発券所はクリッターカントリー入り口から「グランマ・サラのキッチン」の間に6台ある。

TDL内でシングルライダーに対応している2アトラクションのうちの1つ(もう1つはビッグサンダー・マウンテン)。以前まではボートの安全バーは2人で1つの長いタイプのバーを使用していたが、シングルライダー導入をきっかけに1人1つの短い安全バーとなった。そのため今までは安全バーの確認をキャスト自身が行っていたが、今はゲスト自身でバーがロックされて上がらないことを確認し、キャストは目視するようになった。このバーの確認の仕方はスペース・マウンテンと同じとなっている。

シングルライダーを利用する場合には、ファストパス・エントランス(ファストパス専用入口)に立っているキャストにシングルライダーであることを伝える。そのまま、ファストパス通路を進むとスタンバイ(通常列)とファストパスが合流する地点にいるキャストに再度シングルライダーであることを伝えると、シングルライダー専用通路に通してもらえる。

一時期、身長制限が「102cm以上」に引き上げられたことがあったが、現在は「90cm以上」に戻っている。また、2007年後半に行われた改装工事では、ライド(ボート)乗り場にホームゲートが設けられた。

ちなみに、このアトラクションではブレア・ラビットらはアトラクション内のナレーションではうさぎどんと呼ばれているが、ガイドブックではブレア・ラビットと表記されている。

2006年9月、オープン以来スポンサーを務めていた日産自動車が「ブランドの認知アップの役割を充分に得られた」との理由でスポンサー契約を終了した。2015年7月1日より、花王が新たなオフィシャルスポンサーとして提供を行っている。

スペック編集

  • コース全長: 約850 m - 世界のディズニーパークのスプラッシュ・マウンテンの中で最長
  • 最高速度: 約62 km/h
  • 山の高さ: 約30.3 m - 世界のディズニーパークのスプラッシュ・マウンテンの中で最も高い
  • 最大落差: 約16 m
  • 最大角度: 45度 - 加速度の理論値は g/√2 ≒ 6.86 m/s2
  • オーディオアニマトロニクス: 約70体以上
  • アトラクション面積: 約12,000m2
  • 1分間に流れる水量: 約110 t
  • 総工費: 約285億円(クリッターカントリー含む) - 世界のディズニーパークのスプラッシュ・マウンテンの中で最高額
  • 丸太舟の数: 64隻

声の出演編集

  • ブレア・ラビット(うさぎどん / うさ公)、ブレア・ターキー:江原正士
  • ブレア・フォックス(きつねどん / ずるぎつね)、ブレア・タートル:関時男
  • ブレア・ベア(くまどん / どんくま):牛山茂
  • ブレア・オウル(ふくろうどん):滝口順平
  • 女の子(スタンバイ一部で聞こえる音声):坂本真綾
    江原、関、牛山は映画「南部の唄」(ポニー版、レーザーディスク版。タイトルが「南部の」となっている物)の吹き替えでも同キャラクター(映画ではうさぎどんずるぎつねどんくま)を演じている。

音楽編集

以下はアトラクション中に流れる音楽のタイトル。映画『南部の唄』で使用された音楽もある。

トリビア編集

東京ディズニーランド関連
  • メインの3匹(うさぎどん、きつねどん、くまどん)とブレア・フロッグ(かえるどん)以外のキャラクターはアトラクションオリジナルのキャラクターというわけではなく、1974年 - 1988年までアナハイムのディズニーランドのトゥモローランドにあったシアターアトラクション、アメリカシングスに登場していたキャラクターである(最初に作られたアナハイムのスプラッシュマウンテンがアメリカシングスのオーディオアニマトロニクスをそのまま流用して作ったため)。なお、アトラクション前半に登場するミスターブルーバードとアライグマ、中盤に登場するオポッサムとカメとハチは、映画にも一瞬登場する。しかし、アライグマ・オポッサム・カメについては、アトラクションと映画で服装が違う。
  • ファストパス導入以前は右側の列に並ぶことで待ち時間の短縮に繋がった(待ち列が右に曲がっていく関係で内側となる右の列の長さが若干短くなるため)。現在は右側の列がファストパス専用通路となっているため、この方法は利用できない。
  • 終盤でクリッターたちが乗っている巨大な船は「ジッパ・ディー・レディー号 (ZIP-A-DEE-LADY) 」という名前で、かつてアメリカ南部の河で見られたショーボートを表現している。

脚注・出典編集

  1. ^ 2009年に公開。同作品では史上初めて、黒人(アフリカ系アメリカ人)がディズニープリンセスになっている。
  2. ^ ディズニー、「スプラッシュ・マウンテン」に改変を望む声 一体何が問題?”. TRILL (2020年6月12日). 2020年6月14日閲覧。
  3. ^ ディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンに「変化」求める声。「#BlackLivesMatter」きっかけに”. ハフポスト (2020年6月14日). 2020年6月14日閲覧。
  4. ^ a b c ディズニー、「スプラッシュ・マウンテン」の設定変更”. 日本経済新聞 (2020年6月26日). 2020年6月26日閲覧。
  5. ^ アトラクションの題材変更 米ディズニーの娯楽施設”. 共同通信 (2020年6月26日). 2020年6月26日閲覧。
  6. ^ 東京ディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンの題材変更「現時点ではないが検討中」。運営会社がコメント”. ハフポスト (2020年6月26日). 2020年6月26日閲覧。
  7. ^ 東京ディズニー「対応は検討中」 米スプラッシュ新装で”. 朝日新聞 (2020年6月26日). 2020年6月26日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集