スマイル (チャールズ・チャップリンの曲)
「スマイル」(原題:Smile)は、1936年のチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』で使用されたインストゥメンタルのテーマ曲で、チャップリンが作曲した曲。マイケル・ジャクソンなど多くのアーティストにカバーされている。
1954年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞とタイトルを加えた。[1]歌詞では、歌手が聴衆に対して笑っている限りは明るい明日が常にあると元気付けている。「スマイル」はチャップリンの映画で使用されて以来、スタンダードとなった。
オリジナル編集
この歌は最初、ナット・キング・コールによって歌われ、1954年にチャートに入った。そして歌手のサニー・ゲイルによってカバーされた。ナット・キング・コールの娘であるナタリーもこの歌をカバーし、1991年のアルバム『アンフォゲッタブル』に収録されている[2]。
イギリスでは、1954年にリタ・ローザとペトゥラ・クラークのカバーが対抗するように発表された。クラークはチャップリンと友人になった後に、この歌を再録音した。それは1968年のアルバム『The Other Man's Grass Is Always Greener』に収録された[3]。
マイケル・ジャクソンによるカバー編集
「スマイル」 | ||||||||||
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マイケル・ジャクソン の シングル | ||||||||||
初出アルバム『HIStory』 | ||||||||||
リリース | ||||||||||
規格 | シングル | |||||||||
録音 | 1993年 | |||||||||
ジャンル | ソウル | |||||||||
時間 | ||||||||||
作詞・作曲 |
チャールズ・チャップリン ジョン・ターナー ジェフリー・パーソンズ | |||||||||
プロデュース |
マイケル・ジャクソン デイヴィッド・フォスター | |||||||||
マイケル・ジャクソン シングル 年表 | ||||||||||
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マイケル・ジャクソンは、1995年の2枚組アルバム『HIStory』に同曲を収録した。HIStoryから8枚目のシングルとして1997年に発売される予定だったが、発売日の数日前に中止された。しかし、オランダやドイツ、南アフリカなどでは少量のシングルが流通してしまった。
この曲のリミックスは、「Is It Scary」のイギリスでのプロモーション用12インチ・シングルに収録されている。その「Downtempo Groove Mix」と呼ばれるリミックス・バージョンは、クレジットはされていないがエディー・アロヨによってリミックスが行われた[4]。
ライブでは『HIStory World Tour』の最後のコンサートで、ダイアナ妃を追悼するためコンサートの最初に歌った。『マイケルジャクソンの真実』でマイケルは「この歌はラスベガスにいたときに歌った」とネバーランドで語っている。
同曲のショート・バージョンは、2008年のアルバム『King Of Pop』のイギリス・デラックス盤に収録されている[5]。
2009年7月7日のマイケルの追悼式で、以前彼と交際していたブルック・シールズが「Smile」をマイケルのお気に入りだったと語った後、マイケルの兄ジャーメイン・ジャクソンがこの歌を歌った[6]。
同曲はイギリスで74位[7]を、ドイツで71位を、スイスで70位[8]、オーストラリアで56位を記録した。
チャート編集
チャート(2009年) | 最高位 |
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アメリカ合衆国・ビルボード・ホット・デジタルソング | 56[9] |
チャート(2009年) | 最高位 |
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全英シングルチャート | 74[7] |
スイス・シングルチャート | 70[8] |
その他のカバー編集
- ジョージ・メラクリーノのメラクリーノ・オーケストラは、1954年6月30日にロンドンでこの曲を録音した。
- ニール・セダカは1961年のアルバム『Circulate』にカバーを収録した[10]。また、セダカはこの歌のイタリア語バージョンである「Sorridi」も録音している。
- ソウル歌手のベティ・エヴェレットとジェリー・バトラーがこの歌をデュエットしたバージョンが、1964年に発表された。その3年前、レターメンがシングル「When I Fall in Love」のB面にこの歌を収録している。
- カントリー・スターのスキータ・デイヴィスは、1965年のアルバム『Skeeter Sings Standards』でこの歌を録音している。
- アメリカ人歌手のトリニ・ロペスは、1965年のアルバム『The Sing Along World of Trini Lopez』でこの歌をカバーした[11]。
- イギリスの3人組であるペドラーズは1967年のアルバム『Freewheelers』でこの歌をカバーした。
- エリック・クラプトンは、1974年の復帰ツアーで「スマイル」を演奏している。このバージョンは、『461 オーシャン・ブールヴァード』のデラックス・エディションと[12]、『Time Pieces Vol.II Live in the Seventies』に収録された[13]。
- アメリカ人のバルビ・ベントンは1975年のアルバム『Barbi Benton』にこの歌を収録した。
- イタリアのミュージシャンであるピーノ・プレスティは1976年のアルバム『1st Round』でこの歌をカバーした。
- ペリー・コモは、1977年のアルバム『The Best of British』にこの歌を収録した。
- オーストリアの作曲家であるウド・ユルゲンスは、スティーヴィー・ウッズとデュエットでこの歌を歌い、ユルゲンスは1979年のアルバム『Nur ein Lacheln』に収録された。
- エジプト生まれの歌手ダリダは、アップビート・ディスコ・バージョンを1984年に録音した。
- オペラ歌手のジュリア・ミゲネスは、1990年に発表されたセルフタイトルのアルバムにこの映画音楽を収録している。
- ナタリー・コールは、1991年に父であるナット・キング・コールのトリビュート・アルバム『アンフォゲッタブル』にこの歌を収録した[2]。
- カナダのジャズバンドであるホリー・コール・トリオは、1992年のアルバム『Blame It On My Youth』にこの歌を収録した[14]。
- ロバート・ダウニー・Jrは、1992年の映画『チャーリー』でチャップリンを演じて映画のサウンドトラックと2004年のアルバム『The Futurist』にこの歌を録音した。
- ジャズ・ピアニストのチック・コリアは、この曲を1993年のアルバム『Expressions』に収録した[15]。
- ブラジル人歌手ジャヴァンは、1996年のアルバム『Malasia』にこの歌のポルトガル語バージョン(「Sorri」)を収録した[16]。
- ボビー・コールドウェルは、1996年のアルバム『Blue Condition』にこの歌を収録した[17]。
- マリアッチの歌手であるニディア・ロハスは、1999年のアルバム『Si Me Conocieras』にこの歌を録音した。
- リッキー・リー・ジョーンズは、2000年のアルバム『It's Like This』にこの歌を収録した[18]。
- ジャズ歌手のジミー・スコットは2000年のアルバム『Mood Indigo』にこの歌を収録した[19]。
- エルヴィス・コステロは2002年のアルバム『Cruel Smile』に、この歌の2つの異なるバージョンを収録している[20]。
- ロッド・スチュワートは2003年のアルバム『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック Vol. 2』に収録した(後にシングルカットされている)。
- アメリカ人歌手のライル・ラヴェットは、2003年のアルバム『Smile』にこの曲を収録している[21]。
- イギリスのミュージカル女優であるフランシス・ラッフェルは、2004年にこの歌をシングルとして発表し、ラッフェルのアルバム『Showgirl』に収録された。
- ウエストライフは2004年のアルバム『Allow Us to Be Frank』にこの曲を収録した[22]。
- バーブラ・ストライサンドのソロ・バージョンは、映画『モナリザ・スマイル』で使用され、2004年のアルバム『The Movie Album』に収録された[23]。
- イエスのギタリストであるスティーヴ・ハウとジャズのマーティン・テイラーは、2004年のアルバム『Masterpiece Guitars』にチェット・アトキンス奏法で録音した。
- トランペット奏者のクリス・ボッティは、エアロスミスのスティーヴン・タイラーとこの曲を録音し、ボッティの2005年のアルバム『To Love Again: The Duets』に収録された[24]。
- 槇原敬之が2005年に発表したアルバム『Listen To The Music 2』に、この曲のカバーバージョンが収録されている[25]。
- ローレンス・オリヴィエ賞を受賞したマリア・フリードマンは、2006年のアルバム『Now and Then』でこの歌を歌った。
- メキシコの歌手であるルイス・ミゲルは、2006年のアルバム『Navidades』にこの歌のスペイン語バージョン(「Sonrie」)を収録した[26]。
- バーブラ・ストライサンドとトニーベネットは、2006年に『Duets: An American Classic』でこの歌をデュエットした[27]。
- ジャズ歌手のマデリン・ペルーは、2006年のアルバム『Half the Perfect World』でこの歌をカバーした[28]。
- イギリスのテレビ番組『Xファクター』の出演者であるレイ・クインは、2007年のデビュー・アルバム『Doing It My Way』にこの歌を収録した[29]。また、Xファクター・シリーズ5のファイナリストであるダイアナ・ヴィッカーズもこの歌をカバーしている。
- 2007年、コニー・タルボットは『Over The Rainbow』でこの歌をカバーした[30]。
- R&B歌手のジャネル・モネイは、2008年のアルバム『Metropolis: Suite I (The Chase)』でこの歌をカバーした[31]。
- FOXのテレビドラマ『glee/グリー』のキャストが、「スマイル」のカバーを演奏している。このバージョンは2009年に発表されたアルバム『グリー 踊る♪合唱部!? 〈シーズン1〉 Volume 2』に収録された[32]。
- ハリー・コニック・ジュニアは2009年のアルバム『Your Songs』にこの歌を収録した[33]。
- サルサ歌手であるラ・インディアは、2010年のアルバム『Unica』にマイケル・ジャクソンへのトリビュートとしてこの歌のサルサ・バージョンを録音した[34]。
- 日本の歌手MISIAは、東日本大震災で被災した宮城県仙台市の3つの少年・少女合唱団によるコーラス参加でカバーした。このバージョンは山崎貴監督・東宝配給の3DCGアニメ映画『friends もののけ島のナキ』の主題歌となり、2011年のカバー・アルバム『MISIAの森 -Forest Covers-』に収録された[35]。
- イタリアのティーンエイジ・ボーイズであるイル・ヴォーロは、2011年のセルフタイトルのアルバムにこの歌を録音した。
- 日本のシャンソン歌手クミコは2012年のアルバム『アロング・ザ・ソングズ 〜この歌と歩いてきた〜』で「スマイル」を日本語でカバーしている。
- オルケスタ・リブレと柳原陽一郎は2012年のアルバム『うたのかたち〜UTA NO KA・TA・CHI(Red Disc)』でカバーしている。歌詞は後半のみ柳原による訳が付いている。
- 由紀さおりも、2013年のアルバム『スマイル』の 5曲目に「スマイル」を日本語でカバーしている。
- 韓国の歌手、Ryuは2013年のアルバム『Love note』の1曲目に「スマイル」をカバーしている。
- 上白石萌音が2016年発売のカバーミニアルバム『chouchou』でカバーしている。
- 「スマイル」はバーバーショップ音楽(米国独特のア・カペラ男性4部合唱)に適応し、多くの合唱団にこの歌は歌われた。
脚注編集
- ^ Linda Wada. “Smile”. Edna Purviance, Charlie Chaplin's Leading Lady - Welcome to Paradise. 2010年5月2日閲覧。
- ^ a b “Natalie Cole: Unforgettable… with Love”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Petula Clark: The Other Man's Grass Is Always Greener”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ http://www.stealmylyrics.com/djmichaelangelo/MJ-scary-screen.JPG
- ^ “King of Pop [UK Deluxe Edition]”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ http://www.youtube.com/watch?v=vXRIpUnH0d8&feature=related
- ^ a b “MICHAEL JACKSON - The Official Charts Company”. 2012年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月4日閲覧。
- ^ a b “australian-charts.com - Michael Jackson - Smile”. 2011年10月4日閲覧。
- ^ U.S. Billboard Hot Digital Songs
- ^ “Circulate”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “The Sing Along World of Trini Lopez”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Eric Clapton: 461 Ocean Boulevard [Deluxe Edition]”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Eric Clapton: Time Pieces Vol.II Live in the Seventies”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Holly Cole Trio: Blame It On My Youth”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Discography”. Chickcorea.com (1979年10月28日). 2010年3月26日閲覧。
- ^ “Malasia”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Blue Condition”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Rickie Lee Jones: It's Like This”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Mood Indigo”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Elvis Costello: Cruel Smile”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Smile - Lyle Lovett”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Allow Us to Be Frank”. allmusic. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Barbra Streisand: The Movie Album”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Chris Botti: To Love Agian: The Duets”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “槇原敬之 - Listen To The Music 2”. Universal Music Japan. 2015年7月5日閲覧。
- ^ “Luis Miguel: Navidades”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Duets: An American Classic”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Madeleine Peyroux: Half the Perfect World”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Ray Quinn: Doing It My Way”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Connie Talbot: Over the Rainbow”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Janelle Monae: Metropolis: Suite I (The Chase)”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Glee: The Music, Vol. 2”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Harry Connick, Jr.: Your Songs”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “Unica”. allmusic. 2012年6月30日閲覧。
- ^ “MISIA、チャップリン名曲「Smile」をカバー 正月アニメ映画主題歌”. (2011年9月13日) 2011年9月13日閲覧。
外部リンク編集
- Smile - Charlie Chaplin's Modern Times - YouTube。チャップリンによる原曲。