スミソニアン博物館
スミソニアン博物館(スミソニアンはくぶつかん、英:Smithsonian Museum [smɪθˈsoʊniən])は、アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体の呼び名。スミソニアン学術協会が運営している。
概要編集
1848年、イギリス人の科学者ジェームズ・スミソンが「知識の向上と普及に」と委託した遺産を基金としてにつくられた。スミソニアン協会が運営する19の博物館並びに研究センターの施設群であり、多くはワシントンD.C.の中心部にあるナショナル・モールに設けられているが、ニューヨーク市、バージニア州、アリゾナ州、メリーランド州や海外(パナマのスミソニアン熱帯研究所)に置かれたものも含まれる。収集物は1億4200万点にも及ぶ。
運営資金はアメリカ合衆国連邦政府の財源及び寄付、寄贈、ミュージアムショップ、出版物からの利益で賄われているため、入場料は無料である。
世界各国の本物の航空機を展示している国立航空宇宙博物館は特に有名で、月の石の展示や、広島の原爆展を企画したことでも知られている(後者は実際には展示できなかった)。他に、国立アメリカ歴史博物館、産業・技術史の博物館や国立アメリカ・インディアン博物館などもある。それら9つの博物館とナショナル・ギャラリー(国立美術館。スミソニアン協会とは別)は、国会議事堂前に展開する広い道路「ナショナル・モール」の両脇に配置され、一帯は広大な博物館地域となっている。国立動物園等はワシントンD.C.の他地域に、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、国立アメリカ・インディアン博物館が管轄するジョージ・グスタフ・ヘイ・センターはニューヨーク市にある。これに類する博物館群は他の国ではほとんど例をみず、ドイツのベルリン美術館も複数の美術館、博物館群だが規模が比較の対象にならない。
スミソニアン博物館は「スミソニアン・イヤーズ」という年報を出版している。
1971年12月に10カ国蔵相会議が開催され、合意した国際通貨に関する一連の措置をスミソニアン協定と呼ぶ。
2009年に公開された映画『ナイト ミュージアム2』は、スミソニアン博物館が舞台となっている。恐竜ホールは2014年4月末から5年間、改装のため閉鎖[1]されている。シリーズ一作目『ナイト ミュージアム』はアメリカ自然史博物館、三作目『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』は大英博物館が舞台である。
博物館の一覧編集
研究センターの一覧編集
- Archives of American Art(英語)
- Smithsonian Astrophysical Observatory(英語) and the associated Harvard–Smithsonian Center for Astrophysics(英語)
- Carrie Bow Marine Field Station (Natural History Museum)(英語)
- Center for Folklife and Cultural Heritage(英語)
- Smithsonian Environmental Research Center(英語)
- Center For Earth and Planetary Studies (Air and Space Museum)(英語)
- Conservation and Research Center (National Zoo)(英語)
- Marine Station at Fort Pierce (Natural History Museum)(英語)
- Migratory Bird Center (National Zoo)(英語)
- Museum Conservation Institute(英語)
- Smithsonian Tropical Research Institute(英語)
- Woodrow Wilson International Center for Scholars(英語)
- Smithsonian Institution Libraries(英語)
脚注編集
- ^ “恐竜ホール、5年間休館=展示内容を一新-米国立博物館”. 時事ドットコム. (2014年4月26日) 2014年4月29日閲覧。
外部リンク編集
スミソニアン博物館の公式ウェブサイト。