セクショナリズム

官僚制の逆機能、組織における各部の干渉の排除

セクショナリズム: sectionalism)とは、集団組織内部の各部署が互いに協力し合うことなく、自分たちが保持する権限利害にこだわり、外部からの干渉を排除しようとする排他的傾向のことをいう。官僚制における逆機能の一つとして指摘されたもので、組織内部の専門性を追求しすぎた結果起こってくる機能障害である。部局割拠主義などと訳されることがある。

このような傾向の顕著な例が「縄張り意識」や「派閥主義」で、自分たちが担当する職務に関して、他の部局の人間が関与することを嫌い、組織全体の利益・効率性を無視して自分たちの都合ばかりを優先するというものである。また、自らが担当する職務以外に関心が薄く、専門外のことは避けようとし、専門以外のことはほとんど知らないという傾向も特徴としてある。

最近では、組織内部のセクショナリズムを解消するために、組織横断的に各部局からメンバーを選抜して協力させるプロジェクトを発足させるという方法がとられるようになってきた。しかし、このようなプロジェクトも参加メンバーに対して、通常業務との掛け持ちで過度の負担を強いることも多くなるマイナスの面があることは注意を要する。

広義のセクショナリズムとして、本来であれば自分とは無関係ではない事柄であっても他に責任者がいる場合はあえて関与しない、それでいて担当者のやる事に対して無責任に非難中傷する事も挙げられる。

セクショナリズムの横行による対立が懸念されてきた組織 編集

公的組織 編集

日本 編集

旧満州国 編集

アメリカ 編集

ロシア(旧ソ連も含む) 編集

ドイツ(旧ナチスドイツも含む) 編集

フランス 編集

北朝鮮 編集

世俗化が進行中のイスラム圏諸国 編集

  • 普通裁判所カーディー裁判官 - 前者は世俗法に基いて判決を下し、後者はシャリーア(イスラム法)に基づく判決を下す。イスラム教信者の中には少なからず、「自身が国民として属している国家」と「ウンマ(イスラーム共同体)」が一体ではない(たまたま祖先から住んでいた地に建国された国家に便宜上属しているだけで、当該国家とイスラム教義が完全合致しているとは認めない)という考えで、普通裁判所の判決に従わないケースが生じる事もある。互いの判決結果が食い違う場合もあり、国権が及び辛い地方において、結果的に前者の判決が実効性に欠くケースも生じる。

企業・団体 編集

参考文献 編集

関連項目 編集

対義的用語 編集

外部リンク 編集