セルビオーラ級哨戒艦
セルビオーラ級哨戒艦(セルビオーラきゅうしょうかいかん、スペイン語: Patrulleros clase Serviola)は、スペイン海軍が運用する哨戒艦の艦級[1]。
セルビオーラ級哨戒艦 | |
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基本情報 | |
種別 | 哨戒艦 |
運用者 | スペイン海軍 |
就役期間 | 1991年 - 現在 |
前級 | デスクビエルタ級 (コルベット) |
次級 | メテオロ級 |
要目 | |
軽荷排水量 | 826 t |
満載排水量 | 1,270 t |
全長 | 68.65 m |
最大幅 | 10.40 m |
吃水 | 3.40 m |
主機 |
バサン=MTU 16V956 TB91 ディーゼルエンジン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 7,500 bhp |
速力 | 20ノット |
航続距離 | 8,000海里 (12kt巡航時) |
燃料 | 247 t |
乗員 | 士官8名+曹士34名+追加6名 |
兵装 |
・Mk.26 3インチ緩射砲×1基 ・12.7mm機銃×2挺 |
搭載機 | ヘリコプター甲板のみ |
C4ISTAR | サターン3S衛星通信装置 |
レーダー |
・デッカ2690 航法用×1基 ・デッカ2459F/I 航法用×1基 |
来歴
編集本級は、アトレヴィダ級コルベットを更新するための哨戒艦(OPV)として、1989年2月に発注された。建造段階ではミラノ級(B-215型)と称されており、当初はより小型で軽武装(満載1,360トン、全長65.3メートル、武装は70口径40mm単装機銃のみ)の計画であった[2]。
設計
編集設計面では、メキシコ海軍向けのアギラ級をベースとしており[1]、改ハルコン型と称される[2]。船型は中央船楼型を採用した。安定化のためフィンスタビライザーを備えており、また艦尾甲板はヘリコプター甲板とされている。シー・ステート4の海況でもヘリコプターの発着が可能である[3]。ベル 212の発着にも対応できる広さを確保しているが、格納庫や給油設備は有さない[1]。
艦砲としては人力操砲のMk.26 3インチ緩射砲を船楼前端に備えているが、これは砲側照準のほか、アルコアC型光学方位盤による方位盤射撃も可能である。また3番艦は、このほかに、MSP-4000 光学捜索装置を試験的に搭載した。弾薬としては、76.2mm砲弾200発と12.7mm弾7,000発を搭載している[1]。62口径76mm単装速射砲への後日換装を見込んだ設計になっているほか、有事には、メロカCIWSやシースパロー個艦防空ミサイル、ハープーン艦対艦ミサイル、M/50 375mm対潜ロケット砲の搭載も可能な設計となっている[3]。
同型艦一覧
編集全艦がイサル社のフェロル造船所(2005年よりナバンティア社に移管)で建造された。当初は5番艦も計画されていたが、これは実現しなかった[1]。
# | 艦名 | 起工 | 就役 | 母港 |
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P71 | セルビオーラ Serviola |
1989年10月 | 1991年3月 | フェロル |
P72 | センティネーラ Centinela |
1990年1月 | 1991年9月 | ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア |
P73 | ビヒーア Vigía |
1990年6月 | 1992年3月 | カディス |
P74 | アタラージャ Atalaya |
1990年10月 | 1992年6月 | フェロル |
脚注
編集- ^ a b c d e Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 673. ISBN 978-1591149545
- ^ a b Robert Gardiner, ed (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. p. 437. ISBN 978-1557501325
- ^ a b Stephen Saunders, ed (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. p. 748. ISBN 978-0710628886