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セレクトショップセレクトストアは、和製英語(日本人が勝手に作った概念)[1]で、複数のメーカーやブランドの商品を扱う小売店のこと。複数メーカー品取扱店のこと。

英語圏の人に「select shop」や「select store」と言っても、基本的には通じない。

概説編集

「セレクトショップ」や「セレクトストア」という表現は、複数のメーカーやブランドの商品を扱う小売店を指すために日本人が作り出した和製英語である。複数メーカー取扱店のこと。

「特定メーカーの商品だけを扱っている店舗」と対比して、昔からある小売店を呼び分けるために日本人が作り出した和製英語。特に、服飾品・雑貨品などの店舗を、そう呼びたがる傾向がある。それ以外の、もっと重厚な商品や、格式の高い商品を扱っている分野では、たとえ小売店が複数のメーカーのものを販売していても「セレクトショップ」とは呼ばないのが一般的である。

店舗というものの歴史を調べれば分かることだが、もともと日用品店であれ、雑貨店であれ、洋服店であれ、小売店というのはさまざまな職人や業者や企業が作ったものを売ることはきわめて一般的なことであり、さほど特別なことではない。だから英語では単に「store」や「shop」(店舗)と呼んで済ましている。それで十分なのである。

もともと19世紀や20世紀の製造や流通での一般的な流れとしては、メーカーは(ほぼ)製造すると、上流の大手流通業者(「問屋」などと呼ばれるものの中の特に大手)にまとまった数量販売し(メーカーはその先、商品がどのように販売されてゆくかについてはあまり関与せず / 関与できず)、大手問屋はさらに2次問屋に販売し、2次問屋が3次問屋や小売店に販売し、2次問屋~3次問屋や小売店には複数のメーカーの商品が流れ込む、ということが標準的であった。

ブランディング技法の深化と専門店の増殖

ところが20世紀後半に、マーケティングの分野(大学でのマーケティング研究)でブランド設定やブランドイメージの構築によって利益を大きくする手法が本格的に研究されるようになり、MBAのカリキュラムにも組み込まれ、その知識やノウハウが服飾品や高価格帯商品などの実務の世界へ導入されるようになったが、(従来どおりの、小売店が複数のメーカーの商品を販売する、という店舗では、店舗側が自社(メーカー)の商品やブランドをどう扱ってくれるかその扱い方次第でブランドイメージはどうとでもなってしまい、メーカー側がコントロールしようとしても、商品パッケージはあるが、それ以外には、商品付近にリーフレットを置いたり、商品を置く棚にイメージ醸成のためのパネルを置いてもらうことや、あるいは多大な費用をかけて、メーカー側の意図通りにお客にイメージを与えるトレーニングを受けさせた販売員を店舗に配置させてもらう、など、あまり選択肢が無い、という問題があった)、その結果、比較的大きなメーカーが、自社ブランドイメージを自社が狙った通りに顧客の心に植えつける(刷り込む)ためには、メーカーみずからが店舗を作り、ブランドイメージを醸成するような店舗を、設計や内装のレベルから関与し、その店舗の中に、自社の商品を配置することで、購買者に 特定の(メーカーによってコントロールされた)イメージを強く刷り込む、という手法を採用する会社がポツポツと出てくるようになり、その多くが成功し、成功例を見て模倣するメーカーが続々と増え、世の中の小売店の中で、特定メーカー(ブランド)の商品ばかりを扱う店舗の割合が増えてきた。その結果(まるでクローン金太郎飴のように)特定ブランド専門店のほうが増殖し(たとえばユニクロなど)、日本中の都市部の商業地区のかなりの面積割合を占めるようになり、いつのまにか従来型の店舗の割合が減ってしまった。

なおこうした特定メーカー専門店(特定ブランド専門店)では、商品のラインナップを決定するのは、一般論として言えば、メーカーの「マーケティング部(販売推進部)」や「商品開発部」およびメーカーの経営陣であり、メーカー本部のマーケティング部(販売推進部)が、商品群の販売計画の大枠や商品ラインナップの展開もあわせて決定する。そして各店舗の「店長」と呼ばれる人は、メーカー本部のマーケティング部や販売推進部等の指示通りに動くのが任務であり、自分の担当する店舗の中に並べる商品に関しても本部の打ち出した指示や方向性に従うのが主たる任務で、ほとんど裁量の余地は残されていない。

従来型店舗の再位置づけと「セレクトショップ」という造語

20世紀後半に、都市部の商業地区で特定ブランド専門店ばかりが並ぶようになり、(本来の店舗、従来の店舗のことも知らず)それが当たり前であるかのように感じ始めた世代の日本人の中の一部に、従来からある、ごく普通の、複数のメーカーの商品を扱う店舗をあえて指す場合に、いったいどう呼べばよいのか?と迷う人が出るようになり、苦肉の策として「セレクトショップ」という和製英語を造り使うようになった、ということなのである。これは、日本で独自に作られた、一種のレトロニムとなっている。

従来型店舗(セレクトショップ)の特徴

(店舗の歴史からすれば、そもそも当たり前のことだが)店舗側の経営者や担当者が選んだ商品を陳列・販している。(もともと店舗というものは昔からそうだが)当該店舗の経営者やバイヤーが、店舗の運営に重要な役割を果たす。消費者の側から見ると、大手メーカーには属していない新進のデザイナーが考案した商品や、まだ小規模の作り手(メーカー)で独自の店舗を構えるほどの資本力は無いような商品も販売している、ということは特定メーカー(ブランド)専門店には無いメリットである。また複数のブランドを組み合わせたコーディネートを提案しれる可能性があるのも魅力で、また複数のメーカーの商品を組み合わせて一種の「システム」のようなものを提案してくれる可能性もある。

なお、もともと「セレクトショップ」であっても、自社(自店舗)で独自にロゴやラベルを創り独自商品、独自ブランドも販売するようになる場合もある。独自ブランド商品の販売比率が高くなった場合も「セレクトショップ」と呼ぶのか呼ばないのか、線引きははっきりしていない。 [2]


日本の例編集

もともと、昔から、服飾、雑貨、家電、生活必需品、食品など、ほぼ全ての店舗が特定ブランドに縛られない形態(和製英語「セレクトショップ」)で運営している。 (したがって例は無限にある。無限にあるものの一部をあえて恣意的に抽出して例として挙げるのが異常であり、本来なら、反対に、特定メーカー専門店の例を挙げたほうが事例が有限で、従来型店舗よりその数(店舗数ではなく、メーカー数)も少なく、リストとしても意味がある。)

服飾分野では、昔から、駅前の商店街に行けば、複数のメーカーの商品、複数のブランドの商品を並べている「洋服店」や「洋品店」や「ブティック」が並んでいる。現在でも地方田舎)の駅前の商店街には大抵、そうした店舗が複数あり、各店舗ごとに経営者(オーナー)が異なり、店名も異なり、品揃えも異なる。各店舗ごとに、固定相的な顧客、リピーターがついている。それなりに繁盛している店もある。そうした店舗が、全国に無数にある。

また電化製品を扱う店では、ヤマダ電機であれ、ヨドバシカメラであれ、ビックカメラであれ、エディオンであれ、複数のメーカーの商品を展示・販売している。

東京の服飾分野で古くからの有名店としては、1955年にサンモトヤマ有楽町で創業後、1959年に銀座へ移転して現在に至る[3]

服飾分野のチェーン店としては、1975年にシップスが創業。ビームスが1976年創業、創業時より比較的若年層の支持が高い。


脚注編集

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  1. ^ Shopping Japan: What Are "Select Stores"?
  2. ^ Apple Storeは自社ブランド中心に加えて他社ブランドもセレクトして販売している。自社・自店舗を和製英語の「セレクトショップ」とは決して呼ばない。ユナイテッドアローズは自社ブランドも販売しているが、セレクトショップという認識である。
  3. ^ 連載・銀座まちがたり - Vol.22 サンモトヤマ」『松屋銀座』。