メインメニューを開く
三角帆のドーニーでセーリングする人(モルディブ2008年
en:Laser Radial ディンギーでセイリングする人(2005年)
欧米式のセーリングクルーザーでセーリングする人々。タッキング中(風上まわりでの方向転換中)。
3本マストの帆船でのセイリングの例(インドの帆船。北米のナラガンセット湾にて)

セーリング: sailing)あるいは帆走(はんそう)とは、の表面を流れる風によって生ずる揚力を利用して、水上などを進むことや滑走すること。

また、その技術を競う競技の競技名も、(大会によっては)「セーリング」としていることがある。[1]

本記事では、まず長い長い歴史を持つ セーリングの技術自体について詳細に解説する。セーリングはまず、航海戦争探検のために行われてきた歴史がある。(特定の大会で登場した競技の説明は、あくまで軽く触れるにとどめ、基本的に別記事に譲る。)

セーリングの歴史編集

セーリングには数千年以上の歴史がある。

セーリングの基本編集

セーリングは奥深い技術である。書籍でじっくりと解説する場合は数冊程度以上の内容、ページ数にして数百ページ程度以上の内容になる。 だが、その基本中の基本ならば、数ページ程度で一応解説できるので、この記事では基本中の基本を解説する。

ほとんどのセーリングの教科書では、まず第一歩として、(西欧風で、現代風の)セーリング・ボート(たとえばディンギーやセーリング・クルーザー)の図解と各部分の名称の解説(まずこれを提示し、各部位の名前を読者に覚えてもらわないと、全然説明の言葉が通じなくなってしまうため、大抵 最初に提示される)、そして次に風の向きとセイルの間の角度と推力の関係を説明している。よって、この記事でもそれを採用する。

そしてもし可能であれば、その後に(大きな)帆船でのセーリングの技術の体系についても解説する。 以下、まずは比較的簡単な(西欧の)小型~中型のセーリングボートでのセーリングについて解説してゆく。

セーリング・ボートの各部位の名称編集

 
セーリンググルーザーの各部分の名称
  • 1 : メインセイル mainsail
  • 2 : ステイセイル staysail(ジブセイル)
  • 3 : スピネーカー Spinnaker
  • 4 : ハル hull(船体)
  • 5 : キール keel(竜骨)
  • 6 : ラダー rudder(
  • 7 : スケグ skeg
  • 8 : スパー spar
  • 9 : スプレッダー Spreader
  • 10 : シュラウド Shroud
  • 11 : シート sheet
  • 12 : ブーム boom
  • 13 : スパー spar
  • 14 : スピネーカー・ポール Spinnaker pole
  • 15 : バックステイ(バックステー) Backstay
  • 16 : フォアステイ(フォアステー) Forestay
  • 17 : ブーム・ヴァン boom vang

風と船体とセイルの向きと推力などの関係編集

 
風とセイルの向きの関係につけられた名称、推力の有無。青色の矢印が風の向き

A ラフィング。推力無し。風に対して0-30°程度。セイルはシバーshiver する(バタつく)。
B クローズホールド。風に対して30~50°。推力有り。
C ビームリーチ 、風に対して90°。推力有り。
D ブロードリーチ、90°以上 135°程度まで。推力有り。
E ランニング 135°程度~180°。推力有り。

上記の角度は、「真の風」に対する角度である。船に乗っている者には、「見かけの風」が感じられその角度は真の風の角度とは異なる。

 
セーリング・クルーザーのキールの例。このキールが水をしっかりととらえて抗力を発生させることで、セイルで発生した力と合成された力が推力となる。ここまで水中に向かってナイフのようにつきささる細長いキールでなくても、大航海時代の帆船のような、(水底に対しては短く)船首から船尾方向へと伸びる長いキールでも、横方向から見て総面積が十分にあれば、十分に抗力が発生する。

船の底のキール竜骨)が水中深くに入り込んでいて、しっかりと水をとらえて抗力を発生させることで、セイルが作り出す力のベクトルと抗力のベクトルが合成されて、はじめてセーリングは可能になる、つまり様々な方向へ進むことが可能になる。キールの抗力が無いと(たとえば、船底がまっ平らで滑らかだと)おおむね船はただ単純に風下へ流されてゆくだけになってしまう。

方向転換編集

セイルボートの方向転換は基本的にはラダーを左右どちらかに操作することで行う。ただし、それと同時に(方向転換後の途中で)風に対して進む角度に応じてセイルの向きも調整したり、大きく変更しなければならない。

タッキング編集

「タック」とは風を受けている「舷」(げん。つまり船の風を受けている横側)を指すが、方向転換をしつつ、船首(バウ)を一旦 風上に向けて、さらに方向転換をして、風を受ける舷を反対側にすることを「タッキング」と言う。

ジャイビング編集

風上へ進む方法編集

競技編集

セーリングをヨットと同義とする記述が一般的であったが、国際セーリング競技規則の名称に"セーリング"との呼称が採用されたことを契機として、セーリングとの呼称が定着しつつある。 ヨットという呼称は、セーリングに用いる艇種の一形態として用いる傾向が顕著である(2006年現在)。

オリンピックの競技種目としてのセーリング競技以外にも、アメリカスカップに代表されるように、多様なセーリング種目及び艇種が存する。競技に適する地理的条件及び気象的条件がオリンピックの開催地及び時期に適合させることに困難を伴う競技形態もあることを要因とするものとされる。このように個別の競技種目としては、4年毎の開催が不安定要因となり、選手を養成する基盤にも影響している。競技支援の公平性の観点から、非オリンピック種目について厚い選手強化の基盤整備の必要性が指摘されている。

オリンピック編集

1896年アテネオリンピックで実施される予定であったが、天候不良により中止となった経緯がある。1900年パリオリンピックから実施された。

アメリカスカップ編集

現在のヨット界で世界的に最も有名なレースは、このアメリカスカップである。 アメリカスカップは、1844年に設立されたニューヨーク・ヨット・クラブが建造したアメリカ号が、1851年に開催されたロンドン万国博覧会の記念行事として行われたワイト島一周レースにおいて、並み居るイギリス艇に圧倒的な差をつけ大勝し、観戦していたヴィクトリア王女はニューヨーク・ヨット・クラブにカップを与えたことから始まった。 アメリカがこのカップを得てからおよそ150年の間、アメリカ以外の国にカップがわたったことは無かったが、近年になって、オーストラリアニュージーランドにカップが渡った。2003年大会ではスイスが優勝し、152年の大会史において初めてヨーロッパ、そして海の無い国へとカップが渡った。 日本は、1992年にニッポンチャレンジとして正式に参加を果たし、以後定期的に出場したが、資金難などにより2003年のアメリカスカップには参加していない。最高位は準決勝進出。

参加するチームは、最初にルイ・ヴィトンカップと呼ばれる予選を総当りで戦い、勝った1チームだけが、カップを保有するクラブチームと戦うアメリカスカップに進むことができる。

競技の艇種による分類編集

  • ウィンドサーフィン) ウィンドサーフィンに用いられる技術のごく一部は、セーリングと共通ではあるが、異なる部分が多すぎ(たとえばウィンドサーフィンは、マストがユニバーサルジョイントによって360度自由自在に曲がり、その結果、力学的原理も、通常のセーリングボートとは、かなり異なる状況が頻発する )一般的には、ウィンドサーフィンはセーリング競技の中で競われず、セーリング競技のひとつと位置付けられるのではなく、ウィンドサーフィンの愛好者だけが集まる「ウィンドサーフィン大会」として競われている。ウィンドサーフィンは競技によっては、波の上でジャンプして空中回転してみるなど、ただのセーリングよりもはるかに高度な(超人的な)技を駆使するので、別世界なのである。
  • オプティミスト・ディンギー・クラス
  • シーホッパー・クラス
  • シーホース・クラス
  • スター・クラス
  • スナイプ・クラス
  • ソリング・クラス
  • テーザー・クラス
  • トーネード・クラス
  • トッパー・クラス
  • ドラゴン・クラス
  • ナクラ・クラス
  • ファイアーボール・クラス
  • ミラー・クラス
  • モス・クラス
  • ヨーロッパ・クラス
  • レーザー・クラス
  • 49ER・クラス
 
420クラスのレース風景
  • 420・クラス
  • 470・クラス
  • 505・クラス
  • FJ・クラス
  • J24・クラス
  • K16・クラス
  • SS・クラス

脚注編集

  1. ^ 長い歴史を持つ技術体系と、ある総合大会の、ある関係者が一般名称を強引に競技名にしてしまった競技名とを混同してはいけない。 たとえばフェンシングは長い長い歴史を持っているが、ある時にオリンピックでフェンシング競技が行われるようになったからと言ってフェンシングの記事にオリンピック競技のことを大量に記述してはいけない。 オリンピックのフェンシング競技をよく見ること。 たとえば、空手という歴史の長い分野があるが、どこかの総合大会において、ある担当者が、競技名に「空手」とつけたからと言って、百科事典の「空手」の記事に、その競技内容(ばかり)をドカドカと書いてはいけない、というのと同じことである。最近オリンピックで採用されたなら「オリンピックの空手競技」という記事を別に立てるべきである。百科事典の「空手」の記事では、まずは空手自体の歴史や、その技術の体系を詳細に説明しなければならない。 たとえば、将来、どこかの大会で誰かがある競技の競技名に乱暴に「自動車」とつけたからと言って、百科事典の「自動車」の記事に、その大会の競技内容を延々と書いてはいけない、というのと同じことである。そんな競技の説明は、基本的に別記事を立てて行うべきである。

関連項目編集

外部リンク編集

法規

国際組織など


日本国内