三角帆のドーニーでセーリングする人(モルディブ2008年)。イスラーム世界では伝統的に、このような、ひとつの大きな三角帆の船でセイリングを行う。
en:Laser Radial ディンギーでセイリングする人(2005年)
ヨーロッパ式のセイルプラン(セイル構成)のセーリングクルーザーでセーリングする人々。この写真はタッキング中(風上まわりでの方向転換中)。
3本マストの帆船でのセイリングの例(インドの帆船。北米のナラガンセット湾にて)

セーリング: sailing)あるいは帆走(はんそう)とは、の表面を流れる風によって生ずる揚力を利用して、水上などを進むことや滑走すること。

(ちょうど陸上での馬車運転という伝統的な行為があるように)水上で行うセーリングという行為があり、セーリングは伝統的に様々な目的で行われており、航海のため、貿易のため、のため、戦争のため、レジャーのため、競技のためなどに行われている。近代以降はセイリングで競技を行うことも行われるようになったので「競技セーリング」のことも(大会によっては)「セーリング」としていることがある。

(ちょうど陸上の運転でも「安全運転」が最重要であるように、船舶全般の航行でも「安全航行」が最重要事項であるように)セイリングの世界でも、実際のセイリングでは安全が最優先である。

(sail)を用いる乗り物は全て、セーリングの原理を利用している。伝統的な帆船、クルーザー、ディンギーだけでなく、ウインドサーフィンなど[1]もそうである。(そして実は、車輪をつけて陸を走るセーリングスケートボードも基本的には同じ原理で進む。)

本記事では、まず長い長い歴史を持つセーリングの基本技術について解説する。基本技術や原理というのは、セイリングのごく一部にすぎず、足りないので、次に(まだスタブであるが)セイリングボートでの実際のセイリング(つまりセイルボートの出港準備の内容、天候に応じたセイルの(多数の選択肢の中からの)選定方法、に停泊中の状態から「もやい」を解いて岸壁から離岸する方法、セイルを広げる方法段取り、天候などに応じたセイルのタイプの変更、荒天時のセイリング、帰港時の(セイリングボート独特の、モーターボートなどとは大きく異なる)着岸の方法、などを解説することで「セイリング」と呼ばれる一連の行為の全体像を解説する(予定である)。また水上交通上のルール(海上交通安全法など)とセイリングの関係(同法規での、セイリングの扱いや、セイリングボートでの航行の扱い、他の種類の船舶との優先順位関係、その理由になっているセイリングによる船の動きの違い(他の種類の船との動きの違い)、航路とセイリングの関係 等)、また世界の様々な海・海域で行われているセイリングという行為の状況、等々についても解説する予定である。

(特定の大会で登場した競技の説明は、あくまで軽く触れるにとどめ、基本的に別記事に譲る。)

セーリングの歴史編集

セーリングには数千年以上の歴史がある。

セーリングはまず、航海戦争探検のために行われてきた歴史がある。

日本における帆船・セーリング技術の歴史編集

江戸幕府は1609年、諸藩の500石以上の船を没収し、1635年武家諸法度で大船建造を禁止した。そして一本マスト、一枚帆を超える複数マストの帆船は幕末まで現れませんでした。海外渡航を禁じた鎖国令と共に、高速帆走船の建造技術や帆走技術(セーリング技術)の面で、日本が世界に大きく遅れてしまった原因です。

セーリングの基本編集

セーリングは奥深い技術である。書籍でじっくりと解説する場合は数冊程度以上の内容、ページ数にして数百ページ程度以上の内容になる。 だが、その基本中の基本ならば、数ページ程度で一応解説できるので、この記事では基本中の基本を解説する。

ほとんどのセーリングの教科書では、まず第一歩として、(西欧風で、現代風の)セーリング・ボート(たとえばディンギーやセーリング・クルーザー)の図解と各部分の名称の解説(まずこれを提示し、各部位の名前を読者に覚えてもらわないと、全然説明の言葉が通じなくなってしまうため、大抵最初に提示される)、そして次に風の向きとセイルの間の角度と推力の関係を説明している。よって、この記事でもそれを採用する。

そしてもし可能であれば、その後に(大きな)帆船でのセーリングの技術の体系についても解説する。 以下、まずは比較的簡単な(西欧の)小型~中型のセーリングボートでのセーリングについて解説してゆく。

セーリング・ボートの各部位の名称編集

 
セーリンググルーザーの各部分の名称
  • 1 : メインセイル mainsail
  • 2 : ステイセイル staysail(ジブセイル)
  • 3 : スピネーカー Spinnaker
  • 4 : ハル hull(船体)
  • 5 : キール keel(竜骨)
  • 6 : ラダー rudder(
  • 7 : スケグ skeg
  • 8 : スパー spar
  • 9 : スプレッダー Spreader
  • 10 : シュラウド Shroud
  • 11 : シート sheet
  • 12 : ブーム boom
  • 13 : スパー spar
  • 14 : スピネーカー・ポール Spinnaker pole
  • 15 : バックステイ(バックステー) Backstay
  • 16 : フォアステイ(フォアステー) Forestay
  • 17 : ブーム・ヴァン boom vang

セール各部名称

ピーク又はヘッド(peak,head)上端部、ラフ(luff)前縁部、リーチ(leach)後縁部、タック(tack)下隅部、クルー(clew)後隅部、ローチ(roach)リーチの辺より円弧状にはみ出た部分、フット(foot)下辺部、バテン・ポケット(batten poket)、テルテール(tell tale 語りべ)風見

セーリングの理論編集

セーリングの入門書では、まず「風の向き」の概念や、「風と船体とセイルの向きの関係」についての説明から初めている本が多い。第一歩の知識なので、この記事でもそこから解説する。→#風と船体とセイルの向きと推力などの関係

入門書では、その次の段階として「CEとCLR」についても解説されていることが多いので、この記事でも2番目に解説する。[2]。→#CEとCLR

なお、セイルが風によって生み出す力について物理学的な知識も得ること、たとえばセイル面を流れる「空気の流れ(air flow)」「揚力(lift)」「空気の剥離(stall 失速)」、「渦(vortex)」の発生、といったことを理知的に理解することは、中級以上のセイリングでは大いに役に立つ。(ただし、古代~中世のセイラーたち(船乗りたち)はそういった理論を理解していなかったが上手くセイリングをしたし、現代でも入門者はそこまで完全に理解する必要はなく、とりあえず実際のセイリングを始めることができる。) [3]


「真の風」と「見かけの風」 編集

真の風(true wind)」とは、風の海面(や地表)に対する風向や風速のことであり、これは「海面の風紋(wind ripple)」を見れば分かる。「見かけの風(apparent wind)」とは、船に乗っている者から観測される、移動している最中の船の船体に対する風の風向や風速のことであり、いわば相対速度であり、これはマストの頂点や下部にとりつけられている「風見(wind vane)」を見て判断することができる。

風と船体とセイルの向きと推力などの関係編集

 
風とセイルの向きの関係につけられた名称、推力の有無。青色の矢印が風の向き
  • A ラフィング。推力無し。風に対して0-30°程度。セイルはシバーshiver する(バタつく)。
  • B クローズホールド。風に対して30~50°。推力有り。
  • C ビームリーチ 、風に対して90°。推力有り。
  • D ブロードリーチ、90°以上 135°程度まで。推力有り。
  • E ランニング 135°程度~180°。推力有り。

上記の角度は、「真の風」に対する角度である。船に乗っている者には、「見かけの風」が感じられその角度は真の風の角度とは異なる。

 
セーリング・クルーザーのキールの例。このキールが水をしっかりととらえて抗力を発生させることで、セイルで発生した力と合成された力が推力となる。ここまで水中に向かってナイフのようにつきささる細長いキールでなくても、大航海時代の帆船のような、(水底に対しては短く)船首から船尾方向へと伸びる長いキールでも、横方向から見て総面積が十分にあれば、十分に抗力が発生する。

船の底のキール竜骨)が水中深くに入り込んでいて、しっかりと水をとらえて抗力を発生させることで、セイルが作り出す力のベクトルと抗力のベクトルが合成されて、はじめてセーリングは可能になる、つまり様々な方向へ進むことが可能になる。キールの抗力が無いと(たとえば、船底がまっ平らで滑らかだと)おおむね船はただ単純に風下へ流されてゆくだけになってしまう。

方向変換(ラフィングとベアリング・アウエーについて)編集

セーリング中に風上方向に艇首(bow)を向けることをラフィング(luffing up)と言う。逆に風下方向に艇首(バウ)を向けることをベアリング・アウエー(bearing away)(略してベアー)と言う。

方向転換(タッキングとジャイビング)

セイルボートの方向転換は基本的にはラダーを左右どちらかに操作することで行う。ただし、それと同時に(方向転換後の途中で)風に対して進む角度に応じてセイルの向きも調整したり、大きく変更しなければならない。 風上に向かいながら方向転換してブームを入れ替えることをタッキングという。また風下に向かいながら方向転換してブームを入れ替えることをジャイビングという。

タッキング編集

「タック」とは風を受けている「舷」(げん。つまり船の風を受けている横側)を指すが、ラフィングして、[船首](バウ)を 風上に向け、風軸を越えて方向転換し、風を受ける舷を反対側にすることでブームを入れ替えることを「タッキング」と言う。


ジャイビング編集

ジャイビングとは風下に向けてセーリング中、ランニングを越えて方向転換して、ブーム(の船体中心に対する左右)を入れ替えること。風を受ける舷は反対側になる。弱風~中風下でジャイビングを行うことは可能である。ただし、タッキングと異なって、ジャイビングには多かれ少なかれ危険が伴う。

教科書に書かれている注意点

ブームは左右が変化する時に、ある段階になると、風をはらんだセイルの力を受けて、猛烈な速度で動きがちであり(おまけに風には常に「ゆらぎ」があり、船から見ると風向や風速が絶えずユラユラ、コロコロと変化しているので、予想よりも早く突発的にブームが動くこともしばしばで)、不意をつかれた乗組員の頭部をブームが直撃して負傷させることがある、ということはセイリングの教科書でもしばしば、取扱説明書の「警告文」のように、(太字などで強調して)解説されている。(ジャイビングではブームの頭部直撃による乗組員の死亡事故が起きることもある、ということを警告している教科書もある。) ジャイビングは、ラダーを切るだけでも(一応)ブームは左右反対に勝手に動きはするが、乗組員の頭を直撃したりしないように、「ジャイビングを行う時は、念のために必ず誰かがブームを手で持ちつつ(ささえつつ)移動させよ」と解説している解説書もある。

強風化のジャイビングの危険とその回避策

特に強風化でのジャイビングは非常に危険で、風によって猛烈な力がブームに対して働き、人の腕では抑えようとしても抑えきれないほどの大きな力になり、ブームを抑えようとした人が「吹き飛ばされて」しまったり、ブームが左右入れ替わり反対側でシート(=ロープ)の長さの限界点に到達し「バンっ」と急停止する瞬間に、物理的に非常に大きな力がマストとブームの接合(ジョイント)部分に加わり、ジョイントの金具が破損してしまう事故が起きがちである、といったことも(そうなると大切なメインセイルがほぼ使えなくなり、おまけにこの破損は洋上では修理不能なレベルの深刻なものなので、航海は中断してやむなくジブセイルだけで最寄りの港などに退避せざるを得なくなることや、この事故を大洋(大海原)を航海中に起こしてしまうと命にもかかわる、などのことも)セイリングの教科書には書かれている。そうした事故が起きないように、強風化では、(一種の「とおまわり」になりがちだが)あえてタッキングで方向転換するということも行われている。クルーザーでは、メインシートにテンションをかけたままジャイビングを完了させるコントロールジャイブが通常である。又クオーターからランニングを帆走中は、安全のためバウからブームにロープを張りブームを固定したりしている。

CEとCLR。ヘルム。編集

なおセーリング時は、セールのCE(center of effort)と艇体のCLR(center of lateral resistance)の位置関係も考慮しなければならない。 CEがCLRより後ろにあれば、風上に向かおうとする性質(ウエザー・ヘルム weather hellm)が生じ、CEが前にあれば、風下に向かおうとする性質(リー・ヘルム lee helm)が生じてしまう。またオーバー・ヒール(over heel)によってもウエザー・ヘルムは生じる。

一般のセイリング時

CEとCLRがぴったり垂直関係(ぴったり上下)にあれば、風上に向かおうとする性質も風上に向かおうとする性質も持たず、理論上は「理想的」ではあるが、実際のセーリングの時にCEとCLRがぴったりと上下になることはまず無い。つまり、ラダーを正確に真っすぐに保つと、針路がわずかづつ風上へとズレていったり、風下へとズレていったりする。よって通常、セーリングをしている最中は、ヘルムという性質を打ち消すようにわずかにラダー(舵)を切る(当て舵)。ラダーを当てた分は、抗力(drag 抵抗)となる。その程度はラダーを切る角度による。わずかな角度であれば抗力はほとんど無い。大きな角度では抗力が大きくなる。

(通常、セーリングをしている時のほとんどの時間、ほとんどのセイラーは、ヘルムを打ち消すために、多かれ少なかれ、いくらか「舵を当てた」状態にしている。通常の実用のセーリングの時(たとえば、欧米のセイラーが家族・友人とセイリングをレジャーとして楽しんでいる時や、たとえばアフリカやアラブの三角帆の漁船が近くの漁場に向かう時など)はこうしたセイリングのしかたで十分である。通常、CEとCLの微妙な位置のズレは常にある。几帳面に調整するとなると「セイルの面積をいじってCEを調整→ラダーのところに戻る→ラダーの当て具合の確認→ズレが少し残っていることに気付く→またセイルのところへ移動し、前後のバランスをいじる→...」といった作業を行ったり繰り返したりせざるを得なくなり、セイル面積をあれこれ修正している最中は、(「安全航行」をする上で重要な)自船の周囲の海面・海域をしっかりウォッチすることがおろそかになり、他の船舶との衝突などの事故が起きがちであるし、通常の航行では「安全航行」が一番大切なので、(CEとCLRの微妙なズレの問題は、相対的に優先順序が低いので)舵を当てることで解決し、航行を続行する。

ただし、これも程度(量)の問題ではあるので、もしもCEとCLRの間に極端なズレがありあまりにヘルムが極端に大きすぎて、「ラダーの抵抗が原因で、極端に効率が落ちすぎていて(実用上も)困る。」などと判断される場合は、ジブセイルかメインセイルのどちらかの面積を変更して(つまり、前後のセイルの面積バランスを調整して)CEの前後位置を修正する。

競技セイリング時

競技セイリングの時は、話が異なり、ものごとの優先順序が変わり、「安全運航」よりもしばしば「(危険を冒しても、事故のリスクを負ってでも)少しでも上位でゴールする」の優先順位が上がりがちなので、ヒール角度、操船技術、チューニング等を駆使して「ノー・ヘルムを目指す」ことになる。ヘルムの微調整は競技セイラーにとっては「腕のみせどころ」のひとつである。(ただし、競技参加者はしばしば「自分が上位になること」で頭が一杯になってしまうが、本当は競技の最中でも人命が最重要であり、たとえ調整するとしても「安全航行」の妨げにならない程度にしたほうがよい。(たとえ競技でも)水上、海上は常に危険がある。競技セイリング中に艇と艇が衝突して、その衝撃で乗組員が気絶し落水、水死する事故が起きたこともある。)


メインセイル表面の風の流れと、メインセイルの「引き込み」の調整法編集

風のエネルギーを効率よく推進力に変えるには、セールの表面で空気をなめらかに流してやる必要がある。 「セールに風を流す」と言い、上手くセールに風を流すと、より大きな揚力を得ることができる。

セイル表面の風の流れの観察法

セール・ラフ部には「テルテール(tell tale「語りべ」という意味)」という、数cm程度の毛糸とシールが一体化したものなど、を多数張り付けておいて、それのセール風下側での動き(風に流されて水平になる様子や、垂れ下がってしまっている様子、揺らぎ方、揃い方など)を見て、セイルの表面をどのように風が流れているか判断することができる。。

流れの各状態・各症状とそれに対する調整法

艇長(skipper)やメインセールを操作するクルー(crew)は、メインシート(=メインセイルを調整するためのロープ)をコントロールすることによって、風がセール面を綺麗に流れるようにする。風下側テルテールの乱れはメインシートの「引込みすぎ」を意味し、セールが失速しているので、メインシートを緩めるか、艇をラフィング(luffing)すべきことを示す。またセール・ラフ部が「シバー(shiver身震い)」する(「バタバタ」と「はためく」)場合は、メインシートが緩みすぎであることを意味するので、その場合は、メインシートを引き込むか、艇をベアリング(bearing away)すればよい。


風上へ進む方法編集

タッキングを繰り返すことで、風上の位置に達することができる。その為には、よい上り角度とよいスピードというベクトル(vector)を目指さなければならない。また風が下側に触れた時は、タッキングすることでより良い角度で上ることができる。レースでは、上側の位置を確保しながら、上マークを目指すこの上レグは非常に重要です。

ポーラー・ダイヤグラム(polar diagram 極線図)

先述したよい上り角度とよいスピードのベクトルを図にして、その頂点を結んだ曲線をポーラー・ダイヤグラムといいます。かぼちゃ(南瓜)を輪切りにしたような曲線になります。上り角度はセール(ブーム)の引込み角度によって決定しますが、角度を取り過ぎればスピードを失ってしまいます。ここに最良のベクトルを目指す難しさあります。

セーリング技術

セーリングの理論でも述べたとおり、舵柄(tiller)を握る操舵手(helmsman)は直接に艇のヘルムを感じるとることができます。ヒール角度、セールサイズ、メインシート・ジブシートの調整、乗艇位置、ブームバング、カニンガム、アウトホール等をコントロールしてノーヘルム(no helm)を目指します。と同時にセールから最大のパワーを得るようにします。ヒールを潰せる限度でパワーを得るには、セールのドラフト(draft)を深くしていきます。またセールのツイスト(twist)は有害です。セールドラフトの深さ、位置については、風速、風の侵入角度(entry angle)等複雑なので別項に譲ります。帆走ルールを利用して自艇は有利な海面側に行く、あるいは他艇を不利な海面側に行かせる、他艇をカバーする等々については、競技技術なので別項に譲ります。

セーリングは知的ゲーム

相手艇の前を通るか、スターンを通るか、それが問題だ。混雑を逃れてフレッシュ・ウインドを掴んだか、よいベクトルで走って相手艇の前を切れたか、下振れの風やガストを利用したか、意味のあるタックをしたか、有利な側の海面へ行ったり相手艇を不利な側に行かせたか、相手艇をカバーしたか、ダブルタックや偽タックで振り切れたか等々。ここで勝つ者のマナーは、大勝ちしないこと。負ける者のマナーは、一発逆転のコースを取って大負けしないことである。いづれにしても勝負はつく、だが敗因が分かれば負けではないし、勝因が分からなければ、勝ちとは云えない。

ロールタック、ロールジャイブ(roll tack,roll jibe)

風か弱い時の方向転換はロールをかけるとよい。先ずヒールさせてウエザーヘルムを作りラフさせる、風軸に近づいたら一気にアンヒールをかけてオーバーヒールを作る。一気にオーバーヒールを潰しながらクローズラインに入れる。。セールを煽ることで加速します。タック前のヒール、セール角度に戻します。ロールジャイブも手順は同じです。

ティラーとメインシートは常に連動

風が強い時も弱いときも、ティラーとメインシートは常に逆に連動させます。潰せるガスト(gust)なら、ハイクアウトしながら、メインシートを引き、ティラーを少し押して上らせて角度を目指します。但し潰しきれないオーバーヒールはセールを少し出してヒールおさめて、ウエザーヘルムを消すようし、同時にティラーを少し引いて、ベアーさせてスピードを目指します。反対に、風がスーと落ちたら(lull)、ハイクアウトを止めてヒールを作りながら、メインシートをゆるめ、ティラーを少し引いてベアーさせてスピードを目指します。

ランニングにおけるローリングの原因

風を真後ろから受けるランニングでは、セールのラフ側とリーチ側の両端から交互に風が流れて渦を発生するため、ローリングが始まります。これを避けるにはクオーター(ブロードリーチ)まで上らせて、ラフからリーチ側に風を流すようにするか、ランニングを越えたバイザリーにして、リーチからラフ側に風を流すようにすると、ローリングはおさまります。

スロット効果・スロットル効果(slot or throttle effect)

ジブセールを備えたスループ艇の場合、ジブセールとの隙間を通るより速い風によりメインセールにはより強い揚力が生じます。また曲げられた風によりメインセールを更に引き込んで上り角度をよくすることができます。これをスロット効果ないしスロットル効果といいます。逆にいうと一枚帆(cat rig)艇の場合、スループ艇と同じ上り角度を取ればスピードを失うということです。

Bearing awayとは

(Nautical) to steer away from the wind 航海用語である。熊が手を打ち下ろす動作に由来する。bull(猛牛)と違ってbear(熊)は、株式市場では嫌われる言葉である。

Telltale(語りべ)とは

One who informs on another.

(Nautical) A length of yarn or ribbon attached to a stay or sail, as to indicate the direction of the wind or the strength of the flow of air over the sail.

ディンギーとセーラーの体重

今あるディンギー艇種のほとんどは欧米の設計である。欧米人の平均体重(70から80kg)で設計されている訳で、今の日本人セーラーが不利になる場面がないとはいえない。

セーリングの物理的限界

日本の海では、10メートル超の風は普通に吹いてきます。優れたセーラーであってもやはり限界はあります。セール面積とセーラーの体重から導かれるところの物理的限界です。

当て舵考察

先ずヨットは、安全のために若干のウエザーヘルムを有するように設計されている。又セーリング中に生ずるヘルムは多くの場合、オーバーヒールによるウエザーヘルムである。当て舵で修正できるが、有害である。 大抵はをメインシートを少し緩めることで消えるものなので、敢えてしないのは軽い当て舵が好きか、舵柄を杖代わりにしているか、怠惰なだけである。

競技編集

セーリングをヨットと同義とする記述が一般的であったが、国際セーリング競技規則の名称に"セーリング"との呼称が採用されたことを契機として、セーリングとの呼称が定着しつつある。ヨットという呼称は、セーリングに用いる艇種の一形態として用いる傾向が顕著である(2006年現在)。

オリンピックの競技種目としてのセーリング競技以外にも、アメリカスカップに代表されるように、多様なセーリング種目及び艇種が存する。競技に適する地理的条件及び気象的条件がオリンピックの開催地及び時期に適合させることに困難を伴う競技形態もあることを要因とするものとされる。このように個別の競技種目としては、4年毎の開催が不安定要因となり、選手を養成する基盤にも影響している。競技支援の公平性の観点から、非オリンピック種目について厚い選手強化の基盤整備の必要性が指摘されている。

オリンピック編集

1896年アテネオリンピックで実施される予定であったが、天候不良により中止となった経緯がある。1900年パリオリンピックから実施された。

アメリカスカップ編集

現在のヨット界で世界的に最も有名なレースは、このアメリカスカップである。 アメリカスカップは、1844年に設立されたニューヨーク・ヨット・クラブが建造したアメリカ号が、1851年に開催されたロンドン万国博覧会の記念行事として行われたワイト島一周レースにおいて、並み居るイギリス艇に圧倒的な差をつけ大勝し、観戦していたヴィクトリア王女はニューヨーク・ヨット・クラブにカップを与えたことから始まった。 アメリカがこのカップを得てからおよそ150年の間、アメリカ以外の国にカップがわたったことは無かったが、近年になって、オーストラリアニュージーランドにカップが渡った。2003年大会ではスイスが優勝し、152年の大会史において初めてヨーロッパ、そして海の無い国へとカップが渡った。 日本は、1992年にニッポンチャレンジとして正式に参加を果たし、以後定期的に出場したが、資金難などにより2003年のアメリカスカップには参加していない。最高位は準決勝進出。

参加するチームは、最初にルイ・ヴィトンカップと呼ばれる予選を総当りで戦い、勝った1チームだけが、カップを保有するクラブチームと戦うアメリカスカップに進むことができる。

競技の艇種による分類編集

  • RS:X(アールエス エックス) 2008年の北京オリンピックから「セーリング」種目の中のウィンドサーフィン部門の種目として採用された。
  • (ウィンドサーフィンに用いられる技術のごく一部は、セーリングと共通ではあるが、異なる部分が多すぎ(たとえばウィンドサーフィンは、マストがユニバーサルジョイントによって360度自由自在に曲がり、その結果、力学的原理も、通常のセーリングボートとは、かなり異なる状況が頻発する)一般的には、ウィンドサーフィンはセーリング競技の中で競われず、セーリング競技のひとつと位置付けられるのではなく、ウィンドサーフィンの愛好者だけが集まる「ウィンドサーフィン大会」として競われている。ウィンドサーフィンは競技によっては、波の上でジャンプして空中回転してみるなど、ただのセーリングよりもはるかに高度な(超人的な)技を駆使するので、別世界なのである。)
  • オプティミスト・ディンギー・クラス
  • シーホッパー・クラス
  • シーホース・クラス
  • スター・クラス
  • スナイプ・クラス
  • ソリング・クラス
  • テーザー・クラス
  • トーネード・クラス
  • トッパー・クラス
  • ドラゴン・クラス
  • ナクラ・クラス
  • ファイアーボール・クラス
  • ミラー・クラス
  • モス・クラス
  • ヨーロッパ・クラス
  • レーザー・クラス
  • 49ER・クラス
 
420クラスのレース風景
  • 420・クラス
  • 470・クラス
  • 505・クラス
  • FJ・クラス
  • J24・クラス
  • K16・クラス
  • SS・クラス

脚注編集

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  1. ^ ウイングサーファーカイトサーフィンなども
  2. ^ CEとCLRが最初に解説されている入門書はほぼ無い
  3. ^ 空気力学(aerodynamics)やベルヌーイの定理等を関係する。

関連項目編集

外部リンク編集

法規
国際組織など
日本国内