タイタンオオウスバカミキリ

タイタンオオウスバカミキリTitanus giganteus)は、節足動物門昆虫網鞘翅目カミキリムシ科に属する甲虫の一種で、カミキリムシの中では最も巨大となる。

タイタンオオウスバカミキリ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
: カミキリムシ科 Cerambycidae
: Titanus
: タイタンオオウスバカミキリ
T. giganteus
学名
Titanus giganteus
(Linnaeus1771)
和名
タイタンオオウスバカミキリ、
オバケオオウスバカミキリ
英名
Titan beetle
Titanus giganteus

生息地 編集

南アメリカベネズエラコロンビアエクアドルペルー、ギアナ各国、ブラジル北部から中部に分布する。

特徴 編集

本種は世界最大カミキリムシとして有名であり、世界最大の甲虫のひとつである。その体長は成虫で130-165mmに達すると云われ、同じく世界最長の甲虫として知られるヘラクレスオオカブトは180mm近くに達するが、大型個体の体長の半分は角が占めており、本種のほうが本体はずっと大きい。

赤みがかった黒い体色で、ウスバカミキリ類の特徴である前向きの太く厳つい大顎を持ち、カミキリムシの特徴である長い触角は、体長の半分ほどしかない。生態には不明な部分が多く、幼虫は見つかっていないが、成虫の体長から25cmに達すると推測されている。他のカミキリムシや大型甲虫の例からも、幼虫期間は3年かそれ以上と考えられている。幼虫期間の長さに比べ、成虫の寿命は短く、野外では後食もなく、一週間程度しか生きられないとも云われる。

和名ではその大きさから、低年齢向けの昆虫図鑑等では、オバケオオウスバカミキリとも記載されることがある。

人間との関わり 編集

世界最大のカミキリムシとして有名であり、その希少性からも現地民に現金収入のため乱獲され、標本用に高額で取引されている。また、他のカミキリムシのようにその幼虫が、現地民に食用とされていた歴史もある。また本種の生息には広大な熱帯雨林が必要であると考えられ、開発による生息地の森林破壊も本種の個体数減少に関わっていると推測されている。

本種の採取方法はライトトラップで得られた個体がほとんどである。これはヘラクレスオオカブトと同じく、生息地が奥深く危険地帯であることと、その生息環境がよく分かっていないことに所以する。

関連項目 編集