タイ国際航空

タイのフラッグキャリア航空会社

タイ国際航空(タイこくさいこうくう、タイ語: บริษัท การบินไทย จำกัด英語: Thai Airways International)は、タイ航空会社であり、同国最大の航空会社(フラッグ・キャリア)である。

タイ国際航空
การบินไทย
Thai Airways
Thai-Airlines-Logo 2008.svg
IATA
TG
ICAO
THA
コールサイン
THAI
法人番号 8700150001083 ウィキデータを編集
設立 1960年5月1日[1]
ハブ空港 スワンナプーム国際空港
焦点空港 プーケット国際空港
チェンマイ国際空港
マイレージサービス Royal Orchid Plus
会員ラウンジ Royal Orchid Lounge
航空連合 スターアライアンス
親会社 タイ王国財務省
保有機材数 81機
就航地 72都市(海外61都市 国内11都市)
本拠地 タイ王国の旗 タイ王国バンコク
代表者 ジャーラッムポーン・チョーテイックサテン(会長
外部リンク http://www.thaiairways.com/
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後述のように、かつて存在した親会社のタイ航空 (Thai Airways Company) とは別法人であるが、日本語ではタイ国際航空を指して「タイ航空」と称する表現が定着している例もある(「タイ航空機爆発事件」など)。

概要編集

 
タイ国際航空本社ビル

タイ王国を代表する大企業の一つで、スワンナプーム国際空港ハブ空港とするタイ王国の「フラッグ・キャリア」である。またアジアのみならず世界でも有数の規模を持つ航空会社でもある。

コンデナスト・トラベラーなどの旅行専門誌や、各国のビジネス誌などによるサービスランキングでは上位の常連であり、スカイトラックス社の「ベスト・キャビン・スタッフ&ベスト・エアライン」賞を2006年に受賞している。また、機材の新しさと整備技術の高さから航空会社の安全度ランキングでは「A」をマークする。

南アメリカを除く全大陸に就航しているほか、タイ王国の国内線にそのネットワークを広げている。なお、世界最大の規模を持つ航空連合スターアライアンスに、ルフトハンザ航空スカンジナビア航空(SAS)、エア・カナダユナイテッド航空らとともに発足当初からのスターティング・メンバーとして加盟しており、同アライアンスの代表的メンバーである。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[2]

長年の放漫経営や不透明な経営体質がたたり、2014年には負債総額が約2660億バーツに達して経営危機に陥った。当時、陸軍のクーデーターによる半ば軍政下状態であったこともあり、公的資金の注入と引き換えに保有機体や不動産の売却、従業員の削減を伴う強権的な経営再建計画が進められ、2016年には最終利益で黒字に転換させることができた。しかし、政権や経営陣が交代すると再び放漫経営体質と不正が復活、強固な労働組合の対決姿勢も加わり、新たな改革や再建計画の導入は進まないまま、2020年5月19日、2019新型コロナウイルスの感染拡大に伴う運行停止の影響で経営破綻に追い込まれた[3]

2020年の経営破綻前は、タイ財務省が出資比率は51.03%、タイ財務省が設立した基金「Vayupakファンド」が7.6%、タイ政府貯蓄銀行が2.1%と続く、タイ政府が経営に強い影響力を行使できる事実上の国営企業であった。その後破産法に基づく会社更生手続きを円滑に進めるために、タイ財務省が持つ株式のうち3.17%を「Vayupakファンド」に売却し、タイ政府の経営関与に少なくし、早期の経営再建を行うことになった。

歴史編集

設立は1959年タイ仏暦2502年)で、国内航空会社タイ航空 (Thai Airways Company)」(70%) と「スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines System)」(30%) の合弁事業として設立された。

1960年に国際線の運航を開始し、1971年オーストラリアに、1972年ヨーロッパに、1980年には北アメリカへの運航を開始するなどそのネットワークを拡充した。1977年にタイ政府が全株式を取得したものの、その後もスカンジナビア航空と密接な関係を保っている。

1988年に国内航空会社「タイ航空 (Thai Airways Company)」と合併。その後株式を一部公開し半官半民事業会社となる(株主のほとんどは王室か政府である)。

沿革編集

 
スワンナプーム国際空港

運航機材編集

タイ国際航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)はD7で、航空機の形式名は747-4D7, 777-2D7, 777-2D7ER, 777-3D7 などとなる。


運用機材編集

2020年3月現在

機種 運用機数 発注機数 座席数 備考
F C Y Total
エアバスA330-343 12 36 263 299 HS-TBD:スターアライアンス塗装
3 31 263 294
エアバスA350-941 12 32 289 321
エアバスA380-841 6 12 60 435 507
ボーイング747-400 7 10 40 325 375 HS-TGW:スターアライアンス塗装
9 374
ボーイング777-200 6 30 279 309
ボーイング777-200ER 6 30 262 292
ボーイング777-300 6 34 330 364
ボーイング777-300ER 14 42 306 348
ボーイング787-8 6 22 234 256
ボーイング787-9 2 30 268 298 台湾、ニュージーランド専用機材
Total 80

2020年の経営破綻を機に、経年劣化したB747-400B777-200B777-300の退役を加速させ、運航効率の良いA350-900B787-9などの次世代機に置き換える計画である。


ギャラリー編集

退役機材編集

就航都市編集

2015年3月現在ではタイ各地やアセアン諸国を中心に、一部の国を除くアジア全域、ヨーロッパ中東オセアニア北アメリカに就航。タイ国内路線の競争激化を受けて、一部の路線を子会社の格安航空会社であるノックエアに委譲した。


サービス編集

機内サービス編集

 
タイ国際航空の客室乗務員

専門誌やビジネス誌などによるサービスランキングでは、上位の常連である。客室乗務員は、女性乗務員はタイの民族衣装に身を包み、男性乗務員は、黒や灰色を基調としたスーツに身を包み、ワイ(タイの伝統的な合掌する挨拶)で乗客を迎える。

着陸前には、を基調とした洋服に着替える(ステイの場合のみ)。着陸間際に、の花をプレゼントしている。女性優先であるが、数に余りが有る場合、男性にも配るケースが有る。

機内食は、鶏肉豚肉をメインとしたタイ料理が主流であるが、便に合わせて各国の料理が提供される。ビジネスクラスでも実施しているが、エコノミークラスでは珍しく「事前の和食チョイスサービス」が実施されている。

ボーイング777-200ER/300/300ER、及びボーイング787の全機種に、ボーイング747-400エアバスA330-300の一部機種にオンデマンド式のシートテレビが装備されている。エコノミー席にもパソコン電源が装備されている。

クラスは、ロイヤルファーストクラス、ロイヤルシルククラス(ビジネスクラス)、プレミアムエコノミークラス(ボーイング777-300ERで運航されるコペンハーゲン線、ストックホルム線のみ)、エコノミークラスに分かれている。コペンハーゲンストックホルムの各線ではボーイング777-300ER型機を使用しているが、通常2クラス運用のところビジネスクラス後方をプレミアムエコノミーとして追加して3クラス運用として提供されており、ビジネスクラスのシートTVはプレミアムエコノミー運用時でも使用可能。

タイの仏教僧には、どのクラスよりも早い最優先搭乗や、戒律を守るため僧侶に配慮した座席や機内食、到着後のファーストクラスよりも早い最優先降機など、一般客にはない数々のサービスが存在する。

ラウンジ編集

 
スワンナプーム国際空港のロイヤル・オーキッド・ラウンジ

主要空港を中心にロイヤル・オーキッド・ラウンジを設置。ハブ空港のスワンナプーム国際空港内のファーストクラスラウンジ「ロイヤル・オーキッドスパ・ラウンジ」は無料で本格的なスパ・トリートメントが味わえるほか、マンダリン・フットマッサージも受けられるなど最上のサービスを提供。2016年スカイトラックス社のファーストクラス・ラウンジ部門で8位を受賞した[23]

運賃編集

正規割引運賃(PEX)として、「TG前売り」がある。バンコクをはじめとするタイ各都市、東南アジアの一部都市、デリー、ドバイ、ヨーロッパ、オセアニアへの設定がある。

共同運航パートナー編集

スターアライアンス加盟航空会社との共同運航も多いが、スターアライアンスに加盟していない航空会社との共同運航も多い。

スターアライアンス加盟航空会社編集

スターアライアンス非加盟航空会社編集

グループ企業編集

事件・事故編集

関連項目編集

脚注編集

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注釈編集

出典編集

  1. ^ Company Profile”. Thai Airways International. 2016年1月1日閲覧。
  2. ^ 日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)”. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月26日閲覧。
  3. ^ タイ航空が経営破綻した、「自業自得」の理由とは”. Diamond online (2020年5月22日). 2020年5月22日閲覧。
  4. ^ タイ国際航空、成田/バンコク線でA380の2便化を正式発表 FlyTeam ニュース 2013年8月24日付
  5. ^ 関西国際空港の国際定期便運航計画について (2013 年冬期スケジュール) 新関西国際空港株式会社 2013年10月23日付
  6. ^ なぜタイ航空局は安全性を問題視されたのか 旺盛な訪日需要に影響も
  7. ^ “タイ航空、バンコク―ロンドンにA380”. newsclip.be. (2015年7月8日). http://www.newsclip.be/article/2015/07/08/26204.html 2015年8月16日閲覧。 
  8. ^ FAA、タイ当局「カテゴリー2」に格下げ タイの航空会社、米国へ新路線不可
  9. ^ タイの航空会社、ヨーロッパ乗り入れ禁止リストに含まれず 「動向を注視」
  10. ^ タイ国際航空、5月16日から関西/バンコク線にA380を投入 FlyTeam 2016年2月24日付
  11. ^ a b タイ国際航空、テヘランとモスクワ就航 日本経済新聞 2016年6月17日付
  12. ^ タイ国際航空とのコードシェアの休止について - JAL国際線
  13. ^ a b タイ国際航空、11月にバンコク/ウィーン線を開設へ 777で週4便 Flyteam 2017年7月28日付
  14. ^ タイ国際航空、10月下旬から仙台/バンコク線を再開 777で週3便 Flyteam 2019年6月7日付
  15. ^ タイ航空、最終赤字415億円 運賃下落で不振続く 日本経済新聞 2020年3月2日付
  16. ^ タイ航空が経営破綻 共同通信
  17. ^ タイ国際航空、仙台〜バンコク線の運航再開 10月29日から週3便で Traicy 2019年6月7日付
  18. ^ タイ国際航空、バンコク―テヘラン線の開設を正式発表 予約受付も開始 アジアトラベルノート 2016年8月10日付[信頼性要検証]
  19. ^ タイ国際航空、10月末からヨーロッパ2路線を増便 ロサンゼルス線を運休 Flyteam 2015年8月11日付
  20. ^ タイ国際航空、バンコク発着の重慶、ペナン線をタイ・スマイルに移管 Flyteam 2016年7月6日付
  21. ^ タイ国際航空、9月5日でバンコク/マドリード線を運休へ 需給調整で Flyteam 2015年4月28日付
  22. ^ タイ国際航空、2015年1月にバンコク/ヨハネスブルグ線を運休 Flyteam 2014年10月20日付
  23. ^ Top 10 First Class Airline Lounges : 2016 Skytraxx
  24. ^ AP (1986年11月8日). “Man held in Thai jetliner explosion”. 2013年11月22日閲覧。

外部リンク編集