タロス (恐竜)

トロオドン類の恐竜

タロスTalos)は、ユタ州カイパロウィッツ累層後期白亜紀カンパニアン地層から発見されているトロオドン類獣脚類に属する恐竜の一つ。模式種 T. sampsoni のみが知られる。

タロス
ホロタイプの後肢
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : コエルロサウルス類 Coelurosauria
: トロオドン科 Troodontidae
亜科 : トロオドン亜科 Troodontinae
: タロス属 Talos
学名
Talos Zanno et al.2011
  • T. sampsoni Zanno et al.2011

発見 編集

 
スコット・ハーマンによる骨格復元図。赤色で示されているのは知られている部分

タロスはホロタイプ UMNH VP 19479 のみによって知られる。これは亜成体の部分的な体骨格である。後肢要素、骨盤脊椎の断片、血道弓、そして左の尺骨で構成される。2008年にネル Knell によってユタ大学のカイパロウィッツ・プロジェクトの一環で、グランド・ステアーケースエスカランテ国立記念公園で発見・発掘された。記載は2011年にザノらによってなされた。模式種はタロス・サンプソニ Talos sampsoni。属名はギリシャ神話に登場する動く巨大な銅像のタロース英語talon(鉤爪)をかけたシャレである。種小名スコット・サンプソンへの献名。サンプソンはカイパロウィッツで調査と化石採集をしているテレビタレント古生物学者である[1]

説明 編集

 
生体復原図

タロスは鳥に非常に近縁なグループであるマニラプトル類トロオドン類である。全てのトロオドン類の頭骨はたくさんのユニークな特徴があり、下顎骨にぎっしりと生えた歯、無数の歯などが含まれる。トロオドン類はヴェロキラプトルのようなシックルクロー(鎌状の鉤爪)を備え、鳥類を除けば最高の脳化指数の持ち主である。これは、彼らが鋭い感覚をもったハンターだったことを示す[2]。タロスは全長約2m、体重38kgと推定される。タロスの標本のシックルクローは破損しているが、生前に獲物を攻撃する際に負った怪我によるものである可能性があると言われている[1]

2011年、タロスはトロオドン科として記載された。同じクレードにはビロノサウルスサウロルニトイデスザナバザルトロオドンが含まれる[1]

出典 編集

  1. ^ a b c Lindsay E. Zanno, David J. Varricchio, Patrick M. O'Connor, Alan L. Titus and Michael J. Knell (2011). “A new troodontid theropod, Talos sampsoni gen. et sp. nov., from the Upper Cretaceous Western Interior Basin of North America”. PLoS ONE 6 (9): e24487. doi:10.1371/journal.pone.0024487. PMC 3176273. PMID 21949721. http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0024487. 
  2. ^ Junchang Lü; Li Xu; Yongqing Liu; Xingliao Zhang; Songhai Jia; Qiang Ji (2010). “A new troodontid (Theropoda: Troodontidae) from the Late Cretaceous of central China, and the radiation of Asian troodontids.”. Acta Palaeontologica Polonica 55 (3): 381–388. doi:10.4202/app.2009.0047. http://www.app.pan.pl/archive/published/app55/app20090047.pdf.