ダイヤのジャック
ダイヤのジャックとは、1909年にモスクワで結成された急進的な美術家集団の名前で、ロシア語では «Бубновый валет» という。グループ名は1910年の展覧会に向けて、事実上の指導者であったミハイル・ラリオーノフによって考案された。

レントゥーロフ「ギター持てる女」(1913年)
「ダイヤのジャック」の同人は、真に模範とするに足るのはポール・セザンヌただ独りで、その他の画家はブルジョワ趣味であり、余りにもくだらないと訴えていた。主要な同人には、ロベルト・ファリク、アリスタールフ・レントゥーロフ、イリヤ・マシュコフ、アレクサンドル・クプリン、ピョートル・コンチャロフスキーが挙げられる。ただし、「第1回ダイヤのジャック展」の参加者で、ラリオーノフのほかに有名なのはナタリア・ゴンチャロワとカジミール・マレーヴィチであり、その後の参加者で重要なのはレオポルド・シュルヴァージュである。
最終的に、グループの規範意識をめぐるメンバー同士の確執から、より急進的な「ロバの尻尾」が結成された。