チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-

「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」は、1964年11月20日ビクターレコードより発売された橋幸夫の59枚目のシングルである(SV-150)。副題の「涙にさよならを」を題名とした松竹映画が作成され主題歌となった。後に日本ビクター出版よりミュージックブック「涙にさよならを」(MBK3123)が制作、発売されている。

チェッ・チェッ・チェッ
-涙にさよならを-
橋幸夫シングル
B面 愛をこめて
リリース
ジャンル 歌謡曲(リズム歌謡)
時間
レーベル ビクター(SV-150)
作詞・作曲 佐伯孝夫(作詞)
吉田正(作・編曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 月間1位(『平凡』第13回から連続3ヶ月)
  • 月間1位(『明星』第19回から連続3ヶ月)
  • 橋幸夫 シングル 年表
    君のひたいに光る汗
    (1964年10月30日)
    チェッ・チェッ・チェッ
    -涙にさよならを-
    さすらい者
    (1965年1月20日)
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    概要 編集

    • 作詞佐伯孝夫、作曲吉田正による、橋のリズム歌謡は、本楽曲で3曲目となる。第1作の「恋をするなら」はサーフィン、第2作の「ゼッケンNO.1スタートだ」はホットロッド、本作「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」はサブロックのリズムで制作されている。なお橋は、翌年、一連のリズム歌謡で、第7回日本レコード大賞企画賞を獲得している[1]
    • リズム歌謡は通常夏の季節だが、本作は歌詞に「」が出てくることから唯一冬を対象にしている。
    • 特徴的なタイトルについて、橋は、「佐伯先生の感詞といいましょうか、感覚的な歌詞でした。”チェッ”という舌打ちを三つ重ねて”残念”くやしいという意味を持たせただけでなく、リズム感も出している」と評している[2]
    • 「平凡」ランキング連続3ヶ月トップ、「明星」ランキング連続3ヶ月トップ。
    • c/wの「愛をこめて」も佐伯、吉田による楽曲である。この年の橋のシングルリリースは15枚に達した(翌年も15枚)[3]
    • 本楽曲で橋のビクターヒット賞は50となり、デビューから僅か4年半で前例のない記録を樹立している[4]

    収録曲 編集

    1. チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-
      作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
    2. 愛をこめて
      作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正

    収録アルバム 編集

    • 『橋幸夫 ザ・ベスト』(2012.07.25)
    • 『元祖! リズム歌謡』( 2005.06.29)
    • 『SWIM! SWIM! SWIM!』(2005.07.21)
    • 『〈TWIN BEST〉』(1998.11.06)
    • 『吉田正 自撰77曲(下)』(1998.07.23)
    • 『<BEST ONE> 橋 幸夫』(1996.10.23)

    関連作品 編集

    映画「涙にさよならを」 編集

    涙にさよならを
     
    監督 前田陽一
    脚本 光瀬信彦
    原作 菊村到
    製作 今泉周男
    出演者 橋幸夫倍賞千恵子
    音楽 小川寛興
    撮影 竹村博
    編集 大澤しづ
    製作会社 松竹
    公開  1965年1月3日
    上映時間 79分
    製作国   日本
    言語 日本語
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    • 橋幸夫、倍賞千恵子が「花の舞妓はん」に引きつづいて五度目の共演。1965年1月3日松竹系で公開された。79分。
    • スポーツカーのセールスマン大畑京一(橋幸夫)の婚約者みどり(夏圭子)はカメラマンを志望。
    • ある日、京一は、ホテルで、スリを働いた老人を捉え、許すも、その一瞬をみどりのカメラが捉える。これが、週刊誌に〝決定的瞬間〟として掲載され、老人の一人娘久美子(倍賞千恵子)は絶望し、郷里越後湯沢へ家出する。責任を感じたみどりと京一は久美子を探しだし、父親ともども職の世話し、結果として、二人は互いに好意を抱くようになる。
    • ある日、京一は老人がスッた自動車免許証がもとで、観光会社の社長鮫岡らを中心とする麻薬団に狙われる。それは、彼等の犯罪(殺人)を証明するものだったのだ。やがて魔の手は老人や久美子にも延び、ここから、雪山を舞台にハードなアクションが展開されることになる。橋が犯罪者集団と戦う、歌謡映画としては異色の青春アクション映画となっている[5]

    スタッフ 編集

    出演者 編集

    映像ソフト 編集

    • 2000年5月21日にこの作品のビデオソフトが発売された(規格:VHS、廃盤)。

    同時上映 編集

    大根と人参

    ミュージックブック「涙にさよならを」 編集

    • 楽曲のヒットと映画制作を受け、ミュージックブック「涙にさよならを」が、1965年1月日本ビクター出版より発売された(MBK3123)。
    • 主な内容は以下のとおりで、片面ソノシートが4枚付属している。
      • 巻頭カラーグラビア
      • スキーでサブロック(スキーを滑る橋)
      • 対談「スキーってたのしいね」(橋幸夫、倍賞千恵子)
      • グラビア、歌詞紹介
      • 「涙にさよならを」ストーリー紹介
      • ロケだより「すばらしい5日間」
      • 橋幸夫ポケットメモ
    ソノシートの楽曲「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」はセリフ入りで、シングルレコードとは異なっている。

    関連項目 編集

    出典 編集

    1. ^ 金子勇『吉田正 誰よりも君を愛す』ISBN 978-4-623-05623-1 ミネルヴァ書房(京都) 2010/1 337頁
    2. ^ 橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 52頁
    3. ^ 前掲書「シングルレコード・ディスコグラフィティ」168-209頁参照
    4. ^ 『ミュージックブック・僕等はみんな恋人さ』(SB3030)日本ビクター出版 1965年12月刊行 2-3頁「橋幸夫ヒット賞50曲突破記念リサイタル」,14頁「50曲一覧」
    5. ^ 日本ビクター出版『涙にさようなら』1965年1月刊行 8-9頁