チャールダーシュ
(チャルダッシュから転送)
チャールダーシュまたはチャルダッシュ(ハンガリー語: csárdás [ˈʧɑ̈ːrdɑ̈ːʃ]、スロバキア語: čardáš)は、ハンガリー音楽の、ヴェルブンコシュから派生したジャンルである。


名称
編集ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダ csárda [ˈʧɑ̈ːrdɒ]に由来する。しかし直接には、ハンガリー音楽に大きな貢献をしたユダヤ系作曲家ロージャヴェルジ・マールクが作曲した楽曲の名前から広まった。
歴史
編集ヴェルブンクとヴェルブンコシュは兵士が居酒屋(チャールダ)で兵士募集のために踊り、それが農民の改作も交えて次第に芸術的要素を増していき、19世紀にロージャヴェルジらによりチャールダーシュとなったのであり、ヴェルブンコシュを農民が改作してチャールダーシュとなったのではない。
19世紀にはウィーンをはじめヨーロッパ中で大流行を極め、ウィーンの宮廷は一時チャールダーシュ禁止の法律を公布したほどだった。
特徴
編集メディア外部リンク | |
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試聴 | |
音楽・音声 | |
シュトラウス2世作曲オペレッタ『こうもり』よりチャルダーシュ「故郷の調べ」 - ディアナ・ダムラウ(歌)、デイヴィッド・チャールズ・エイベル指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、Warner Classics International提供のYouTubeアートトラック。 | |
シュトラウス2世作曲オペラ『騎士パズマン』よりチャルダーシュ - カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、Sony Classical提供のYouTubeアートトラック。 | |
映像 | |
モンティ作曲『チャルダーシュ』 - 岸本萌乃加(ヴァイオリン)、黒岩航紀(ピアノ)、ピアニスト自身のYouTubeチャンネル。 |
他のハンガリー音楽と特徴が同じ面としては、「遅い」部分(lassú, lassan)と「速い」部分(friss / frišká)があるところだが、ラッシュー部分はかなり遅く、哀愁をもって演奏される。実際には2つから3つの民謡の旋律を組み合わせたりして演奏する場合が多い。
主な楽曲
編集- ヨハン・シュトラウス2世作曲オペレッタ『こうもり』よりアリア「故郷の調べ」
- ヨハン・シュトラウス2世作曲オペラ『騎士パズマン』より「チャールダーシュ」
- ヴィットーリオ・モンティ作曲『チャールダーシュ』
脚注
編集- ^ Blatter, Alfred (2007). Revisiting music theory: a guide to the practice, p. 28. ISBN 0-415-97440-2.
- ^ Csárdás dance tradition . 2024年12月11日閲覧。
関連項目
編集- チャールダーシュの女王 - エメリッヒ・カールマン作曲のオペレッタ