ツチグリ (菌類)
ツチグリ(土栗、学名: Astraeus sp.)は、担子菌門菌蕈綱ニセショウロ目ツチグリ科ツチグリ属のキノコ。夏から秋、林内の道端や土の崖などで普通に見られる中型のキノコで、ツチガキ(土柿)とも言われる。
ツチグリ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Astraeus sp. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ツチグリ(土栗)、ツチガキ(土柿) |
Astraeus hygrometricus | |
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菌類学的特性 | |
![]() | 基本体子実層 |
![]() | 識別可能な傘は無し |
![]() | 胞子紋は茶色 |
![]() | 生態は菌糸 |
![]() | 食用: 適さない |
特徴編集
胞子の入った扁球形の袋の外側には皮質の厚い外皮があり、成熟すると外皮は7片から10片に裂け、星形に開く。星型の座布団の上に胞子の入った袋が乗っている形になり、胞子は袋の先端の穴から放出される。外皮はおもに2層の構造となっており、内側の層が水分を吸収して膨張することで、乾湿に合わせて開閉する。乾燥すると外皮は丸まり、胞子の袋を包んで全体が球形になるが、その際に袋が押されると胞子が放出される。
分布編集
日本全土。雑木林の地上に群生。
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利用編集
ツチグリは、本来食用に適さないが、内部が白い幼菌は食用になり、東南アジアなどでは缶詰にもされるが、日本ではあまり食べられない。しかし、東北地方の南部(特に福島県など)ではマメダンゴやママダンゴと呼ばれ、6月下旬から7月上旬にかけての梅雨の時期に若いものは季節の味として食卓へ上る。味噌汁の具や、佃煮などにされることが多い。
学名について編集
本種は長期にわたり、Astraeus hygrometricus (Pers.) Morganという学名が用いられてきたが、分子系統解析の結果、A. hygrometricusとは異なる未記載種であることが示唆されている[1]。
その他編集
3月から5月にかけては、海岸のクロマツ林にコツチグリ (var. koreanus V.J.Stanék) が発生する。ごくまれに、タマノリイグチ (Xerocomus astraeicola) が寄生することがある。
脚注編集
- ^ Fangfuk W, Petchang R, To-anun C, Fukuda M, Yamada K. 2010. Identification of Japanese Astraeus, based on morphological and phylogenetic analyses. Mycoscience 51:291-299
参考文献編集
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