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テッド・ジェンセン (Ted Jensen)は、アメリカ合衆国出身のマスタリング・エンジニアニューヨークスターリング・サウンド(Sterling Sound)[1]所属のチーフエンジニア。現在、業界中で最多のマスタリング要請がある[2]

テッド・ジェンセン
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 マスタリング・エンジニア
活動期間 1976年 -

スターリング・サウンド編集

 
ハイラインとチェルシーマーケット

ジェンセンの所属するスターリング・サウンドは、ニューヨーク市マンハッタン島内のチェルシー界隈に近接し、ハイライン沿いのチェルシーマーケットを内包するブロックに位置する。各エンジニア別の5.1chサラウンドスタジオが3部屋[注釈 1]あり、ジェンセンのスタジオにはB&W社製のNautilus 801が5本設置され、それぞれを4台[注釈 2]Classé Audio社製Omega Mono[4]パワーアンプで駆動している。 ステレオマスタリングに於ける、スターリング・サウンドの特色としては、独自に開発したアナログマスタリング卓の他、各スタジオにエンジニア別のカスタマイズが施してあり、「アナログ-デジタルの各回路間」、「真空管半導体のそれぞれのコンプレッサーEQ間」、「各種A/D変換間」を自由に行き来し、聴き比べることが出来る[5]

グラミー賞編集

ジェンセンは、第45回グラミー賞に於いて、マスタリングエンジニアとしては史上初の最優秀アルバム賞[注釈 3]を受賞している[8]

ラウドネス・ウォー編集

 
音圧高騰の変遷, ビートルズの『サムシング』を例に、1983年以降リリースされたCD4枚の波形比較。

LPCD普及率[9]が100%になって以来、マスタリングに於けるダイナミックレンジは、90年代を期に一気に犠牲の一途を辿り[10]、その商業的大義名分を優先させるあまりマスタリング業界は「音圧競争」の第一線となってきた[11]。2000年代に至っては、その傾向はさらに著しく、高域難聴を訴える若者も急増し、相関性の真偽が検討されている[12]。そういった背景のもと、2008年9月、ジェンセンの手がけたメタリカのアルバム『デス・マグネティック』の全楽曲がCDとギターヒーロー3の配信版[注釈 4]とで相互に比較され、話題になった[14][15]。さらに、メタリカファンBBSにジェンセンからのコメントが掲載され、CD版のマスタリングに彼自身が満足のいくものではなかった事[注釈 5]や、「何らかの形で」このボリューム事情に対抗する良策を祈願する旨が明らかになる[17]。その後、13,000人[注釈 6]が、同アルバムのリマスタリングを要請するオンラインペティッション署名を行った[注釈 7]

代表作編集

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 他に、ステレオマスタリング用のスタジオが、最低5部屋紹介されている[3]
  2. ^ 5本設置されている筈のNautilusには、パワーアンプのチャンネル数が1ch分足りていないが、ここではスターリング・サウンドのオフィシャルサイト英語版に基づいている。また、サブウーファーに関する記述も見当たらないので、ここでは控える。
  3. ^ 受賞作品となったのは、ノラ・ジョーンズの『Come Away With Me[6]。この賞の対象者は、アーティストとプロデューサーの他に、レコーディング、ミックス、マスタリングの各エンジニア[7]
  4. ^ ギターヒーロー3版はジェンセンのマスタリングではなく、自身の手がけたCDよりも音質が遥かに優れていることを認めている[13]
  5. ^ スターリング・サウンドに2chマスターが届いた時点で、かなりのブリック・ウォールリミッティングが掛けられていたともコメントしている[16]
  6. ^ 2008年10月1日現在[18]
  7. ^ 同アルバムは、2010年9月のメタリカ来日記念[19]の際にSHM-CD版がリリースされ、マスタリングに再度ジェンセンがクレジットされている[20]

出典編集

外部リンク編集