テラ・ノヴァ島(テラ・ノヴァとう、英語: Terra Nova Islands)とは、ソモフ海南極海)に存在したとされた2つの島の総称。疑存島の一つとされる。テラ・ノヴァ島は、東南極オーツ海岸英語版、ソモフ海に面するウィリアムソン・ヘッド英語版の北、約26km(14国際海里)に存在するとされた。

テラ・ノヴァ島
現地名:
Terra Nova Islands
テラ・ノヴァ島の位置(南極大陸内)
テラ・ノヴァ島
名の由来 南極船・テラ・ノヴァ英語版
地理
場所 ソモフ海南極海
座標 南緯68度53分24秒 東経157度57分0秒 / 南緯68.89000度 東経157.95000度 / -68.89000; 157.95000座標: 南緯68度53分24秒 東経157度57分0秒 / 南緯68.89000度 東経157.95000度 / -68.89000; 157.95000
島数 2
位置
追加情報
実際には存在しない疑存島
テンプレートを表示

歴史 編集

オーストラリア科学者フィリップ・ローをリーダーとするオーストラリア国立南極調査探検隊英語版英語: Australian National Antarctic Research Expeditions、ANARE)の南極船・マッガ・ダン(Magga Dan)が、1962年3月8日に初めて観測した。この結果を受けて、オーストラリア南極名称委員会英語版英語: Antarctic Names Committee of Australia、ANCA)が、南極船・テラ・ノヴァ英語版英語: Terra Nova)にちなんでテラ・ノヴァ島英語: Terra Nova Islands)と命名した。由来となった南極船・テラ・ノヴァは、1910年から1913年に行われたイギリス南極遠征・テラノバ遠征で使用された船であり、同遠征の船隊リーダーでもあった。同遠征で、イギリス海軍大尉ハリー・ペンネル英語版は、オーツ海岸を発見し、海岸近隣の観測点を海図に示すという業績を残している。

1989年ドイツの第5回ドイツ南極ノースヴィクトリアランド遠征英語版英語: German Antarctic North Victoria Land Expedition V, GANOVEX V)で、テラ・ノヴァ島への上陸と地図の作成を計画した。ところが、地質学者達がヘリコプターを使って、記録されていた経緯度の位置へ赴いたものの、その地点に島の影すらなく、周辺海域においても島は発見されなかった。また、研究船のポーラー・クイーン英語: Polar Queen)が音響測深によって、島があったとされた海域の水深を測定すると、約170メートルから355メートルという結果であった。その後、第7回・第8回のドイツ南極ノースヴィクトリアランド遠征においても同じ海域への調査が行われ、島が存在しないことが確認されている[1]

テラ・ノヴァ峡谷 編集

テラ・ノヴァ峡谷英語: Terra Nova Canyon)は、テラ・ノヴァ島のあったとされた場所の近くに存在する海底谷である。位置は、南緯69度0分 東経159度0分 / 南緯69.000度 東経159.000度 / -69.000; 159.000

脚注 編集

  1. ^ Roland, Norbert W. (2009). Antarktis - Forschung im ewigen Eis. Heidelberg: Spektrum Akademischer Verlag. pp. 242–244. ISBN 978-3-8274-1875-3. http://bilder.buecher.de/zusatz/22/22844/22844473_lese_1.pdf 

  この記事にはパブリックドメインである、アメリカ地質調査所が作成した次の文書本文を含む。"テラ・ノヴァ島". Geographic Names Information System. United States Geological Survey.