DiscoGel(日本語カナ表記では「ディスコゲル」「ディスコジェル」「ディスクジェル」「ディスクゲル」[1]は、椎間板ヘルニアの治療を目的として開発された医療機器です。

歴史 編集

医療機器メーカー:Gelscom SAS[1]

ディスコゲルは2007年の販売開始以来、全世界の様々な国で販売されています (2020年12月までに約31,000キット)。

CEマークを取得しています。

ディスコゲルを用いた治療は、日本において2018年より使用されています。日本国内ではセルゲル法(経皮的椎間板修復インプラントゲル治療術)という名称となっています。

注意事項 編集

  • この商品は、2022年7月1日時点でPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)及びFDA(米国食品医薬品局)では未承認です。 日本では未承認の医療機器ですが、「医師等の個人輸入」により適法な輸入許可を得ています。日本では、未承認医療機器を、医師の責任において使用することができます。

適用 編集

ディスコゲル注入は、椎間板変性症や椎間板ヘルニアなどによって引き起こされる腰痛に対応しており、低侵襲治療です。

 

禁忌 編集

  • 構成成分に対するアレルギーがあることが知られている患者
  • 重度のうつ病患者
  • その他痛みの解釈が困難な状態にある患者
  • 妊娠中の患者

作用機序 編集

ディスコゲルは、椎間板核溶解療法に使用されるゲル化したエチルセルロースとタングステンの懸濁液からなる医療機器です。椎間板穿刺用の注射針で椎間板を穿刺後、ディスコゲルを椎間板内にゆっくり注入します。

この治療は、エタノールの親水性を利用して髄核の水分を吸収させることによって、椎間板ヘルニアを椎間板の中心へ引き寄せる減圧治療である。ゲル化剤であるエチルセルロースは、純粋なエタノールで発生する硬膜外漏出のリスクを制限する機能があります。硬膜外に漏れ出た場合にエタノールによる組織損傷が生じ神経障害の原因となるため、内包物にタングステン粒子(金属粉末)を使用することで、椎間板内及び線維輪の亀裂を通過するゲルの進行をレントゲン透視で確認できるようになっています。

ディスコゲルは椎間板内にインプラントとして永久に残存します。

期待できる効果 編集

2017年までディスコゲルに関しては、オックスフォード大学のCEBMのエビデンスレベルで2bに相当する9本の関連論文が発表された。772人の患者を対象とした研究の結果、介入の安全性、痛みと副作用の軽減における有効性が示され、介入はその低侵襲性により良好な臨床結果(場合によっては、治療後のごく初期の段階でも)につながったことが示されています。

長所 編集

  • 外来治療:治療は外来患者に対して5分から20分で施行することができます
  • 低侵襲治療:椎間板内経皮的注射は低侵襲的手技であるので感染症のリスクを抑えることができます
  • 麻酔:局所麻酔のみで実施でき、全身麻酔は不要です

副作用 編集

  • 局所麻酔剤の拡散は、一時的に感覚運動障害を誘発することがあります
  • ディスコゲルの注射の1週間後一時的な痛みの悪化が起こることがあります

脚注 編集

  1. ^ 「DiscoGel」「ディスコゲル」「ディスコジェル」「ディスクジェル」「ディスクゲル」はオペレーション・ジャパン株式会社及びGelscom社が商標権を保有する名称です。https://opejapan.com/news/%e3%80%8cdiscogel%e3%80%8d%e3%81%ae%e7%b7%8f%e4%bb%a3%e7%90%86%e5%ba%97%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8b%e5%bd%93%e7%a4%be%e3%81%8b%e3%82%89%e9%87%8d%e8%a6%81%e3%81%aa%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b

参考文献 編集