ディープ・パープル III
ディープ・パープル III (原題: Deep Purple) はディープ・パープルが1969年に発表した三作目のアルバム。
『ディープ・パープル III 素晴らしきアートロックの世界(旧題)』 | ||||
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ディープ・パープル の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1969年1月 - 3月 デ・レイン・リー・スタジオ | |||
ジャンル |
アート・ロック ニュー・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
![]() EMI(リイシュー盤) ![]() ワーナー・ブラザース・レコード(リイシュー盤) ![]() ワーナーミュージック・ジャパン(リイシュー盤) | |||
プロデュース | デレク・ローレンス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ディープ・パープル アルバム 年表 | ||||
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解説編集
内容編集
第一期最後のアルバム。レコーディングは、ロンドンのデ・レイン・リー・スタジオで1969年1月から3月まで行われた。プロデューサーはデレク・ローレンス、エンジニアはバリー・アインスワースである。
全8曲の収録曲の中で唯一のカバー曲である「ラレーニャ」の原曲は、ドノヴァンが作詞作曲して1968年10月にシングルとして発表した作品。
ジョン・ロードの悪夢を歌詞にした「影を追って」はイアン・ペイスが叩き出すアフリカン・リズムが印象的な曲[注釈 1]。「ブラインド」はロードのハープシコードとペイスの激しいドラミングとが対照的で、ワウペダルを用いたと思われるリッチー・ブラックモアのギター・ソロも効果的である。「何故ローズマリーは」の歌詞は映画『ローズマリーの赤ちゃん』に基づいて[2]ロッド・エヴァンスが書いた。
「4月の協奏曲」は三部構成の組曲でブラックモアとロードの共作である。第一部はブラックモアのギター、ロードのオルガン、ペイスのティンパニが印象的な器楽曲で、女性合唱と混声合唱が入る[注釈 2]。第二部はロードが作曲した室内楽形式の作品[注釈 3]。第三部はエヴァンスのボーカルを含んだ作品。この組曲をもって、ディープ・パープルの第一期の幕は閉じられた。
ジャケットはルネサンス期のネーデルラントの画家であるヒエロニムス・ボスの三連祭壇画『快楽の園』の右翼の通称「音楽地獄」を白黒にして、メンバーの写真を重ねたものである。
邦題編集
日本では1969年10月にテトラグラマトン・レコードの原盤が日本グラモフォン(後のポリドール)から『素晴らしきアートロックの世界』という題名で発売された。その後テトラグラマトン・レコードの倒産で廃盤となったが、1973年11月に『ディープ・パープルIII』と改題されてワーナーより再発売された。
収録曲編集
- LP・A面
- 影を追って (Chasing Shadows)– 5:34
- ブラインド (Blind)– 5:26
- ラレーニャ (Lalena)– 5:05
- フォールト・ライン (Fault Line)– 1:46
- 画家 (The Painter)– 3:51
- LP・B面
- 何故ローズマリーは (Why Didn't Rosemary?)– 5:04
- 小鳥は去った (Bird Has Flown)– 5:36
- 4月の協奏曲 (April)– 12:10
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「Chasing Shadows (影を追って)」 | Ian Paice, Jon Lord | |
2. | 「Blind (ブラインド)」 | Lord | |
3. | 「Lalena (ラレーニャ)」 | Donovan Leitch | |
4. | 「Fault Line (フォールト・ライン)」 | Ritchie Blackmore, Nick Simper, Lord, Paice | |
5. | 「The Painter (画家)」 | Blackmore, Rod Evans, Lord, Simper, Paice | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「Why Didn't Rosemary? (何故ローズマリーは)」 | Blackmore, Evans, Lord, Simper, Paice | |
2. | 「Bird Has Flown (小鳥は去った)」 | Lord, Evans, Blackmore | |
3. | 「April (4月の協奏曲)」 | Blackmore, Lord | |
合計時間: |
参加ミュージシャン編集
- Deep Purple
- その他
- 室内楽団(「4月の協奏曲」、明記されておらず詳細不明)
- 混声合唱団(「4月の協奏曲」、明記されておらず詳細不明)
脚注編集
出典編集
注釈編集
- ^ 次作『ディープ・パープル・アンド・ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ』に収録された「グループとオーケストラのための協奏曲」の第三楽章で、グループ(ディープ・パープル)の演奏部分が始まってまもなく、この曲を連想させるオルガン・ソロとリズムとが登場する。
- ^ 混声合唱団が参加していると考えられるが、明記されておらず、詳細は不明である。
- ^ 室内楽団が参加していると考えられるが、明記されておらず、詳細は不明である。
参考文献編集
- Popoff, Martin (2011), The Deep Purple Family Year By Year Volume One (to 1979), Wymer Publishing, ISBN 978-1-908724-42-7