デニス・マクドノー

デニス・リチャード・マクドノー(またはマクドノフ[1]Denis Richard McDonough1969年12月2日 - )は、アメリカ合衆国の外交問題専門家、政治家ジョー・バイデン政権では退役軍人長官を務めている。バラク・オバマ政権で第26代大統領首席補佐官

デニス・マクドノー
Denis McDonough
Secretary McDonough, official photo.jpg
生年月日 (1969-12-02) 1969年12月2日(51歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
Flag of Minnesota.svg ミネソタ州スティルウォーター
出身校 セント・ベネディクト大学及びセント・ジョーンズ大学
ジョージタウン大学外交大学院
所属政党 民主党
配偶者 カリン・ヒルストロム
子女 3人

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
第11代 退役軍人長官
在任期間 2021年2月9日 -
大統領 ジョー・バイデン

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
第26代 大統領首席補佐官
在任期間 2013年1月25日 - 2017年1月20日
大統領 バラク・オバマ

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
大統領次席補佐官
在任期間 2010年10月22日 - 2013年1月25日
大統領 バラク・オバマ
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デニス・マクドノー
Denis McDonough
個人情報
宗教ローマカトリック教

バラク・オバマがまだ上院議員であった頃にその外交顧問となり、オバマが第44代アメリカ合衆国大統領となった後は国家安全保障会議(NSC)担当首席補佐官、国家安全保障問題担当大統領補佐官などを務め、2013年1月25日にジャック・ルーの後任として第26代大統領首席補佐官に就任した[2]。オバマ政権では5人目の大統領首席補佐官であり[3]、管理能力に優れ大統領に強い忠誠心を示す黒子型の補佐官と評された[4]

生い立ち編集

1969年12月2日にミネソタ州スティルウォーターで、ウィリアムとキャサリン・マクドノー夫妻との間に誕生する[5][6][7]。マクドノー家は敬虔なカトリックの家庭で、11人兄弟という大家族であったという[8]。 大学はミネソタ州カレッジヴィル郡区にあるセント・ベネディクト大学及びセント・ジョーンズ大学に進学し、アメリカンフットボールの選手(ポジションはセイフティ)として、カレッジフットボール殿堂入りのジョン・ガリアルディ (John Gagliardiコーチの下でプレーし、ミネソタ・インターカレッジ・アスレチック・カンファレンス(NCAA Division III)で2度タイトルを獲得している[9][10]。1992年、歴史学とスペイン語の学位を取得し、優秀な成績でセント・ジョーンズ大学を卒業した[9]

大学卒業後、マクドノーはラテンアメリカ諸国を旅し、中米のベリーズでは高校の教鞭をとった[9]。旅を終えて帰国してからはジョージタウン大学エドマンド・A・ウォルシュ外交大学院 (Edmund A. Walsh School of Foreign Serviceに進み、1996年修士号を取得した[9]

経歴編集

1996年から1999年まではアメリカ合衆国下院外交委員会スタッフとしてラテンアメリカ問題などを担当し[5][11]、その後2000年からはトム・ダシュル上院議員(上院院内総務)の外交政策上級顧問となる[9]。2004年の選挙でダシュル議員が落選した後、ケン・サラザール上院議員の立法担当官 (legislative director) となるが[9]、一方でダシュルと共にシンクタンク「アメリカ進歩センター (Center for American Progress」の上級研究員となり、2006年まで同センターで医療保険改革などの研究活動を行っていた[1][5]

2007年、海軍出身でバラク・オバマ上院議員の外交政策上級顧問であったマーク・リッパートが、米海軍特殊部隊SEALsの情報士官としてイラクに赴任することとなった際、リパートの後任としてマクドノーがオバマの外交上級顧問を務めることとなった[9][12]。マクドノーはその後、大統領選挙中も外交顧問を務め続け、300名以上の外交専門家からなる外交政策チームを束ねるなど重要な役割を果たした[1][5][13]

オバマ政権編集

 
2011年5月、危機管理室でオバマ大統領らと共にビン・ラーディン殺害作戦を見守るマクドノー(着座右から3人目、ブルーのシャツ)
 
2013年3月、ホワイトハウス。オバマ大統領の上級顧問たち(マクドノーは右から3人目)

2009年1月、オバマが大統領に就任した際、マクドノーは国家安全保障会議 (NSC) 戦略的コミュニケーション担当部長となり[1][11]、同時に国家安全保障会議首席補佐官にも任命された[14]

2010年10月22日、オバマ大統領はジェームズ・ジョーンズの後任としてトーマス・ドニロンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命し、ドニロン後任の国家安全保障問題担当大統領次席補佐官にはマクドノーが就任することを発表した[15]

2013年1月25日、オバマ大統領は財務長官に指名したジェイコブ・ルーの後任としてマクドノーを大統領首席補佐官に任命した[3]。 首席補佐官への就任後間もなく、オバマ政権はリビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件で情報隠蔽を行ったとする告発、さらに内国歳入庁 (IRS)保守派団体の審査を不当に厳しくしていた、また米司法省がAP通信の通話記録を極秘に押収していたなどのスキャンダルに見舞われたが、マクドノーは対応や議会対策に奔走し、一部からはその仕事ぶりを評価する声もある[16]

バイデン政権編集

2020年12月10日、ジョー・バイデン次期大統領より退役軍人長官へ指名されたことが発表された[17]。2021年2月8日に上院において人事案が承認され[18]、翌9日に就任した[19]

脚注編集

  1. ^ a b c d 久保文明; 足立正彦 (PDF) 『オバマ政権の主要高官人事分析』 東京財団、2010年7月、31-32頁http://www.tkfd.or.jp/files/doc/0721america_president_vol.04.pdf 
  2. ^ The Washington Post (2013). Denis McDonough to be Obama’s new chief of staff. Retrieved 20 January 2013.
  3. ^ a b “首席補佐官にマクドノー氏発表 オバマ大統領「最も信頼おける相談相手」”. MSN産経ニュース. (2013年1月26日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/130126/amr13012610270004-n1.htm 2013年6月11日閲覧。 
  4. ^ “オバマ2期目の命運を握る男”. ニューズウィーク日本版 2013年6月14日号: p. 40 
  5. ^ a b c d Michael Cooper (2008年11月23日). “The New Team”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2008/11/24/us/politics/24web-mcdonough.htm 2010年10月23日閲覧。 
  6. ^ George Thole (2008年4月17日). “Thole: Remember sacrifices of those who serve”. Stillwater Gazette. http://www.stillwatergazette.com/articles/2008/04/17/sports/sports240.txt 2010年10月23日閲覧。 [リンク切れ]
  7. ^ アーカイブされたコピー”. 2013年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月7日閲覧。
  8. ^ デニス・マクドノー (2012年9月12日). “Remarks by Denis McDonough on International Religious Freedom”. ホワイトハウス. 2013年6月11日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g Arthur Eisele (Winter 2009). “At Home in the West Wing: An Interview with Denis McDonough '92”. Saint John's Magazine. 2011年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月23日閲覧。
  10. ^ Thayer Evans (2009年9月18日). “No Whistles, No Tackling and No End in Sight for St. John's Coach”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2009/09/19/sports/ncaafootball/19coach.html 2010年10月23日閲覧。 
  11. ^ a b Garance Franke-Ruta (2010年10月22日). “Denis McDonough: Five things worth knowing”. WhoRunsGov. The Washington Post. 2010年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月23日閲覧。
  12. ^ Monica Langley (2007年9月22日). “From the Campaign to the Battlefront”. The Wall Street Journal. http://online.wsj.com/article/SB119042577714035919.html 2010年10月23日閲覧。 
  13. ^ “Obama's People”. ニューヨーク・タイムズ・マガジン. (2009年1月18日). http://www.nytimes.com/packages/html/magazine/2009-inauguration-gallery/index.html?WT.mc_id=PO-D-I-NYT-MOD-MOD-MII-ROS-0109-NA&WT.mc_ev=click 2010年10月23日閲覧。 
  14. ^ Helene Cooper (2010年7月9日). “The Saturday Profile: The Adviser at the Heart of National Security”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2010/07/10/world/10mcdonough.html 2010年10月23日閲覧。 
  15. ^ Peter Baker (2010年10月22日). “Obama Making National Security Appointment”. The Caucus Blog. The New York Times. 2010年10月23日閲覧。
  16. ^ “オバマ2期目の命運を握る男”. ニューズウィーク日本版 2013年6月14日号: pp. 40-42 
  17. ^ “Biden nominates Denis McDonough to lead VA, turning to another longtime Obama adviser”. CNN.com. CNN. (2020年12月10日). https://edition.cnn.com/2020/12/10/politics/denis-mcdonough-va-secretary/index.html 2020年12月11日閲覧。 
  18. ^ “Senate confirms Denis McDonough as secretary of Veterans Affairs”. CNN.co.jp. CNN. (2021年2月8日). https://edition.cnn.com/2021/02/08/politics/denis-mcdonough-secretary-of-veterans-affairs-confirmation-vote/index.html 2021年2月10日閲覧。 
  19. ^ A message from VA Secretary Denis McDonough”. アメリカ合衆国退役軍人省. 2021年2月11日閲覧。

外部リンク編集

公職
先代:
ジェイコブ・ルー
  アメリカ合衆国大統領首席補佐官
2013年 - 2017年
次代:
ラインス・プリーバス