デビッド・コーン

アメリカの野球選手 (1963 - )

デビッド・ブライアン・コーンDavid Brian Cone, 1963年1月2日 - )は、MLBの元選手。ポジションは投手アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティ出身。

デビッド・コーン
David Cone
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ミズーリ州カンザスシティ
生年月日 (1963-01-02) 1963年1月2日(61歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 1981年 ドラフト3巡目
初出場 1986年6月8日
最終出場 2003年5月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

1981年MLBドラフトで地元カンザスシティ・ロイヤルズから3巡目に指名を受け入団。1986年6月8日ミネソタ・ツインズ戦でメジャーデビュー。しかし敗戦処理としての起用がほとんどだった。1987年開幕直前の3月27日に2対3の交換トレードでニューヨーク・メッツに移籍。

5月12日シンシナティ・レッズ戦で2失点でメジャー初完投・初勝利を挙げる。途中故障による離脱もあったが、最終的に5勝6敗・防御率3.71を記録。1988年は4月は全てリリーフでの登板だったが、5月3日アトランタ・ブレーブス戦でメジャー初完封を挙げて先発に定着、5月は5勝0敗・防御率0.72。6月2日6月13日は10回を1失点に抑える好投だったが、勝敗は付かなかった。オールスターゲームに初めて選出され、1回を無失点に抑えた。後半戦は8・9月に8連勝するなど11勝1敗・防御率1.92を記録し、シーズン通算で20勝3敗・防御率2.22・213奪三振の成績で、チームの地区優勝に貢献。ロサンゼルス・ドジャースとのリーグチャンピオンシップシリーズ第6戦で、1失点完投勝利を挙げたが、3勝4敗で敗退した。サイ・ヤング賞の投票ではオーレル・ハーシュハイザーダニー・ジャクソンに次ぐ3位だった。

1990年に14勝10敗・233奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得。1991年は後半戦でやや調子を落としたが、10月6日フィラデルフィア・フィリーズとのシーズン最終戦でスティーブ・カールトントム・シーバーのリーグ記録に並ぶ1試合19奪三振を達成し、3安打完封。14勝14敗・241奪三振で2年連続の最多奪三振。1992年8月23日まで13勝・214奪三振、リーグ最多の5完封をマークするなど好調だったが、8月27日ジェフ・ケント、後日発表のライアン・トンプソンとの交換トレードでトロント・ブルージェイズへ移籍。シーズン通算で17勝10敗・防御率2.81、自己最多の261奪三振を記録。奪三振はメジャートップの数字だったが、リーグを跨いで移籍したためタイトル獲得はならなかった。チームは地区優勝を果たし、オークランド・アスレチックスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは2試合に先発し、1勝を挙げてリーグ優勝に貢献。ブレーブスとのワールドシリーズでも2試合に先発、勝ちは付かなかったが、チームは初のワールドチャンピオンの栄冠を手にした。オフにフリーエージェントとなり、12月8日に古巣ロイヤルズと契約した。

1993年は開幕から5連敗を喫するなど、11勝14敗に終わる。1994年5月11日から5月22日まで3試合連続完封勝利。1994年から1995年のMLBストライキでシーズンが打ち切られたが、16勝5敗・防御率2.94を記録し、自身初のサイ・ヤング賞を獲得した。1995年4月6日に1対3の交換トレードでブルージェイズに復帰。9勝を挙げていたが、7月28日に1対3の交換トレードでニューヨーク・ヤンキースに移籍。移籍後の2ヶ月で9勝を記録し、チームのワイルドカード獲得に貢献。シアトル・マリナーズとのディビジョンシリーズでは第1戦に先発して勝利投手となる。2勝2敗で迎えた第5戦でも先発し7回まで2点に抑えたが、8回に同点とされて降板、結局延長11回の末に敗れた。1996年は5月に故障離脱するが、9月に復帰。復帰戦のアスレチックス戦では7回を無安打に抑えた。11試合の登板で7勝にとどまるが、チームは地区優勝。テキサス・レンジャーズとのディビジョンシリーズでは前年に続き第1戦に先発したが6回6失点で敗戦投手。しかしチームはその後3連勝で勝利。リーグチャンピオンシップシリーズでもボルチモア・オリオールズを4勝1敗で破り、15年ぶりのリーグ優勝を果たす。ブレーブスとのワールドシリーズでは、地元で2連敗を喫した後の第3戦に先発、6回1失点の好投で勝利投手となる。これで流れはヤンキースに傾き、4勝2敗で18年ぶりのシリーズ制覇の立役者となった。

1997年は12勝6敗・防御率2.82、リーグ3位の222奪三振を記録し、2年ぶりのワイルドカード獲得に貢献。クリーブランド・インディアンスとのディビジョンシリーズでは3年連続で第1戦に先発するが、4回途中6失点で降板、チームは2勝3敗で敗退した。1998年は20勝7敗・防御率3.55を記録し、ロジャー・クレメンスリック・ヘリングと並んで最多勝のタイトルを獲得。20勝は10年ぶりで、メジャー史上最長ブランクの20勝となった。チームは独走で地区優勝を果たし、ポストシーズンも勝ち抜いてリーグ優勝。サンディエゴ・パドレスとのワールドシリーズでは第3戦に先発し、勝敗は付かなかったがチームは勝利。結局4連勝で2年ぶりのシリーズ制覇を果たした。1999年7月18日、インターリーグのモントリオール・エクスポズ戦でMLB史上16回目の完全試合を達成。投球数はわずか88球だった。この試合は「ヨギ・ベラ・デー」で、1956年のワールドシリーズで現時点で史上唯一の完全試合を達成しているドン・ラーセンが始球式を務め、ベラが捕球するというイベントがあった[1]。チームは2年連続でリーグ優勝し、ブレーブスとのワールドシリーズでは第2戦に先発、7回無失点で勝利投手となり、2年連続の4連勝でシリーズ連覇を果たした。2000年は開幕から絶不調で4勝14敗・防御率6.91に終わる。チームは3年連続でリーグ優勝を果たすが、古巣メッツとのワールドシリーズではリリーフで打者1人に投げただけだった。オフにフリーエージェントとなった。

2001年1月11日ボストン・レッドソックスと契約。7連勝を記録するなど9勝7敗・防御率4.31とまずまずの成績を収める。オフに再びフリーエージェントとなるが、2002年は所属球団がなく一年間プレイせず。40歳となった2003年2月13日に古巣メッツと契約。開幕ローテーション入りを果たすが、1勝3敗・防御率6.50と振るわず、5月下旬に負傷したため、現役を引退。

引退後の2008年からYESネットワークでヤンキースの専属解説者を務めている[2]

通算2,668奪三振はMLB史上第26位、9イニング平均8.28奪三振は第52位である(いずれも2020年終了時点)[3][4]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
1986 KC 11 0 0 0 0 0 0 0 -- ---- 108 22.2 29 2 13 1 1 21 3 0 14 14 5.56 1.85
1987 NYM 21 13 1 0 0 5 6 1 -- .455 420 99.1 87 11 44 1 5 68 2 4 46 41 3.71 1.32
1988 35 28 8 4 0 20 3 0 -- .870 936 231.1 178 10 80 7 4 213 10 10 67 57 2.22 1.12
1989 34 33 7 2 1 14 8 0 -- .636 910 219.2 183 20 74 6 4 190 14 4 92 86 3.52 1.17
1990 31 30 6 2 0 14 10 0 -- .583 860 211.2 177 21 65 1 1 233 10 4 84 76 3.23 1.14
1991 34 34 5 2 0 14 14 0 -- .500 966 232.2 204 13 73 2 5 241 17 1 95 85 3.29 1.19
1992 27 27 7 5 1 13 7 0 -- .650 831 196.2 162 12 82 5 9 214 9 1 75 63 2.88 1.24
TOR 8 7 0 0 0 4 3 0 -- .571 224 53.0 39 3 29 2 3 47 3 0 16 15 2.55 1.28
'92計 35 34 7 5 1 17 10 0 -- .630 1055 249.2 201 15 111 7 12 261 12 1 91 78 2.81 1.25
1993 KC 34 34 6 1 0 11 14 0 -- .440 1060 254.0 205 20 114 2 10 191 14 2 102 94 3.33 1.26
1994 23 23 4 3 1 16 5 0 -- .762 690 171.2 130 15 54 0 7 132 5 1 60 56 2.94 1.07
1995 TOR 17 17 5 2 0 9 6 0 -- .600 537 130.1 113 12 41 2 5 102 6 1 53 49 3.38 1.18
NYY 13 13 1 0 0 9 2 0 -- .818 417 99.0 82 12 47 0 1 89 5 0 42 42 3.82 1.30
'95計 30 30 6 2 0 18 8 0 -- .692 954 229.1 195 24 88 2 6 191 11 1 95 91 3.57 1.23
1996 11 11 1 0 0 7 2 0 -- .778 295 72.0 50 3 34 0 2 71 4 1 25 23 2.88 1.17
1997 29 29 1 0 1 12 6 0 -- .667 805 195.0 155 17 86 2 4 222 14 2 67 61 2.82 1.24
1998 31 31 3 0 1 20 7 0 -- .741 866 207.2 186 20 59 1 15 209 6 0 89 82 3.55 1.18
1999 31 31 1 1 1 12 9 0 0 .571 827 193.1 164 21 90 2 11 177 7 1 84 74 3.44 1.31
2000 30 29 0 0 0 4 14 0 0 .222 733 155.0 192 25 82 3 9 120 11 0 124 119 6.91 1.77
2001 BOS 25 25 0 0 0 9 7 0 0 .563 614 135.2 148 17 57 4 10 115 9 0 74 65 4.31 1.51
2003 NYM 5 4 0 0 0 1 3 0 0 .250 85 18.0 20 4 13 1 0 13 0 0 13 13 6.50 1.83
MLB:17年 450 419 56 22 6 194 126 1 *0 .606 12184 2898.2 2504 258 1137 42 106 2668 149 32 1222 1115 3.46 1.26
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 「-」は記録なし
  • 通算成績の「*数字」は不明年度がある事を示す

タイトル 編集

表彰・記録 編集

脚注 編集

  1. ^ PERFECTION AGAIN!”. yankeetradition.com. 2010年12月4日閲覧。
  2. ^ Broadcasters | New York Yankees”. MLB.com. 2021年4月18日閲覧。
  3. ^ Career Leaders & Records for Strikeouts”. Baseball Reference. 2021年4月18日閲覧。
  4. ^ Career Leaders & Records for Strikeouts per 9 IP”. Baseball Reference. 2021年4月18日閲覧。

外部リンク 編集