トミー・ケインリー

アメリカの野球選手 (1989 - )

トミー・ケインリー英語: Tommy Kahnle, 本名:トーマス・ロバート・ケインリーThomas Robert Kahnle, 1989年8月7日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州オールバニ郡レイサム英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBニューヨーク・ヤンキース所属。愛称はザ・カーン[1]

トミー・ケインリー
Tommy Kahnle
ニューヨーク・ヤンキース #41
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2019年4月4日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニューヨーク州オールバニ郡レイサム英語版
生年月日 (1989-08-07) 1989年8月7日(34歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2010年 MLBドラフト5巡目
初出場 2014年4月3日
年俸 $5,750,000(2023年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとヤンキース傘下時代 編集

2010年MLBドラフト5巡目(全体175位)でニューヨーク・ヤンキースから指名され、プロ入り。契約後、傘下のA-級スタテンアイランド・ヤンキースでプロデビュー。11試合に登板して3セーブ、防御率0.56、25奪三振を記録した。

2011年はA級チャールストン・リバードッグスでプレーし、40試合に登板して3勝5敗2セーブ、防御率4.22、112奪三振を記録した。

2012年はまずA+級タンパ・ヤンキースでプレーし、30試合に登板して2勝1敗6セーブ、防御率2.45、72奪三振を記録した。9月にAA級トレントン・サンダーへ昇格し、1試合に登板した。

2013年はAA級トレントンでプレーし、46試合に登板して1勝3敗15セーブ、防御率2.85、74奪三振を記録した。

ロッキーズ時代 編集

2013年12月に行われたルール・ファイブ・ドラフトコロラド・ロッキーズから指名され、移籍した[2]

2014年は開幕ロースター入りを果たし[3]、4月3日のマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビュー。3点リードの6回裏1死から登板し、1.2回を投げ1安打1失点1四球1奪三振だった[4]。この年は一年間メジャーに帯同し、54試合に登板して2勝1敗、防御率4.19、63奪三振を記録した。

2015年はマイナーオプションによりAAA級アルバカーキ・アイソトープスで開幕を迎えたが、6月1日に昇格。7月までは好投していたが、8月に防御率10.00と乱れ[5]、8月27日にAAA級アルバカーキに降格した。シーズン終了後の11月20日にDFAとなった[6]

ホワイトソックス時代 編集

2015年11月24日にイェンシー・アルモンテとのトレードで、シカゴ・ホワイトソックスへ移籍した[7]

2016年、登板機会が年々減少し、29試合のリリーフ登板に留まった。27.1イニングで20四球を与え、与四球率6.6と制球難は改善されなかったが、自己ベストの防御率2.63を記録し、一定の成長を示した。

ヤンキース時代 編集

2017年7月19日にタイラー・クリッパードイアン・クラーキン英語版ブレイク・ラザーフォード英語版ティト・ポロとのトレードで、トッド・フレイジャーデビッド・ロバートソンと共にヤンキースへ移籍した[8]。8月24日のデトロイト・タイガース戦で5回にマイケル・フルマーゲイリー・サンチェスに死球を与えられ、その報復として6回裏にミゲル・カブレラに対して背後を通過する投球を行い、退場になった[9]。8月25日に前日の乱闘の件で罰金処分が科せられた[10]。移籍後は32試合に登板して1勝1敗、防御率2.70とリリーフの一角として存在感を示した。シーズントータルでは自己最多となる69試合に登板、2勝4敗、防御率2.59を記録。与四球率も2.4に改善され、奪三振率は自己最高となる13.8を記録するなど大きく飛躍した1年だった。

2018年は開幕から球速低下に苦しみ、4月17日に肩腱炎で故障者リスト入りした。5月25日にMLBへ復帰したが、球速は回復せず6月4日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースへオプション降格された。8月3日にMLBへ再び昇格するも、結局球速は回復することはなく成績も大幅に悪化した。フォーシームの平均球速は2017年と比較して約3mph低下し[11]、与四球率は5.79とコマンドにも苦しんだ。

2019年は開幕から安定感のある投球が続き、自身最多かつチーム2位となる72試合に登板。8月以降17.2イニングで12失点と調子を落としたが、シーズン全体では3勝2敗27ホールド、防御率3.67、与四球率2.93と前年から大きく成績を回復させた。

2020年7月31日、右肘のトミー・ジョン手術を受けることを発表し、シーズン全休が決定的となった[12]。オフの10月31日にマイナー契約となり、同日中にFAとなった[13]

ドジャース時代 編集

2020年12月23日にロサンゼルス・ドジャースと2年総額475万ドルの契約を結んだ[14]

2021年は出場することはなかった。

2022年は2年ぶりに出場。オフの11月6日にFAとなった[15]

ヤンキース復帰 編集

2022年12月21日に古巣ヤンキースと2年契約[注 1]を結んだ[17]

選手としての特徴 編集

オーバースローから、最速球速100.6mph(162km/h)・平均98mph(158km/h)のフォーシームを中心に、決め球である平均90mph(145km/h)のチェンジアップ、平均87mph(140km/h)のスライダーで投球を組み立てる[19][20]

通算の被wOBAが左打者は.283、右打者は.294[18]と、右投手ながら左打者に強く、2014年の対左打率はプレシーズンゲームで.100(20打数2安打)、レギュラーシーズンで.184に抑え込んだ[20]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2014 COL 54 0 0 0 0 2 1 0 8 .667 285 68.2 51 7 31 2 1 63 7 0 39 32 4.19 1.19
2015 36 0 0 0 0 0 1 2 10 .000 155 33.1 31 3 28 1 0 39 3 0 22 18 4.86 1.77
2016 CWS 29 0 0 0 0 0 1 1 5 .000 119 27.1 21 2 20 3 0 25 0 0 8 8 2.63 1.50
2017 37 0 0 0 0 1 3 0 7 .250 141 36.0 28 3 7 1 0 60 2 0 12 10 2.50 0.97
NYY 32 0 0 0 0 1 1 0 8 .500 115 26.2 25 1 10 0 2 36 3 0 8 8 2.70 1.31
'17計 69 0 0 0 0 2 4 0 15 .333 256 62.2 53 4 17 1 2 96 5 0 20 18 2.59 1.12
2018 24 0 0 0 0 2 0 1 2 1.000 107 23.1 23 3 15 0 0 30 2 0 22 17 6.56 1.63
2019 72 0 0 0 0 3 2 0 27 .600 248 61.1 45 9 20 0 2 88 8 0 27 25 3.67 1.06
2020 1 0 0 0 0 0 0 0 1 ---- 6 1.0 1 0 1 1 0 3 0 0 0 0 0.00 2.00
2022 LAD 13 0 0 0 0 0 0 1 1 ---- 46 12.2 5 2 3 0 3 14 1 0 4 4 2.84 0.63
2023 NYY 42 0 0 0 0 1 3 2 14 .250 165 40.2 26 5 19 0 1 48 3 0 14 12 2.66 1.11
MLB:9年 340 0 0 0 0 10 12 7 83 .455 1387 331.0 256 35 154 8 9 406 32 0 156 134 3.64 1.24
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



投手(P)












2014 COL 54 8 5 2 1 .867
2015 36 3 1 0 0 1.000
2016 CWS 29 6 4 0 0 1.000
2017 37 2 0 0 0 1.000
NYY 32 1 1 0 0 1.000
'17計 69 3 1 0 0 1.000
2018 24 1 2 1 0 .750
2019 72 4 7 0 1 1.000
2020 1 0 0 0 0 ----
2022 LAD 13 4 2 0 0 1.000
2023 NYY 42 6 1 1 0 .875
MLB 340 35 23 4 2 .935
  • 2023年度シーズン終了時

背番号 編集

  • 54(2014年 - 2015年)
  • 48(2016年 - 2020年)
  • 44 (2022年)
  • 41(2023年 - )

出典 編集

注釈 編集

  1. ^ 推定総額1150万ドル[16]

脚注 編集

  1. ^ Yanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ “Rockies select RHP Tommy Kahnle with 8th selection in Major League phase of Rule 5 Draft”. Rockies Press Release. MLB.com. (2013年12月12日). http://m.rockies.mlb.com/news/article/64624024 2015年11月23日閲覧。 
  3. ^ “Rockies announce active roster for Opening Day”. Rockies Press Release. MLB.com. (2014年3月29日). http://m.rockies.mlb.com/news/article/70426282 2015年11月23日閲覧。 
  4. ^ Scores for Apr 3, 2014”. ESPN (2014年4月3日). 2015年11月23日閲覧。
  5. ^ Tommy Kahnle Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2015年11月23日閲覧。
  6. ^ Greg Johns (2015年11月20日). “Axford among four DFAed by Rockies” (英語). MLB.com. 2015年11月23日閲覧。
  7. ^ Steve Adams (2015年11月24日). “White Sox Acquire Tommy Kahnle From Rockies” (英語). MLB Trade Rumors. 2015年11月25日閲覧。
  8. ^ Bryan Hoch (2017年7月19日). “Yanks get Frazier's power, extra relief in blockbuster” (英語). MLB.com. 2017年7月20日閲覧。
  9. ^ Yanks-Tigers dust up a prelude to punishment MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月25日閲覧
  10. ^ Miggy suspended 7 games, Sanchez 4 in fracas MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年8月26日閲覧
  11. ^ BrooksBaseball.net Player Card: Tommy Kahnle”. www.brooksbaseball.net. 2018年12月8日閲覧。
  12. ^ Bryan Hoch (2020年7月31日). “Kahnle leaning toward Tommy John surgery” (英語). MLB.com. 2020年8月2日閲覧。
  13. ^ Mark Polishuk (2020年10月31日). “Tommy Kahnle Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年11月8日閲覧。
  14. ^ Dodgers Sign Tommy Kahnle” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月29日閲覧。
  15. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
  16. ^ Bryan Hoch (2022年12月21日). “Kahnle reunites with Yankees on 2-year deal” (英語). MLB.com. 2022年12月22日閲覧。
  17. ^ Yankees sign RHP Tommy Kahnle” (英語). MLB.com (2022年12月21日). 2022年12月22日閲覧。
  18. ^ a b Pitching Stats ≫ PitchFx ≫ Overview”. FanGraphs.com. 2017年7月19日閲覧。
  19. ^ 各球種の平均球速は2017年シーズンに基づく。[18]
  20. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、457頁。ISBN 978-4-331-51921-9 

関連項目 編集

外部リンク 編集