トヨタ・タンドラ

トヨタ自動車のピックアップトラック

タンドラTUNDRA)は北米トヨタが販売するトヨタ自動車フルサイズピックアップトラック

“tundra”にはツンドラなど様々なカタカナ転写があり、トヨタ自動車も公式な転写方法を示していない。本稿ではトヨタグループであるセントラル自動車が並行輸入時に定めた「タンドラ」とする。

初代 XK30/40型(2000年 - 2006年) 編集

トヨタ・タンドラ(初代)
XK30/40型
 
後期型レギュラーキャブ
 
前期型アクセスキャブ
 
後期型ダブルキャブ
概要
製造国   アメリカ合衆国
販売期間 2000年 - 2006年
ボディ
ボディタイプ
  • 2ドアピックアップトラック
  • 4ドアピックアップトラック
駆動方式 FR4WD
パワートレイン
エンジン
変速機
車両寸法
ホイールベース
  • 3,259mm
  • 3,569mm(ダブルキャブ)
全長
  • 5,525 mm(2000年 - 2004年)
  • 5,545 mm(2005年 - 2006年)
  • 5,845mm(ダブルキャブ)
全幅
  • 1,910 mm
  • 2,014 mm(ダブルキャブ、リミテッド)
  • 2,024 mm(ダブルキャブリミテッド)
全高 1,791 mm - 1,905 mm
車両重量 1,785 kg - 1,912 kg
系譜
先代 トヨタ・T100
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日本から輸出されていたT100の後継車として1999年に登場。T100同様日野自動車が開発を担当、北米インディアナ工場(TMMI)が生産した。車名は北極圏のツンドラから取られているが、日本向けのプレスリリースでも英語読みである「タンドラ」と表記されている[1]。タンドラとプラットフォームを共有するフルサイズSUVトヨタ・セコイアがある。

発売当初のエンジンは5VZ-FE型 3.4LV型6気筒エンジンおよび2UZ-FE型 4.7L V型8気筒エンジンの2種類で、組み合わされるトランスミッションは5速MTおよび4速ATであった。 2005年には1GR-FE型 4.0L V型6気筒エンジンに変更されトランスミッションも6速MTおよび5速ATとなった。

T100やタコマと同様、リアにはトヨタマークが使われておらず、テールゲートには「TOYOTA」とアルファベットで記されている。

T100よりは大型化したが、ビッグスリーを不必要に刺激しないよう、それらのフルサイズピックアップトラックよりも、寸法、排気量共にやや小さめに作られており、販売面で不利となった。

NASCAR・クラフツマントラックシリーズ→キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ2004年から参戦しているトヨタチームのベース車種としても使われている。

キャブ、ベッドバリエーション 編集

  • レギュラーキャブ
  • アクセスキャブ
  • ノーマルベッド
  • ステップサイド
  • ダブルキャブ

グレード 編集

  • ベース - レギュラーキャブのみ
  • SR5
  • リミテッド

2代目 XK50型(2007年 - 2021年) 編集

2007年 - 2014年 編集

トヨタ・タンドラ(2代目)
XK50型
 
レギュラーキャブ
 
ダブルキャブ
 
クルーマックス
概要
製造国   アメリカ合衆国
販売期間 2007年 -
デザイン CALTY
ボディ
ボディタイプ
  • 2ドアピックアップトラック
  • 4ドアピックアップトラック
駆動方式 FR4WD
パワートレイン
エンジン 2009年モデルまで
2010年モデルから
  • 4.0L 1GR-FE型 V6
  • 4.6L 1UR-FE型 V8
  • 5.7L 3UR-FE型 V8
変速機 5AT、6AT
車両寸法
ホイールベース
  • 3,220 mm
  • 3,700 mm
  • 4,180 mm
全長
  • 5,329 mm
  • 5,809 mm
  • 6,266 mm
全幅 2,029 mm
全高 1,920 mm - 1,941 mm
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2004年東京モーターショーにてコンセプトモデルFUTURE TRUCK CONCEPT展示。

2006年2月シカゴモーターショーでプロトタイプ展示。ビッグスリーのフルサイズピックアップトラックと真向勝負するため、ボディとエンジンの排気量が拡大された。

米国テキサス州サンアントニオに建設したテキサス工場(TMMTX)で2006年11月17日に1台目がラインオフした。そして、この工場の所在地はテキサス州の愛称から取って、ローンスター1番地と名づけられた。

テキサス工場は、タンドラをはじめとするフルサイズピックアップが最も売れているテキサス州に新たに建てられた工場で、2代目タンドラがはじめての生産モデルとなる。ちなみにこの経緯はNHKスペシャルでも放送された。

当初、レギュラーキャブとダブルキャブがこのテキサス工場で生産され、クルーマックスはインディアナ工場で生産されていた。テキサス工場で作られているレギュラーキャブとダブルキャブには、リアウインドウに、テキサス州の州旗をモチーフにしたステッカーが貼られており、そこには「BORN IN TEXAS, MADE BY TEXANS」(テキサスで生まれ、テキサス人によって作られた)とある。

初代に引き続き、リアにはトヨタマークが使われておらず、「TOYOTA」のアルファベットのみとなっている[2]

2007年1月、北米国際オートショー(NAIAS)で市販モデルを展示、2月より販売開始。

エンジンは1GR-FE型、2UZ-FE型に加え、新開発のV8・5.7 Lの3UR-FE型が設定された。

ライバルのビッグスリーが売り上げを落とす中、攻撃的なスタイルとハイパワーエンジンが功を奏したタンドラの売り上げは、テキサス工場地元のサンアントニオをはじめ、非常に好調であった[3][4]。ところが、ライバルのインセンティブの引き上げで鈍化が始まり、原油高とリーマン・ショックで他社のフルサイズ車同様売り上げを落としている。

これを受け、現在建設中のアメリカ新工場は初めはタンドラなどの大型車を生産する予定であったが、プリウスの生産工場へ変更となった。2009年春よりクルーマックスの生産もテキサス工場に移管されている。

2010年モデルより4.7 Lの2UZ-FE型が廃止され、4.6 Lの1UR-FE型へ変更された。

 
2代目セコイア SR5

グレード 編集

  • ベース
  • リミテッド - クルーマックスのみ

キャブバリエーション 編集

  • レギュラーキャブ
  • ダブルキャブ - 小型のリアドアと+2のシートを持つ
  • クルーマックス - 4ドアの通常型ダブルキャブ

ベッドバリエーション 編集

  • ショートベッド
  • レギュラーベッド
  • ロングベッド

2014年 - 2021年 編集

 
タンドラ2014年モデル(MEGAWEB展示車両)

2013年2月7日、シカゴモータショーにて改良型の2014年モデルが発表された。拡大グリルと増強されたフェンダーのデザインが特徴で、テール周りのデザインも変更され、全体的な外観の変更が行われたが、荷台部分とドアの板金は従来のモデルからの変更はない。迫力あるデザインとすべく、ルーフラインもスポイラー部分を含めテールゲートまで改良された。内装は、3.5インチの情報表示画面、bluetooth接続機能、後方カメラを特徴とする他、さらなる人間工学を追求した新寸法のシート、メタルパーツを多用したインパネ周りとなった。エンジンは2010年モデルと同様4.0L/V6、4.6L/V8、5.7L/V8の3種類が用意されるが、4.6L/V6エンジンに関しては最大出力270PS/377N・m(2010年モデル比37馬力向上)となった。サスペンションはダンパー比が改良されて乗り心地を向上させた他、ステアリング機構の改良によりハンドルの操作性も向上した。

また当モデルよりラグジュアリー性を追求した「1794」が追加されて全5グレード(SR、SR5、リミテッド、プラチナ、1794)展開となり、レギュラーキャブの6.5'ボックスは廃止された。2015年には悪路走破性を高めたTRD PROモデルが登場すると同時に、4.0 L/V6モデルの廃止が予定されている。

2020年モデルで4.6 Lエンジンが廃止され、全ての車型とグレードで5.7 Lが標準となった。

2021年モデルはメカニズムの変更はなく、TRD Pro への新色の追加と、SR 5 をベースに、大容量燃料タンクの装備や、 アウトドアライフでの利便性を向上させた Trail と、ドレスアップバージョンとなる Nightshade が特別仕様車として発売された [5]

グレード 編集

荷台 SR SR5 リミテッド プラチナ 1794
レギュラーキャブ   ○     ×   ×   ×     ×  
ダブルキャブ × ×
クルーマックス ×
1794エディション
1794は、シボレー・シルバラード・ハイカントリーなどに追随すべく設定された最上級ラグジュアリーモデル。1794という名前は、タンドラの生産工場を建設する際に利用した廃牧場がスペイン人入植者イグナチオによって開墾された年に由来する。1794は西部をイメージしたレクサス同様の茶系革内装にシートヒーター、シートクーラー、電動調節機構を備えた前席、更に一部を木製としたハンドルとダッシュボードや電動サンルーフ、死角カメラを備え、カーナビやオーディオにはエチューンプレミアムのJBLサウンドシステムを搭載する。ホイールは1794ロゴの付いた20インチアロイホイールを採用。またシート生地にはステッチを際立たせたスエード調の艶出し本皮があしらわれる。その他にも車内には木目調パネルが多用される。
TRD Pro
 
TRD Pro
本モデルより、通常のTRD仕様よりワンランク上の仕様として、悪路走破性を高めた「TRD Pro」が設定された。SR5 4x4のダブルキャブ6.5'又はクルーマックス5.5'のオプションとして設定される。
TRD Proでは通常モデルより遥かに伸縮性を高めた直径2.5インチのビルシュタインショックアブソーバーが全てのタイヤに装備されている。前輪で通常より1.75インチ、後輪で1.83インチ伸縮幅が多くなっており、サスペンションの圧縮により硬さを調整する3段階減衰機構を有している。このショックアブソーバーにより前席地上高が通常仕様より2インチ高くなっている。前コイルスプリングはサスペンションの状態に応じて衝撃吸収性を高めるようになっている。TRD Proにはこの他0.25インチの厚みを持つフロントスキッドプレートとTRDキャットバックエキゾーストシステムを有する。また、通常のエンブレムの代わりにランドクルーザー70などに見られるような「TOYOTA」のロゴが黒文字で入り、グリルも車体色と同色のものが採用される。通常のTRDロゴがシフトノブにあしらわれ、TRD Proロゴも荷台部分の横側に入れられる。インテリアは赤ステッチが際立つドアハンドルに、カーナビゲーション付きエチューンプレミアム音響システムが導入され、TRD Pro独自の内装品を数多く採用する。タイヤはP275/65-18のミシュラン製LTX A/T2、ホイールはTRDセンターキャップ付の黒色ホイールが採用される。
色はインフェルノ、アティチュードブラックメタリック、スーパーホワイトの3色が設定される。

3代目 XK70型(2022年 - ) 編集

トヨタ・タンドラ(3代目)
XK70型
 
フロント
 
リア
概要
製造国   アメリカ合衆国
販売期間 2022年 -
ボディ
ボディタイプ
  • 4ドアピックアップトラック
駆動方式 FR4WD
プラットフォーム GA-Fプラットフォーム
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2021年5月より、3代目となる2022年モデルのティーザーイメージが順次公開される[6]

2022年1月31日-ラグジュアリーグレード「キャップストーン」量産第一号車が、バレットジャクソンオークションにおいて、70万ドル(約8030万円)で落札された。同じオークションではTRDプロの量産第一号車も出品され、落札されている[7]

他社同クラスモデル 編集

日本での販売 編集

初代のみトヨタグループのセントラル自動車がタンドラの日本への並行輸入・販売を行っていた。同時にタンドラをキャンピング仕様のエクスクルーザーとして(プレジャーおよびプラウド)架装し販売していたが、2008年にキャンピングカー事業から撤退。そのため現在は、販売業者単位での並行輸入が行われている。海外専売車の中ではトヨタ・シエナトヨタ・タコマトヨタ・4ランナートヨタ・FJクルーザーに並んで人気車種となっている。

一部車両は準中型自動車に分類される。このため2017年3月12日以降に普通免許を取得した場合、運転できない。

スペースシャトルの牽引 編集

スペースシャトルが計画終了したのを受け「エンデバー」が引退した。退役後ロサンゼルスのカリフォルニア科学センターに保管されることになる。2012年10月ロサンゼルス国際空港からカリフォルニア科学センター迄の12マイル(約19キロ)の移動が始まった。しかしシャトル運搬用の4台のロボティックドーリー(全輪操舵/駆動の遠隔操作式台車)とシャトルの合計重量が50万ポンド(約227トン)を超える為、この道中にある橋がこの荷重に耐えられない危険性があった。そのことからタンドラが牽引する際に使用する台車との組み合わせのほうがより軽量だからという判断になった。

2012年10月12日計画が実行され約250mをタンドラが引っ張って走行した。タンドラの本来の牽引能力は1万ポンド(約4.5トン)だが、エンデバーは、機体単体重量の約15万ポンド(68トン)に加え、トレーラーなどを含めると総重量は30万ポンド(約136トン)というサイズだった。

トヨタは、この日より前からカリフォルニア科学センターとスポンサー契約を結んでおりタンドラが使用されることとなった。

その他 編集

脚注 編集

  1. ^ トヨタ、米国テキサス工場への4億ドルの投資を発表 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
  2. ^ 8代目カムリよりも前に登場した、北米向けトヨタ車のリアにはトヨタマークに加え「TOYOTA」の文字が併用されてきたが、8代目カムリ以降の多くのトヨタ車には、トヨタマークのみが使われている。
  3. ^ Tundra sales rise in down month for Toyota
  4. ^ Toyota Tundra sales outgrowing Ford, GM in Texas truck market
  5. ^ 全長5.8m超! トヨタ「タンドラ」の2021年モデル登場! 黒い邪悪な特別モデルも設定”. くるまのニュース (2020年8月4日). 2021年8月1日閲覧。
  6. ^ トヨタ新型「タンドラ」の新画像を世界初公開! 迫力顔のタフガイを米国で順次明らかに”. くるまのニュース (2021年7月28日). 2021年8月1日閲覧。
  7. ^ トヨタ タンドラ・キャップストーン の量産第一号車、70万ドルで落札…歴代初のラグジュアリー仕様”. レスポンス(Response.jp). 2022年2月2日閲覧。
  8. ^ Daren Genau (February 2005). “Is it a truck, or is it a locomotive?”. Trains: 27. 

関連項目 編集

外部リンク 編集