トラックステーションは、主として営業用トラックドライバーを対象とした休憩施設と運行管理センターが一体となった道路施設。略称は「トラステ」もしくは「TS」。

概要 編集

モータリゼーションの進展で長距離ドライブをすることが増え、安全運転のために休憩施設が求められるようになった。

また、これらの施設では、トラックドライバーに対して業務上の連絡を取り合うサービスを提供することが望まれている。このような背景の下に運輸省の交付金により「トラックステーション」の制度が創設され、1976年昭和51年)に第1号として福島トラックステーションが開設された[1]

施設 編集

トラックステーションは、全国の主要国道沿いに、一定数の駐車スペース、トイレ、休憩、仮眠、入浴、食事ができる休憩施設、業務上の連絡を取り合い、周辺のトラックステーションをネットワークで結び交通情報や気象情報を提供する情報提供施設(運行管理センター)を備えた施設が設置され、サービスが提供されている[2]

トラックステーションは、公益社団法人全日本トラック協会の計画に基づき、公益社団法人全日本トラック協会[注釈 1][3]・各都道府県トラック協会が建設・管理・運営する形が取られる。

近年は、コンビニエンスストアの増加や、携帯電話電子メールビジネスホテルの普及などで、福利施設(入浴、仮眠、宿泊、食事)は年中無休から休日ありや営業時間短縮になった施設が多い[2]。また、食事施設を廃止しコンビニエンスストアを誘致した施設もある。

日本のトラックステーションの数 編集

運営主体 設置数 名称 備考
公益社団法人全日本トラック協会 23 トラックステーション
公益社団法人全日本トラック協会
公益社団法人福島県トラック協会
1 トラックステーション 共同設置
公益社団法人福島県トラック協会 4 トラックステーション
共同休憩所
一般社団法人茨城県トラック協会 2 トラック休憩所
一般社団法人群馬県トラック協会 5 休憩所
共同輸送サービスセンター
公益社団法人長野県トラック協会 1 共同休憩所
一般社団法人愛媛県トラック協会 1 トラックステーション
合計 37  

かつて東名高速道路には、「公益財団法人貨物自動車運送事業振興センター」が管理・運営主体となる「運行管理センター」(夜間のみ営業のトラックドライバー用の休養施設)が2箇所(牧之原サービスエリア上り線・上郷サービスエリア下り線)設置されていたが、2014年平成26年)12月20日をもって廃止された[4]

関連項目 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2018年4月1日、公益財団法人貨物自動車運送事業振興センターは公益社団法人全日本トラック協会に合併。

出典 編集

  1. ^ 「全国に拡大 TS」『交通新聞』交通新聞社、1996年4月9日、2面。
  2. ^ a b 中村圭 (2022年5月22日). “トラック運転手のオアシス「トラックステーション」閉鎖相次ぐ ネット通販需要&ユーチューバー熱視線も、一体なぜなのか”. Merkmal. pp. 1-2. 2022年5月23日閲覧。
  3. ^ 組織変更のお知らせ”. 公益社団法人全日本トラック協会. 2023年7月21日閲覧。
  4. ^ 東名高速道路「上郷下りSA」及び「牧之原上りSA」運行情報センター閉鎖のお知らせ 全日本トラック協会 2014年12月16日掲載・2015年7月5日閲覧

外部リンク 編集