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トラック野郎・御意見無用』(トラックやろう・ごいけんむよう)は、1975年8月公開の日本映画

トラック野郎 御意見無用
監督 鈴木則文
脚本 鈴木則文
澤井信一郎
出演者 菅原文太
愛川欽也
春川ますみ
中島ゆたか
佐藤允
夏純子
湯原昌幸
夏夕介
音楽 木下忠司
撮影 仲沢半次郎
編集 田中修
製作会社 東映
配給 東映
公開 日本の旗 1975年8月30日
上映時間 98分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 7億9400万円
配給収入 4億1900万円
(1975年邦画配給収入8位)[1]
次作 トラック野郎・爆走一番星
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満艦飾のトラックが日本全国津々浦々駆け巡り、主人公・一番星こと星 桃次郎に菅原文太、相棒・やもめのジョナサンこと松下 金造に愛川欽也、マドンナ・倉加野 洋子に中島ゆたか、ライバル・関門のドラゴンに佐藤允が扮して巻き起こす、喜劇と活劇に哀愁が満載の痛快娯楽映画『トラック野郎』シリーズ第1弾。

元々は盆興行後の穴埋め作品として作成されたためシリーズ化の予定は無かったが、公開初日の丸の内東映劇場に1500人が入場、最終の興行収入は約8億円を記録したため大ヒットとなり、シリーズ化が急遽決定。この年12月には2作目が正月作品として公開された(トラック野郎#作品誕生の経緯とシリーズ化も参照)。

ストーリー編集

下関。拡声器で「緊急自動車」と偽り、渋滞を巧みに切り抜ける2台のトラック。一番星こと星桃次郎(菅原文太)の運転する11トン車「一番星号」と、「やもめのジョナサン」こと松下金造(愛川欽也)の4トン車「ジョナサン号」である。

二人は拠点の川崎に戻り、桃次郎はソープランド、ジョナサンは妻・君江(春川ますみ)と7人の子供の待つ自宅へ。事の済んだ二人は一路東北へ向かう。盛岡のドライブイン「くるまや」でウェイトレスの倉加野洋子(中島ゆたか)に出会い、桃次郎は一目惚れ。女運転手「モナリザお京」こと竜崎京子(夏純子)は、逆に桃次郎に想いをよせていた。

柴田(安岡力也)の乗るトラックが追い越しざまに一番星号の飾りを壊したため、路上で乱闘となる。桃次郎とジョナサンは警察署で署長(小松方正)直々に説教を受ける。ジョナサンは元警官で、運転手が恐れる「花巻の鬼台貫」と呼ばれる存在だったが、パトカーの飲酒運転が原因で懲戒免職になっていたのだった。

青森で、お調子者の千吉(湯原昌幸)と出会い、桃次郎が仲間に入れると言ったのが元で、桃次郎とジョナサンは仲たがいをしてしまう。桃次郎は洋子に花を送って気を引こうとするが、千吉は間違えてお京に渡してしまう。喜ぶお京、困惑する桃次郎。

そんな時、九州のトラック野郎「関門のドラゴン」こと竜崎勝(佐藤允)が、桃次郎にワッパ(運転)勝負を挑んでくる。2台の11トン車が夜の公道で激しいデッドヒートを繰り広げるが、桃次郎は同乗した千吉に水を刺され負けてしまう。その後、千吉はジョナサンの悪口をいったために桃次郎に捨てられるが、たまたま通りかかったお京に拾われる。そして、「花を渡す相手を間違えた」といってしまう。千吉が、お京の方が美人だと思ったからだった。

ドラゴンと洋子が一緒に出かけるのを目にした桃次郎は、追跡し、2人がモーテルに入って行くのを見てしまう。単なる早とちりだったのだが、それが引き金でドラゴンと殴り合いの大乱闘となる。喧嘩はお京に止められ終息、さらにお京がドラゴンの妹と判明する。ドラゴンは妹が惚れている桃次郎の品定めに来たのだった。だが、お京の恋は終わっていた。

その後、桃次郎と金造の仲も修復される。海で2人が水浴びしていた間に、一番星号に幼い寺山由美(角所由美)が捨てられていた。ジョナサンは「1人増えても変わらない」と養子にしたため、子供が8人になる。

「トラックを降り、九州に近々戻る」というお京に、千吉は思い切って告白。運転手仲間から冷やかされるものの、ジョナサンの仲立ちでお京が受け入れ、成就する。

由美がテレビのねぶた祭りを見て踊りだしたため、桃次郎とジョナサンは由美を連れて青森へ。そこで偶然、由美の父親の知人である土田(井上昭文)に出会う。由美の父親は、3日前にトンネル工事の爆破に巻きこまれ、死んでいた。その遠因は、警官に過積載やスピードオーバーで目の敵にされ、免停となりトラックを手放すはめになり、女房にも逃げられたからだった。その警官の名を尋ねるジョナサンに、土田は「花巻の鬼台貫」と答えた。唖然とするジョナサン。

後悔の念に囚われたままのジョナサンは、後日、台貫場に遭遇する。過積載を咎められ、土下座する運転手(宮崎靖男)を見て居たたまれなくなったジョナサンは、台貫場に突進し、設備を破壊していまう。病院送りになったジョナサンを見舞いに家族が訪れる。包帯姿になっているものの、致命的な怪我を負っていなかったジョナサンを見て安心する家族一同。だが、妻の君江に陣痛が。こうして松下家に第8子が誕生したのだった(養子がいるため、実際の人数は9人)。

桃次郎は洋子に思いを伝えようとするが、洋子には好きな男がいるのを知る。彼、松岡明(夏夕介)はトラック野郎だったが、居眠り運転で人をひき殺しており、6000万円の賠償金を負っていたのだった。3割から4割も引かれる生活を3年間続けてきた明。しかし相手は大金持ちで、毎月の払いに対し「銀座の一晩の払いにもならない」と嘲る始末。それで支払う気の無くなった明に代わり、洋子が支払いを続けてきたのだった。その明は、今日、遠洋漁船で日本を離れるという。自暴自棄になり「抱いて!」と叫ぶ洋子。

桃次郎は、彼女と明の仲を取り持つために、盛岡から下北港まで8時間かかるところを3時間で送り届ける、恋の飛脚役を買って出る。「二人でもう一度やり直すんだ、二人とも甘ったれるんじゃねぇよ!」グングン上がるスピードメーターの針、75キロから一気に(数秒で)100キロまで加速する。交機の白バイ、パトカーが追って来ても、幅寄せで路外に押し出す。道路封鎖は突き進み突破する。道なき道を走破し飾りを破損させ、泥水を浴び、それでも驀進する。

2時間半で無事に到着し、洋子と明は再会する。桃次郎のアドバイス通り、「二人でやりなおそう」と申し出る洋子。それを見届けた桃次郎は、何も言わず一番星号と共に走り去って行った。

その後、ジョナサン号を牽引する一番星号の姿が公道にあった。

スタッフ編集

出演編集

同時上映編集

『帰って来た女必殺拳』

備考編集

主なロケ地
ドライブイン「くるまや」のシーンは、埼玉県東松山市の田園食堂(現:天然の味田園平成29年12月25日閉店予定)で行われた。
同市神戸地区の都幾川にかかる神戸大橋と、周辺の田園地帯でもロケが行われた。

トラック野郎#作品誕生の経緯とシリーズ化にもある通り、当初はシリーズ化の予定ではなかった。そのため、後のシリーズと以下のような違いがある。

マドンナ
本作のみ、マドンナ役を東映の女優(中島ゆたか)が演じている。また、唯一クレジットが単独ではない(夏純子と連名)。
ライバル
次回以降では、「クライマックスの警察との激突」で援護に入るのがほぼ定番化しているが、本作では登場しない。
トメ(最後)の手前、という位置は次回作以降ほぼ定番化しているが、本作ではダウン・タウン・ブギウギ・バンドと連名になっている(第7・9・10作も同様に連名)。
ジョナサンの設定
トレードマークの「虎縞の腹巻」はしているものの、帽子は被っていない(次回作から使用)。
喧嘩のシーンで殴りかかる、桃次郎に喧嘩を挑むなど、次回作以降とは違い血の気が多い描写がある。
桃次郎を「一番星」と呼ぶ(次回作も同様。第3作以降、「桃さん」が定着している)。
車両
一番星号、ジョナサン号ともに次回から一新されている。2代目は最終作まで使用。

脚注編集

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、206-207頁。ISBN 4-87376-595-1
  2. ^ 現・ユニバーサル ミュージック ヴァージン ミュージック

外部リンク編集