トランスグローバル
トランスグローバル株式会社(トランスグローバル)は、東京都千代田区紀尾井町に本社を置く、海外作品の輸入及び国内配給・字幕や吹き替えの翻訳などを行っていた企業である。日本音声製作者連盟に加盟[1]。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
![]() 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1番10号 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 2010001024755 |
事業内容 | 映像の配給事業 |
外国映画の配給や日本語版制作で名を知られ、国内最大手でもあった。
概要編集
戦後すぐの時期(1945年頃)から創業し活動。過去の正式社名は株式会社グローバル・プロダクション[2]。1950年代からは外国製ドラマ・アニメの輸入代理を引き受けており、吹き替え制作も行っていた[3]。
過去には、倒産した会社などが保有している特撮作品の版権・フィルムを買い取りしていた時期があり、一部ネガフィルムが消失した『怪獣王子』はLD-BOX化の際に、トランスグローバルが保管していた再放送用フィルムを使用してソフト化された。
2016年12月31日には、東京都新宿区揚場町に存在した「トランスグローバルスタヂオ株式会社」と本社と同じ住所に存在した「株式会社弁慶橋エステート」を合併している。
近年は、会社自体は存在しているが表立った活動を行っていない。
エピソード編集
吹き替え制作の下請けする際は「機材を揃えていること」「演出料だけを支払う」という条件を出していた[3]。
音響監督の田島荘三によると、以前の社長は「ルー」という華僑出身の人物だった[3]。
1965年から数年間放送された『ペイトンプレイス物語』が成功したことから、現在の赤レンガで造られた洋館風である社屋を建設。当時は「ペイトンビル」と呼ばれた[4]。
翻訳クレジットでは翻訳者の名前を出さず、一貫して「トランスグローバル」名義だった。このことについて、翻訳家の額田やえ子は社名こそ出さなかったものの「横のもの(海外作品)が縦(日本語)になってりゃいいのさ」と言う関係者がいたことを証言し、非難している[5]。また、1967年には翻訳の著作権関係で裁判も起こされている[2]。
主に配給・吹き替え制作をした作品編集
映画編集
- アウト・フォー・ジャスティス(ソフト版)
- 悪魔の追跡
- 明日に向って撃て!(フジテレビ版)
- インナースペース(劇場公開/ソフト版、マーケット・リサーチ版)
- エイリアン(フジテレビ版)
- オーメン(TBS版)
- 頑張れフリッパー
- 北国の帝王
- グレムリン(ソフト版)
- 黒ひげ大旋風(ソフト版)
- 刑事ニコ/法の死角(ソフト版)
- ゴーストハンターズ
- 荒野の掟
- ザ・フライ
- 猿の惑星シリーズ
- シシリアン
- ジュリア(フジテレビ版)
- スイスファミリーロビンソン(ソフト版)
- 聖衣(フジテレビ版)
- 地球の頂上の島(TBS版)
- 月蒼くして
- デッドフォール
- 天地創造(TBS版)
- トラ・トラ・トラ!
- ネバダ・スミス(フジテレビ版)
- ハード・トゥ・キル(ソフト版)
- バットマン(ソフト版)
- バンドレロ
- フランティック(ソフト版)
- フレンチ・コネクション(フジテレビ版)
- フレンチ・コネクション2(同上)
- ヘルハウス
- ポセイドン・アドベンチャー(TBS版)
- ポパイ(フジテレビ版)
- M★A★S★H マッシュ(フジテレビ版)
- メリー・ポピンズ(フジテレビ版)
海外ドラマ編集
- 宇宙家族ロビンソン
- 怪鳥人間バットマン
- グリーン・ホーネット
- コンバット!
- ザ・ルーシー・ショー
- 猿の惑星
- 事件記者コルチャック
- すてきなリッキー
- 壮烈!西部遊撃隊
- ピーター・ガン
- 秘密諜報員ジョン・ドレイク
- ペイトンプレイス物語
- 北西への道
- ラットパトロール
- 0011ナポレオン・ソロ
アニメ編集
- アクアマン
- 王様の剣(ソフト版)
- 王とオデイ
- オリバー ニューヨーク子猫ものがたり
- ガミー・ベアの冒険
- 騎馬警官ダドリー・ドゥーライト(東京12チャンネル版)
- クロンダイク・キャット
- ジャングル・ブック(ブエナ・ビスタ版)
- スパイダーマン(1968年収録版、1986年放送のテレビ東京版)
- ダックにおまかせ ダークウィング・ダック
- ダンボ(ソフト版)
- テイルスピン
- トムとジェリー(TBS版)
- おかしなおかしな トムとジェリー 大行進(日本テレビ版)
- ピーター・パン(TBS版、ポニー・バンダイ版)
- 美女と野獣
- ピノキオ(ポニー・バンダイ版)
- ふしぎの国のアリス(テレビ版、ソフト版)
- ルーニー・テューンズ
- マンガ大作戦(静岡第一テレビ版)26回まで
- バッグス・バニーのぶっちぎりステージ
- ルーニーテューンズ'96(7話まで)
- マイティ・ハーキュリー
- ミッキーマウスとドナルドダック(日本テレビ版)
- リトル・マーメイド
主に権利やフィルムを保有している国内作品編集
脚注編集
- ^ “加盟社一覧”. 日本音声製作者連盟. 2020年3月27日閲覧。
- ^ a b “東京高等裁判所 昭和42年(ネ)2698号 判決”. 大判例. 2020年3月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c “『猿の惑星<日本語吹替完全版>コレクターズ・ブルーレイBOX』田島莊三インタビュー”. 吹替の帝王. 2020年3月27日閲覧。
- ^ 柴田耕太郎 『翻訳家になろう!』 青弓社、2012年。ISBN 4787233351。
- ^ 額田やえ子 『アテレコあれこれ―テレビ映画翻訳の世界』 中央公論社〈中公文庫〉、1989年。ISBN 412201588X。