トリグリム (triglyme) とは、有機化学で用いられる高沸点の溶媒の一種。別名としてトリグライムトリエチレングリコールジメチルエーテルとも呼ばれる。 triglyme は triethyleneglycol dimethyl ether の略。

トリグリム
識別情報
CAS登録番号 112-49-2 チェック
PubChem 8189
ChemSpider 13835222 チェック
UNII 32YXG88KK0 チェック
EC番号 203-924-4
DrugBank DB02078
ChEBI
特性
化学式 C8H18O4
モル質量 178.23 g mol−1
示性式 CH3OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3
外観 無色透明の液体[1]
匂い 特徴的な臭い[1]
密度 0.986 g/mL
融点

-45 °C, 228 K, -49 °F

沸点

216 °C, 489 K, 421 °F

への溶解度 混和する
危険性
EU分類 Toxic (T)
Flammable (F)
Rフレーズ R60 R61 R10 R19
Sフレーズ S53 S45
引火点 111 °C (232 °F)
発火点 no data[1]
爆発限界 no data[1]
半数致死量 LD50 5877mg/kg(rat)
関連する物質
関連物質 ジグリム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリエチレングリコールの2つのヒドロキシ基メチル化した構造を持つ。水、各種アルコール、ジエチルエーテル、各種炭化水素系の溶媒と混和する。

トリグリムは主に化学反応の溶媒として用いられる。金属カチオンにキレート配位して対アニオンを活性化させることができる。そのため、グリニャール試薬や金属ヒドリドなどの金属化合物を反応剤とする場合に反応速度を上げる目的で用いられる。

この溶媒は塩基性に強く、強塩基存在下に加熱しても通常は安定である。

関連化合物 編集

参考文献 編集

  1. ^ a b c d 2,5,8,11-テトラオキサドデカン”. 厚生労働省職場のあんぜんサイト (2009年3月30日). 2018年9月23日閲覧。

[1]

  • Merck Index 11th ed., 3148.
  1. ^ 職場のあんぜんサイト:化学物質:2,5,8,11-テトラオキサドデカン”. anzeninfo.mhlw.go.jp. 2020年2月14日閲覧。