トロント・ラプターズ
トロント・ラプターズ(Toronto Raptors)は、カナダのオンタリオ州トロントに本拠を置く全米プロバスケットボール協会 (NBA) のチーム。イースタン・カンファレンス、アトランティック・ディビジョン所属。チーム名の"Raptor"とは恐竜の一種ラプトルを表す。チーム設立当時、映画『ジュラシック・パーク』がヒットしていたためこの名前が付けられた。NBA30チーム中、現在アメリカ合衆国以外の国に拠点のあるただ一つのチーム。
トロント・ラプターズ Toronto Raptors | ||||
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チームロゴ | ラプター(恐竜)の爪痕の付いたバスケットボール。 | |||
所属リーグ |
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カンファレンス | イースタン・カンファレンス | |||
ディビジョン | アトランティック | |||
創設 | 1995年 | |||
チーム史 |
トロント・ラプターズ (1995年 - ) | |||
本拠 |
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アリーナ |
スコシアバンク・アリーナ (1999–現在) アマリー・アリーナ (2020–2021) | |||
チームカラー |
Red, silver, black, gold, white | |||
オーナー | メイプルリーフスポーツ&エンターテイメント | |||
社長 | マサイ・ウジリ | |||
GM | ボビー・ウェブスター | |||
ヘッドコーチ | ニック・ナース | |||
優勝歴 |
1回![]() 2019年 | |||
ファイナル進出 |
1回 2019年 | |||
ディビジョン優勝 |
7回 2007年, 2014年, 2015年, 2016年, 2018年, 2019年, 2020年 | |||
NBADL提携チーム | ラプターズ・905 | |||
公式サイト | https://www.nba.com/raptors/ | |||
ユニフォーム | ||||
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歴史編集
1990年代にNBAが成長を続ける中、カナダでの市場開拓を意識して1995年に2チームが新設され、その1つがトロント・ラプターズである。ラプターズの所有はNHLのトロント・メープルリーフスも所有するメープルリーフ&エンターテインメント社。また、同時期にもう1つバンクーバーに本拠を置くバンクーバー・グリズリーズが作られた。カナダに出来たNBAチームとしては、1946-47年のトロント・ハスキーズ以来であった。
1995-96編集
1995年ゼネラルマネージャーに任命されたアイザイア・トーマスのもと、拡張ドラフトで得た選手によってトロント・ラプターズは結成された。コイントスの結果、先に指名権を得たラプターズは、まずシカゴ・ブルズのポイントガードで3ポイントシュートの名手、B.J.アームストロングを指名。しかしアームストロングはチームに加わることを拒否、そのためにトーマスはゴールデンステート・ウォリアーズのパワーフォワード、カルロス・ロジャーズ、ヴィクター・アレクサンダー、ドラフト2巡目指名権と引き換えにアームストロングをトレードした。他に拡張ドラフトではベテランのジェローム・カーシー、ウィリー・アンダーソン、トーマスのピストンズ時代のチームメートのジョン・サリーを指名した。ラプターズが拡張ドラフトで先に選手を指名する権利を得たため、その年のNBAドラフトではバンクーバー・グリズリーズに次ぐ指名権を与えられることとなった。そのドラフトの1巡目ではデーモン・スタウダマイアーを指名。この年のドラフトは地元トロントのスカイドームで開催されたがスタウダマイアーが指名されたとき、ブーイングが沸き起こった。NCAAのその年最優秀選手、ファイナルフォーMVPのUCLAのエド・オバノンが指名されることを期待していた(なお、オバノンはニュージャージー・ネッツに指名されたが、その後NBAで活躍することなく引退した)。1995-96シーズン、スタウダマイアーは1試合あたり19得点、9.3アシストで新人王を受賞した。ラプターズの1年目は21勝61敗で終わったが、シーズン72勝10敗だったシカゴ・ブルズを破ったことが知られている。
1996-97編集
前季より9つ勝ち星を増やし、30勝52敗でシーズンを終えた。順調に観戦客数も伸ばした。この年のドラフト1巡目2位で指名されたマーカス・キャンビーは期待外れに終わった。
1997-98編集
チームは多くの負傷者を出した。デーモン・スタウダマイアー、マーカス・キャンビーに続いてトレイシー・マグレディを指名するなど、優秀な若手選手の獲得に力を発揮したアイザイア・トーマスであったが、チームは彼を解雇しグレン・グランウォルドを同職に就けた。また、1998年2月13日には、スタウダマイアーを大型トレード[1]でポートランド・トレイルブレイザーズに放出、この年は16勝66敗で終わった。
1998-99編集
ドラフト1巡目全体5位でゴールデンステート・ウォリアーズに指名されたヴィンス・カーター(トレイシー・マグレディのいとこでもある)を、全体4番目に指名していたアントワン・ジェイミソンとのトレードで獲得。さらにこのオフに、タフでプレーオフの経験豊富で若い選手の助けとなるチャールズ・オークリーをキャンビーとの交換で、またケビン・ウィリスをトレードでそれぞれ獲得した。このトレードは将来の成長が見込まれる若手と先の短いベテランをトレードとしたと理解され、周囲からは大きな損失であると考えられたが、オークリーの優れたリーダーシップはまもなく証明されることとなった。一方でダグ・クリスティが守備を重視するためのポイントガードへと成長し、アルヴィン・ウィリアムスによる攻撃力もアップした。もう一人のベテラン、ケビン・ウィリスもセンターをがっちりと埋めた。ポイントガードとセンターに穴のあったチームはそれまで以上に勝てるようになり、新任のヘッドコーチ、ブッチ・カーターはマグレディたち若手の成長も大いに助けた。チームはプレーオフには進出できなかったが、新人王になったヴィンス・カーター、大きく成長したマグレディによって将来に期待をもたせた。ロックアウトで短くなったこのシーズンは23勝27敗と5割目前だった。
1999-2000編集
ドラフト全体5位の指名権と交換でアントニオ・デイビスを獲得し、さらにインサイドを補強した。カーターを中心にチームは躍進し、45勝37敗と初めて勝率5割を超え、チーム初のプレーオフ進出を果したが、ニューヨーク・ニックスに3戦全敗。そしてカーターとマグレディの主導権争いが泥沼化した。
2000-01編集
マグレディがフリーエージェントでオーランド・マジックへ、クリスティはトレードによりサクラメント・キングスへとそれぞれチームを離れるが、監督にレニー・ウィルケンズ、ガードにベテランのマーク・ジャクソンを加える(シーズン途中にクリス・チャイルズとトレードした)という変化があり、47勝35敗と好成績を残した。プレーオフでは2回戦まで進み、NBAファイナルまで進出したフィラデルフィア・セブンティシクサーズと好勝負を演じたが3勝4敗で敗れた。第7戦はわずか1点差での敗戦だった。
2001-02編集
“ドリーム”の異名を持つ名センターアキーム・オラジュワンを獲得するも、そのオラジュワンは衰えと腰痛で戦力にならず、カーターは膝の負傷でシーズンアウト。それでもチームは42勝40敗でプレイオフ進出したが1回戦で敗退した。
2002-03編集
リーグトップクラスのスコアラーに成長し、チームの顔でもあるヴィンス・カーターが怪我で長期離脱し24勝58敗と大きく負け越した。
2003-04編集
2003年のNBAドラフトでクリス・ボッシュを4位で指名するも、このシーズンもチーム成績は5割以下と低迷し、ゼネラルマネージャーのグランウォルドは解雇された。
2004-05編集
数年にわたりチームの中心だったカーターは、やる気のないチームにトレードを要求し、その年12月にニュージャージー・ネッツに放出された。ラプターズはアロンゾ・モーニングらを獲得したものの、そのモーニングはラプターズでのプレーを拒否したために、直ぐ様契約を解消するなどメリットは無きに等しく、結果的にカーターを失っただけの失敗トレードであり、NBA史上最悪のトレードと酷評された。
2005-06編集
クリス・ボッシュやモリス・ピーターソンらが主力としてチームを引っ張った。ボッシュは体格・スキル共に着々と成長を続け、ラプターズのエースとしてNBAオールスターゲームにも出場。2006年バスケットボール世界選手権のアメリカ代表にも選ばれた。シーズン途中の2月、前フェニックス・サンズゼネラルマネージャーのブライアン・コランジェロがGMに就任。チームの大改革が始まる。以降、コランジェロはサンズを強豪チームへと仕立て上げた手腕を発揮させ、チーム再生のキーマンと評価された。
2006-07編集
2006年オフには、2006年のNBAドラフト全体1位でアンドレア・バルニャーニを指名するなどの補強を行い、リーグ有数の多国籍軍となった。そしてミルウォーキー・バックスからトレードで獲得したPGのT・J・フォードがチームに完全にフィットし、チーム史上初のディビジョン優勝に輝いた。ヘッドコーチのサム・ミッチェルがNBA最優秀コーチ賞、GMのブライアン・コランジェロがNBA最優秀役員賞を獲得している。
2007-08編集
2007年オフに、前年度の3ポイントコンテスト・チャンピオン、ジェイソン・カポノをマイアミ・ヒートから獲得した以外に目立った補強はなくシーズンを迎えた。シーズン途中にクリス・ボッシュやT・J・フォードを怪我で欠いたり、課題のディフェンス面に向上が見られなかったり、前年度を下回る5割ちょうどの勝率でシーズンを終了する。プレイオフもオーランド・マジックに1勝4敗。前年同様、初戦敗退という結果となった。
2008-09編集
2008年オフに、T・J・フォードやラドスラフ・ネステロヴィッチらをインディアナ・ペイサーズに放出し、見返りにジャーメイン・オニールを獲得した。オニールが加入したことで、ボッシュとの強力なフロントコートが形成され前年度よりも躍進するかに見えた。しかし、シーズンインすると期待されたほど成績が上がらず、ヘッドコーチのサム・ミッチェルはシーズン途中で解任された。さらに、オフで獲得したオニールも、ショーン・マリオンとマーカス・バンクスとのトレードでジャマリオ・ムーンとともにマイアミ・ヒートに放出された。その後、移籍してきたマリオンがチームに溶け込み、シーズン終盤に巻き返しをみせたが、2シーズンぶりにプレーオフを逃した。
2009-10編集
2年連続プレーオフを逃した。
2010-11編集
FAとなったクリス・ボッシュはマイアミ・ヒートに移籍し、2年目のデマー・デローザンの躍進は見られたものの22勝60敗と大きく負け越した。
2011-12編集
ロックアウトにより短縮されたシーズンを若干のディフェンス力向上によって、23勝43敗の成績で、勝率を昨年の2割台から3割台まで戻したが、イースタン11位に終わった。
2012-13編集
主要メンバーの転出などはほとんどなく、オフェンス強化に向けカイル・ロウリーを獲得し、シーズン中にメンフィス・グリズリーズからルディ・ゲイを獲得、34勝48敗と勝率は4割台に改善されたものの、プレイオフの進出はならなかった。
2013-14編集
若手成長株のデマー・デローザン、テレンス・ロス、ヨナス・ヴァランチューナスを残しながら、ルディ・ゲイをサクラメント・キングスに放出するトレードで、戦力を大きく入れ替え、また前年の補強のカイル・ロウリーもチームに溶け込んだことが功を奏し、48勝34敗と大きく戦績を伸ばし、カンファレンス3位でプレーオフ進出。地区優勝も果たした。1回戦はブルックリン・ネッツとの対戦し、3勝4敗で敗退した。
2014-15編集
開幕ダッシュに成功し、チーム史上最高のスタートを切った。途中デマー・デローザンやカイル・ロウリーを怪我で失うハプニングもありながら、アトランティックディビジョンの低調にも助けられ、2年連続でディビジョン優勝を決めたが、プレーオフ1回戦でワシントン・ウィザーズに4戦全敗のスイープで敗れ、2年連続で1回戦敗退に終わった。
2015-16編集
夏にデマール・キャロル、ルイス・スコラ、ビスマック・ビヨンボ、コーリー・ジョセフなどを獲得し、脇役陣を強化した2015-16シーズンは、難なく3年連続でディビジョン優勝を決めた。デマー・デローザンとカイル・ロウリーのガードコンビは揃ってエア・カナダ・センターで開催されたNBAオールスターゲームに出場、チーム史上最高の56勝26敗でシーズンを終えた。プレーオフは1回戦でインディアナ・ペイサーズを4勝3敗で退け、2001年以来のカンファレンスセミファイナルに進出。更にマイアミ・ヒートも4勝3敗で下し、初のカンファレンスファイナルに進出した。しかし、初となるカンファレンスファイナルではクリーブランド・キャバリアーズに2勝4敗で敗れ、初のファイナル進出はならなかった。
2016-17編集
2016-17シーズンは、チーム初の2年連続50勝を記録するも、地区優勝はボストン・セルティックスに奪われ、51勝31敗で終了。シーズン途中にサージ・イバーカやP・J・タッカーを獲得するなど、ディフェンスの強化を計るも成果は出ず、プレーオフの2回戦でクリーブランド・キャバリアーズにスイープ負けを喫した。
2017-18編集
2018年1月1日に行われたミルウォーキー・バックス戦でデローザンがチーム記録となる52得点を記録、試合はラプターズがオーバータイムの末に131-127で勝利しチーム記録となるホーム戦12連勝を達成した。デローザンはこの試合によりビンス・カーター、テレンス・ロスに次いでチーム史上3人目の1試合50得点以上を記録した選手となった。それまでの1試合最多得点はカーター、ロスの51得点だった[2]。2018年3月7日に行われたデトロイト・ピストンズ戦に121-119で勝利した。これにより、今季リーグで最も早くプレーオフ進出を決めたチームとなった。また、64試合目でのプレーオフ進出資格獲得は新たなチーム記録となった[3]。2018年4月6日に行われたインディアナ・ペイサーズ戦に92-73で勝利し、チーム史上初となるレギュラーシーズンのカンファレンス王者となった。最終的なシーズン成績は59勝23敗で、2シーズン前のチーム最高記録をさらに更新することとなった。プレーオフ1回戦はカンファレンス8位のワシントン・ウィザーズに4勝2敗で勝利し[4]、2回戦で3年連続の顔合わせとなるクリーブランド・キャバリアーズと対戦したが、2年連続の4戦全敗、2015-16シーズンから通算してプレーオフ10連敗を喫した。この結果を受けて、ドウェイン・ケイシーHCは最優秀コーチ賞を受賞しながら解雇された。また、長らくエースを務めたデローザンと、若手センターのヤコブ・ポートルをサンアントニオ・スパーズにトレードで放出し、代わってカワイ・レナードとダニー・グリーンを獲得した。
2018-19編集
イースタン制覇を期待されて始まったシーズンは、11月までに6連勝以上を3回記録し力強くスタートする。当初からプレーオフに備え、チームはロード・マネジメントとしてレナードを時々休ませる方針を取った(60試合出場)。ラウリーも17試合を欠場したのに加え、ノーマン・パウエル、ヨナス・ヴァランチューナス、フレッド・ヴァンブリートらもそれぞれ負傷で1~2か月戦線を離脱するなど、全員が揃うことはほとんど無かった。そのため、このシーズン中に編成したスターターのラインナップは22通りに上る。
それでも、昨オフに加わったレナードとグリーン、さらにシーズン中にトレードで加入したマルク・ガソルが活躍し、そしてスターターに定着したパスカル・シアカムが急成長を遂げ、チームは大崩れすることなく白星を重ねる。2連覇中のゴールデンステート・ウォリアーズに対しては、ホームで勝利しカード8連敗を止めると、ビジターでは15年ぶりの勝利を挙げた。シーズン中盤でミルウォーキー・バックスに先行を許すも、58勝24敗のイースタン2位で6年連続のプレーオフ進出を決めた。
プレーオフ1回戦はオーランド・マジックとの対戦となった。守備力に優れたチーム同士の戦いであったが、ラプターズはガソルを中心にディフェンスを固め優位に立つ。初戦を3点差で落とすも、第2戦から4連勝して2回戦に駒を進めた。1敗以下でのシリーズ突破はチーム史上初である。続く2回戦はフィラデルフィア・セブンティシクサーズと激突。第1戦はレナード45得点、シアカム29得点などで快勝するが、高さに優れたシクサーズの前にラプターズのガード陣が軒並み不調に陥り、2連敗を喫しあっさり逆転される。第4戦ではガソルとサージ・イバカのセンター同時起用に活路を見出し、僅差で勝利。ホームに戻っての第5戦では、プレーオフにおけるチーム最高記録の36点差で圧勝し王手をかけるが、ロードの第6戦を落とし勝負の行方は第7戦に持ち越しとなった。両チームともに決定的なリードを奪えないまま試合は進み、残り4.2秒でスコアはタイ。そしてラプターズの最後の攻撃、レナードが右サイドから放った高いシュートはリムの上をバウンドした後にリングを潜り抜けた[5]。この瞬間、ラプターズの3年ぶり2度目のカンファレンスファイナル進出が決まった。
そして、この年リーグ最多勝を挙げたバックスとのカンファレンスファイナルが始まる。休養十分のバックスに第1戦は終盤に逆転され、第2戦は大差で敗れ、連敗スタート。ホームでの第3戦は、ラウリーとパウエルの2人をファウルアウトで欠きながらも再延長の末に勝利した。なおこのシリーズでは、シクサーズ戦で不調だった控えガードのパウエルとヴァンブリートの活躍が目立った。彼らを含むベンチ陣の大量得点で第4戦も勝利し2勝2敗のタイに戻すと、ロードの第5戦ではヴァンブリートが21得点を全て3Pシュートで挙げる活躍を見せ、接戦をものにする。スコシアバンク・アリーナの外まで大観衆が集まったホームの第6戦では、第3クォーターのラスト2分で15点ビハインドを5点まで詰めると第4クォーターで逆転し8点をリード。バックスの最後の追撃を振り切り100-94で勝利、創立24年目にして初のNBAファイナルへの進出を決めた。この試合は、ラプターズのプレーオフ通算100試合目であった。
NBA史上初めてアメリカ国外で行われることとなったファイナルは、3連覇の偉業に挑むウォリアーズとの対戦に。1勝差でホームコート・アドバンテージを手に入れたラプターズは、第1戦をシアカムの32得点で制する。第2戦を落とし1勝1敗で移動すると、ロードの第3戦、第4戦ともに2桁リードで勝ち先に王手をかけた。多くの負傷者を出しながらも王者らしい地力と経験を発揮してきたウォリアーズに対し、ここまでの激戦で成長したラプターズはベンチ陣も含めた全員の連携と、要所で得点を挙げるチームの要・レナードの活躍で、互角以上の戦いを見せた。勝てば優勝であった第5戦は1点差で敗れるも、続く第6戦では4人が20得点以上を挙げ接戦の末に勝利を手にする[6]。エース同士のトレードから始まり、チーム史上最大の勝負を仕掛けた1年は、初優勝という最高の結果で完結を迎えた。
2019-20編集
注目されたレナードの去就は、ロサンゼルス・クリッパーズへの移籍で決着した。さらにグリーンもロサンゼルス・レイカーズに移った一方、彼らに代わるスターター級の選手の新加入は無かった。開幕前にはヒューストン・ロケッツとともに来日し、2試合のプレシーズンゲームを行った。
シーズンが始まると、またも序盤から負傷者が続出した。昨季からいる主力7選手のうち、OG・アヌノビーを除く全員がそれぞれ10試合以上を欠場。この年も全員が揃う期間は短かった。
負け越してもおかしくないチーム状況と思われたが、実際には昨季からほとんど勝ち星を減らすことなく戦った。新エースとなったシアカムはオールスター初選出をスターター枠で勝ち取り、テレンス・デイビスをはじめとした新戦力も台頭し、昨季に続きイースタン2位でレギュラーシーズンを終えた。シーズン中断により試合数が減少したが、残した勝率はチーム史上初の60勝に相当する。さらにこの年には、15連勝、46点差勝利、30点差逆転勝利のチーム記録を作った。そして、2年目のニック・ナースHCは最優秀コーチ賞を獲得した。
7年連続の進出となるプレーオフでは、1回戦でブルックリン・ネッツを相手にチーム史上初めて4戦全勝を決めた。第4戦ではこれまたプレーオフにおけるチーム記録の150得点に加え、NBA記録となるベンチからの100得点をマークした。しかし2回戦で、プレーオフでは初対戦となるボストン・セルティックスと第7戦までもつれる激闘の末に敗れ、連覇とはならなかった。
シーズンごとの成績編集
Note: 勝 = 勝利数, 敗 = 敗戦数, % = 勝率
シーズン | 勝 | 敗 | % | プレーオフ | 結果 |
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トロント・ラプターズ | |||||
1995-96 | 21 | 61 | .256 | ||
1996-97 | 30 | 52 | .366 | ||
1997-98 | 16 | 66 | .195 | ||
1998-99 | 23 | 27 | .460 | ||
1999-2000 | 45 | 37 | .549 | 1回戦敗退 | ニックス 3, ラプターズ 0 |
2000-01 | 47 | 35 | .573 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ラプターズ 3, ニックス 2 シクサーズ 4, ラプターズ 3 |
2001-02 | 42 | 40 | .512 | 1回戦敗退 | ピストンズ 3, ラプターズ 2 |
2002-03 | 24 | 58 | .293 | ||
2003-04 | 33 | 49 | .402 | ||
2004-05 | 33 | 49 | .402 | ||
2005-06 | 27 | 55 | .313 | ||
2006-07 | 47 | 35 | .573 | 1回戦敗退 | ネッツ 4, ラプターズ 2 |
2007-08 | 41 | 41 | .500 | 1回戦敗退 | マジック 4, ラプターズ 1 |
2008-09 | 33 | 49 | .402 | ||
2009-10 | 40 | 42 | .488 | ||
2010-11 | 22 | 60 | .268 | ||
2011-12 | 23 | 43 | .348 | ||
2012-13 | 34 | 48 | .415 | ||
2013-14 | 48 | 34 | .585 | 1回戦敗退 | ネッツ 4, ラプターズ 3 |
2014-15 | 49 | 33 | .598 | 1回戦敗退 | ウィザーズ 4, ラプターズ 0 |
2015–16 | 56 | 26 | .683 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝敗退 |
ラプターズ 4, ペイサーズ 3 ラプターズ 4, ヒート 3 キャバリアーズ 4, ラプターズ 2 |
2016–17 | 51 | 31 | .622 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ラプターズ 4, バックス 2 キャバリアーズ 4, ラプターズ 0 |
2017–18 | 59 | 23 | .720 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ラプターズ 4, ウィザーズ 2 キャバリアーズ 4, ラプターズ 0 |
2018–19 | 58 | 24 | .707 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝勝利 NBAファイナル優勝 |
ラプターズ 4, マジック 1 ラプターズ 4, シクサーズ 3 ラプターズ 4, バックス 2 ラプターズ 4, ウォリアーズ 2 |
2019–20 | 53 | 19 | .736 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ラプターズ 4, ネッツ 0 セルティックス 4, ラプターズ 3 |
通算勝敗 | 955 | 1037 | .479 | ||
プレイオフ | 55 | 62 | .470 |
主な選手編集
現役選手編集
トロント・ラプターズ ロースター
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プレーヤー | スタッフ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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更新日:2021年01月5日 |
年代別主要選手編集
太文字…殿堂入り選手 (C)…優勝時に在籍した選手 (M)…在籍時にMVPを獲得した選手 (50)…偉大な50人
コーチ、その他編集
歴代ヘッドコーチ編集
- ブレンダン・マローン (Brendan Malone) (1995-96)
- ダレル・ウォーカー (Darrel Walker) (1996-97/1997-98)
- ブッチ・カーター (Butch Carter) (1997-98/1999-00)
- レニー・ウィルケンズ (Lenny Wilkens) (2000-01/2002-03)
- ケビン・オニール (Kevin O'Neill) (2003-04)
- サム・ミッチェル (Sam Mitchell) (2004-05/2008-2009)
- ジェイ・トリアーノ (Jay Triano) (2008-2009/2009-2010/2010-2011)
- ドウェイン・ケイシー (Dwane Casey) (2011-2012/2012-2013/2013-2014/2014-2015/2015-2016/2016-2017/2017-2018)
- ニック・ナース (Nick Nurse)(2018-現在)
栄誉編集
殿堂入り編集監督のレニー・ウィルケンズはラプターズに加入する前に殿堂入りを果たしていた。ラプターズの選手で殿堂入りした者はまだない。 |
永久欠番編集:なし |
雑学編集
- 2006年1月22日、コービー・ブライアント1人に81得点を入れられた。
チーム記録編集
脚注編集
- ^ トレードで加入するはずのケニー・アンダーソンが移籍を拒否したことで、最終的にボストン・セルティックスのチャンシー・ビラップスなどを含めた3チーム間の大型トレードが2月18日に行われた。
- ^ “DeRozan scores franchise-high 52, Raptors beat Bucks 131-127”. ESPN.com (2018年1月1日). 2018年1月1日閲覧。
- ^ “Game Preview: Raptors vs. Rockets”. nba.com (2018年3月9日). 2018年3月10日閲覧。 “This is the earliest date Toronto has ever qualified for the postseason and the fewest number of games played (64) to qualify”
- ^ “Down at half, Lowry's 24, bench help Raps top Wiz 102-92” (英語). ESPN.com (2018年4月27日). 2018年4月28日閲覧。
- ^ プレーオフのシリーズ最終戦で決勝点となるブザービーターを決めたのは、過去にはマイケル・ジョーダンのみ(1989年、シカゴ・ブルズ)。当時プレーオフ1回戦は5試合制だったため、第7戦という条件も加えればNBA史上初となる。
- ^ このシーズン、ロードのウォリアーズ戦はレギュラーシーズンも含め4戦全勝した。