トーシンブリザード
トーシンブリザード | |
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品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1998年5月15日(21歳) |
死没 | - |
抹消日 | 2005年11月24日 |
父 | デュラブ |
母 | ユーワトップレディ |
生国 |
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生産 | 村中一英 |
馬主 | 稲垣博信・和泉栄一 |
調教師 | 佐藤賢二(船橋) |
競走成績 | |
生涯成績 | 30戦9勝(うち中央競馬3戦0勝) |
獲得賞金 | 4億1521万円 |
戦歴編集
2000年9月11日船橋競馬場でデビュー。快勝するが、当時は同じ世代にラムタラの産駒でデビューから2戦圧勝のロイヤルエンデバー(川崎競馬)がいたため決して目立つ存在ではなかった。しかし、2戦目の山茶花特別でロイヤルエンデバーと対戦しこれに勝利する。
3戦目に統一GIIの全日本3歳優駿へ出走したが7番人気という低評価であった。しかし、このレースでもロイヤルエンデバー、マイネルジャパン(函館3歳ステークス優勝馬)、ムガムチュウ(後のダービーグランプリ優勝馬)を下し優勝した。
年が明けて3歳(この年から馬齢の表記が変更)となり、1番人気で南関東三冠の前哨戦京浜盃に出走。大井競馬場では圧倒的不利とも思われる位置取りから、直線で次元の違う末脚を見せロイヤルエンデバーをハナ差かわす。
その評判通り、危なげなく羽田盃、東京王冠賞、東京ダービーの南関東三冠レースを制覇。史上初の「無敗の南関東三冠馬」となる。この後、統一GIジャパンダートダービーをも単勝1.0倍の人気を集め勝利し、四冠馬となった。なお、東京王冠賞は2001年を持って廃止となったため、この路線の四冠馬はトーシンブリザードが最初で最後である。
- なお、ジャパンダートダービー制覇の際「東京の、真夏の夜に、ブリザード圧勝!!」と実況された(実況担当は及川暁である)。
あまりの強さに「アグネスタキオンやジャングルポケットとどちらが強いのか」「ハイセイコーの再来」とまで言われ南関競馬ファンの期待を一身に背負ったトーシンブリザードであるが、ジャパンダートダービー数日後に骨折が判明する。骨折がなければ秋に中央競馬のセントライト記念に挑戦する予定だったが、休養に入ることとなった。
骨折休養後、馬主が和泉栄一に変更され半年のブランクを得て出走したレースは南関東最高峰のレース、統一GIの東京大賞典であった。長期休養明けのみならず、ノボトゥルーやウイングアローなどの中央勢、更にはトーホウエンペラーなどの強力な地方勢など相手が揃い、トーシンブリザードには厳しいレースであったが、この馬に期待を寄せているファンもおり、人気はウイングアローに次ぐ2番人気であった。その人気に応え、トーシンブリザードはトーホウエンペラーとリージェントブラフに続いて3着で入線した。初の敗戦ではあったが、他の実力馬と遜色ない力を見せた。
年が明け、4歳となったトーシンブリザードは中央の統一GIフェブラリーステークスに出走する。初めての中央参戦、更にはアグネスデジタル・ノボトゥルー・トゥザヴィクトリーなどの強豪人気馬揃いという事もあり、4番人気であった。だが、ここでもトーシンブリザードはアグネスデジタルの2着に入った。
この後、久々の地元船橋のレースとなる統一GIIダイオライト記念に出走したが、5着に敗れる。次走の1600m統一GIIかしわ記念で勝利、続く大井最高峰レースである統一GI帝王賞に出走する。1番人気に推されたが、このレースでは8着と惨敗してしまう。その後骨折が判明、1年半の休養を経て復帰するも、蹄も悪くしており、すでにその能力は失われていた。勝てないレースが続くが、引退することなく7歳まで走り続ける。勝利を挙げることはできなかったが、かしわ記念や浦和記念で好走した。
2005年のJBCスプリントを最後に引退。引退レースに騎乗したのはデビュー当初に厩務員として調教を担当していた石崎駿であった。そして、11月23日に船橋競馬場で引退式を行った。その後種牡馬として新冠町の白馬スタリオンステーションにて繋養されていたが、2008年12月に種牡馬を引退、北海道新ひだか町の荒木育成牧場で功労馬として余生を送っている。初年度産駒で2頭が血統登録されている[1]。2年目の産駒1頭も含め3頭すべてが和泉栄一の所有で佐藤賢二厩舎に所属、初年度産駒の1頭バトルファイターがJRAとの条件交流戦を勝つなどそこそこの活躍を見せている。
競走成績編集
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭数 | (人気) | 着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) |
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2000. | 9.21船橋 | 新馬 | 10 | (2人) | 1着 | 秋田実 | 53 | ダ1000m(良) | 1:00.8(37.7) | -0.5 | (ゴールドワン) | |
11.10 | 川崎 | 山茶花特別 | 8 | (2人) | 1着 | 石崎隆之 | 54 | ダ1500m(良) | 1:12.1(38.9) | -0.2 | (ロイヤルエンデバー) | |
12.13 | 川崎 | 全日本3歳優駿 | GII | 13 | (7人) | 1着 | 石崎隆之 | 54 | ダ1600m(良) | 1:42.6(38.7) | 0.0 | (ロイヤルエンデバー) |
2001. | 2.15大井 | 京浜盃 | 南関G2 | 14 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 55 | ダ1700m(良) | 1:47.4(36.5) | -0.5 | (ロイヤルエンデバー) |
4.16 | 大井 | 羽田盃 | 南関G1 | 14 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 56 | ダ1600m(良) | 1:38.5(37.1) | -0.4 | (フレアリングマズル) |
5.10 | 大井 | 東京王冠賞 | 南関G1 | 11 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 56 | ダ1800m(重) | 1:52.5(37.1) | -0.4 | (フレアリングマズル) |
6. 7 | 大井 | 東京ダービー | 南関G1 | 16 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 56 | ダ2000m(不) | 2:07.5(39.6) | -0.9 | (ゴッドラヴァー) |
7.12 | 大井 | ジャパンダートダービー | GI | 11 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 56 | ダ2000m(良) | 2:05.8(37.8) | -0.3 | (メイショウアーム) |
12.29 | 大井 | 東京大賞典 | GI | 16 | (2人) | 3着 | 石崎隆之 | 55 | ダ2000m(良) | 2:05.7(39.0) | 0.5 | トーホウエンペラー |
2002. | 2.17東京 | フェブラリーS | GI | 16 | (4人) | 2着 | 石崎隆之 | 57 | ダ1600m(良) | 1:35.3(35.6) | 0.2 | アグネスデジタル |
3.27 | 船橋 | ダイオライト記念 | GII | 13 | (1人) | 5着 | 石崎隆之 | 56 | ダ2400m(不) | 2:32.3(38.0) | 1.6 | インテリパワー |
5. 8 | 船橋 | かしわ記念 | GII | 12 | (1人) | 1着 | 石崎隆之 | 58 | ダ1600m(不) | 1:36.5(37.0) | -0.1 | (インテリパワー) |
6.19 | 大井 | 帝王賞 | GI | 15 | (1人) | 8着 | 石崎隆之 | 57 | ダ2000m(稍) | 2:05.2(38.9) | 1.5 | カネツフルーヴ |
2003.12.10 | 船橋 | 京成盃グランドマイラーズ | 南関G3 | 10 | (3人) | 3着 | 内田博幸 | 57 | ダ1600m(良) | 1:41.1(40.8) | 1.5 | エスプリシーズ |
12.29 | 大井 | 東京大賞典 | GI | 16 | (6人) | 12着 | 石崎隆之 | 57 | ダ2000m(良) | 2:07.6(40.9) | 3.9 | スターキングマン |
2004. | 1.31東京 | 根岸S | GIII | 15 | (5人) | 14着 | 石崎隆之 | 59 | ダ1400m(良) | 1:26.9(39.9) | 2.9 | シャドウスケイプ |
2.22 | 東京 | フェブラリーS | GI | 16 | (13人) | 12着 | 石崎隆之 | 57 | ダ1600m(良) | 1:37.8(36.3) | 1.0 | アドマイヤドン |
3.17 | 大井 | 東京シティ盃 | 南関G3 | 16 | (2人) | 3着 | 石崎隆之 | 58 | ダ1400m(良) | 1:25.3(36.9) | 0.7 | ブラウンシャトレー |
4. 8 | 大井 | マイルグランプリ | 南関G1 | 16 | (2人) | 2着 | 山田信大 | 57 | ダ1600m(良) | 1:39.9(38.8) | 0.2 | ブラウンシャトレー |
5. 5 | 高崎 | 群馬記念 | GIII | 12 | (5人) | 6着 | 山田信大 | 59 | ダ1500m(不) | 1.5 | ストロングブラッド | |
5.26 | 船橋 | かしわ記念 | GII | 10 | (6人) | 2着 | 的場文男 | 56 | ダ1600m(良) | 1:40.0(38.3) | 0.3 | ナイキアディライト |
9.23 | 船橋 | 日本テレビ盃 | GII | 10 | (5人) | 4着 | 佐藤隆 | 58 | ダ1800m(不) | 1:50.8(36.7) | 1.1 | ナイキアディライト |
11. 3 | 大井 | JBCクラシック | GI | 13 | (8人) | 8着 | 佐藤隆 | 57 | ダ2000m(稍) | 2:05.0(39.5) | 2.6 | アドマイヤドン |
12. 1 | 浦和 | 浦和記念 | GII | 11 | (3人) | 3着 | 内田博幸 | 58 | ダ2000m(良) | 2:07.8(38.3) | 0.7 | モエレトレジャー |
12.29 | 大井 | 東京大賞典 | GI | 14 | (8人) | 5着 | 今野忠成 | 57 | ダ2000m(重) | 2:03.6(37.3) | 1.0 | アジュディミツオー |
2005. | 1.26川崎 | 川崎記念 | GI | 12 | (5人) | 8着 | 今野忠成 | 57 | ダ2100m(重) | 2:17.2(42.1) | 3.0 | タイムパラドックス |
5.18 | 浦和 | さきたま杯 | GIII | 11 | (8人) | 3着 | 石崎隆之 | 59 | ダ1400m(良) | 1:25.9(37.3) | 0.4 | ニホンピロサート |
6.29 | 大井 | 帝王賞 | GI | 13 | (7人) | 8着 | 石崎駿 | 57 | ダ2000m(重) | 2:05.9(40.5) | 2.4 | タイムパラドックス |
9.23 | 船橋 | 日本テレビ盃 | GII | 12 | (6人) | 7着 | 石崎駿 | 58 | ダ1800m(良) | 1:56.2(40.9) | 4.4 | サカラート |
11. 3 | 名古屋 | JBCスプリント | GI | 12 | (7人) | 7着 | 石崎駿 | 57 | ダ1400m(良) | 1:27.0(38.1) | 1.7 | ブルーコンコルド |
血統表編集
トーシンブリザードの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ノーザンダンサー系 |
[§ 2] | ||
父 *デュラブ Doulab 1982 栗毛 |
父の父 Topsider1974 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic | |
Natalma | ||||
Drumtop | Round Table | |||
Zonah | ||||
父の母 Passerine1977 栗毛 |
Dr.Fager | Rough'n Tumble | ||
Aspidistra | ||||
Pashamin | My Babu | |||
Tir an Oir | ||||
母 ユーワトップレディ 1992 鹿毛 |
*ブレイヴェストローマン Bravest Roman 1972 鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah | |
Lalun | ||||
Roman Song | Roman | |||
Quiz Song | ||||
母の母 ヒミノトップレディ1984 黒鹿毛 |
*テスコボーイ | Princely Gift | ||
Suncourt | ||||
ラッシーノニ | *ダラノーア | |||
マリシテン | ||||
母系(F-No.) | 6号族(FN:6-a) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Nasrullah5×4×5=12.50%、Nearco5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
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- 母の半兄にステイヤーズステークス2着のシュアリーウィン、母の半弟にアンタレスステークス2着のジェーニオがいる。
脚注編集
- ^ トーシンブリザードが種牡馬引退 - netkeiba.com