ドライヴ
『ドライヴ』 (Drive) は、ジェイムズ・サリスの2005年の小説、及びそれを原作とした2011年公開のアメリカ映画。日本にニコラス・ウィンディング・レフンの名を知らしめた映画であり、この映画のヒットをきっかけにレフンの過去作が相次いで劇場公開・ソフト化された。
ドライヴ | |
---|---|
Drive | |
監督 | ニコラス・ウィンディング・レフン |
脚本 | ホセイン・アミニ |
原作 |
ジェイムズ・サリス 『Drive』 |
製作 |
マーク・プラット アダム・シーゲル ジジ・プリッツカー ミシェル・リトヴァク ジョン・パレルモ |
製作総指揮 |
デヴィッド・ランカスター ゲイリー・マイケル・ウォルターズ ビル・リシャック リンダ・マクドナフ ジェフリー・ストット ピーター・シュレッセル |
出演者 |
ライアン・ゴズリング キャリー・マリガン ブライアン・クランストン クリスティーナ・ヘンドリックス ロン・パールマン オスカー・アイザック アルバート・ブルックス |
音楽 | クリフ・マルティネス |
撮影 | ニュートン・トーマス・サイジェル |
編集 | マット・ニューマン |
製作会社 |
ボールド・フィルムズ オッド・ロット・エンターテインメント マーク・プラット・プロダクションズ モーテル・ムービーズ |
配給 |
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公開 |
![]() (第64回カンヌ国際映画祭) ![]() ![]() |
上映時間 | 100分[1] |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000[2] |
興行収入 |
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ストーリー編集
アメリカ西海岸のとある町。主人公(ライアン・ゴズリング)は足の不自由なシャノン(ブライアン・クランストン)が営む整備工場で、昼はメカニックや映画のスタントドライバー、夜は卓越したドライビングテクニックで強盗の逃走を手助けする逃がし屋と2つの顔を持ちながら孤独に暮らしていた。ある日ひょんなことからアパートの同じ階に住む人妻、アイリーン(キャリー・マリガン)と知り合い、やがて恋に落ちるが、間もなくして服役していたアイリーンの夫、スタンダード(オスカー・アイザック)が釈放される。留守の間アイリーンと息子ベニッシオ(カーデン・レオシュ)の世話をしてくれた主人公に感謝し、更生を誓うスタンダードだったが、服役中に刑務所で起こした金銭トラブルから街のチンピラ、クック(ジェームス・ビベリー)に脅され、街の小さな質屋を襲う計画に加担させられる事になる。アイリーンとベニッシオの為に逃走役を買って出た主人公は逃走用の車を調達するが、襲撃の最中にスタンダードが店主に反撃され命を落としてしまう。クックが紹介してきたもう1人の襲撃メンバー、ブランチ(クリスティーナ・ヘンドリックス)とやむを得ず逃走する主人公だったが、1台のセダンが執拗に2人を追う。カーチェイスの末にセダンを撒きモーテルへ隠れるが、追跡者の存在やテレビで報道される襲撃事件の内容に違和感を感じ、ブランチを問い詰めると襲撃計画の裏にはさらに別の計画が絡んでいたことが判明する。襲撃を仕組んだクックの元へ案内するようブランチを脅すが、突如現れた追っ手にブランチが射殺されてしまい、主人公も命を狙われ反撃。間一髪で生き延びクックの経営するストリップクラブへ乗り込むが、クックをいたぶり聞き出した陰謀は質屋を襲撃する以上の大きなものであった。たとえ自分がどうなったとしても、アイリーンとベニッシオの平穏な生活を望む主人公は全てを終わらせる為に裏社会の闇に自ら足を踏み入れていく
キャスト編集
- ドライバー
- 演 - ライアン・ゴズリング
- 逃がし屋。昼間は自動車修理工やカースタントマンとして働いている。寡黙な男。
- アイリーン
- 演 - キャリー・マリガン
- ドライバーと同じアパートに住む女性。ドライバーと惹かれあっていく。
- シャノン
- 演 - ブライアン・クランストン
- ドライバーが働く自動車修理工場の店主。過去の怪我が原因で足が不自由。
- バーニー・ローズ
- 演 - アルバート・ブルックス
- 裏社会の権力者。シャノンとは旧知の仲。
- スタンダード・ガブリエル
- 演 - オスカー・アイザック
- アイリーンの夫。服役中だったが出所する。
- ブランチ
- 演 - クリスティーナ・ヘンドリックス
- 強盗に雇われた女性。
- ニーノ
- 演 - ロン・パールマン
- 裏社会の権力者。バーニーの相棒。粗暴な性格。
- ベニッシオ
- 演 - カーデン・レオシュ
- アイリーンとスタンダードの息子。
- タンスーツの殺し屋
- 演 - ジェフ・ウルフ
- ニーノに雇われた殺し屋。
- クック
- 演 - ジェームズ・ビベリー
- チンピラ。強盗するようスタンダードを脅す。
- 闇医者
- 演 - ラス・タンブリン
- ストリッパー
- 演 - アンディ・サン・ディマス
日本語吹替編集
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | 機内上映版 | ||
ドライバー | ライアン・ゴズリング | 内田夕夜 | 尾崎英二郎 |
アイリーン | キャリー・マリガン | 下山田綾華 | |
シャノン | ブライアン・クランストン | 西村太佑 | |
バーニー・ローズ | アルバート・ブルックス | 佐藤祐四 | |
スタンダード・ガブリエル | オスカー・アイザック | 前田一世 | |
ブランチ | クリスティーナ・ヘンドリックス | 竹村知美 | |
ニーノ | ロン・パールマン | 廣田行生 | |
ベニッシオ | カーデン・レオシュ | 菊池こころ |
製作編集
2008年、ニール・マーシャルがヒュー・ジャックマンを主演にロサンゼルスを舞台にしたのアクションミステリー映画を監督する予定と報じられた。2010年にマーシャルとジャックマンはプロジェクトから離脱することが発表された。 プロデューサーのマーク・プラットは、ライアン・ゴズリングをオファーした。しかし、ゴスリングは、キャラクターよりもアクションに重点を置いた現在の多くのアクション映画にがっかりしたと語ったが、無名のドライバーの主導的な役割に強く惹かれて、約2日後にプラットに返答した。ゴスリングは自身が監督を選ぶことを条件にオファーを承諾し、デンマークの映画監督ニコラス・ウィンディング・レフンに連絡を取った。
評価編集
批評家の反応編集
本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには255件のレビューがあり、批評家支持率は92%、平均点は10点満点で8.3点となっており、サイト側による批評家の見解の要約は「『ドライヴ』は、暴力、音楽、印象的な形象が非常に様式化されてブレンドされており、芸術的アクションが完全に実現されたビジョンを表している。 」となっている。また、Metacriticには43件のレビューがあり、加重平均値は78/100となっている。
受賞編集
賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
アカデミー賞 | 音響編集賞 | ロン・ベンダー、ヴィクター・レイ・エニス | ノミネート |
カンヌ国際映画祭 | 監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | 受賞 |
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 作品トップ10 | 入賞 | |
ニューヨーク映画批評家協会賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 |
ゴールデングローブ賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ノミネート |
全米映画批評家協会賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 |
ボストン映画批評家協会賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 |
音楽賞 | |||
ロンドン映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
英国女優賞 | キャリー・マリガン | ||
技術貢献賞 | クリフ・マルティネス(作曲) | ||
インディペンデント・スピリット賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
シカゴ映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 | |
脚色賞 | ホセイン・アミニ | ノミネート | |
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ||
作曲賞 | クリフ・マルティネス | ||
放送映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ||
編集賞 | マット・ニューマン | ||
アクション映画賞 | 受賞 | ||
作曲賞 | クリフ・マルティネス | ノミネート | |
サテライト賞 | 映画作品賞 | ノミネート | |
映画主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | 受賞 | |
映画助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
作曲賞 | クリフ・マルティネス | ノミネート | |
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ||
編集賞 | |||
音響賞 | 受賞 | ||
サンディエゴ映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | 受賞 | |
脚色賞 | ホセイン・アミニ | ノミネート | |
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ||
編集賞 | マット・ニューマン | ||
オンライン映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
脚色賞 | ホセイン・アミニ | ||
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ||
編集賞 | マシュー・ニューマン | ||
フェニックス映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
スタント賞 | 受賞 | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
ニューヨーク映画批評家オンライン賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 |
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 | |
音楽賞 | クリフ・マルティネス | ノミネート | |
サンフランシスコ映画批評家協会賞 | 助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 |
セントルイス映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | ||
脚色賞 | ホセイン・アミニ | ||
主演男優賞 | ライアン・ゴズリング | 次点 | |
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 | |
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ノミネート | |
音楽賞 | |||
場面賞 | エレベーターが叩かれる場面 | ||
オープニングの逃亡場面 | |||
オースティン映画批評家協会賞 | トップ10 | 第2位 | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | 受賞 | |
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
脚色賞 | ホセイン・アミニ | ||
オクラホマ映画批評家協会賞 | トップ10作品 | 第2位 | |
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | 受賞 | |
ヒューストン映画批評家協会賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | ニコラス・ウィンディング・レフン | 受賞 | |
助演男優賞 | アルバート・ブルックス | ||
撮影賞 | ニュートン・トーマス・サイジェル | ノミネート | |
東京スポーツ映画大賞 | 外国作品賞 | 受賞 |
出典編集
- ^ “Drive (18)”. 全英映像等級審査機構. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月17日閲覧。
- ^ a b c “Drive (2011)” (英語). Box Office Mojo. 2017年6月1日閲覧。
関連項目編集
- 『ホットライン・マイアミ』 - Dennaton Games制作、Devolver Digital発売のコンピュータゲーム。本作に強い影響を受けており、ゲームのクレジット中にもスペシャルサンクスとして監督の名前が出ている。