メインメニューを開く

解説編集

本作は1965年12月3日に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムラバー・ソウル』のA面1曲目に収録された[注釈 1]レノン=マッカートニーの作だが、実質的にはポール・マッカートニーの作品で、ジョン・レノンも歌詞の部分で手助けしている[2]リード・ヴォーカルはポール。全編でジョンがハーモニーをつけ、一部ユニゾンである。クラクションを真似た"Beep beep'm beep beep yeah"というコーラスはポールのアイデア。弱起からはじまるイントロでも有名。1965年当時、アメリカで唯一ビートルズ人気に対抗できたと言われるモータウン・サウンドの影響を色濃く反映した曲で、特にベースパーカッションは、あからさまにモータウンのリズム・セクションを再現している。

歌詞編集

曲中の男性は、女性に自分は有名なムービー・スターになるはずで、男性を自身の運転手にしてもいいと伝えられる。そこで彼が断ると、彼女はがんばって働くよりももっと素晴らしい時間にしてみせると言ってきた。彼が申し出を受け入れると、実は彼女は車を持っておらず、運転手が見つかったしこれからがスタートと言うのであった[3]

制作編集

ポールがジョンのウェイブリッジにある家に曲制作のために滞在していたとき、彼はこの曲が思い浮かんだが、「歌詞は悲惨だというのは僕には分かっていた。」[4]。コーラスは"You can buy me diamond rings"という使い古された言葉であり、"diamond rings"はこれまでに2回、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」と「アイ・フィール・ファイン[5]で使われていた。ジョンは歌詞を「馬鹿馬鹿しく、甘すぎる」[6]と否定した。2人は歌詞を書き直すことにし、困難の末[注釈 2][7]、「ドライヴ・マイ・カー」という題が決まり、その題から全体の歌詞が簡単に湧き上がった[6]

この曲はアルバム中2番目に書かれた「コメディ・ナンバー」[注釈 3]であると、ポールは録音した2日後にメロディー・メーカーで発言している。

録音編集

「ドライヴ・マイ・カー」はアビー・ロード・スタジオにおいて1965年10月13日の深夜に行われた最初のレコーディング・セッションで録音された[8]。ポールはジョージ・ハリスンと一緒になって基本のリズムトラックを録り、ベースと低音のギターで似たリフを重ねた。それはジョージの提案に従って行った[9]。彼はそのころオーティス・レディングの"Respect"を聴いており、その影響で「ドライヴ・マイ・カー」は今までのビートルズの曲よりリズム・トラックが強力で、レディングがメンフィスのスタジオで生み出したベースのヘビーな音を真似ている[5][注釈 4]

ジョージがヴァースの土台となるギター・リフを作り出したのにもかかわらず、ポールがギター・ソロを弾いている[10]。ジョージはリードギターをジョージとポールの2人で一緒に弾いたと語っている[9]

ポールのメイン・ボーカルのパートについて、ジャーナリストのリッチー・アンターバーガー英語版は、「ハードロックのボーカル」と評している[11]

演奏編集

クレジットはイアン・マクドナルドによる。[13]

カヴァーなど編集

この曲は、『Cape Cod Covers, Vol. 2 "The Beatles"』でケイト・テイラーが歌っている。このアルバムはAngel Flight, NE(ボランティア団体)への利益のために作られた。

この曲は、第39回スーパーボウルハーフタイムショー中にマッカートニーがライヴ演奏した4曲中の1曲であり、ロンドンで行われたLIVE 8で演奏された5曲中の1曲である。ジョージ・マイケルがバック・ヴォーカルを務めた。マッカートニーの1993-1994年のワールドツアーでは、オープニング・ナンバーとして演奏されている。

2006年12月に発表されたアルバム『ラヴ』の中で、「愛のことば」「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」とのメドレー形式で収録されている。

バンドBreakfast Clubによるカヴァー音源が、1988年に公開された映画『運転免許証英語版』のオープニングテーマに起用された[14]

ボビー・マクファーリンのカヴァーが、アルバム『Simple Pleasures』に収録されている。

ザ・ホットラッツのカヴァーが、イギリスでヒューゴ・ボスのCM曲に起用されている。

ソウライヴのアルバム『Rubber Soulive』に収録されたカバーがTBSラジオたまむすび』の交通情報コーナーのBGMとして2017年3月まで使用された。

収録盤編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ アメリカでは独自の編集盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に収録された。
  2. ^ ポールは「最もやっかいな」ライティング・セッションの1つだったと回想した。
  3. ^ 1つめは「ノルウェーの森
  4. ^ 姉妹曲だと見なされている「デイ・トリッパー」は、1967年にレディング自身がテンポを上げて録音し、スタックス・レコードからシングル・カットされている。

出典編集

  1. ^ Hamelman, Steven L. (2004). But is it Garbage?: On Rock and Trash. University of Georgia Press. p. 11. ISBN 9780820325873. https://books.google.com/books?id=9jkEJn45tCsC. 
  2. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt & Company. p. 361. ISBN 0-8050-5249-6. 
  3. ^ Alan Aldridge, Ed. (1990). The Beatles Illustrated Lyrics. Boston: Houghton Mifflin / Seymour Lawrence. pp. 24. ISBN 0-395-59426-X. 
  4. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. pp. 269. 
  5. ^ a b Ian MacDonald (1994). Revolution in the Head: the Beatles' Records and the Sixties. New York: Henry Holt and Company. pp. 132-133. ISBN 0-8050-2780-7. 
  6. ^ a b Bob Spitz (2005). The Beatles: The Biography. Boston: Little, Brown. pp. 586. ISBN 0-316-80352-9. 
  7. ^ The Beatles (2000). The Beatles Anthology. San Francisco: Chronicle Books. pp. 194. ISBN 0-8118-2684-8. 
  8. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 63. ISBN 0-517-57066-1. 
  9. ^ a b "Crawdaddy" 1977.2
  10. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 166. ISBN 1-84413-828-3. 
  11. ^ Unterberger, Richie (2009年). “Drive My Car”. AllMusic. 2019年2月24日閲覧。
  12. ^ Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. p. 315. ISBN 0-19-514105-9. 
  13. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised Edition ed.). London: Pimlico (Rand). pp. 166. ISBN 1-844-13828-3. 
  14. ^ Breakfast Club - Drive My Car|Releases”. Discogs. Zink Media, Inc.. 2019年2月24日閲覧。