レーン最後の事件』(レーンさいごのじけん、Drury Lane's Last Case )は、1933年に発表されたアメリカ合衆国推理作家エラリー・クイーンの長編推理小説

レーン最後の事件
著者 エラリー・クイーン
(バーナビー・ロス名義)
発行日 1933年
ジャンル 推理小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
形態 著作物
前作 Zの悲劇
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

ドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作の第4部。本作を含む4作品は「バーナビー・ロス」名義で発表された。

あらすじ 編集

サム警視と娘のペイシェンスは、博物館から失踪した警備員の行方を調査していた。その博物館から1冊の貴重な本が盗まれていたことが発覚するが、後日、表紙が切られた状態で返送されてくる。

ドルリー・レーンの推理により、表紙にはシェイクスピア直筆の手紙が隠されていたこと、本の窃盗犯の正体、警備員が監禁されている場所が次々と明らかになる。しかし、シェイクスピアの手紙が隠されていると思われる家で爆発が起き、その家の地下室から銃殺死体が発見される。

実はその銃殺死体は、シェイクスピアの手紙が処分されることを間一髪で防ぐためにレーンが取った行動の結果であった。ペイシェンスに自身の行為が見破られたことを悟ったレーンは、事の経緯をサム警視宛の手紙に書き残した上で自ら命を絶つ。

提示される謎 編集

  • 犯人の不可解な行動(四部作を通して、読者に明示された伏線)

作品の評価 編集

  • エラリー・クイーン・ファンクラブ会員40名の採点による「クイーン長編ランキング」では、本作品は15位となっている[1]

日本語訳書 編集

出版年月日 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1936年 紙魚殺人事件 日本公論社 英・米探偵小説新傑作選集 第2 伴大矩 312 [日本語訳 1]
1936年 猟奇探偵 紙魚殺人事件 荻原星文館 伴大矩 [日本語訳 1]
1957年1月15日 ドルリィ・レーン最後の事件 早川書房 世界探偵小説全集 No.304
(現ハヤカワ・ポケット・ミステリ
砧一郎 編集部M 351
1957年 レーン最後の事件 東京創元社 世界推理小説全集 第39巻 鮎川信夫 317
1959年11月8日 レーン最後の事件 東京創元社 創元推理文庫104-4 鮎川信夫 中島河太郎 404 978-4-488-10404-7 辰巳四郎 ほか
1961年 世界名作推理小説大系 別巻 第2
Zの悲劇 レーン最後の事件
東京創元社 世界名作推理小説大系 鮎川信夫 中島河太郎 582
1964年 最後の悲劇 角川書店 角川文庫 田村隆一 400 978-4042507079 石岡瑛子ほか [日本語訳 2]
1996年3月1日 ドルリイ・レーン最後の事件 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫
HM 2-45
宇野利泰 新保博久
くいーんにゃく問答
494 978-4-150-70145-1 カバーデザイン:スタジオ・ギヴ
カバー写真:フォトニカ
2011年9月23日 レーン最後の事件 角川書店 角川文庫 ク19-4 越前敏弥 訳者あとがき 416 978-4-04-250718-5 國枝達也(角川書店装丁室)

注釈(日本語訳) 編集

  1. ^ a b 著者名「バアナビイ・ロツス」表記。
  2. ^ 現在、グーテンベルク21が電子書籍化している。

脚注 編集

  1. ^ 『エラリー・クイーン Perfect Guide』(ぶんか社、2004年)