ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草、学名 : Phyllanthus tenellus)はコミカンソウ科の小低木または草本(※=従来の分類ではトウダイグサ科コミカンソウ亜科とされた)。別名ブラジルコミカンソウともいうが、元来はマスカリン諸島(インド洋)の原産とされ、南アメリカ・台湾などの熱帯亜熱帯を中心に帰化している[2]

ナガエコミカンソウ
ナガエコミカンソウ(開花時)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類I Eurosids I
: キントラノオ目 Malpighiales
: コミカンソウ科 Pyllanthaceae
: コミカンソウ属 Phyllanthus
: ナガエコミカンソウ
P. tenellus
学名
Phyllanthus tenellus Roxb.[1]
シノニム

Phyllanthus corcovadensis Müll. Arg. [1]

和名
ナガエコミカンソウ
ブラジルコミカンソウ

日本在来のコミカンソウに似ているが、全体に大型で、特にが数mmの長い柄の先につく点で容易に区別できる。高さは50cmから1mほどで、直立茎からまばらに横に枝を出す。は長さ1cmほどの尖った広卵形で互生し、ごく短い柄があり線形の托葉がある。葉は枝に2列に並び、羽状複葉のようにも見える。葉は就眠運動するが、コミカンソウと逆に茎の下側に閉じる。雄花は葉の下に、雌花は上に出る。果実は径2mmほどの球形で淡黄色に熟す。

日本では1990年代から関東以西の都市中心部に急速に広がり、道路の植え込みなどに多い。越冬できない地域でも一年草化しているが、小低木となっている所も見られる[3]。当初ブラジルに自生するPhyllanthus corcovadensisと同種としてブラジルコミカンソウという和名がつけられた[4]が、マスカリン諸島原産のPhyllanthus tenellus と同種(またはその変種[5])であることがわかった。

出典 編集

  1. ^ a b Phyllanthus tenellus Roxb.” (英語). Tropicos.org. ミズーリ州セントルイス: ミズーリ植物園. 2023年5月31日閲覧。
  2. ^ 『日本帰化植物写真図鑑』第2巻、全国農村教育協会。
  3. ^ 『植調』43巻6号(2009年)
  4. ^ 森田弘彦、村田源「コミカンソウ属の新帰化植物ブラジルコミカンソウ(新称)]」『植物分類,地理』第50巻第2号、日本植物分類学会、1999年、246-248頁、doi:10.18942/bunruichiri.KJ00001077432 NAID 110003758731
  5. ^ ARS Systematic Botanists (24-Aug-2005). “Taxon: Phyllanthus tenellus Roxb. var. tenellus. Nomen number: 448739” (英語). GRIN Taxonomy for plants; U.S. National Plant Germplasm System. National Plant Germplasm System. 2016年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月31日閲覧。