ニューヨーク海軍民兵

ニューヨーク海軍民兵英語: New York Naval Militia)は、ニューヨーク州が有する海軍民兵英語版である。州軍最高司令官たるニューヨーク州知事の管轄下にある。ニューヨーク防衛隊英語版ニューヨーク陸軍州兵英語版ニューヨーク空軍州兵英語版と共にニューヨーク州陸海軍部英語版(Division of Military and Naval Affairs, DMNA)に属し、ニューヨーク州上級幕僚(Adjutant General)に指揮される。ニューヨーク海軍民兵には2,900名以上が所属し、そのうち95%以上は海軍予備役英語版海兵隊予備役英語版沿岸警備隊予備役英語版のいずれかに所属している[1](2015年7月時点)。

ニューヨーク海軍民兵
New York Naval Militia
創設 1891年 -
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
忠誠 ニューヨーク州の旗 ニューヨーク州
兵科 海軍民兵英語版(Naval militia)
兵力 およそ2,900名
上級部隊 ニューヨーク州陸海軍部英語版(DMNA)
指揮
ニューヨーク州知事 アンドリュー・クオモ
司令官
(Commander)
テン・エイク・パウエル三世海軍少将(Ten Eyck Powell III)

歴史編集

ニューヨーク州における最初の海軍民兵組織は、1889年に設置された新暫定海軍大隊(New Provisional Naval Battalion)である。1891年6月23日、同大隊は正式に州組織に組み込まれ、海軍予備役砲兵第1大隊(First Battalion, Naval Reserve Artillery)と改称された。1892年、ファイアー・アイランド英語版におけるコレラ検疫実施の際、蒸気船乗客らの保護を行う為に海軍民兵が派遣された[2]

戦艦メイン沈没の後に米西戦争が勃発すると、ニューヨーク海軍民兵第1大隊からは5個小隊が前線に派遣された[3]。ニューヨーク海軍民兵らは2隻の補助巡洋艦を用い、サンチャゴ・デ・キューバ海戦にも参加した。また、ニューヨーク港の警備も彼らの任務であった[2]

第一次世界大戦第二次世界大戦朝鮮戦争の際にも海軍民兵は活性化されている[2]

1996年、ロングアイランド沖でトランスワールド航空800便墜落事故が発生した際、海軍民兵は捜索のために派遣された[4]

1997年、ニューヨーク海軍民兵と沿岸警備隊の間で、沿岸警備隊予備役将兵を海軍民兵に所属させる旨に合意する覚書への調印が行われた。1998年には州法化され、海軍民兵のうち予備役将兵ではない者の割合は5%が上限と定められた[2]

2001年、ニューヨーク州は国土安全保障への取組みの一環として州軍緊急舟艇局(Military Emergency Boat Service, MEBS)を設置し、同局向けに新たなアルミ製高速巡視艇が設計された[5]

同年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件後には海軍民兵も復興支援のために派遣された[4]

そのほか、2011年のハリケーン・アイリーン、2012年のハリケーン・サンディ、2014年の冬の嵐英語版などの自然災害が発生した際にも海軍民兵の動員が行われている。

任務編集

ニューヨーク海軍民兵の任務は、民生支援任務に従事するニューヨーク州兵に対し、海軍戦力および装備を提供し、これを増強することである。海軍民兵の任務は以下の3つに分けられている[6]

  • 指示に従い、州兵、その他の連邦政府、州政府、地域自治体等の部局に対して個人または分遣隊を提供する。
  • 州陸海軍部との協同のもと、文民機関の支援・援護に用いる海軍ドクトリン、戦術、装備の開発を行う。
  • 上級幕僚の命令に基づく任務に従事する。

また、2001年に設置された州軍緊急舟艇局は以下の任務にも従事する[5]

  • 港湾警備
  • 法執行機関への支援
  • 監督
  • 避難
  • 海上輸送

組織編集

ニューヨーク海軍民兵は3つの管区から成り、それぞれに地域司令部が設置されている。南方司令部はロングアイランドニューヨーク市ウエストチェスター郡を管轄する。北方司令部はハドソンバレーキャッツキル山地アディロンダック山地を管轄する。西方司令部はジェームズタウンからセントローレンス川にかけての広大な領域を管轄する[7]

教育支援編集

1997年1月1日以降、ニューヨーク州兵または海軍民兵の現役隊員のうち、勤務成績が良好な者は州内のニューヨーク州立大学各校、および州教育委員会ないしニューヨーク州立大学当局が承認した大学における学費の支援を受けることができる[8]

画像編集

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ New York Naval Militia”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。
  2. ^ a b c d New York Naval Militia History”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。
  3. ^ The New York Volunteer Naval Militia”. Spanish–American War Centennial Website. 2013年12月25日閲覧。
  4. ^ a b Tulak, Arthur N.; Kraft, Robert W.; Silbaugh, Don (Winter 2003). “State Defense Forces and Homeland Security” (pdf). Parameters (U.S. Army Strategic Studies Institute). http://strategicstudiesinstitute.army.mil/pubs/parameters/articles/03winter/tulak.pdf 2013年12月25日閲覧。. 
  5. ^ a b New York Naval Militia Military Emergency Boat Service”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。
  6. ^ New York Naval Militia Mission”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。
  7. ^ New York Naval Militia Leadership”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。
  8. ^ New York Naval Militia Education Benefits”. The New York Naval Militia. 2013年12月25日閲覧。

外部リンク編集