ニレ科(学名:Ulmaceae)は広葉樹の一科である。

ニレ科
Zelkova serrata Noma keyaki01.jpg
ケヤキ Zelkova serrata
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: バラ目 Rosales
: ニレ科 Ulmaceae
学名
Ulmaceae
Mirbel

形態編集

いずれも木本で草本は含まれない。は単葉で互生し、基部が左右非対称なのが特徴。托葉があるが早く脱落する。は小型で目立たず、両性または単性(雌雄同株)、子房上位。放射相称で、花被片はふつう4-5枚あり、雄蕊は同数または2倍、雌蕊は2本に分かれる。果実翼果・堅果[1]

生態編集

多くは落葉樹である。

ニレ科は一部の樹木の根は菌類と共生し菌根を形成する。イッポンシメジ属Entoloma)の菌類と作る菌根はハルシメジ型菌根などと呼ばれ、ニレ科及びバラ科の一部に特有の菌根である。マツ科ブナ科によく見られる外生菌根と異なり、ハルシメジ型菌根では菌類と樹木の関係は共生というよりは菌類が樹木に寄生する面が強いとされる。ハルシメジ(春占地)の名の通り、子実体(キノコ)は春に発生する。

人間との関わり編集

象徴編集

ニレ属は良縁の象徴とされる。

木材編集

低い位置から分岐する樹形を持つものが多く、歩留まりが悪いものが多いが、大型種では各種で利用される。

食用編集

ニレ属の若葉などは食用にする地域もあるという

薬用編集

繊維編集

北海道先住民のアイヌはニレ属の繊維を使ったアットゥシという織物があった。

緑化編集

爽やかな明るい緑色の葉をした新緑や秋の鮮やかな紅葉(黄葉)が魅力であり、剪定にもよく耐える強靭さを持つことから街路樹や公園にもよく植えられる。欧米では主にニレ属が多く、日本ではニレ属に加えてケヤキ属も多い。日本ではケヤキ属は神社などでしばしば大木となっている。

分類編集

  • Ampelocera
和名未定の属。中南米に15種ほどが知られる。
  • ハリゲヤキ属 Hemiptelea
中国に分布するハリゲヤキ(Hemiptelea davidii, 中国名;刺楡)一種だけが知られる単型の属である。
  • Holoptelea
和名未定の属。インドシナ半島からインドにかけての南アジア地域とアフリカに1種ずつの計2種が知られる。葉に鋸歯はなく、花は単性花で雌雄同株。種子は翼果(英samara)。アジアに分布するH. integrifoliaはインド各地で伝統医学に用いられるほか、葉の抽出液は日本脳炎を媒介するの一種Culex vishnuiのボウフラに対して殺虫活性を示すという[2]
  • Phyllostylon
和名未定の属。南米に2種もしくは3種が知られる。
  • Planera
和名未定の属。アメリカ合衆国南東部にPlanera aquatica(和名未定)一種だけが知られる単型の属である。
英名elmからエルムと呼ばれることもある。枝はジグザクに伸びる(仮軸分岐)、葉の生え方は互生で基部は左右でずれる。葉の縁には明確な鋸歯を有し、大きな鋸歯の間に小さい鋸歯を挟む二重鋸歯と呼ばれる珍しいタイプである。花は両性花、種子は翼果である。


枝は仮軸分岐。葉は鋸歯を持つがニレ属のような二重鋸歯ではなく、普通の鋸歯である。花は単性で雄花と雌花があり、同じ株にどちらも生じる雌雄同株である。種子は翼を持たないが、落果の時に枝及び何枚の葉と一緒に落ちるという変わった散布方法を取る。この枝を英名fruiting shoot(和名は着果枝、結果枝、着実枝など一定していない)と呼ぶ。
  • エノキ亜科
かつてはエノキ亜科としてエノキ属Celtis)、ムクノキ属Aphananthe)、ウラジロエノキ属Trema)などが含まれていたが、これらはAPG分類体系によってアサ科(学名 Cannabaceae)に所属が変更になっている。エノキ亜科を認めた場合、現存のニレ科の各属はニレ亜科としていた。

脚注編集

  1. ^ ulmaceae in apweb”. 2014年4月6日閲覧。
  2. ^ Someshwar Singha et al.(2012). Mosquito Larvicidal Potentiality of Holoptelea integrifolia Leaf Extract against Japanese Encephalitis Vector, Culex vishnui Group. Journal of Mosquito Research,2(4), pp25-31.

関連項目編集

外部リンク編集