ノゲイトウ(野鶏頭、Celosia argentea)は、熱帯アジアインド一帯に自生するヒユ科セロシア属一年草。草丈は最大1m程度に生育し、日本でも関東地方以西の暖地では野生化し荒地や休耕地一面を覆う光景などがみられる。園芸品種として「セロシア」という名称で鉢花切り花として流通している[2]

ノゲイトウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta[1]
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida[1]
: ナデシコ目 Caryophyllales[1]
: ヒユ科 Amaranthaceae[1]
: ケイトウ属セロシア属
学名
Celosia argentea
[1]
和名
ノゲイトウ[1]
英名
en:Celosia

概要 編集

草丈は1m程度に生育し、先端に細長い花序を持ち、本州では7月11月に開花しロウソクのような形をしている。花の色は・濃い赤紫色・ピンクから次第に銀色へと変化する。花穂のように尖っており、水分が少なくかさかさしている。は細長い楕円形で、互生果皮の中に種子が1個入る胞果。属名の”Celosia”はギリシャ語の「keleos(燃やした)」に由来するように、その花が焼けたように赤く乾燥していることによる。種小名の”argentea”は「銀白色の」の意味。草丈は通常30~80cmで、最大1m前後になる[2][3]

盛んに品種改良され、近年は多くの品種が出回っているが、花穂がピンク色の原種のノゲイトウが日本でも関東地方以西の暖地で野生化しているケースも多く見られる[2][3]ケイトウ属植物は、アジアアメリカアフリカ熱帯から亜熱帯に30~60種程度が分布するが、園芸植物として観賞用に用いられてきたのは、本種とケイトウ(C. cristata)の2種だけで、ともに高温と乾燥に強く、荒れ地でもよく育つ丈夫な性質を持つ[4]

栽培 編集

日本の本州では通常4月6月に種まき・植え付けをし、6月中旬から11月中旬まで開花が続く。沖縄県など暖地ではでも開花する。日当たりと水はけのよい土壌を好み、品種により草丈が異なるため草丈に合った間隔でを植え付ける。土壌の表面が乾いたら水やりをする。種で増やす。タネは低温では発芽不良になるので、一般にヤエザクラの花散る頃に播種する。は乾燥のし過ぎに注意。ケイトウの仲間は肥料のやりすぎで巨大化するので要注意[3][4]

品種としてノゲイトウに近似したキャンドル状の花序を持つ、「コスモシリーズ」、「スパイキーシリーズ」など、草丈の低い品種が流通しているが、これらはノゲイトウとは別種の、セロシア・スピカータ(C. spicata)である[4]

ギャラリー 編集

脚注 編集

関連項目 編集