ノルボルナジエン:Norbornadiene)は、有機化合物である。この二環式の炭化水素は、ノルボルナンノルボルネンから誘導される最も安定したジオレフィンである。ノルボルナジエンは、均一系触媒における配位子として主に関心が持たれたが、その高い反応性や異性化できないジエンとしての独特の構造的な特性により盛んに研究されている。

ノルボルナジエン
識別情報
CAS登録番号 121-46-0 チェック
PubChem 8473
EC番号 204-472-0
特性
化学式 C7H8
モル質量 92.14 g/mol
密度 0.906 g/cm³
融点

-19 °C, 254 K, -2 °F

沸点

89 °C, 362 K, 192 °F

への溶解度 Insoluble
危険性
Rフレーズ R11
Sフレーズ S9 S16 S29 S33
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

合成 編集

ノルボルナジエンは、シクロペンタジエンアルキンとの間でディールス・アルダー反応を経由して形成される。

 
Norbornadiene synthesis

反応 編集

クアドリシクランは、アセトフェノンのような増感剤が存在する場合に光反応によりノルボルナジエンから得られる構造異性体である[1]

 

脚注 編集

  1. ^ Gregory W. Sluggett, Nicholas J. Turro, and Heinz D. Roth (1997). “Rh(III)-Photosensitized Interconversion of Norbornadiene and Quadricyclane”. en:J. Phys. Chem. A 101: 8834–8838. doi:10.1021/jp972007h.