ハイアットホテルアンドリゾーツ

アメリカの国際的ホテルグループ

ハイアット ホテルズ アンド リゾーツHyatt Hotels and Resorts)は、アメリカ合衆国に本拠地を置く国際的なホテルグループである。現在、ハイアット、アンダーズなどのブランドで、世界70カ国に1150軒以上のホテル及びオールインクルーシブ施設を展開している[2]

Hyatt Hotels and Resorts Corporation
種類
公開
市場情報 NYSEH (Class A)
FWB1HTA
Russell 1000 Component
業種 ホスピタリティ産業 ウィキデータを編集
設立 1957年9月27日 (66年前) (1957-09-27)
創業者 Hyatt Robert von Dehn
Jack Dyer Crouch
本社 シカゴ, Illinois,
United States
拠点数
1,335 hotels; 322,141 rooms (2023)
事業地域
Worldwide
主要人物
Thomas Pritzker
(Executive Chairman)
Mark Hoplamazian
(President and CEO)
製品 ホテル・リゾート
売上高 増加 US$6.67 billion (2023)
営業利益
減少 US$305 million (2023)
利益
減少 US$220 million (2023)
総資産 増加 US$12.8 billion (2023)
純資産 減少 US$3.56 billion (2023)
従業員数
c. 206,000 (2023)
子会社 アップル・レジャー・グループ
ウェブサイト hyatt.com
Footnotes / references
[1]
グランドハイアット東京
Hyatt Regency(香港)

概要 編集

 
ハイアット リージェンシー ケルン

創設者はシカゴの大資産家であるプリツカー家で、1957年カリフォルニア州ロサンゼルスで一軒のホテルを買収したことからハイアットの歴史が始まった。

1962年にはそれまでに買収した数件のホテルを経営する会社としてハイアット・コーポレーション(Hyatt Corporation)を設立。その後1969年にはアメリカ合衆国カナダカリブ海地域以外の国々でホテルを運営する別会社のハイアット・インターナショナル・コーポレーション(Hyatt International Corporation)を設立した。

現在、双方はシカゴを拠点とするグローバル ハイアット コーポレーションにより運営されている。

2009年11月5日に、ハイアット・ホテルズは、ニューヨーク証券取引所に上場。財務の健全さが評価された。

2018年にトゥー・ローズ・ホスピタリティー、2021年にアップル・レジャー・グループ、2023年にドリームホテルグループを買収している。

ブランド 編集

現行ブランド 編集

ハイアットには以下のブランドがある。

パークハイアット (Park Hyatt)
隠れ家的コンセプトを持つ、300室以下のスモール・ラグジュアリホテル。客室数が少ない分きめ細かなサービスができることが特徴である。ハイアットのブランドの中でも最上位の位置づけ。
アンダーズ (Andaz)
新しいタイプの高級なデザインホテル。「アンダーズ」はヒンディー語で「パーソナルスタイル」を意味する[3]
 
ハイアットリージェンシー・ホノルル
(1986年には日本の麻布建物が取得して話題となった)
グランドハイアット (Grand Hyatt)
伝統的なグランドホテルの雰囲気を現代的にアレンジした、格調高いインテリアとサービスが特徴である。300室以上の規模を持つ大型ホテル。
ハイアットリージェンシー (Hyatt Regency)
ハイアット創業以来の基軸ブランドで、地方都市にも展開しビジネスやレジャーに幅広く対応しているのが特徴である。とくに、1967年に開業したハイアットリージェンシーアトランタで初めて用いられた巨大なアトリウムは大きな反響を呼び、以後ハイアット・リージェンシーの特徴として、アトリウムを持つホテルを多く展開した。
ハイアット (Hyatt)
200 - 600室のフルサービスホテル。主要都市の中級ホテルと競合するクラス。
ハイアットセントリック(Hyatt Centric
2015年に誕生したブランド。ハイアットリージェンシーと同様に、こちらもビジネスやレジャーに幅広く対応している。
ハイアットリゾート (Hyatt Resort)
リゾート地に立地するホテル。施設に応じてパークハイアット、グランドハイアット、ハイアットリージェンシーのブランドと併用されるほか、立地によってはリゾート&スパなどの名称が用いられることもある。
ハイアットプレイス (Hyatt Place)
宿泊主体のリミテッドサービスホテル。2005年に買収したアメリスイーツ英語版をリブランドした[4]。ハイアットの中では比較的廉価なブランド。
ハイアットハウス (Hyatt House)
キッチンなどを備えた長期滞在型ホテル。過去ハイアット サマーフィールド・スイーツ、ホテルシエラなどと呼ばれた。
ハイアットレジデンスクラブ (Hyatt Residence Club)
タイムシェア型のリゾート・オーナーシップ。
アンバウンドコレクション by Hyatt(The Unbound Collection by Hyatt)
独立系ホテルコレクションブランド。
キャプション by Hyatt (Caption by Hyatt)
セレクトサービス型のライフスタイルホテルブランド。

かつて運営していたブランド 編集

U.S.フランチャイズ システムズ
ホーソン スイーツ、マイクロテル、アメリカズ・ベスト・インズをフランチャイズ経営。2008年7月に売却された。

世界各国での展開 編集

  日本 編集

 
パークハイアット東京
 
グランドハイアット福岡

ハイアットリージェンシー 編集

ハイアットリージェンシー東京
東京都新宿区小田急と提携して1980年昭和55年)にハイアットが日本に初進出したホテルで、新宿新都心に立地する高層ホテル。旧名称はホテルセンチュリーハイアット、センチュリーハイアット東京。
ハイアットリージェンシー京都
京都市東山区。旧京都パークホテルをモルガン・スタンレーが買収して開業。
ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ
神奈川県箱根町森トラストによる旧グランフォーレ強羅ホテルを、モルガン・スタンレーが買収して開業し、2010年平成22年)7月5日に香港の新鴻基地産が買収した。
ハイアットリージェンシー那覇沖縄
沖縄県那覇市。敷地面積約4600平方メートル、地上18階建て(約66メートル)に、「沖縄の風と水を感じる」をコンセプトとした客室がツイン280室、スイート14室の計294室。また、4つのレストランを有する。ハイアットホテルズコーポレーションとフランチャイズ契約を結び、ケン・コーポレーションが運営するため、プレミアホテルグループのホテルでもある。2015年7月2日開業[5]
ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド 沖縄
沖縄県恩納村。2018年8月21日開業[6]東急不動産NTT都市開発ミリアルリゾートホテルズの3社が共同して設立した瀬良垣ホテルマネジメント株式会社の運営[7]
ハイアットリージェンシー横浜
2020年5月23日に横浜市中区山下町に開業した[8]
ハイアットリージェンシー東京ベイ
千葉県浦安市。2019年7月1日開業し、2021年7月12日に現名称に改称された、旧名称はハイアットプレイス東京ベイ。[9]

グランドハイアット 編集

グランドハイアット東京
東京都港区森ビルが所有するホテルで、六本木ヒルズ内に立地。
グランドハイアット福岡
福岡市博多区星野リゾートと提携したホテルで、キャナルシティ博多内に立地。

パークハイアット 編集

パークハイアット東京
東京都新宿区東京ガスと提携した超高層ホテルで、新宿パークタワーの高層部を占める。
パークハイアット京都
京都市東山区。料亭・山荘京大和の敷地内に立地する。地上2階、地下4階の低層建築で設計施工は竹中工務店、インテリア設計は他のハイアットのホテルも手がけるトニー・チーとの共同。2019年10月30日に開業した。
パークハイアット ニセコHANAZONO
北海道虻田郡倶知安町ニセコHANAZONOリゾートにあり、ホテルや日本国内初となる「パークハイアットレジデンス」を展開しているほか、北海道内初となるラグジュアリー(最高級)ホテルとして開業した[10]

ハイアットセントリック 編集

ハイアットセントリック銀座 東京
日本かつアジアで初のハイアットセントリックとして、2017年10月に竣工した「東京銀座朝日ビルディング」内に2018年1月22日に開業[11][12]
ハイアットセントリック金沢
金沢駅金沢港口の再開発用地に2020年8月1日に開業。

ハイアットハウス 編集

ハイアットハウス 金沢
2020年8月1日に同一敷地内のハイアットセントリック金沢と共に開業[13]。同一敷地内にハイアットによる複数ブランドのホテルが進出するのは日本初である。

ハイアットプレイス 編集

ハイアットプレイス京都
京都市中京区関電不動産開発が所有しエフ・ジェイホテルズが経営する。京都商工会議所ビルの跡地に2021年10月1日竣工、2022年4月1日開業。丸太町駅と直結している。

アンダーズ 編集

アンダーズ東京
東京都港区虎ノ門ヒルズ内。グランドハイアット東京と同じく森ビルが所有する超高層ビルの高層部を占める。

アンバウンドコレクション by Hyatt 編集

富士スピードウェイホテル
静岡県小山町。2022年10月開業。国際サーキットである富士スピードウェイと富士山を望むロケーションにあり、トヨタ不動産(発表当時は東和不動産)としては、初めてのホテル進出となる。また、日本国内初のアンバウンド コレクション by Hyattブランドのホテルである。

かつて存在したホテル 編集

ホテルセンチュリーハイアット名古屋
名古屋市中村区。小田急との提携による2号店で、名古屋駅から徒歩4分の場所に立地。ハイアットリージェンシーのカテゴリーにもかかわらず、115室の小規模ホテルとして開業した。小田急の撤退後は、地元資本のナカモアコーホテルズと提携してソフィテル・ザ・サイプレス名古屋として営業した後、2011年平成23年)4月からザ サイプレス メルキュールホテル名古屋と改称して営業している。
ハイアット・レジデンシャルスイート福岡
福岡市早良区にある、長期滞在用のサービスアパートメント。2012年6月1日より、ザ・レジデンシャルスイート・福岡と改称。
ハイアットリージェンシー福岡
福岡市博多区。福岡地所と提携したホテルで、マイケル・グレイヴス設計の個性的な建物が特徴。2019年5月31日で契約満了に伴い閉館。その後は約半年の改装の後、福岡地所グループのエフ・ジェイホテルズが運営するホテル「THE BASICS FUKUOKA」となった[14]
ハイアットリージェンシー大阪
大阪市住之江区。都心から離れた大阪南港に立地するコンベンションホテル。見本市会場インテックス大阪に隣接。旧名称はハイアットリージェンシーオーサカ。2023年7月1日より、グランドプリンスホテル大阪ベイと改称。
ハイアットハウスニセコ
北海道虻田郡倶知安町。タイのチャトリウムホテルス&レジデンスが運営する「チャトリウムニセコ」となった。


新規オープン予定 編集

  • ホテル虎ノ門ヒルズ, アンバウンドコレクション by Hyatt (205室)-2023年12月6日オープン予定
  • キャプション by Hyatt なんば 大阪(167室、地上11階) - 2024年前半オープン予定
  • キャプション by Hyatt 兜町 東京(200室、地上12階、地下1階) - 2025年オープン予定
  • ハイアット セントリック 札幌 札幌市 北海道(216室、地上26階、地下2階) - 2026年6月末頃[15][16]
  • ハイアット ハウス 東京 渋谷(126室)- Shibuya Sakura StageSAKURAタワー1階~3階、6階~16階に入るサービスアパートメント。2024年2月に開業予定[17]

  韓国 編集

パークハイアット釜山
パークハイアットソウル
グランドハイアットソウル
グランドハイアットインチョン
ハイアットリージェンシー済州

  中国 編集

パークハイアット北京
北京銀泰センターの一部を占めている。
パークハイアット上海
上海環球金融中心の79階から93階を占めている。
グランドハイアット上海
ジンマオタワーの53階から87階を占めている。
グランドハイアット深圳
羅湖区の中心部に位置している[18]。客室は467室。
ハイアット リージェンシー 深圳 エアポート
深圳宝安国際空港#エアポートホテル深圳空港直結のエアポートホテル。
グランドハイアット広州
広州の高層ビルが立ち並ぶビジネス街の珠江新市街沿いに位置している[19]。客室数は368室あり、広州東駅まで車で15分。
ハイアットリージェンシー 青島
シラオレンビーチに位置している。
グランドハイアット長沙
華園国際センターの46階から61階を占めている。
グランド ハイアット大連
港町として知られる大連市の星海ビーチに所在し、空港、鉄道駅、ポートターミナルにアクセスしやすい便利な場所に位置している。

  香港 編集

グランドハイアット香港
香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターの一部を占めている。
ハイヤットセントリック

  台湾 編集

グランドハイアット台北

  タイ 編集

グランドハイアット・エラワン・バンコク
パークハイアット・バンコク
ハイアットリージェンシー・バンコク・スクムヴィット
ハイアットプレイス・バンコク・スクムヴィット
ハイアットリージェンシー・フアヒン
アンダーズ・パタヤ・ジョムティエンビーチ
ハイアットリージェンシー・プーケットリゾート
ハイアットリージェンシー・コーサムイ

かつて存在したホテル 編集

セントラル・ハイアット・ホテル
後のソフィテル・センタラ・グランド・バンコク

  シンガポール 編集

グランドハイアット・シンガポール

  インド 編集

パークハイアット・チェンナイ

  アラブ首長国連邦/  アブダビ首長国 編集

ハイアット・キャピタルゲート
キャピタルゲートの一部を占めている。

  エジプト 編集

かつて存在したホテル 編集

グランドハイアット・カイロ
後のグランド・ナイル・タワー・ホテル

  アメリカ合衆国 編集

ザ・コスモポリタン
ラスベガスのホテルカジノ複合施設で、ホテル部分のみハイアットが運営している。
ハイアット リージェンシー ベルビュー オン シアトルズ イーストサイド
ベルビュープレイスの一部を占めている。

  メキシコ 編集

ハイアットリージェンシー・メキシコシティ
かつてのホテル・ニッコー・メキシコ

事件・不祥事 編集

  • 2014年5月30日正午頃、グランドハイアット東京において、当時の総支配人が多目的トイレに20代女性客を案内した際、無理矢理キスをした上、下半身を触らせたなどとして、スペイン国籍アントニオ・アルバレズに強制わいせつ容疑の逮捕状が発行された[20]

関連項目 編集

脚注・出典 編集

  1. ^ 2023 Annual Report (Form 10-K)”. U.S. Securities and Exchange Commission (2024年2月23日). 2024年2月26日閲覧。
  2. ^ ABOUT HYATT [1]
  3. ^ ハイアットの高級デザインホテル「アンダーズ 東京」が2014年夏に日本初上陸 - FASHION PRESS・2013年9月16日
  4. ^ 「クローズ・アップ」『月刊ホテル旅館』(柴田書店刊)2005年10月号112ページ。
  5. ^ ハイアット沖縄 那覇・桜坂に15年7月開業 沖縄タイムス 2014年12月4日
  6. ^ ハイアット国内初ビーチリゾート ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド 沖縄 本日8月21日開業 ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド 沖縄 2018年8月21日
  7. ^ ハイアット リージェンシー瀬良垣アイランド 沖縄 開業日を2018年8月21日に決定 8月分の宿泊予約を6月1日より受付開始 東急不動産 2018年5月21日
  8. ^ ハイアットリージェンシー横浜のバイト求人&ホテル情報は?2020年春開業!(都市レポ 2018年2月27日作成、2019年6月7日更新)
  9. ^ 日本初進出の「ハイアット プレイス 東京ベイ」、7月1日開業。予約受付開始”. インプレス トラベルWatch (2019年4月11日). 2019年8月29日閲覧。
  10. ^ 倶知安花園に最高峰ラグジュアリーホテル北海道第1号「パークハイアットニセコHANAZONO」20日開業”. リアルエコノミー (2020年1月20日). 2020年1月21日閲覧。
  11. ^ ハイアットの最新ライフスタイルホテルブランド「ハイアット セントリック」が日本初進出! 2015年12月22日
  12. ^ 「ハイアット セントリック 銀座 東京」が銀座・並木通りに1月22日開業。パーティも開けるスイートルームなど公開 2018年1月18日
  13. ^ “ハイアット、日本で長期滞在型ホテル まず金沢に20年開業”. 日本経済新聞電子版. (2016年6月7日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ07HD1_X00C17A6000000/ 2017年6月8日閲覧。 
  14. ^ 2019年5月に閉館し、2019年冬に新しいホテルとしてリブランドオープンいたします - エフ・ジェイ ホテルズ 2018年6月8日(2018年6月8日閲覧)
  15. ^ 札幌にハイアットが初進出 ホテル名称は「ハイアットセントリック札幌」に決定、2024年春開業 - NTT都市開発株式会社
  16. ^ 施工中工事における鉄骨建方等の精度不良について - 大 成 建 設 株 式 会 社
  17. ^ “渋谷・桜丘に米サービスアパートメント「ハイアット ハウス」 都内初”. シブヤ経済新聞. (2023年2月15日). https://www.shibukei.com/headline/17299/ 2023年3月2日閲覧。 
  18. ^ https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/china/grand-hyatt-shenzhen/shegh
  19. ^ https://www.hyatt.com/en-US/hotel/china/grand-hyatt-guangzhou/guagh?src=agn_ip_prop_sem_guagh_other_zh_google_MB_20190327_en-brand-mb_phrase_en-brand_02255
  20. ^ [2]2014年9月2日東京新聞掲載、2014年9月15日閲覧

外部リンク 編集